初心者におすすめのオールドレンズ17選 マウントアダプターで楽しむ中古レンズのススメ
今回は、初心者の方がこれから初めて撮影するのにおすすめのオールドレンズを紹介します。
オールドレンズ。
フィルムカメラの時代の、マニュアルフォーカスのレンズのことです。
SONYやFUJIFILM、CanonやOLYMPUSなど、いま広く使われているミラーレス一眼カメラには、「マウントアダプター」を使うことで、フィルムカメラの時代の「オールドレンズ」を取り付けることが可能です。
※CanonやNikon、PENTAXのデジタル一眼レフカメラにも、取り付けられるオールドレンズがありますよ!
オールドレンズは、「質感ある写真が撮れる!」「写りがよい!」「安い!」「レンズ自体のつくりがよい!」と、写真の楽しみをぐっと広げてくれる魅力的なアイテム。
もしミラーレス一眼カメラや、デジタル一眼レフカメラを持っていたら、ぜひ一度はオールドレンズを使ってみるのがおすすめ。
手ごろな値段で美しく味のある写真が楽しめますよ!
とはいえ、初心者の方にとって、どんなオールドレンズがよいのかはわかりにくいもの。
そこで、中古フィルムカメラを多数取り扱ってきた当店が、おすすめのオールドレンズを一挙紹介します!
目次
- 初心者におすすめのオールドレンズ
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
- 初心者におすすめのオールドレンズ17選
- 1.Super Takumar 55mm F1.8
- 2.Super Takumar 28mm F3.5
- 3.Helios-44 58mm F2
- 4.MIR-1B 37mm F2.8
- 5.Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.8
- 6.Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4
- 7.Meyer Domiplan 50mm F2.8
- 8.CONTAX Planar 50mm F1.4
- 9.Jupitar-8 50mm F2
- 10.Industar-61 52mm F2.8
- 11.Nikkor-H.C. 5cm F2
- 12.Elmar 5cm F3.5
- 13.FUJINON 55mm F2.2
- 14.F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8(PEN F用)
- 15.Canon FD 50mm F1.4 S.S.C
- 16.Nikkor-H Auto 28mm F3.5
- 17.MC ROKKOR-PF 55mm F1.7
- オールドレンズの世界に踏み入れてみませんか?
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
- 更新履歴
初心者におすすめのオールドレンズ
ミラーレス一眼カメラやデジタル一眼レフカメラでの撮影がさらに楽しくなるオールドレンズ。
今回は、初心者の方がこれから手に入れるのにおすすめのオールドレンズを一挙紹介します!
初心者のためのオールドレンズの選び方
これから初心者の方が初めてオールドレンズを選ぶとき、重要となってくるのが持っているデジタルカメラの種類。
デジタル一眼カメラは、「センサーサイズ」により種類が分かれています。
センサーサイズとは、カメラの内部にある、写真を撮るための「イメージセンサーの大きさ」のこと。
いま、広く使われているセンサーサイズは大きく分けて3種類。
フルサイズ(35mmフルサイズ) | 画面サイズ約36x24mm |
APS-Cサイズ | 画面サイズ約23.4×16.7mm |
マイクロフォーサーズ(M4/3) | 画面サイズ約17.3x13mm |
です。
これによりなにが異なってくるかというと、取り付けたレンズの「画角」、すなわち、どれくらいの範囲が写真に写るのか、ということです。
広い範囲を撮ることができるレンズを「広角レンズ」、遠くのものを拡大したように撮影できる(=狭い範囲を撮る)レンズを「望遠レンズ」と呼びますが、
同じレンズを取り付けたときでも、
フルサイズのカメラよりも、APS-Cサイズのカメラのほうが。
APS-Cサイズのカメラよりもマイクロフォーサーズのカメラのほうが。
狭い範囲が写ることになり、望遠レンズ寄りの画角となるのです。
センサーサイズごとのおすすめレンズ
このように、センサーサイズによって、同じレンズを取り付けたときでも、実際に写る範囲(画角)が変わります。
それにより、カメラのセンサーサイズごとにおすすめのレンズも変わってくるのです。
具体的には……
フルサイズのカメラにおすすめのオールドレンズ焦点距離
どれでもOKです。
オールドレンズの多くは、「フルサイズ」のデジタル一眼カメラの規格のもとになった、35mmフィルムカメラ用のもの。
そのため、もともとレンズが設計されたときに想定されたとおりの画角で使うことができますよ。
APS-Cサイズのカメラにおすすめのオールドレンズ焦点距離
広角気味のレンズがおすすめ。
具体的には、28mmや35mmが選択肢が多く見つけやすいです。
フルサイズ換算の焦点距離は約1.5倍になります。
28mmレンズは約42mmの準広角に。
35mmレンズは約52mmの標準レンズになり、どちらも使いやすい画角です。
いっぽう、安価で中古の商品数が多い焦点距離50mmのレンズを取り付けた場合には、焦点距離が約75mmとなり、人物を撮るポートレート撮影に最適です。
なお、運動会やスポーツ、電車や飛行機などを撮る場合、例えば200mmのレンズを取り付けると300mm相当、300mmのレンズを取り付けると450mm相当になるなど、センサーサイズが小さいというメリットを積極的に活かすことができますよ。
マイクロフォーサーズのカメラにおすすめのオールドレンズ焦点距離
マイクロフォーサーズはセンサーサイズが小さく、フルサイズ換算の焦点距離は約2倍となります。
そのため、中庸で使いやすい画角のレンズがほしいときには、焦点距離28mm以下の広角レンズがおすすめだといえるでしょう。
28mmのレンズの場合、換算約56mmとなり、少し長めの標準レンズとなります。
もちろん、さらに広角のレンズを取り付ければ、24mmは約48mm、20mmは約20mmとなりますが、24mmより広角のオールドレンズは中古価格が高めなので、初心者の方の初めてのレンズとしてはそこまでおすすめできないかもしれません。
いっぽう、マイクロフォーサーズのカメラに望遠レンズを取り付けると、「換算焦点距離が2倍になる」特性を活かした撮影が可能。
200mmのレンズが400mm相当に、300mmのレンズが600mmになるので、次元が違う撮影が楽しめますよ。
[oldlens]
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
初心者におすすめのオールドレンズ17選
さて、それでは具体的に、初心者の方にぜひおすすめしたいオールドレンズについて解説します!
1.Super Takumar 55mm F1.8
こんな人におすすめ!
- まずは定番レンズ!
- 安価なオールドレンズが欲しい
- コンパクトなオールドレンズが欲しい
メーカー | ペンタックス(旭光学) |
マウント | M42マウント |
必要なマウントアダプター | M42マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ CanonとPENTAXのデジタル一眼レフカメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:55mm APS-C:約82mm マイクロフォーサーズ:約110mm |
PENTAX Super Takumar(スーパータクマー)50mm F1.8は、「M42マウント」のオールドレンズ。
日本のカメラブランド、ペンタックスが1960年代に製造し、一世を風靡したレンズです。
特徴はコンパクトなこと。
そして、クラシックなふんわりとした、それでいてしっかりと繊細に線を描き出す描写。
1960年代の一眼レフ用レンズのなかでも、世界的に「もっとも売れた」メジャーなレンズだっただけあって、その描写はハイレベルです。
サイズも小さく取り回しは良好。
また金属製の鏡筒は仕上げも上質です。
全世界で数百万台が売れたペンタックスのフィルムカメラのレンズで、製造数がとても多いので中古でも安価に入手可能。
初心者の方のための初めてのオールドレンズに最適です。
レンズマウントの「M42」マウントは全世界的に使われた規格で、このペンタックス以外にも多くのメーカーのオールドレンズが存在。
この記事で紹介している他のM42マウント用オールドレンズをはじめ、多彩な名玉が楽しめますよ!
まず最初にオールドレンズを手に入れるなら、M42マウントがおすすめかもしれません。
このレンズに対応するマウントアダプター
作例・関連記事
こちらの記事で作例をさらに紹介しています(撮影:雨樹一期)。
[オールドレンズ撮り比べ4] PENTAX Super Takumar 55mm F1.8はTHE 入門レンズ。でも実は写りは絶品!
レンズの詳細については以下の記事もぜひご覧ください。
2.Super Takumar 28mm F3.5
こんな人におすすめ!
- フルサイズカメラで広角のオールドレンズが欲しい
- APS-Cやマイクロフォーサーズ用の手ごろなオールドレンズが欲しい
- 安価なオールドレンズが欲しい
メーカー | ペンタックス(旭光学) |
マウント | M42マウント |
必要なマウントアダプター | M42マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ CanonとPENTAXのデジタル一眼レフカメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:28mm APS-C:約42mm マイクロフォーサーズ:約56mm |
PENTAX Super Takumar 28mm F3.5。
上で紹介したSuper Takumar 55mm F1.8と同じシリーズの広角レンズです。
こちらも、1960年代のオールドレンズのなかでも、とてもメジャーなもののひとつ。
こちらは焦点距離が28mmの広角レンズとして製造されたもので、なかなかの好描写を味わうことが可能です。
1960年代の一眼レフ用広角レンズといえば、歪曲収差(まっすぐな線が、画面周辺部で曲がって写ってしまう)が生じることがありがちですが、このSuper Takumar 28mm F3.5は、時代を考えるとよく補正されています。
開放値F3.5という無理のないスペックも上質な描写の要因だといえます。
フルサイズカメラに取り付けると、広角レンズならではのダイナミックな画作りが楽しめますよ。
いっぽう、28mmという焦点距離は、APS-Cのカメラでは準広角レンズ、マイクロフォーサーズでは標準レンズ相当に。
28mmの焦点距離のレンズのなかでも安価なため、両者を持っている方にはとくにおすすめできます。
このレンズに対応するマウントアダプター
3.Helios-44 58mm F2
こんな人におすすめ!
- 海外製レンズが使ってみたい!
- 歴史を感じるレンズが使いたい!
- レンズのバリエーションを増やしたい
メーカー | 旧ソ連製 |
マウント | M42マウント |
必要なマウントアダプター | M42マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ CanonとPENTAXのデジタル一眼レフカメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:58mm APS-C:約87mm マイクロフォーサーズ:約116mm |
海外製のオールドレンズの入門編としておすすめなのが、ロシア(旧ソ連)製のレンズ、Helios(ヘリオス) 58mm F2。
旧ソ連では、上記のPENTAX用レンズと同じ、M42マウントのレンズが盛んに製造されていました。
このHelios 58mm F2は、そんなロシア製M42マウントレンズのなかでも代表的なものです。
旧ソ連のレンズは、第二次世界大戦後にドイツから技術を移転していることが特徴。
じつはこのHelios 58mm F2も、ドイツのカメラメーカー、Carl Zeiss(カール・ツァイス)のBiotar(ビオター)のコピー製品なのです。
コピー製品とはいえ、その技術はドイツの血筋を受け継いだもの。
ポートレートを撮るととくに絶品です。
良質な描写を存分に味わいませんか?
このレンズに対応するマウントアダプター
作例・関連記事
こちらの記事で作例をさらに紹介しています(撮影:雨樹一期)。
[オールドレンズ探訪記] Helios-44-2 58mm F2はオールドレンズらしさを堪能できるレンズ(作例・撮影Tipsあり)
レンズについての解説はこちら
4.MIR-1B 37mm F2.8
こんな人におすすめ!
- 海外製のレンズを使ってみたい!
- APS-Cで標準になるレンズが欲しい!
- フルサイズで一味違う広角レンズが欲しい
メーカー | 旧ソ連製 |
マウント | M42マウント |
必要なマウントアダプター | M42マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ CanonとPENTAXのデジタル一眼レフカメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:37mm APS-C:約55mm マイクロフォーサーズ:約74mm |
こちらのMIR-1B 37mm F2.8も、旧ソ連製のレンズ。
フルサイズでは使いやすい準広角。
いっぽうAPS-Cサイズではほぼ標準レンズとして使えます。
レンズ名のMIR(ミール)という名前は、かつて旧ソ連の宇宙ステーションにも付けられていた単語。
ロシア語で「平和」を意味する言葉です。
かつての冷戦時代には手に入れることができなかった旧ソ連製レンズ。
本家 Flektogon 35mm F2.8よりずっとリーズナブルに手に入るので、旧ソ連製広角レンズを味わってみるのもおすすめです。
このレンズに対応するマウントアダプター
5.Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.8
こんな人におすすめ!
- 世界一のレンズメーカーCarl Zeissのレンズが使いたい!
- 描写に優れたレンズが使いたい
- ドイツの光学技術は世界一!
メーカー | Carl Zeiss Jena |
マウント | M42マウント |
必要なマウントアダプター | M42マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ CanonとPENTAXのデジタル一眼レフカメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:50mm APS-C:約75mm マイクロフォーサーズ:約100mm |
Carl Zeiss Jena(カール・ツァイス・イエナ)は、東ドイツの光学機器メーカー。
19世紀から世界一の光学機器メーカーとして有名だったカール・ツァイスは、戦後、ドイツが東西に分断されたことにより、会社も分割されることとなります。
旧東ドイツでその血筋を受け継いだのが、このCarl Zeiss Jena。
そして、その東独ツァイス製のレンズの代表ともいえるのが、このPancolar(パンカラー)50mm F1.8なのです。
Pancolarはダブルガウス型というレンズ構成形式の標準レンズ。
西ドイツのカール・ツァイスでいえば、名玉として名高いPlanar(プラナー)に相当する製品です。
それだけに、カール・ツァイスならではの流麗な描写力と解像力はそのまま。
東独ツァイスのレンズは西独製に比べて少々泥臭い描写という向きもありますが、いまの目で見れば、そのクラシカルさを残した味わいが、オールドレンズの楽しみとしてメリットになるのです。
レンズマウントがM42マウントなので、日本製やロシア製のレンズと使い分けることができるのもうれしいところ。
(そもそもM42マウントは東ドイツで発達したマウントで、日本のメーカーは後からそれを取り入れたのです)
ぜひあなたもPancolar 50mm F1.8でツァイス入門してみませんか?
このレンズに対応するマウントアダプター
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6.Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4
こんな人におすすめ!
- ツァイスの広角レンズが使いたい!
- 歴史を作ったレンズが使いたい!
- ドイツの製品に魅力を感じる!
メーカー | Carl Zeiss Jena |
マウント | M42マウント |
必要なマウントアダプター | M42マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ CanonとPENTAXのデジタル一眼レフカメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:35mm APS-C:約52.5mm マイクロフォーサーズ:約70mm |
Flektogon(フレクトゴン)35mm F2.4も、東ドイツの光学機器メーカー、Carl Zeiss Jenaが生み出したおすすめのレンズ。
東ドイツのカール・ツァイスは、西ドイツのツァイス製品よりもずっとリーズナブル。
世界一のレンズとして名高いツァイスの名玉を、手ごろに使うことができますよ。
じつはこのFlektogonは、一眼レフカメラ用レンズの歴史を彩った名玉。
日本製のカメラが世界を席巻する以前の1940〜1950年代、一眼レフカメラは東ドイツを中心に発展しました。
そのなかで、このFlektogonは、初期の実用的広角レンズとして生み出され、「レトロフォーカス型」というレンズが発展する契機を作った記念碑的製品です。
最初は開放値F2.8に始まり、途中でF2.4に改良されています。
ツァイスならではの味わい深い描写はこちらも存分に味わえますよ!
35mmという焦点距離なので、APS-Cサイズのデジタル一眼カメラでは標準レンズとして使うことも可能です。
このレンズに対応するマウントアダプター
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7.Meyer Domiplan 50mm F2.8
こんな人におすすめ!
- 変わった形の「ボケ」を楽しみたい!
- 個性的なレンズがほしい!
- 安価な海外製レンズがほしい!
メーカー | Meyer Optik |
マウント | M42マウント |
必要なマウントアダプター | M42マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ CanonとPENTAXのデジタル一眼レフカメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:50mm APS-C:約75mm マイクロフォーサーズ:約100mm |
Domiplan(ドミプラン) 50mm F2.8は、東ドイツの光学機器メーカー、Meyer(メイヤー)の一眼レフカメラ用のレンズ。
オールドレンズ愛好家の間では「クセ玉」として有名なひとつです。
クセ玉、つまり、描写にとてもクセがあるレンズ。
このレンズがそう呼ばれる理由は、「バブルボケ」が現れるため。
すなわち、ピントが合っていない、ボケている部分の描写が独特で、まるでぶくぶくと泡立っているような変わり種のボケが楽しめるのです。
変化球のレンズが使いたいなら、Domiplanはおすすめの逸品。
現代レンズではなかなか味わえない描写を楽しめるのは、中古のオールドレンズならではの楽しみです。
このレンズに対応するマウントアダプター
8.CONTAX Planar 50mm F1.4
こんな人におすすめ!
- 最高のレンズがほしい
- 美しい色合いがほしい
- 西ドイツのカール・ツァイスのレンズが使いたい
メーカー | Carl Zeiss(京セラ) |
マウント | ヤシカ・コンタックスマウント |
必要なマウントアダプター | ヤシカ・コンタックスマウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ Canonのデジタル一眼レフカメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:50mm APS-C:約75mm マイクロフォーサーズ:約100mm |
オールドレンズでとにかく美しい写真が取りたいなら。
このCONTAX用 Planar T* 50mm F1.4はもっともおすすめできる逸品かもしれません。
CONTAXとは、西ドイツのカール・ツァイスと、日本のカメラメーカー、ヤシカ(途中で買収され京セラに)が合弁で1975年に立ち上げたカメラブランド。
CONTAXには西ドイツのカール・ツァイスから「本物」のツァイスレンズが供給。
実際には日本製とドイツ製の双方がありますが、どちらも描写は世界最良レベルです。
(M42マウントの東独製ツァイスがけっして劣るものではないですが)世界トップの描写が味わえます。
「オールドレンズ」といいますが、このCONTAX用Planar T* 50mm F1.4は、マニュアルフォーカス(ピントを手動で合わせる)であること以外、はっきりいって現代の最新レンズと互角に戦うことができる逸品。
それだけに東ドイツ製のツァイスレンズよりは高価ですが、それでもお釣りがくるレベルの超絶描写を得ることができるでしょう。
使用時には、ヤシカ・コンタックスマウント(Y/Cマウント)用のマウントアダプターを用意しましょう。
このレンズに対応するマウントアダプター
作例・関連記事
こちらの記事で作例をさらに紹介しています(撮影:雨樹一期)。
ヤシカ・コンタックスのツァイスレンズについてはこちらでも解説しています。
併せてご覧ください。
9.Jupitar-8 50mm F2
こんな人におすすめ!
- レンジファインダーカメラ用レンズが欲しい!
- 物語性の高いレンズが欲しい!
- ゾナー型レンズの描写を安価に味わいたい!
メーカー | 旧ソ連製 |
マウント | ライカL39マウント キエフ(コンタックス)マウント |
必要なマウントアダプター | ライカL39マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:50mm APS-C:約75mm マイクロフォーサーズ:約100mm |
Jupiter-8(ジュピター8)50mm F2は、旧ソ連製のレンジファインダーカメラ用レンズ。
マウントは、ライカをはじめレンジファインダーカメラでかつてデファクトスタンダードだった、「ライカLマウント」です。
(キエフ/コンタックス用のものもあり)
このJupiter-8もまた、旧ソ連が第二次世界大戦後にドイツから技術を移入して生み出したレンズ。
戦時賠償としてカール・ツァイスの技術や設備をそのまま国内に移転した旧ソ連。
このJupiter-8は、戦前に超高性能レンズとして有名だった、カール・ツァイスのSonnar(ゾナー)5cm F2をそのままデッドコピーしたものなのです。
基本設計が戦前のものであるにもかかわらず、描写のキレはとても良好。
開放付近で撮っても美しいボケを味わうことができますよ。
また旧ソ連製レンズの例に違わず、このレンズもとても安価です。
なによりも、ドイツから旧ソ連へ、そして戦後数十年にわたってそのまま作り続けられたという物語性は魅力的。
オールドレンズを楽しむなら、ぜひおすすめしたい逸品です。
このレンズに対応するマウントアダプター
作例・関連記事
こちらの記事で作例をさらに紹介しています(撮影:雨樹一期)。
[オールドレンズ探訪記] Jupiter-8 5cm F2(ジュピター)1955年製の実力とは!?(作例・撮影Tipsあり)
レンズについての解説はこちら
10.Industar-61 52mm F2.8
こんな人におすすめ!
- 安価なオールドレンズがほしい!
- レンジファインダーカメラ用レンズがほしい!
- ロシアレンズに入門したい!
メーカー | 旧ソ連製 |
マウント | ライカL39マウント |
必要なマウントアダプター | ライカL39マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:52mm APS-C:約78mm マイクロフォーサーズ:約104mm |
Industar-61(インダスター61)52mm F2.8は、最も安価な部類のレンジファインダーカメラ用レンズとして有名な逸品。
旧ソ連製のレンズで、製造当時から廉価版の製品に装着され大量生産されたため、どのオールドレンズよりも安く手に入れることが可能です。
レンズ構成は3群4枚のテッサータイプ。
基本的にテッサータイプのレンズで描写がハズレということはありえません。
このレンズも、華はないですが、それなりにクラシカルで味のある描写を体験できます。
焦点距離が52mmという細かい数値ですが、実質的には50mmと同じです。
(公称50mmのレンズでも、例えばライカレンズが実際には51.6mmであるなど多少の誤差があるのが普通です)
ただの廉価なレンズではない「遊べる」レンズとして、初心者の方にもおすすめ。
ほかにもIndustarという名前のレンズには手ごろな中古価格のレンジファインダー用レンズがたくさんあるので、ぜひ中古商品をご確認ください!
このレンズに対応するマウントアダプター
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同じIndustarシリーズの1本、Industar-22についてこちらの記事で作例を紹介しています。
[オールドレンズ探訪記] Industar-22(インダスター) 50mm F3.5を使って光のゴーストシャワーを手に入れよう!(作例・撮影Tipsあり)
11.Nikkor-H.C. 5cm F2
こんな人におすすめ!
日本製のレンジファインダー用レンズが欲しい
作りが良いレンジファインダーカメラ用レンズが欲しい
コンパクトな高性能オールドレンズが欲しい
メーカー | 日本光学(Nikon) |
マウント | ライカL39マウント |
必要なマウントアダプター | ライカL39マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:50mm APS-C:約75mm マイクロフォーサーズ:約100mm |
日本光学、のちのニコン。
言わずと知れた日本を代表する光学メーカーですが、Nikkor-H.C. 5cm F2はニコンのレンジファインダーカメラ用レンズの交換レンズの代表格です。
構成は典型的なゾナータイプの3群6枚。
第二次世界大戦後、日本光学のレンズは国外で高い評価を受けますが、このNikkor-H.C. 5cm F2も描写は抜群です。
なによりも、あのニコンのレンズであるということ。
ニコンが世界へはばたこうとしていた時代のオールドレンズは、ぜひ1本持っておきたい銘玉だといえるでしょう。
マウントはL39マウント(ライカスクリューマウント)のほか、ニコンのレンジファインダーカメラ用のSマウントもありますが、マウントアダプターで使いやすいのはL39用のほうです。
このレンズに対応するマウントアダプター
12.Elmar 5cm F3.5
こんな人におすすめ!
- ライカのレンズが使いたい!
- 最高のレンズがほしい!
- 古いのに高性能なレンズがほしい!
メーカー | ライカ(Ernst Leitz) |
マウント | ライカL39マウント |
必要なマウントアダプター | ライカL39マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:50mm APS-C:約75mm マイクロフォーサーズ:約100mm |
Elmar(エルマー)5cm F3.5は、ライカ(Leica)のレンズ。
ライカといえばドイツの高級カメラ。
このElmar 5cm F3.5は、戦前1930年前後から戦後の1950年代まで、ライカのカメラの標準レンズとして不動の地位を築いた名玉中の名玉です。
フィルムカメラの愛好家にとって、語っても語り尽くせないElmarというレンズ。
もちろんデジタルでもその描写を引き出すことができます。
歴史と物語をたたえたレンズの魅力。
オールドレンズとして、これ以上のものはないかもしれません。
ただし、ミラーレス一眼カメラで使う場合には「沈胴」はできないので注意しましょう。
このレンズに対応するマウントアダプター
作例・関連記事
こちらの記事で作例をさらに紹介しています(撮影:雨樹一期)。
また、Elmar 50mm F3.5については以下の記事でも詳しく解説しています。
[oldlens]
13.FUJINON 55mm F2.2
こんな人におすすめ!
- クセ玉が楽しみたい!
- それでも絞ったらかっちりと撮りたい!
- 軽量なレンズがほしい!
メーカー | 富士フイルム |
マウント | M42マウント |
必要なマウントアダプター | M42マウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ CanonとPENTAXのデジタル一眼レフカメラ ※無改造では装着不能な場合あり |
換算焦点距離 | フルサイズ:55mm APS-C:約82mm マイクロフォーサーズ:約110mm |
FUJINON 55mm F2.2は、日本製の「クセ玉」の代表格。
上で紹介したMeyer Domiplan 50mm F2.8同様、バブルボケが味わえるレンズとして有名です。
背景の独特のボケの形が楽しめるだけにとどまらず、日本製だけあって絞ればそれなりにかっちりとした描写で実用可能。
鏡筒がプラスチック製かつ開放値も暗めなので、とても軽量で取り回しが良好なのもうれしいところ。
ただし注意点として、レンズ後部、絞りリングに「富士フイルム独自拡張の開放測光用突起」という部分があり、マウントアダプターによっては干渉します。
この突起を削り取って使用する愛好家もいますが、レンズ本体に不可逆な加工を加えることになるので、必ずしもおすすめできる行為ではないことを書き記しておきます。
※このFUJINON 55mm F2.2には、経年劣化で鏡筒のプラスチックが劣化、破損しているものがあります。中古購入時には注意しましょう。
M42マウントのFUJINONにはほかにも55mm F1.8各種などさまざまな種類があり、どれも描写が良いのでおすすめです。
このレンズに対応するマウントアダプター
14.F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8(PEN F用)
こんな人におすすめ!
- APS-Cやマイクロフォーサーズのミラーレス一眼カメラを使っている
- コンパクトで高性能なレンズが欲しい
- イメージサークルをフルに使いたい!
メーカー | OLYMPUS |
マウント | OLYMPUS PEN Fマウント |
必要なマウントアダプター | OLYMPUS PEN Fマウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ (※SONYα7・α9シリーズを除く) |
換算焦点距離 | フルサイズ:使用不可 APS-C:約61mm マイクロフォーサーズ:約76mm |
F.Zuiko 38mm F1.8は、オリンパスのZuiko(ズイコー)レンズのひとつ。
ハーフサイズ一眼レフカメラの「オリンパス ペンF」シリーズ用のレンズです。
ハーフサイズカメラとは、35mmフィルムカメラの半分の面積、フィルムを使うカメラのこと。
画面面積の小さいハーフサイズカメラ用のレンズは、同じ性能でもコンパクトに作ることが可能。
そのため、このF.Zuiko 38mm F1.8もとてもコンパクトです。
さらに、このレンズは設計上、APS-Cサイズやマイクロフォーサーズに近い画面サイズが念頭におかれているので、想定されたレンズ性能を余すことなくデジタルで使うことができるのです。
ただし、ハーフサイズカメラ用レンズという特性上、「フルサイズミラーレス一眼カメラ」や「デジタル一眼レフカメラ」では使えないことには注意しましょう。
このレンズに対応するマウントアダプター
15.Canon FD 50mm F1.4 S.S.C
こんな人におすすめ!
- 1970年代が好き!
- Canon製品が好き!
- きれいな発色の写真が撮りたい!
メーカー | Canon |
マウント | Canon FDマウント |
必要なマウントアダプター | Canon FDマウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:50mm APS-C:約75mm マイクロフォーサーズ:約100mm |
Canon 50mm F1.4 S.S.Cは、Canonの一眼レフカメラ用オールドレンズのなかでも代表的なもののひとつ。
1971年に登場したCanon F-1(旧)というフラッグシップ機種に使うため開発された高性能レンズです。
とにかく、モダンな高性能を追い求めてCanonが生み出したレンズ。
1970年代以降、消耗品としてのカメラの色が濃くなっていったCanonの製品ですが、1970年代前半の仕上げは至高のひとこと。
金属製の重厚な鏡筒が、しっかりと手になじみます。
さて、当時のCanon FDレンズの特徴が、カラーフィルムでの使用を念頭に、発色に気を配った設計を行っていたこと。
当時としては、カラーフィルム向けのコーティングに力を入れたのは先進的なことでした(しかもレンズを交換しても同じ色になることがウリだったのです)。
描写は切れ味鋭いとともに、けっして解像力が高いだけではない、ポートレートにも向いたもの。
かつての最先端を楽しんでみませんか?
このレンズに対応するマウントアダプター
関連記事
Canonのオールドレンズについては、こちらで詳しく解説しています。
16.Nikkor-H Auto 28mm F3.5
こんな人におすすめ!
- ニコンが好き!
- APS-Cやマイクロフォーサーズに最適なレンズがほしい!
- 作りが良いレンズがほしい!
メーカー | Nikon(日本光学) |
マウント | Nikon Fマウント |
必要なマウントアダプター | Nikon Fマウント用 |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ Nikonのデジタル一眼レフカメラ(一部制限あり) |
換算焦点距離 | フルサイズ:28mm APS-C:約42mm マイクロフォーサーズ:約56mm |
いまでも世界を代表するカメラメーカー、ニコン。
そんなニコンが1960年代に製造した一眼レフカメラ用広角レンズとして代表的なものが、このNikkor-H 28mm F3.5です。
このレンズは、28mm F3.5というレンズ構成を完成させた記念碑的レンズ。
ニッコールレンズの例に違わず描写はキレキレで解像力抜群です。
また、昔からとにかく頑丈なニコンの製品だけに、品質は日本製としてトップクラス。
美しい金属の仕上げを味わえます。
ニコンの一眼レフカメラは、現代のデジタル一眼レフカメラも含め「ニコンFマウント」を採用。
ただし、装着できるものとできないものがあるので注意が必要です。
具体的には、このNikkor-H Autoの場合、D3000番台とD5000番台の機種は問題なく装着可能(ただし露出計は動作せず)。
またD7000番台よりも上位の機種では、「Ai改造」が施された個体のみ装着可能です。
もし、ニコンの上位機種のデジタル一眼レフカメラで問題なく使用したい場合には、もっと年式の新しい、1970年代後半以降の「Ai Nikkor」を探すのもおすすめです。
ニコンのオールドレンズを使用する際の、適合/不適合の見分け方については以下の記事で解説しています。
また、もちろんミラーレス一眼カメラでは問題なく使用可能です。
このレンズに対応するマウントアダプター
17.MC ROKKOR-PF 55mm F1.7
こんな人におすすめ!
- ヨーロピアンな国産レンズが使いたい!
- コーティングが美しいレンズを使いたい!
- SONYのカメラのご先祖様が使いたい!
メーカー | minolta |
マウント | ミノルタマウント (通称SR・MC・MDマウント) |
必要なマウントアダプター | ミノルタマウント用(SR・MC・MD) |
使用可能なカメラ | 各社のミラーレス一眼カメラ |
換算焦点距離 | フルサイズ:55mm APS-C:約82mm マイクロフォーサーズ:約110mm |
いまはなきカメラメーカー、ミノルタ。
合併してコニカミノルタになりましたが、カメラ事業から撤退してすでに長い時間が経っています。
さて、そんなミノルタのレンズに付いたブランドがRokkor(ロッコール)。
Rokkorとは、関西発祥のメーカー、ミノルタが六甲山から名付けたネーミング。
日本製のレンズとしては性能・味ともに上質で、どこかヨーロピアンな味わいが楽しめる逸品です。
なかでもこのMCロッコールは、コーティングが美しいことでも有名なレンズ。
当時「緑のロッコール」といわれたことで知られるように、光にかざすとレンズの表面がエメラルドグリーンに輝きます。
とくにこのレンズをおすすめしたいのが、SONYのα7やα9シリーズを使っている方。
SONYのカメラは、ほかでもないミノルタのカメラ事業を受け継いだものなのです。
SONYのカメラ技術の源流を現代のカメラで感じる。
そんな楽しみが、ミノルタのオールドレンズなら味わえますよ。
このレンズに対応するマウントアダプター
関連記事
ミノルタのオールドレンズについては、こちらの記事もご覧ください。
オールドレンズの世界に踏み入れてみませんか?
デジタル一眼カメラを持っているならぜひ体験してみたいオールドレンズの世界。
リーズナブルな価格で、一世を風靡した名レンズのかずかずが楽しめますよ。
この記事を参考に、ぜひあなたにぴったりなオールドレンズを見つけられれば幸いです。
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写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
更新履歴
2022年8月24日
以下の通り内容の修正、追記、差し替えを行いました
MIR 37mmがFlektgonのコピーという記述を削除
Canon Lens 50mm F1.8→Nikkor-H.C. 5cm F2に差し替え
画像の抜け、リンク切れを修正
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