CONTAX(コンタックス)S2・S2b/機械式カメラでツァイスレンズを楽しむ
CONTAX S2(コンタックスS2)は1992年に発売された、ヤシカ・コンタックスの35mmフィルム一眼レフカメラ。
他のコンタックスと異なり、フルメカニカルシャッターを採用していることが特色で、コンタックスのなかでも中古人気が高いもののひとつです。
フィルム一眼レフカメラを楽しむなら、ぜひ機械式シャッターのカメラを使いたいもの。
コンタックス唯一の機械式カメラであるコンタックスS2なら、高い信頼性もあいまって、安心してツァイスレンズの描写を味わうことができますよ。
他のコンタックスフィルム一眼レフとは一味違うカメラ。
そんなコンタックスS2とは、いったいどんな特徴をもっているのでしょうか。
中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラのスタッフが紹介します。
目次
CONTAX S2(コンタックスS2)
中古でコンタックス一眼レフを手に入れるならこれで決まり!
機械式であることが特色のコンタックスS2を使ってみませんか?
まずはそのスペックや特徴を見ていきましょう。
ぜひ中古購入の参考してみてくださいね。
コンタックスS2には、マイナーチェンジ版のCONTAX S2b(コンタックスS2b)も存在し、細部が異なっています。
コンタックスS2の性能・スペック
形式 | 機械式一眼レフカメラ |
シャッター | B、1秒〜1/4000秒 機械式 縦走り金属幕フォーカルプレーンシャッター シンクロ同調速度1/250秒 |
露出計 | TTLスポット測光(S2) TTL 中央重点測光(S2b) |
AE | なし |
ファインダー | 視野率95% 0.82倍 |
レンズマウント | ヤシカ・コンタックスマウント |
巻き上げ | 手動(分割巻き上げ不可) モータードライブ装着不可 |
使用電池 | LR44(Amazon)x2またはSR44(Amazon)x2 |
発売年 | 1992年(S2) 1993年(S2b) |
CONTAX S2(コンタックスS2)の特徴
コンタックスS2は、ヤシカ(京セラ)・コンタックスが発売した中で唯一の機械式一眼レフカメラ。
シャッターが電池のいらない機械式である。
そのことが唯一無二の、最大の特徴だといえるでしょう。
ヤシカ・コンタックスの他の一眼レフはみな、高度に電子化されたメカニズムが特徴となっています。
しかし、いまとなっては実用に供しようにも、電子部品の経年劣化が気になるのもまた事実。
その点、オーソドックスな機械式シャッターを備えたコンタックスS2なら、故障の心配も少なく、安心して使い続けることができるのです。
実際、中古カメラ店のジャンクコーナーでヤシカ・コンタックスのボディを見かけるのはいつものこと。
ヤシカ・コンタックスマウントのレンズが同時代の国産レンズよりも中古でずっと高価なのとは対称的です。
高級感あふれるチタン外装
CONTAX S2(コンタックスS2)が発売された1992年といえば、チタン外装のカメラが一世を風靡していた時期。
同じコンタックスの高級コンパクトカメラであるT2や、ニコンのFM2/Tをはじめ、いまでも中古人気の高い数多くのカメラが、チタンの金属色を活かした外装を採用していました。
コンタックスS2の外装ももちろんチタン製。
剛性感・高級感に満ちた金属外装は、機械式カメラを使っているのだという喜びを否応なしにかきたててくれるでしょう。
世界初の一眼レフの名を受け継ぐ
さて、コンタックス「S2」という機種名を見て、疑問に思った方もいるかもしれません。
それは、「S2」というからには「S」や「S1」が存在するのではないか、ということ。
もちろん存在しています。
ただし、このコンタックスS2と同じ、日本のヤシカ・京セラが手がけたものではなく、本家であるドイツのコンタックスのカメラとしてですが。
そのカメラとは、1948年、東ドイツのツァイス・イコン社が発売したContax Sのこと。
Contax Sは、実は世界で初めてペンタプリズムを採用した記念碑的カメラです。
フィルム・デジタル問わず現代の一眼レフカメラが当たり前に採用している設計を、Contax Sがはじめて取り入れたのです。
コンタックスS2は、そんな歴史に残るカメラを意識して名付けられています。
後述しますが、コンタックスS2はコンタックスのカメラ発売60周年を記念して発売されたカメラでもあり、60周年の刻印を施されたモデルが数多く出回っています。
ドイツカメラの伝統を意識して、現代風の最新スペックで味付けしたフィルム一眼レフ。
それがコンタックスS2なのです。
現代的性能を網羅
そんなコンタックスS2は名前こそ伝統を受け継いでいますが、中身は機械式カメラとして可能な機構をできるだけ取り入れたもの。
シャッター速度は最高1/4000秒。
シンクロ速度は1/250秒。
ニコンNew FM2と共通するスペックは、機械式カメラとしてこれ以上ないものです。
モータードライブの取り付けこそできませんが、これからフィルム一眼レフカメラを中古で楽しむうえで、モータードライブが使えるかどうかは大きな問題ではありません。
むしろそれよりも、他のコンタックス一眼レフと同様に、数々の中古ツァイスレンズが使い放題であることのほうが重要だといえるでしょう。
またレンズを中古で購入する際は、基本的にAEのないカメラなので、どのシリーズのものでも動作します。
(ただし、ヤシカMLレンズの中古は流石に似合わないと思いますが……)
機械式の信頼できるボディでツァイスレンズを味わい尽くす。
それがコンタックスS2を中古で手に入れる理由、最大の魅力であるといえるのです。
オーソドックスな操作系
それに加えて、コンタックスS2は機械式カメラとなったことで、操作系もオーソドックスなものとなっています。
コンタックスの他の一眼レフカメラは、コンタックス独特の、シャッターダイヤルがボディ左肩にある操作系で統一されています。
いっぽうコンタックスS2は、日本製の他の一眼レフカメラと共通の操作系を採用しています。
絞りはレンズの根本で、シャッター速度はファインダー右側のシャッターダイヤルで操作する。
この操作系は、オリンパスOM2000やニコンFM10とも似通ったもの。
迷うことのない操作体系のため、これから中古フィルム一眼レフカメラに入門する方にとっても安心しておすすめできる一台だといえるでしょう。
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CONTAX S2(コンタックスS2)中古購入のポイントと各機種
では、これからコンタックスS2を中古で手に入れるならどんなことに気をつけたらよいのでしょうか。
機械式のオーソドックスなカメラだけあって、他のコンタックス一眼レフよりも中古市場では状態のよい個体を見つけられる可能性が高いでしょう。
内部機構も非常に信頼性が高いため、保証のあるものを選べば問題はありません。
それでも、中古カメラをチェックする際に気をつけたい、スローの動作やファインダーの汚れなどは確認しておきたいものです。
そして、コンタックスS2とコンタックスS2bのどちらを選ぶのか、ということもポイントとなります。
コンタックスS2とS2b
コンタックスS2は1992年に発売されたカメラですが、ボディへの刻印の有無により2種類に分かれます。
最初に発売されたのは、ボディにコンタックス60周年の刻印が施されたモデル。
刻印ありのモデル
そして途中で、刻印のないモデルも発売されました。
刻印なしのモデル
いっぽう、コンタックスS2bはコンタックスS2の小改良バージョン。
コンタックスS2b(チタニウムブラック)
最大の違いは露出計にあります。
コンタックスS2はスポット測光の露出計を搭載していますが、コンタックスS2bでは中央重点測光に変更されているのです。
シャッターの感触も変化しているといわれています。
コンタックスS2とコンタックスS2b、どちらを選ぶかは好みで問題ないでしょう。
中古市場では比較的、コンタックスS2のほうが安いことが多いようです。
CONTAX S2で使える用品
CONTAX S2・S2bでは電池はLR44もしくはSR44を使用します。
コンタックス名機解説
こちらの記事でコンタックスの名機たちを解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
機械式カメラでツァイスを楽しもう
コンタックス一眼レフのなかでも、コンタックスS2は機械式シャッター搭載機として唯一の存在。
信頼性の高さと、精密な機械式カメラを扱う喜び。
中古でしか手に入らない、ヤシカ・コンタックスのツァイスレンズを楽しむなら、これ以上ない選択肢です。
ぜひあなたもコンタックスS2を中古で手に入れて最高のレンズの描写を味わってみませんか?
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