CONTAX(コンタックス)京セラ・CONTAXのフィルムカメラ代表機種まとめ ツァイスを味わえる名機たち
カール・ツァイスのレンズが味わえる、CONTAX(コンタックス)のフィルムカメラを紹介します。
ドイツが誇る世界一の光学機器メーカー、Carl Zeiss(カール・ツァイス)。
そんなツァイスが産んだ名フィルムカメラ、Contax(コンタックス)の名を受け継いで、1975年、日本のカメラメーカー、ヤシカとの合弁で生まれたのがCONTAX(コンタックス)です。
その後ヤシカは京セラに吸収され、2005年までフィルムカメラを展開していました。
CONTAXのフィルムカメラには、ツァイスのレンズの豊穣な描写だけでなく、カメラ自体の高級感や良好な使用感など魅力がいっぱい。
フィルムカメラファンにも中古で非常に人気が高い名機たちがよりどりみどりになっています。
日本のメカ・電子技術とドイツの光学技術が合体。
まさに最強のフィルムカメラである京セラ・CONTAXは、いったいどんな名機を生み出してきたのでしょうか?
今回はそんな、京セラ・CONTAXのフィルムカメラについて紹介します。
目次
CONTAXのフィルムカメラ代表機種 一眼レフ編
まず最初に、京セラ・CONTAX(コンタックス)の35mm一眼レフカメラを紹介します。
ヤシカ・コンタックスマウント(Y/Cマウント)を採用したこのシリーズには名機がいっぱいです。
Y/Cマウントの交換レンズについては以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1:CONTAX RTS(1975年)
1975年、CONTAXの初代機種として発売したのがCONTAX RTS(コンタックスRTS)です。
特徴は、1975年当時としては徹底した電子化。
RTSとは「リアルタイムシステム」(Real Time System)の略。
軽く振れるだけでレリーズされる、「フェザータッチ」のシャッターボタンなど、それまでのカメラとは全く異なる電子カメラならではの操作感が話題を呼びました。
操作部品が自由に配置できる電子カメラの特徴を活かし、シャッターダイヤルを左肩に配するなど独特の操作系を採用。
この操作系はその後のCONTAXにも受け継がれています。
電子化は、ツァイスと組んだヤシカのお家芸。
「ヤシカ・エレクトロシリーズ」などで培ったエレクトロニクスが、このRTSで実を結んだのです。
デザインはポルシェデザイン。
精悍なCONTAXのデザインの基本も、この初代RTSで完成しています。
詳しくはこちら
CONTAX(コンタックス)RTS・II・III/ツァイスの性能を引き出すための最新技術 初代からRTS IIIまで徹底解説
2:CONTAX 139 quartz(1979年)
CONTAX 139 quartz (コンタックス139クオーツ)は、世界初のクオーツ制御によるAEを搭載した一眼レフカメラです。
RTSよりもサイズが小型化され使用が便利になりました。
ワインダーを内蔵し、絞り優先AE専用となったCONTAX 137MD quartz(1980年)、137MDにマニュアルを追加したCONTAX 137MA quartzが姉妹機として存在します。
3:CONTAX RTS II(1982年)
CONTAX RTSの不具合や使いにくかった点を改良したフラッグシップです。
機能的には大きな変化はないですが、もっとも重要なのが信頼性の向上。
初期のフル電子カメラということで故障が多いという評判があった初代RTSに比べ、内部の電子部品がフレキ基盤化され、信頼性が高まっています。
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4:CONTAX 159MM(1985年)
シャッター最高速1/4000秒、ストロボ同調速度1/250秒と、1980年代当時、他社が実現していたスペックに追いつきました。
この機種からMMレンズに対応。
シャッター優先AEとプログラムAEが使用可能で、CONTAX初のマルチモード機です。
5:CONTAX 167MT(1987年)
巻き上げ、巻き戻しともに全自動化。
各社のカメラではじめての、オートブラケッティング(段階露出)を搭載しました。
6:CONTAX RTS III(1990年)
CONTAX RTS III(コンタックスRTS III)は、コンタックスが全力を注ぎ込んで開発したフラッグシップフィルムカメラ。
スペック的には、最高シャッター速度1/8000秒と、AF非搭載であるほかは他社フラッグシップと同等に。
ファインダー視野率100%。
モータードライブも、下位機種で既に実現していたのと同様内蔵となりました。
このCONTAX RTS IIIで現在でも語り草となっているのがフィルムのバキューム機構。
フィルムを背面から吸引することで、完璧な平面性を実現しています。
ただし、高機能のためにボディは非常に大型化してしまいました。
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7:CONTAX S2(1992年)
CONTAX S2(コンタックスS2)は、他のCONTAX一眼レフとは一風異なるフィルムカメラ。
特徴は、機械式のフルメカニカルカメラだということです。
操作面でも、他のCONTAX一眼レフとは異なり、シャッターダイヤルなどの位置も他社製のMF一眼レフ同様の場所に移動。
操作性は、いわゆる普通のMF機械式一眼レフそのものです。
外装はチタン。
これも人気の一因です。
CONTAXの機械式一眼レフとして、これからY/Cマウントの一眼レフレンズを味わうならぜひおすすめしたい機種のひとつです。
CONTAX S2b(1993年)
CONTAX S2b(コンタックスS2b)はCONTAX S2のマイナーチェンジ機種。
露出計がS2のスポット測光から中央重点測光に変更されました。
また外装もブラックとなっています。
S2とS2bについて詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
8:CONTAX ST(1992年)
CONTAX ST(コンタックスST)は、巨大化しすぎたRTS IIIとはうってかわって中庸を狙った機種。
シャッター最高速は1/6000秒。
外装は金属製となり質感にも気が配られています。
9:CONTAX RX(1994年)
CONTAX STの改良機種。
フォーカスエイド搭載。
シャッター最高速は1/4000秒です。
マイナーチェンジ機種としてCONTAX RX II(2002年)が存在します。
コンタックスRX II
10:CONTAX AX(1996年)
CONTAX AX(コンタックスAX)は、その独特の機構から現在でも伝説のフィルムカメラとして名高い機種。
Y/Cマウントの一眼レフで唯一のオートフォーカス機です。
本来マニュアルフォーカス用のY/Cマウントのレンズ。
レンズ自体がMF用であるにもかかわらずどうやってAF化したのかというと……。
なんと、ボディ内でフィルムを前後させてピントを合わせる機構を開発してしまったのです。
古くは中判カメラの旧マミヤ6でも採用された「バックフォーカス機構」。
それによりレンズ自体に何の手も加えずにオートフォーカスを実現しました。
ただしそれと引き換えに、ボディサイズは大型化。
RTS IIIを大きくしのぐ巨大なカメラになりました。
11:CONTAX Aria(1998年)
CONTAX Aria(コンタックス アリア)は、おそらくCONTAX一眼レフの中でもっとも人気の高い機種。
人気の秘訣が、CONTAXのなかでももっとも洗練されたフォルム。
もしかすると、フィルムカメラのなかでももっとも美しいものといえるかもしれません。
機構的にはフルモードのAEを搭載。
どんな撮影シーンにも対応可能です。
蜷川実花が使ったカメラとしても有名です。
詳しくはこちらの記事もご参考ください。
[contaxb]
12:CONTAX N1(2001年)
京セラ・CONTAXが、デジタル一眼レフを見据えたオートフォーカス一眼レフカメラとして開発したのがCONTAX Nシリーズ。
そのフラッグシップがCONTAX N1(コンタックスN1)。
他社のAF一眼レフに並んだ機種でしたが、このCONTAX Nシリーズを最後にCONTAX一眼レフは幕を閉じることになります。
シリーズ機種に、下位機種のNX(2001年)と、フルサイズデジタル一眼レフのN DIGITAL(2002年)が存在します。
詳しくはこちらでも解説しています。
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CONTAXのフィルムカメラ代表機種 コンパクトカメラ編
京セラ・CONTAXのフィルムカメラといえば、高級コンパクトカメラも有名です。
ここでは京セラ・CONTAXの高級コンパクトカメラと、ツァイスレンズを搭載したコンパクトカメラについて簡単に紹介します。
こちらの記事でもCONTAXの高級コンパクトに触れているので、ぜひ参考にしてくださいね。
13:CONTAX T(1984年)
CONTAX T(コンタックスT)は、Tシリーズの初代となるコンパクトカメラ。
まだ高級コンパクトカメラという概念が生まれる以前のカメラですが、ツァイスレンズ搭載と高級感あふれる外装というコンセプトは既に完成しています。
ストロボは脱着式、レンズは沈胴式。
他のTシリーズはAFカメラですが、このCONTAX Tはレンジファインダーカメラです。
14:CONTAX T2(1990年)
CONTAX T2(コンタックスT2)は、高級コンパクトの代表にして、高級コンパクトカメラというジャンルを生み出したカメラでもあります。
撮影者の意図を反映する操作系。
性能と味を兼ね備えた銘レンズ。
チタン外装。
まさにフィルムカメラの歴史に残る名機です。
こちらの記事もぜひご覧ください。
15:京セラ T PROOF(1992年)
CONTAX Tシリーズとはうってかわって、通常のプラスチック製外装ながら、ツァイスレンズ搭載で一世を風靡したコンパクトカメラ。
それが、京セラ T PROOF(Tプルーフ)です。
搭載レンズはTessar T* 35mm F3.5。
鷹の目テッサーを存分に味わえます。
実は海外ではほぼ同様のカメラが「ヤシカ T4」として販売され、Tシリーズの一員?として扱われています。
16:CONTAX TVS(1993年)
ズームレンズを搭載したCONTAX Tシリーズ。
それがCONTAX TVS(コンタックスTVS)です。
初代TVSからTVS IIIまで存在し、大ヒット商品となりました。
こちらもチタン外装です。
詳しくはこちら
17:CONTAX T3(2001年)
CONTAX T3(コンタックスT3)は京セラ・CONTAXの高級コンパクトカメラの最終機種。
そして、フィルムカメラの高級コンパクトとして最後期の機種となります。
CONTAX T2から10年の時を経て、各部のデザインはぐっと現代的に。
搭載レンズも高性能と名高く、T2とはまた異なる描写を楽しめます。
いまでも中古で非常に人気が高いフィルムカメラです。
詳しくはこちら
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CONTAXのフィルムカメラ代表機種 AFレンジファインダー編
京セラ・CONTAXは、AFレンジファインダーという新ジャンルを切り拓きました。
18:CONTAX G1(1994年)
レンズ交換式のAFカメラ。
「AFレンジファインダー」という新ジャンルの初代機種が、CONTAX G1(コンタックスG1)です。
最大の特徴が、ツァイスの銘レンズを復活させた交換レンズたち。
ホロゴンやビオゴンをはじめとした、対称型の超広角レンズが味わえます。
詳しくはこちら
Gマウントレンズについては以下の記事でも紹介しています。
19:CONTAX G2(1996年)
CONTAX G1の改良機種です。
シャッター最高速度が、G1の1/2000秒から、マニュアル時1/4000秒、AE時1/6000秒に。
連射速度なども改良されています。
もしこれからGシリーズを購入するなら、こちらのG2のほうがよりおすすめです。
詳しくは以下でも解説しています。
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CONTAXのフィルムカメラ代表機種 中判編
最後に京セラ・CONTAXの中判カメラを紹介します。
20:CONTAX 645(1999年)
京セラ・CONTAX 唯一の中判カメラ。
それがAF中判一眼レフのCONTAX 645(コンタックス645)です。
独自のCONTAX 645マウントのために、各種ツァイスレンズを新設計。
世界一の描写を存分に味わえます。
蜷川実花が愛用するカメラとしても有名です。
詳しくは以下でも紹介しています。
参考:ヤシカのフィルムカメラ
京セラ・コンタックスのカメラは、ヤシカの血筋を色濃く引いています。
かつて世界の市場を席巻したヤシカのフィルムカメラたち。
こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
CONTAXをさらに楽しむならマウントアダプターもおすすめ
この記事で紹介したCONTAXのカメラたちの魅力、それがツァイスのレンズ。
マウントアダプターを使えば、Y/CマウントやGマウントのレンズはフィルムでもデジタルでも楽しむことができますよ。
ぜひあなたも、フィルムとデジタル両方でツァイスレンズを味わってみませんか?
CONTAXのフィルムカメラでツァイスを味わおう!
ツァイスの銘レンズを味わうなら、京セラ・CONTAXがおすすめ。
一眼レフから高級コンパクトまで、フィルムカメラの真髄を体感することができますよ。
非常に多彩なラインナップから、ぜひあなたにぴったりのフィルムカメラを見つけてみませんか?
当店、中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラ公式サイトでも多くのCONTAXを取り扱っているので、ぜひ御覧くださいね。
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更新履歴
2022年8月25日
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