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[オールドレンズ撮り比べ12] MINOLTA α9と AF 85mm F1.4の組み合わせがあれば、もう他のフィルムカメラはいらない(作例あり)

こんにちは、雨樹一期です。今回はミラーレス一眼カメラと、フィルムカメラの撮り比べになります。

ご紹介するレンズは「MINOLTA AF 85mm F1.4」。作例に使用したフィルムカメラは「MINOLTA α-9」、ミラーレス一眼は「SONY α7」になります。
今回もまた中古で欲しくなるカメラとレンズでした。

前回の撮り比べコラムは以下より。

[オールドレンズ撮り比べ11] CONTAX G用Biogon 28mm F2.8 GとSonnar 90mm F2.8 G 作例と解説

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MINOLTA α-9の魅力

ミノルタα-9

シャッター最高速1/12000秒の超高性能・ハイスペック

コラム連載の為に、毎度カメラとレンズをお借りしているのですが、比較的手に入れやすい価格で、「こんなええカメラがあったんかいなー!」が率直な感想。超高スペックな一眼。かなりデジタルに近いですね。
オートフォーカスの精度も高いです。

驚きなのが、シャッタースピードが驚異の1/12000。デジタルを上回っています。

 

視野率100%のファインダー


もう一つの特徴ですが、ファインダーがめっちゃ見やすいですね。文章で表現するのは難しいですが、ファインダー全体が明るく、綺麗。

今回の「MINOLTA AF 85mm F1.4」はオートフォーカスですが、マニュアルフォーカスでもピントが合わせやすいです。次回のコラムで紹介するマニュアルフォーカスの「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」でもピントを外さず撮影することができました。

難点は重たいこと。これだけで「やめとこー」となる方も多いですが、重たいだけの利点がある、ハイスペックなフィルム一眼レフです。

MINOLTA(ミノルタ)α-9&α-7/フィルム一眼レフの完成形で抜群のファインダーを楽しむ

それでは作例を見ていきましょう。

MINOLTA AF 85mm F1.4+SONY α7で撮影した作例

MINOLTA AF 85mm F1.4

まずはミラーレス一眼カメラでの作例からです。

社外品マウントアダプターで撮影しました

今回はK&F Conceptブランドの、MINOLTA・SONY Aマウント – SONY Eマウントアダプターを用いて作例を撮影しました。

ミラーレス一眼で使用する場合、社外品のマウントアダプターではオートフォーカスが利きません。85mmの中望遠レンズですから、開放だとちょっと辛い部分はありますね。少し身体が前後するだけでもピントを外しちゃうのでご注意を。

また、ミノルタAマウントレンズには絞りリングがないため、絞りはマウントアダプターに組み込まれたリングを回して調整する形となります。

※SONY純正のマウントアダプターについては記事の最後で詳細に解説します。

ピントを合わせたら、スナイパーの気持ちになって、息を止めて撮りましょう(そこまでしなくても大丈夫)。


絞りF1.4/露出補正 +1

まずは最短撮影距離で、F1.4がどれくらいボケるか見てみましょう。
猫用のお手製ダンボールハウスですが、イラストの中心部分にピントを合わせています。手前の文字はボケすぎて読めないですね。

 


絞りF1.4/露出補正 +2

続いて、同じ場所で、絞り値を変えての作例です。まずは開放。
肝心のボケ味ですが、とろとろ系です。


絞りF5.6/露出補正 +2

続いてF5.6で撮影した作例。枝がしっかりと写りましたね。
開放で撮ると、この枝を「ボケのとろみ」で消してるってことですね。


絞りF2.8/露出補正 +1

発色は鮮やか、、ではありませんね。
ちなみに、これはRAW現像なしの状態です。設定のクリエイティブスタイルは「スタンダード」です。


絞りF2/露出補正 +1 2/3

コントラストも弱めですね。
だからこそ、ボケのとろみや柔らかさは強調されます。

画面はうるさくないけど、注意しないと芯もなく、眠たい写真になるかもしれませんね。

カールツァイスのレンズと比べると、全然違うなーと思いました。個人的には好きですけど。
Aマウントにはカール・ツァイスのレンズもあるので比べてみたいですね。


絞りF2/露出補正 +2/3

F1.4なので、室内でも感度800で撮影は可能です。ボケも充分。


絞りF1.4/露出補正 +2/3

あとはRAW現像でいじれば雰囲気も変えることが出来ますね。

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MINOLTA α-9で撮影

今回は3種類のフィルムで作例を撮影してみました。色味も雰囲気もガラッと変わりましたよ。

FUJIFILM PRO400Hでの作例

低彩度でふんわりとした写真が撮りたい時にオススメ。明るく撮ることでよりふんわりした描写になります。パステル調に青みがかる特徴も。


感度設定 200/絞り F2

まず思ったのは、「MINOLTA α-9」のオートフォーカスの精度の高さですね。オートフォーカスが苦手そうな場所でも、しっかりと猫にピントが合っています。

前回撮り比べた作例で、同じくオートフォーカスの「CONTAX G1」「CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 90mm F2.8 G(ゾナー)」を使いましたが、ピントのズレや抜けがたくさんありましたからね。

その後に使ったのが、この「MINOLTA AF 85mm F1.4」だったので、その差がよりはっきりとわかりました。


感度設定 200/絞り F1.4


感度設定 100/絞り F2

これだけカメラが高性能だと普通にデジタル一眼のように使えてしまいます。なのに、フィルムの味もしっかりとあります。

なんといっても、最速1/12000秒のシャッタースピード。昼間でもF1.4で撮影が出来ちゃいます。
最速が1/1000秒のフィルム一眼だと、開放で撮影が出来ないことが多々ありますからね。

「MINOLTA α-9」ではこのレンズを思う存分使えますね。

 


感度設定 100/絞り F1.4

ごちゃごちゃした場所でも、ボケはうるさくなりません。


感度設定 100/絞り F1.4

ファインダーが見やすいので、85mmのレンズも使いやすいです。


感度設定 100/絞りF2.8

レンズの特徴に戻りますが、やっぱりコントラストと彩度は弱めですね。そういう意味では使用した「FUJI PRO400H」と相性は抜群かと思ったのですが、思っていたほどは、明るいふわっと感にならなかったですね。

この雰囲気はめっちゃ好きですけどね。


感度設定 100/絞り F1.4

これはイメージ通りでした。


ISO 200/絞り F8

この作例では少し絞って撮影してみましたが、やっぱり気になるコントラストの弱さ。絞るほどにカチカチになるレンズもありますが、MINOLTA AF 85mm F1.4の場合には、良くも悪くも開放でも絞っても、大きな差は出ませんでした。


感度設定 100/絞り F1.8

ただ、オートフォーカスは抜群に使いやすく、85mmの開放がここまで簡単に使えるフィルムカメラは他にありません。

 


感度設定 100/絞り F1.4

欠点、というか当然のことなのですが、MINOLTA AF 85mm F1.4は中望遠レンズになるので、ある程度被写体から離れる必要が出てきます。
右手でカメラをもって、左手で猫をなでて撮っていますが、最短の撮影距離が0.85mなのでちょっと厳しかったです。


感度設定 100/絞り F1.4

MINOLTA AF 85mm F1.4一本だと厳しいシーンはありますが、「MINOLTA α-9」を購入したら「MINOLTA AF 85mm F1.4」はぜひ手に入れて欲しいです。


感度設定 100/絞り F8

慣れてしまえば、「MINOLTA AF 85mm F1.4」一本でも大丈夫かな。

今回は、いろんなフィルムで撮影したので他にもご紹介しますね。

dubblefilm Moonstruck(APOLO)での作例

続いての作例は着色されたエフェクトフィルム。
dubblefilmはシリーズ化されていて、中でもMoonStruckはノスタルジックな色で、フィルムらしさをより強調できます(* 2019年の春に「apolo」に名前が変わりました)。


感度設定 200/絞り F1.4

相変わらずコントラストは弱めですが、フィルムの色味がいい感じに手助けしてくれていますね。


感度設定 200/絞り F2.8


感度設定 200/絞り F2.8


感度設定 200/絞り F1.4

ただ、やっぱりコントラストが低め。このフィルムが手助けしてくれたと書きましたが、相性で考えるといまいちだったかな、と。
ツァイス製のレンズやLOMO LC-Aとは相性が良いフィルムです。

Lomography Color Negative 400での作例

発色が個性的なフィルム。少しザラつきは目立つものの、赤や黄色の色かぶりも少なく描写は柔らかいです。
安価でフィルムらしさもあるので、ロモグラフィーのフィルムの中でも人気があります。


感度設定 200/絞り F1.4

はじめの「FUJI PRO 400H」の作例と同じく、ふんわり系に撮れるフィルムですが、こちらの方が鮮やかで硬さもありません。
「MINOLTA AF 85mm F1.4」との相性は一番いいなと感じました。


感度設定 200/絞り F1.4

レンズもいいのですが、MINOLTA α-9が欲しくなりました。1/12000のシャッタースピードは本当に魅力的。
お天気の日、感度400のフィルムですが、開放のF1.4でも撮影が出来ましたから。


感度設定 200/絞り F3.2

この作例では手前に金網がありますが、オートフォーカスで奥の猫ちゃんズにピントを合わせることが出来ました。
ピントが合っているかファインダーで確認もできるので、ほぼ外すことがありませんね。


感度設定 200/絞り F1.4

感度設定 200/絞り F2

感度設定 200/絞り F3.2

感度設定 200/絞り F2

感度設定 200/絞り F1.4

以上となります。

MINOLTA AF 85mm F1.4、フィルムを使えば使うほど、どんどん好きになってきましたね。ミラーレス一眼での撮影よりも、僕はフィルムカメラで使いたいなと思いました。Lomography Color Negative 400は最後に使ったのですが、相性抜群。これでかなり欲しくなりました。

ポートレートだけでなく猫撮影にもよかったです。MINOLTA AF 85mm F1.4は85mmの中望遠なので、いい距離感で撮影が出来ます。

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MINOLTA AF 85mm F1.4簡単な解説

ここからは、今回作例の撮影に使用したレンズ、MINOLTA AF 85mm F1.4について、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフが簡単に解説します。

MINOLTA AF 85mm F1.4

MINOLTA AF 85mm F1.4

マウント ミノルタAマウント
構成 6群7枚
メーカー MINOLTA

MINOLTA AF 85mm F1.4はミノルタAマウント(いわゆるαマウント)の中望遠レンズ。
ポートレート向けレンズの定番ともいえる85mm F1.4という、大人気のスペックをもつモデルです。

このスペックのレンズは各社からラインナップされていますが、描写はそれぞれに特徴があります。
今回の雨樹さんの作例では、比較的コントラストが低く発色も控えめ、それが逆にとろけるようなボケ味にプラスに作用していました。

とはいえミラーレス一眼カメラに取り付けての撮影なら、雨樹さんも触れているように発色についてはあとで調整可能。
今回の作例ではカラーネガを使用していましたが、フィルムカメラで撮影する場合も、ポジを使うことでそれがよい具合に鮮やかな方向に振れてくれるかもしれませんね。

MINOLTA AF 85mm F1.4

MINOLTA AF 85mm F1.4には各種のモデルがありますが、「オールドレンズ」と呼ぶには新しい年代のAFレンズであることもあり、中古価格は場合によってはそれなりにお手頃な場合も
また、数字上は同じスペックでもモデルチェンジにより各種のモデルが存在します。
最初期のものはすでに製造から30年以上が経過しているため、中古での購入時はしっかりと状態を確認しましょう。

ミノルタAマウントレンズ 関連記事

ミノルタおすすめ中古レンズ13選!緑のロッコールレンズを使ってみませんか?

ミノルタAマウントレンズとマウントアダプター

さて、今回は社外品のマウントアダプターを使用しましたが、SONYからは純正品のマウントアダプターも提供されており、AFにて使用可能です。

そのあたりの事情については、以下の記事に内容を分けて、詳細に解説しています。

結論としては以下のとおりです。

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安く使いたい:社外品のマウントアダプターがおすすめ

MINOLTA Aマウントアダプターの関連記事

SONY純正のAマウント – Eマウントアダプターの事情など、詳しくは以下の記事で解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。

MINOLTA Aマウント→SONY Eマウントアダプター 種類と特徴を徹底解説してみた

Aマウントレンズを使う場合のミラーレスボディ

この記事では、価格が安いことが魅力なSONY α7初代を使用しています。

とにかく安くということで、今回のようにMFのマウントアダプターを使う分には型落ちの機種でも差し支えないでしょう。

ということで――

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ただし。
Aマウントレンズの資産を活かすという点でいえば、上記の機種のうち、LA-EA5が使えるα7 IVが最もおすすめなのはいうまでもありません。

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まとめ


FUJI PRO400Hで撮影/感度設定 100/絞り F1.4

MINOLTA AF 85mm F1.4というレンズの利点としては、85mmF1.4のレンズにしては、手に入れやすい価格なことです。ボケはみんな大好きとろとろ系。コントラストは弱めですが、それによりボケの柔らかさをより感じます。

色乗りも弱めなので、全体的に緩めな描写になります。

欠点は、、重たいこと(笑)。このレンズだけで、僕の愛機「LOMO LC-A」よりもずっしりです。カメラも重たいですからね。
普段からフルサイズのデジタル一眼を持ち歩いている方には問題ありませんが。


絞りF1.4/露出補正 +1 2/3

緩めな描写と書きましたが、この写真なんて絶妙な柔らかさで、とてもお気に入りです(撮影はミラーレス一眼)。

価格だけの価値はありますので、特にポートレートをよく撮る方にはオススメですね。というか、「MINOLTA α-9」ユーザーには必須レンズです。

MINOLTA AF 85mm F1.4と同じ85mmのF1.4だとカールツァイスのプラナーがありますが、個人的にはこの描写力ならミノルタでも全然オッケーと感じました。
オートフォーカスという利点もありますからね。いやぁ、欲しいな。

 

最後に私事ですが、2019年5月23〜26日は関東にて、オールドレンズの基礎やフィルム別の発色の違いなどを紹介するワークショップを開催いたします。
これからフィルムカメラをはじめたい方、もっとフィルムの楽しさを知りたい方はぜひチェックしてみてくださいね。

次の記事はこちら

次回のオールドレンズ撮り比べでは、ミノルタがボケ味にこだわった伝説のレンズ、MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]
そして超広角レンズのMINOLTA AF 20mm F2.8の作例を紹介します。

[オールドレンズ撮り比べ13] MINOLTAレンズで検証!広角20mmと中望遠135mmを体感せよ(作例あり)

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著者紹介: 雨樹 一期(Ichigo Amaki)

フィルムカメラ・トイカメラの多重露光などで作品撮りの傍ら、大阪・東京を中心に全国でフィルムカメラワークショップを開催。
2024年9月8日ラジオ番組【編集長 稲垣吾郎】(文化放送)に出演するなど、精力的に活躍中。 その他、カメラの個人レッスン、ペット・家族の撮影をしています。 基本、娘と猫と珈琲とカレーに生かされてます。

HP : 雨樹一期写真事務所
blog : フィルム寫眞手帖

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