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OLYMPUS(オリンパス)のフィルムカメラ代表機種まとめ 個性的なカメラの数々を一挙紹介!

オリンパスのフィルムカメラ

日本を代表するカメラメーカーのひとつ、オリンパス(Olympus)

ニコンやキヤノンといった最大手メーカーとはまた趣の違う、独自のコンセプトを持った個性的なフィルムカメラのかずかずを送り出しています。

ハーフサイズカメラの流行を産んだオリンパス・ペン。
一眼レフカメラの小型軽量化への潮流を作ったOM-1。
「レンズバリア」という機構を初めて採用したXAシリーズ。

先進的かつ、新境地を切り開くアイデア力こそがオリンパスの持ち味です。
新ジャンルを生み出すオリンパスの強みは、近年ではデジタルカメラにおいて「ミラーレス一眼」というジャンルを作り上げたことでも証明されています。

また、ペン・OM-1・XAといったフィルムカメラの開発に携わった、日本が誇る伝説の技術者、米谷美久の存在にも触れないわけにはいかないでしょう。

今回は、そんなオリンパスのフィルムカメラの代表機種について、中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラのスタッフが紹介します!

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オリンパスのフィルムカメラ代表機種 35mm一眼レフ編

まず最初に、オリンパスのフィルムカメラのうち、35mm一眼レフの代表機種を紹介します。

1:オリンパス OM-1(1972年)

OLYMPUS OM-1 + 50mm F1.8

オリンパス OM-1(OLYMPUS OM-1)は、1972年に登場した、オリンパスOMシリーズの初代機種。

それ以前にも「つなぎ」としてM42マウントのオリンパスFTLなども存在していましたが、実質的にはこのOM-1からオリンパス製35mm一眼レフの歴史がはじまったといえるでしょう。

OM-1の特徴にあたっては明確なコンセプトがありました。
それが「一眼レフの三悪の追放」というもの。

それまでの一眼レフカメラは「大きく」「重く」「撮影ショックが大きい」ものでした。
そこでOM-1では、カメラ全体の大幅な小型化・軽量化を実現。
内部構造も、ミラーショックが極めて少ないものとしました。

また発売当時から、「バクテリアから宇宙まで」を撮れるシステムカメラとして豊富なOMシステムを展開。
一挙に一眼レフカメラの世界に新境地を切り拓いたのです。

このOM-1を生み出したのが、技術者の米谷美久。
上記の三悪の追放も、氏が考えたコンセプトです。

また、初期にはM-1という名前だったことも有名。

作例・関連記事

このOM-1は語っても語り尽くせないフィルムカメラの名機中の名機。
詳しくは以下の記事も参考にしてくださいね。

OLYMPUS(オリンパス)OM-1/可愛さ・精悍さ・思想が同居した名一眼レフ

[オールドレンズ撮り比べ6] OLYMPUS ZUIKO 50mm F1.4と35mm F2 それぞれの特徴を掴んで上手に使いこなそう

OM-1 MD

OLYMPUS OM-1 MD

OM-1をモータードライブ対応とした機種です。
ボディ下面にモータードライブ連動蓋が設けられています。
ボディには「MD」というバッジが貼られています。

(初期はOM-1のモータードライブはサービスセンターでの改造が必要でしたが、それをデフォルトで可能とした機種となります)

製造後期には「MD」のロゴはなくなり、外見上はただのOM-1となります。

OM-1N(1979年)

OM-1N

マイナーチェンジ機種。
フラッシュ関係の機能が追加されました。

[olympusb]

2:オリンパスOM-2(1975年)

OM-2N
上記写真はOM-2N

オリンパスOM-2(OLYMPUS OM-2)は、その名の通りOMシリーズの2機種目。

機械式のOM-1からうってかわって、こちらは電子カメラ。
機能的には絞り優先を搭載しています。

このカメラが独自の強みとして搭載した新技術が、「TTLダイレクト測光」。
TTLダイレクト測光とは、フィルム面で光量を計測する露出計の方式のこと。

このことにより、撮影中に「リアルタイムで」露出制御が可能となりました

その後、各社の一眼レフカメラも追随して使うようになった技術です。

カメラ自体のサイズや操作系はOM-1とほぼ同一。
見た目にも非常に相似しています。

OM-2N(1979年)

OLYMPUS OM-2N

OM-1に対するOM-1Nに相当するマイナーチェンジ機種。
自動露出の最長時間が延長されています。

OM-2 SP(1984年)

OLYMPUS OM-2 SP

見た目にはOM-2と非常に似通っていますが、実は新設計されたカメラ。

特徴はスポット測光を搭載していること。
プロ向けの露出制御で、OM-4の高度な露出制御を先取りしました。

関連記事

OLYMPUS(オリンパス)OM-2/現代の露出計の基礎を築いたダイレクト測光機

3:オリンパスOM10(1979年)

オリンパスOM10

OMシリーズ初の廉価版、それがオリンパスOM10(OLYMPUS OM10)です。

基本的には絞り優先AE専用の初級機で、販売価格も非常に安価でした。

ですが単なる廉価機種に終わらないのがこのOM10のすごいところ。
なんと、アクセサリーの「マニュアルアダプター」を取り付けることで、絞り優先AEだけでなくマニュアルでの撮影も可能となるのです。

1980年前後に各社が発売した安価な一眼レフカメラのなかでも、とくに完成度の高い機種です。

また、ファインダーのプリズムにOM-1と互換性があることでも有名で、プリズム腐食というOM-1の有名な故障の修理に使われることが多々あります。

4:オリンパスOM20(1982年)

OM20

OM10の後継機。
デフォルトでマニュアル撮影が可能となり、モータードライブに対応しました。

OM10+マニュアルアダプターではシャッターダイヤルの位置が他のOMシリーズと異なってしまいましたが、これ以降は廉価機でも通常の位置となっています。

5:オリンパスOM30(1982年)

オリンパスOM30

初期のAF対応カメラで、専用レンズ(35-70mm)と組み合わせることでAF撮影が可能。
またフォーカスエイドと、被写体のピントが合った瞬間にシャッターが切れる「ゼロインフォーカス」も装備。

6:オリンパスOM-3(1984年)

OM-3

新規設計の機械式OMシリーズ。

機械式のフィルムカメラとして、OMシリーズの中でも非常に人気の高い機種です。
シャッターはそれまでのOMシリーズの最高1/1000秒から1/2000秒に高速化しました。

さらに、OM-4と同様マルチスポット測光が使用可能と、非常に完成度の高い機種です。

OM-3 Ti(1994年)

OLYMPUS OM-3 Ti

人気の高さに比べ当時の製造数が少なかったOM-3を、半ば復刻に近い形で再生産した機種。

ボディはチタン製。
機構的には本来のOM-3の機能に加え、TTLダイレクト調光とスーパーFP発光に対応し、ストロボ撮影関連の機能が充実しています。

実質的にオリンパスOMシリーズの最高峰といえるでしょう。

関連記事

OLYMPUS(オリンパス)OM-3/オリンパス最後の機械式一眼レフにして完成形

7:オリンパスOM-4(1984年)

OM-4

こちらは電子式の新開発OMシリーズ。
絞り優先AE搭載。

OM-1にOM-3が対応するとすれば、こちらのOM-4はOM-2に対応する立ち位置です。

このOM-4が上記のOM-3と並び搭載した新機能。
それが「マルチスポット測光」です。

マルチスポット測光とは、数か所の測光したい場所をスポット測光すると、その結果を元に自動的に適正露出が計算され導き出されるというもの。
カメラの露出制御に新境地を切り拓いた機構であるといえます。
このOM-4では、8点までの測光が可能です。

8:OM-4 Ti(1986年)

OM-4Ti

OM-4 Tiは、OM-4のチタンボディバージョン。

1990年代に到来する、チタンボディのフィルムカメラブームの先駆け的存在です。

機構的には、通常のOM-4のものに加え、ストロボ制御にスーパーFP発光が追加されています

関連記事

OLYMPUS(オリンパス)OM-4・OM-4 Ti/オリンパスOMシリーズ一眼レフの最終形態

9:オリンパスOM40(1985年)

OM40

OM40は廉価機ながら、オリンパスならではの測光への強さが反映された機種。
分割測光を搭載したことにより、難しい露出条件でも適正露出の写真が写せます。
OM二桁のなかでも最高の完成度を誇ります。

10:オリンパスOM2000(1997年)

オリンパスOM2000

最後のOMシリーズですが他とは異質なカメラ。
コシナCT-1SのOEMです。

そのためシャッターダイヤル位置などの操作系が異なります。

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オリンパスのフィルムカメラ代表機種 ハーフサイズ編

次に紹介するのは、オリンパスのなかでも一世を風靡したハーフサイズのフィルムカメラたち。
すなわちオリンパス ペンシリーズです。

11:オリンパス ペン初代(1959年)

オリンパス 初代ペン

35mmフィルムカメラの半分の面積を使う「ハーフサイズカメラ」。

その実質的に元祖と言える存在が、この初代オリンパス ペン(OLYMPUS PEN)です。
(これ以前にも米国製のマーキュリーをはじめハーフサイズ機は存在していますが、大きく普及したのはこのペン以降で間違いありません)

コンセプトは、徹底的なコストダウンを行うが、使うべきところにはしっかりお金をかける、というもの。

初代オリンパス ペンではレンズにお金を掛け、テッサータイプの高級レンズを搭載することで、当時1万円以下の廉価なカメラにもかかわらず、「プロのサブ機としても十分使える」ほどの高性能を実現しました。

オリンパス 初代ペン

この初代ペンは、OM-1の項目で紹介した米谷美久の出世作となったカメラ。
氏の独創性がなければ、カメラ史に残るこの機種はなかったのです。

この初代ペンは露出計がなくとてもシンプルな構造。
同系機として、レンズやシャッターを高級品としたオリンパス ペンS(OLYMPUS PEN S)があります。

12:オリンパス ペンD(1962年)

オリンパス ペンD

オリンパス ペンに大口径レンズと露出計を内蔵した上級機が、オリンパス ペンD(OLYMPUS PEN D)です。

初代ペンDはセレン露出計を内蔵。
2代目のペンD2(1964年)は露出計がCdSに、3代目のペンD3(1965年)はレンズがそれまでのF1.9からF1.7に明るくなっています。

いまとなっては露出計は使い所が難しいですが、明るい高性能レンズを搭載していることから、人気の高いシリーズです。

13:オリンパス ペンEE(1961年)

オリンパス ペンEE(初代)

オリンパス ペンEE(OLYMPUS PEN EE)は、自動露出により「押すだけ」で写真が撮れることを実現したカメラ。

大ヒット機種で、マイナーチェンジを重ね20年以上に渡って作り続けられました。

ペンEEにはレンズが焦点固定(ピント合わせができない)のEE系と、ピントが目測式のEES系があります。

EE系は

  • ペンEE(1961年)
  • ペンEE-2(1968年)
  • ペンEE-3(1973年)
  • ペンEF(1981年・ストロボ内蔵)

があり、

EES系は

  • ペンEES(1962年)
  • ペンEES-2(1968年)

があります。

実用面では、裏蓋が取り外し式から開閉式となったEE-2とEES-2以降が便利でしょう。

オリンパス ペンEE-2
↑オリンパスペンEE2

オリンパス ペンシリーズの関連記事

初代系・EE系・D系のオリンパス ペンについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

OLYMPUS(オリンパス)PEN/ペンシリーズ徹底解説 ハーフサイズカメラの代表格の特徴とは?

14:オリンパス ペンF(1963年)

オリンパス・ペンFT
オリンパス ペンFT

ハーフサイズカメラながら本格的一眼レフシステムを実現したフィルムカメラ。

それがオリンパス ペンF(OLYMPUS PEN F)シリーズです。

広角から望遠、そしてマクロまでレンズを取り揃え、通常の35mm一眼レフと同じように各種の撮影が可能。
いまでも中古で非常に人気の高いフィルムカメラのひとつです。

特徴が、一眼レフながら上部が出っ張っていないファインダー
実は通常のペンタプリズムではなく「ポロプリズム」を用いています。

またシャッターも、通常の縦走り・横走りではなく金属のロータリー式。
まさにオリンパスの独創性を代表するようなシリーズです。

ペンFシリーズには、

  • ペンF(1963年)
  • ペンFT(1966年・露出計内蔵)
  • ペンFV(1967年・FTから露出計を省略)

が存在します

詳しくはこちら

OLYMPUS(オリンパス)PEN Fシリーズ/独創性あふれるハーフサイズ一眼レフ

[olympusb]

オリンパスのフィルムカメラ代表機種 コンパクトカメラ編

最後に、オリンパスならではの独自のコンパクトカメラたちを紹介します。

15:オリンパス35シリーズ

オリンパスの35mmコンパクトカメラシリーズに名付けられた、オリンパス35シリーズ。

なかでも1960年代後半〜70年代前半、コニカC35に影響を受け発売されたコンパクトカメラは、デザインも使いやすさも、写りも優れていてとても人気があります。

オリンパス トリップ35(1968年)

オリンパス トリップ35

オリンパス トリップ35(OLYMPUS TRIP 35)は、大ヒットしたオリンパス ペンEESシリーズをフルサイズ化した機種。
押すだけで写る簡便なカメラとして、1980年代後半まで製造されるロングセラーとなりました。

作例・関連記事

こちらの記事でOLYMPUS TRIP 35の作例を紹介しています。

[フィルムカメラぶらり撮影散歩3] OLYMPUS(オリンパス) TRIP35はあなたの日常をいろんな色で染めてくれます

オリンパス35SP(1969年)

オリンパス35SP

オリンパス35シリーズの中でも高機能で人気が高いのが、オリンパス35SP(OLYMPUS 35SP)
特徴が、プログラムだけでなくマニュアル露出も可能、さらにスポット測光を搭載していること。
コンパクトカメラながらプロ向けの機能を搭載した実力派です。
ボディは少し大柄です。

オリンパス35RC(1970年)

オリンパス35RC

コニカC35の影響下でボディを大幅に小型化。
大口径のズイコーレンズを搭載。

コンパクトなレンジファインダーとして、次に紹介する35DCとともに、オリンパス製コンパクトの中でももっとも人気がある機種だといえるでしょう。

見た目も非常に端正です。

オリンパス35DC(1971年)

オリンパス35DC

上記の35RCと並び、小型軽量・明るいレンズ・レンジファインダーと3表紙揃った機種

完成度が更に向上しており、こちらもとても人気があります。

16:オリンパスXA(1979年)

オリンパスXA

超小型レンジファインダーとして有名なのが、オリンパスXA(OLYMPUS XA)

米谷美久設計。
オリンパス ペンよりも更に小さい、レンズバリア付きのボディにレンジファインダーを搭載し、絞り優先AEとなっています。

スペック的にはフィルムカメラファン垂涎のものですが、実はレンズがあまりよくないとの評判もあります。

関連記事

OLYMPUS(オリンパス)XA/コンパクトカメラの歴史を変えたケースレスフィルムカメラ

17:オリンパスXA2(1980年)

オリンパスXA2

XAシリーズのひとつ。
レンジファインダーを取り除き、ゾーンフォーカスとした機種です。
プログラムAE搭載。

XAシリーズの中でももっとも売れたカメラ。
こちらはレンズの写りが非常に良いです。

作例・関連記事

こちらの記事でOLYMPUS XA2の作例を紹介しています。

[旅×フィルムカメラ第10弾] 名機OLYMPUS(オリンパス) XA2を持って福井県の今庄をフラッと巡ってみた

18:オリンパスμ(1991年)

オリンパスμ

オリンパスのオートフォーカスコンパクトの中でも、「よく写る」ことでとても有名な機種。

35mm F3.5のズイコーレンズと一見平凡なスペックのレンズながら、プロのストリートスナップにも愛用された名機です。

上記XAシリーズにはじまった大型レンズバリアは、このμシリーズでも採用されています。

コンパクトカメラは初心者にもおすすめ。
こちらの記事もぜひご覧ください。

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こちらの記事ではOLYMPUSのオールドレンズについて紹介しています。

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OLYMPUSのフィルムカメラにおすすめの用品

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オリンパスの魅力、それが独創性。

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更新履歴

2022年8月25日

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著者紹介: サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少なくなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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