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[フィルムカメラぶらり撮影散歩2] Makro-Planar T* 120mm F4 CFは写真の醍醐味を教えてくれる。

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 200・シャッタースピード 1/250・F8

 

こんにちは、雨樹一期です。前回に引き続きHasselblad(ハッセルブラッド)のレンズ作例をご紹介します

使用したレンズはMakro-Planar(マクロプラナー) T* 120mm F4 CF前回のプラナーは80mmでしたが、今回は120mm。35mm判で66mmの画角になります。

やや望遠になりますね。焦点距離が長いほど背景はボケるので、前回のPlanar(プラナー) T* 80mm F2.8と同じ絞り値で撮影しても今回のレンズの方がよりボケます。

また、マクロレンズといっても、被写体に劇的に寄れるレンズではありません。そこそこ大きく撮れるといった感じですね。
最短撮影距離でも数枚撮ったので、作例をご覧下さい。

さらに今回はネガ現像の写真と、特殊なクロスプロセス現像をした写真(TOPの写真)の作例を掲載いたします。同じ場所でも色味はガラッと変わりますよ。

やっぱり僕はフィルムが好きなんだなーと、わっくわくしながら作例を撮影できました。
ファインダーを覗くのがこんな楽しいカメラは他にありません。

前回の「Planar T* 80mm F2.8 CF」レビュー記事はこちら。Hasselblad 500C/Mについてのレビューも綴っています。

[フィルムカメラぶらり撮影散歩1] なぜHasselblad 500C/Mにみんな魅了されてしまうのかを知った。

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Makro-Planar(マクロプラナー) T* 120mm F4 CF で撮影した作例

Makro-Planar T* 120mm F4 CF

 

今回のMakro-Planar T* 120mm F4 CF + Hasselblad 500C/Mの作例は、近所を自転車で散策しながら撮影しました。基本的に僕の写真はちょっと田舎の景色が多めです。
いろんなカメラで撮りながらコスモス畑に辿り着きました。

それでは作例です。

 

ネガ現像の作例(FUJIFILM PRO400H)

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 400・シャッタースピード 1/500・F5.6

 

とりあえず、玄関開けたら猫も出てきたので1枚撮りました(笑)。被写界深度がとにかく浅い(ピントの合う幅が狭い)ので絞りは開放ではなく、F5.6で撮影。

さすがのクリアーな描写。35mmとは画質が全然違ってびっくりします。まーキレイだこと。
35mmのカメラしか使ったことない方はぜひHasselbladでこの驚きを体感して頂きたいです。「高画質なんて求めてないよー!」なんて言っている方も、だいたいハマります(笑)。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 400・シャッタースピード 1/500・F5.6

 

やっぱり止まっている被写体が楽ですね。

手前に金網の柵があります。斜めに走っている光みたいなのがそうですね。35mm換算66mmと少し長めのMakro-Planar(マクロプラナー) T* 120mm F4なら前ボケである程度消すことも可能です。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 400・シャッタースピード 1/250・F11

 

絞りをF11で作例を撮影してみました。ピントはカリカリです。単純だけど、レンズの性能は絞って撮ることでもわかります。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 400・シャッタースピード 1/500・F4

 

遅咲きの向日葵。次は逆光&開放で撮影。

奥の花びらにピントが合っていますが、手前はボケていますね。逆光でもゴーストが出ませんでした。
これが最短撮影距離になります。

この優しい光こそプラナーの空気感。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 400・シャッタースピード 1/500・F4

 

こちらの作例も同じく開放で撮影。左と右のコスモス、肉眼でみた距離はあまり変わりはありませんでしたが、左はややピンボケ。なかなか難しいです。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 400・シャッタースピード 1/250・F8

 

空の白とコスモスの白。白飛びすることもなく、どちらもしっかりと表現されています。
「Makro-Planar T* 120mm F4」の性能にお任せで大丈夫ですね。
標準レンズとしてはちょっと長めですが、ポートレートにもいいですし、常用レンズとして使うのもぜんぜんありですね。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 400・シャッタースピード 1/250・F5.6

 

田舎道と学生って合いますよね。コスモス+αが欲しくて作例の被写体を探していたら、ちょうど通りがかってくれました。
でもまたしても被写界深度を掴めずにボケ過ぎちゃいました。早くレンズと仲良くなりたい。

って余談はさておき、Makro-Planar(マクロプラナー) T* 120mm F4は色乗りもいいのですが、Planar(プラナー) T* 80mm F2.8の方が彩度とコントラストは強く出ますね。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 400・シャッタースピード 1/250・F8

 

空を入れて一輪撮るならボカして撮る必要はあまりないので、ここはF8で撮影。コスモスにしっかりとピントを合わせるようにしました。背景がボケボケで、またびっくり。

ここまでの使用フィルムについて(追記)

ここまで紹介した作例ではFUJIFILMのPRO400Hを使用しましたが、残念ながら製造が終了しています。

2022年現在、中判のカラーネガフィルムで撮影するなら、富士フイルムの市場在庫を探すか、KodakのGold200を購入するのがおすすめです。

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続きまして、クロスプロセス現像をした作例写真です。

 

クロスプロセス現像してみた作例

Hasselblad 500C/M + Makro-Planar T* 120mm F4の組み合わせで、リバーサルフィルムをクロスプロセス現像した作例です。

 

クロスプロセス現像とは?

クロスプロセス現像とは、簡単に説明すると、現像の行程をクロスさせることです。
通常の現像行程はネガフィルムで撮るとネガ現像、リバーサルフィルムで撮るとリバーサル現像を行いますが、

①ネガフィルムで撮影→リバーサル現像
②リバーサルフィルムで撮影→ネガ現像

という処理をします。これは本来なら誤った現像方法になるのですが、②リバーサルフィルムで撮影→ネガ現像をすると面白い発色をすることで、特にトイカメラユーザーなどには欠かせない現像方法として一時期とても流行りました。

逆光に弱かったり博打要素もあるのですが、大化けすることもあります。ちなみに①の行程(カラーネガフィルムをリバーサル現像)はただ暗い写真になるだけで、オススメはしません。

使うフィルムによっても発色は変わりますが、コスモスとの相性は良いので、今回、Makro-Planar T* 120mm F4で撮ったフィルムを使ってやってみました。

 

リバーサルフィルムについて

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例

 

上記のように物凄くいい発色になる「コダックのリバーサルフィルム」が生産終了して以来、クロスプロセス現像をする人は少なくなりましたが、そのフィルムが2018年10月に再発売されたので、また少しだけ流行るかもしれません(35mmフィルムのみ)。

 

【サンライズカメラ スタッフ追記】
上記の記述は2018年現在のものです。
2018年にKodakのEktachrome E100が生産を再開。2021年現在でも、価格は高めですが購入可能です
また2021年現在、富士フイルムのリバーサルフィルム(ポジフィルム)も購入することができます。こちらはKodakに比べると価格は多少低めになっています。

今回の記事で作例を撮影しているLomography X-PRO200については、少なくともLomography公式Webサイトでは35mmは在庫切れとなっています(110は在庫あり)。

リバーサルフィルム 関連記事

2021年時点で販売されているリバーサルフィルム製品一覧や価格については、こちらの記事で解説しています。
リバーサルフィルムの価格はフィルムの中でもとくに上昇しているので「いまが一番価格が安い」フィルムでさっそく撮影してみませんか?

[2024年版] おすすめポジフィルム(リバーサルフィルム)まとめ!宝石のような描写を味わおう

 

クロスプロセス現像の作例(Lomography X-PRO200)

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 200・シャッタースピード 1/250・F4

 

Hasselblad 500C/M + Makro-Planar T* 120mm F4でクロスプロセス現像してみた作例です。
ガラッと色味や雰囲気が変わりましたね。ここら辺は好みも分かれると思いますが、一つの表現方法として知っておいて損はないと思います。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 200・シャッタースピード 1/250・F8

 

こちらは逆光での失敗例です。色が激しく緑カブリ。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 400・シャッタースピード 1/250・F8

 

こちらは同じ場所で通常のネガ現像を撮り比べてみました。プラナーの優しい光はネガの方が合いますね。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 200・シャッタースピード 1/500・F5.6

 

こちらの作例は逆光での成功例ですね。カリッとした描写に、コントラストが強まり、色も鮮やかになっています。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 200・シャッタースピード 1/500・F5.6

 

コスモスを最短距離で撮影。色が潰れちゃいましたね。今回のMakro-Planar T* 120mm F4のようないいレンズにクロスプロセス現像は勿体無い気もしますね(笑)。

 

Hasselblad 500C/M / Makro-Planar T* 120mm F4の作例
ISO 200・シャッタースピード 1/250・F5.6

 

クロスプロセス現像すると、レンズの特徴もやや掴みにくくなりますね。
ですので、「こんなのもあるよ」という参考程度で、ご興味のある方はいつかお持ちのカメラでもいいので試してみてください。
ちなみに僕はちゃんとしっかり撮れるカメラやレンズではあまりやりません(笑)。

ただ、コラムのTOP写真のように自分の想像を超える発色はやっぱり楽しいですね。

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Makro-Planar(マクロプラナー) T* 120mm F4について簡単な解説

ここでは中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフがMakro-Planar T* 120mm F4について簡単に解説します。

Makro-Planar(マクロプラナー) T* 120mm F4とは

Makro-Planar T* 120mm F4 CF

中古価格 70,000-75,000円
マウント Hasselblad Vマウント
構成 4群6枚
メーカー Hasselblad / Carl Zeiss

Hasselblad用のレンズ、Makro-Planar T* 120mm F4は、Makro(マクロ)とついていることからもわかるように、近接撮影が可能なレンズです。

Planar(プラナー)という名称は、カール・ツァイスのダブルガウス型レンズに付けられる名称ですが、その名に違わず4群6枚という非常にわかりやすくダブルガウスの構成をしています。

ただし、本記事中にもそこまで寄れないという記述がありましたがレンズ単体での最短撮影距離は0.8m、倍率は約0.2倍で、単体ではそこまで寄れるわけではありません。
もちろん、中間リングを使えばもっと近接で使うことが可能です。

むしろMakro-Planar T* 120mm F4は、雨樹さんも書いていたように少し長めの焦点距離を活かしてポートレートに使いやすいレンズといえるかもしれません。

Hasselbladの中古はボディ、レンズともに価格が値上がり傾向にありますが、比較的中古価格は低めの部類なので、Planar T* 80mm F2.8に続いて2本目のレンズをお探しの方にもおすすめかもしれません。

この箇所の参考資料

Carl Zeiss公式Webサイトより、「Makro-Planar@ T* f/4-120 mm」(Makro-Planar T* 120mm F4 英語版資料pdf、2021年10月9日閲覧)
https://www.zeiss.com/content/dam/consumer-products/downloads/historical-products/photography/hasselblad-cf/en/datasheet-zeiss-makro-planar-4120-en.pdf

まとめ

「Makro-Planar T* 120mm F4 CF」は、撮影に没頭出来るレンズです。そしてその出来上がりの圧倒的な高画質に驚きます写真が立体的に見えます。
「自分はこれを撮りたかったんだな」ってのが分かります。

魅力はそれだけではなく、カリッとした描写の中に優しさと柔らかさがあります。でも決してコントラストが弱いわけではありません。全部兼ね揃えちゃってます。

Hasselblad用の2つのレンズで作例を撮影した感想としては、ボケに関しては、プラナー80mmのボケはとろっ、120mmのボケはふわっ、って感じですね。120mmの方がボケは強いですが、彩度やコントラストは80mmの方が強いかな。

高性能なレンズほど個性って失われがちですが、Makro-Planar T* 120mm F4は高性能な中にも個性があります一生もののレンズとなるのは間違いありませんよ。

Hasselblad用の中古レンズはずっと使い続けられるレンズ。
中古の価格もこれから上がっていくと思うので、良い状態の中古を探すなら今!かもしれませんね。

 

Makro-Planar T* 120mm F4をはじめHasselblad用の中古レンズをお探しの方は、ぜひ中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ 公式Webサイトもご覧ください。

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著者紹介: 雨樹 一期(Ichigo Amaki)

フィルムカメラ・トイカメラの多重露光などで作品撮りの傍ら、大阪・東京を中心に全国でフィルムカメラワークショップを開催。
2024年9月8日ラジオ番組【編集長 稲垣吾郎】(文化放送)に出演するなど、精力的に活躍中。 その他、カメラの個人レッスン、ペット・家族の撮影をしています。 基本、娘と猫と珈琲とカレーに生かされてます。

HP : 雨樹一期写真事務所
blog : フィルム寫眞手帖

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