[フィルムカメラぶらり撮影散歩7] Rolleiflex 3.5F(ローライフレックス3.5F)でありのままの日常を撮ろう
こんにちは、雨樹一期です。今回ご紹介するのは近代二眼レフの元祖「Rolleiflex (ローライフレックス)」。
そのなかでもRolleiflex 3.5F(ローライフレックス3.5F)というモデルで作例を撮影しました。
Rolleiflex(ローライフレックス)という名前、中古フィルムカメラに興味があれば聞いたことがあるかもしれませんね。すでに欲しい方も多いのではないでしょうか?
そういう僕も、中判カメラで手にしたいカメラでは、ハッセルブラッドに次いで堂々二位。
今回はたくさんの作例も含めて魅力をご紹介します。
【フィルムカメラぶらり撮影散歩 前回の記事はこちら】
目次
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
Rolleiflex(ローライフレックス)の魅力
はじめに、ローライというカメラの魅力、そしてRolleiflex 3.5F(ローライフレックス3.5F)を触って感じたことについて。
それは憧れの対象
まず、僕がRolleiflex(ローライフレックス)を欲しいと思ったのは写りよりも名前が先行していたかもしれません(笑)。そして、ファインダーを覗き込んで撮影している自分への憧れ。
「ローライで撮ってる俺、かっこいいでしょ」みたいな、超自己満足です(笑)。
でも、フィルムカメラの入り方や買い方なんて、人それぞれです。
その中で、外観に惚れるパターンもありますよね。とりあえず知識もないけど、形から入っていく方もたくさんいます。
Rolleiflex(ローライフレックス)は中判カメラなので、ブローニーフィルムを使います。
それだけで初心者には扱いにくくなるかもしれませんが、操作的には単純なので覚えればそんなに難しくはありません。
きっと、手に入れたら「頑張って使ってみよう!」って思うはず。
そこにある空気ごと写してくれるカメラ
Kodak PORTRA800で撮影/絞り F8
中判カメラであるRolleiflex(ローライフレックス)。解像度はもちろん素晴らしいのですが、実際に作例を撮影してみて思ったのは、「しっかり綺麗に撮れる」ことが一番の魅力ではなく、「その場の空気を写してくれること」でした。
この作例、当然静止画ではありますが、続きがありそうな一枚です。
言葉で説明するのは難しいのですが、この場所で僕が感じた物語がそのまま写り込んだ感覚です。
これぞプラナーの描写力
Rollei Chrome CR200 Proで撮影/絞り F5.6
Rolleiflex(ローライフレックス)に搭載されているレンズは数種類ありますが、今回作例の撮影に使ったのはカール・ツァイスの「Planar(プラナー)75mm F3.5」搭載モデル。
モデル名はRolleiflex 3.5F(ローライフレックス3.5F)。
ローライフレックスの中では市場在庫的にも、比較的手に入れやすいです。
中古価格は少し上昇基調ですが、2.8Fに比べると少しお手軽だといえます。
他にも「プラナーF2.8」や「テッサー75mm」、「シュナイダー製レンズ」搭載モデルもあります。
憧れだったRolleiflex(ローライフレックス)ですが、描写も大満足でした。
今回は作例をいつもより更にたくさん掲載していきますね。
Rolleiflex 3.5F / Planar(プラナー)75mm F3.5で撮影した作例
FUJIFILM PRO400Hで撮影した作例
まずはFUJIFILMのPRO400H。
中判カメラで撮るなら断然このフィルムがオススメ。連載コラム内でも定番ですね。
低彩度で、明るく撮影するほど青みがかるのが特徴です。低彩度と言っても、色が薄いわけでもありません。
しっかり発色もして、適度なザラ付きもあり、カメラの質をそのまま表現してくれるフィルムです。
ISO 400/絞り F5.6
この作例一枚で分かりますよね。これぞ中判の描写力・立体感だなと。プラナーのボケ味は自然で柔らかいです。
ISO 400/絞り F8
同じ場所で絞りを変えて作例を撮り比べてみました。まずはF8で撮影。
ISO 400/絞り F3.5
続いて開放の、F3.5で撮影。1枚目のF8の方がパリッと締まりはありますが、そこまで大きな違いはありませんね。
F3.5の方が前ボケは強いですが、全体的なピントの甘さは感じません。
ISO 400/絞り F3.5
続いては逆光で撮影した作例。ゴーストが強烈です。
ISO 400/絞り F11
絞りの値、光の強さによって、ゴーストの形も変わります。
オールドレンズの魅力ですね。
ISO 400/絞り F3.5
開放でのボケ味は、ふわとろ。ボケの白が美しいです。
ISO 400/絞り F8
空を撮れば、カメラの性能が分かりますね。
追記:FUJIFILMの中判フィルムについて
この部分を追記している2022年2月時点で、FUJIFILMの中判(120フィルム、ブローニーフィルム)のうち、PRO400Hのようなカラーネガフィルムは製造が終了してしまいました。
PRO400Hのような描写力の高いプロ向けフィルムを使いたい方は、Kodak Portra(コダック ポートラ)シリーズを使うのがおすすめです。
Kodak PORTRA800で撮影した作例(期限切れ)
次の作例は、連載でも何度か使用している期限切れフィルムです。なんとなく、カメラの年代的に期限切れも合いそうだなって思って使ってみました。
コダックのポートラ800はネガフィルムの中では高価ですが、感度800の割にザラつきも強くなく、明暗差の激しい場所でも白飛びや黒潰れをしない優秀なフィルムです。
新品は以下から購入できます。
ISO 800/絞り F3.5
期限が切れているので、上記のPORTRA800の特徴は当てはまりませんね(笑)。
赤茶色系になってしまっていますが、いい感じの期限切れ具合。
ISO 800/絞り F3.5
いい顔してますね。大阪のディープスポットで撮影しました。
どっかのおっちゃんがあげた、竹輪が転がっています。
ディープとフィルムとオールドレンズの相性は抜群です。
ISO 800/絞り F3.5
期限切れの特徴として、感度が落ちることがあります。感度800のフィルムですが、設定を200(露出補正で+2)にするくらいでちょうど良かったかもしれません。
これはかなり暗くなっちゃいました。でも、フィルムならではのザラ付きが強調されていて、割と好きな一枚。
ISO 800/絞り F5.6
今回の作例はフィルム3種類を1本ずつ使いましたが、カメラ目線の記念写真よりも、不意に撮る日常の方が味がでるカメラだなって感じました。
Rollei Chrome CR200 Proにて撮影した作例(クロスプロセス現像)
現在は販売されていませんが、Rolleiflex(ローライフレックス)だしローライのフィルムを!ってことで使用。クロスプロセス現像をしました。
ISO 200/絞り F8
銀杏の木ですが、ベタ塗りしたような黄色ですね。好き嫌いは分かれそうですが、光も印象的な一枚になりました。
ISO 200/絞り F5.6
大根干してますね。撮りたくなっちゃいますよね。
クロスプロセス現像は博打要素もありますが、青空も入れて撮影すると、いい色になる率が高くなります。
ISO 200/絞り F8
こちらの作例はただ正面から切り取っただけですが、魅力的な一枚に。
ISO 200/絞り F3.5
ハッセルブラッドのときにも書きましたが、いいカメラ・いいレンズのときはクロスプロセス現像しなくてもいいですね(笑)。
中判カメラ+クロスプロセスの作例はこちらの記事でも掲載しています。
[フィルムカメラぶらり撮影散歩2] Makro-Planar T* 120mm F4 CFは写真の醍醐味を教えてくれる。
Rolleiflex(ローライフレックス)はドラマチックなカメラ
持っていて嬉しい。使っていて楽しい。描写力も高い。そして、日常をドラマチックに表現してくれます。
また、今回はフィルムを3本使用しましたが、その中で「いいなぁ」と思ったのは、さりげなく人が写り込んだ写真でした。
どんな被写体が合うのかを模索するのもいいのですが、Rolleiflex(ローライフレックス)に任せて、あまり深く考えずに日常を写すのもいいですね。
ISO 800/絞り F5.6
ちなみにですが、二眼レフは上からファインダーを覗いて撮影します。その為に視点はいつもより少し下がります。それだけでも映る世界はいつもと変わります。
実際にファインダーを覗いてみないと分からないと思いますが、このファインダーには反転された世界が写っています。
(カメラの中に鏡が入っていて、左右反転したように見えます)
もうちょっと左側にと思って動かしたら、右側に動かしてしまいます。傾き(水平線)を合わせようとしたら、余計に傾いたりします。
初めて二眼レフを使う方が「あれ?あれれ?」と、戸惑っている姿は、面白くて可愛らしいです。
最後に。僕はいろんなカメラを使っていますが、ローライフレックスでの撮影はいつもより楽しかったです。ワクワクしました。
手に持つだけでテンションが上がります。
いろんな魅力のあるRolleiflex(ローライフレックス)、最高ですよ!!
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Rolleiflex 3.5F(ローライフレックス3.5F)について解説
ここからは中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフが、今回作例に使用したRolleiflex 3.5F(ローライフレックス3.5F)について簡単に解説します。
Rolleiflex 3.5F(ローライフレックス3.5F)
形式 | 二眼レフカメラ |
シャッター | シンクロコンパーMXV B、1秒〜1/500秒 機械式 レンズシャッター |
撮影用レンズ | Carl Zeiss Planar 75mm F3.5 もしくはSchneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5 |
露出計 | 外光式のセレン露出計 |
ファインダー | ウエストレベルファインダー |
フィルム装填 | オートマット式 |
シャッターチャージ | セルフコッキング |
使用フィルム | 120フィルム(220フィルム使用可能なものもあり) |
中古価格 | 200,000-300,000円 |
Rolleiflex(ローライフレックス)は二眼レフカメラの代表格です。
二眼レフという形態自体はそれ以前にも存在したのですが、ロールフィルムを用いる比較的小型のカメラにおいて、ローライフレックスがその始祖的な存在であることに異論を差し挟むことはできないでしょう。
さて、Rolleiflex 3.5F(ローライフレックス3.5F)はそのなかでも完成形に近いモデルだといえます。
戦後の比較的新しいローライフレックスのなかでは、レンズが明るい2.8Fの人気が最も高い印象ですが、少し開放値が控えめな3.5Fも、作例の撮影結果をみればわかるように、カメラとしての性能はけっしてひけをとりません。
1950年代後半~1960年代という、ドイツの工業製品がもっとも爛熟した時代の「つくりのよい」カメラの魅力を存分に味わえることが、このカメラのなによりの魅力であるといえるでしょう。
また銘板部には2.8F同様にセレン露出計の受光素子が置かれています。
レンズにはCarl ZeissのPlanar(プラナー)付きとSchneider-Kreuznach Xenotar(クセノタール)付きが存在します。
今回、作例の撮影に使用したのはPlanar付きのほうです。
↑プラナー付きのレンズ部分
ツァイスという名前もありPlanar付きに惹かれてしまう気持ちもありますが、当然ながらシュナイダーのクセノタールも負けず劣らずの描写を楽しめます。
↑クセノタール付きのレンズ部分
今回使用したRolleiflex 3.5の中古価格は二眼レフカメラとしては比較的上昇基調にありますが、その価格に見合った価値があるフィルムカメラであることは間違いありません。
本機はシャッターがレンズシャッターのカメラなので、中古を探す際は少し価格が上がってもオーバーホールを受けたものを選ぶのを忘れずに。
レンズシャッターは未整備の場合、必ずシャッターがスムースに動作しなくなります。
新しくても製造から50年以上経っていますが、使用されているシャッターはシンクロコンパーというメジャーな製品なので、整備さえ受けていれば中古でも確実な動作が期待できます。
当店、サンライズカメラの中古在庫にもローライの二眼レフは続々入荷中。
ぜひご覧ください。
Rolleiflex(ローライフレックス)について詳しくはこちら
ローライで二眼レフを楽しんでみませんか?
今回のフィルムカメラぶらり撮影散歩ではRolleiflex 3.5F(ローライフレックス3.5F)をお届けしました。
今回の3.5のほかにも、ローライフレックスの他モデルやローライコードといった名モデルが目白押し。
中古フィルムカメラのなかでも二眼レフを選ぶなら、ローライは絶対に間違いのない選択肢です。
ぜひあなたもローライで二眼レフを楽しんでみませんか?
フィルムカメラぶらり散歩 次回はCONTAX T3の解説と作例をお届けします。
中古人気の高い高級コンパクトカメラ、どんな描写をするのか、作例の撮影結果をお楽しみに!
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