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[2024年版] おすすめポジフィルム(リバーサルフィルム)まとめ!宝石のような描写を味わおう

おすすめのポジフィルム

この記事ではおすすめのポジフィルム(リバーサルフィルム)の選び方と使い方、そしてその魅力について紹介します。

ポジフィルムとは、「色が反転していない」フィルムのこと。
フィルムカメラを使ったことがある方は、フィルムというとオレンジ色をしていて、そのままではどんな写真が写っているかよくわからないものをイメージすると思います。
そのようないわゆる普通のフィルム「ネガフィルム」と違って、ポジフィルムはフィルムそのままの状態で、どんなものが写っているかわかる構造になっているのです。

ポジフィルムは使い勝手が少々ネガフィルムと異なりますが、手のひらに乗るフィルムのなかに自然の光景をちりばめた美しさはまるで宝石のよう。
近年では製品が減少しているので、ポジフィルムを楽しむなら今がチャンス! です。

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おすすめポジフィルム3選

いま使うならこのポジフィルム(リバーサルフィルム)がおすすめ!

1.FUJIFILM PROVIA100F

値段(35mm) 約1,700円(36枚撮り)
対応カメラ 35mm、中判(120)、大判

富士フイルムのPROVIA100F(プロビア)はISO100の定番ポジフィルム。

2021年春の時点で、富士フイルムはPROVIAとVELVIAというポジフィルムをラインナップしていますが、こちらのPROVIAはどちらかというと「自然な色彩」が特徴のフィルムとなります。

富士フイルムのポジフィルムのなかで最後まで残った定番中の定番なので、迷ったらこれを選べば間違いはないといえるでしょう。

2.FUJIFILM VELVIA100

値段(35mm) 約1,700円(36枚撮り)
対応カメラ 35mm、中判(120)、大判

富士フイルムのVELVIA100(ベルビア)は、上で紹介したプロビアに対して「ヴィヴィッドな色彩」が特色となるポジフィルムです。
肉眼で見る以上に風景を美しく切り取ってくれるでしょう。

このISO100のほか、ISO50の製品もあります。

3.Kodak Ektachrome E100

値段(35mm) 約2,500円(36枚撮り)
対応カメラ 35mm、中判(120)、大判

Kodak(コダック)のポジフィルムは一度すべての製品が廃盤になってしまったのですが、2018年、このE100がラインナップに復活しました。

アメリカのメーカーであるコダックは、フィルム上へ再現される色が日本の富士フイルムとはまったく異なります
ポジフィルムでは、カラーネガフィルムに比べ色の違いが非常に重要になってくるので、値段は高いですがコダック特有の描写を味わえるという点で非常に貴重な存在です。

ポジフィルムで撮れる写真

ポジフィルムなら、こんなに美しい色彩の写真が撮れますよ。

ポジフィルムで撮影

ポジフィルムで撮影

ポジフィルムで撮影

使用カメラ・レンズ:Nikon F + New NIKKOR 55mm F1.2
使用フィルム:富士フイルム PROVIA100F

デジタル化して画面上で鑑賞してもこんなにきれいなのに、実物はもっと美しいのがポジフィルムの凄いところ。
今度はぜひあなたが美しい作品を生み出してみませんか?

この作例は、こちらの記事でより詳しく紹介しています。

[オールドレンズ撮り比べ9] Nikon New NIKKOR 55mm F1.2で大口径の魅力をミラーレスでもフィルムでも生かそう

2024年版 おすすめのポジフィルム

フィルムカメラに少し興味を持った方なら聞いたことがあるかもしれない「ポジフィルム」。

いったいどんなフィルムなのでしょうか?

ポジフィルム(リバーサルフィルム)とは

ポジフィルム
ポジフィルムとは一番最初に出てきたこの画像↑のように「フィルムの状態で、自然のままの色彩になっているフィルム」のことです。

ネガフィルム
いっぽうで、一般に「フィルム」というとこのような↑オレンジ色のフィルムが思い浮かぶのではないでしょうか?

このオレンジ色のフィルムは「カラーネガフィルム」といい、フィルムのままでは色が反転しています。
そのため、紙にプリントしたり、デジタルデータ化するときに再度色を反転させて、写真として鑑賞できる状態にする必要があります。

一方でポジフィルムは、色を反転させる必要なく、そのままの状態で鑑賞できるつくりになっているのです。

ポジフィルムの特徴

ポジフィルムの最大の特徴。

それはなんといっても「美しい」ということです。

35mmフィルムの手のひらサイズの画面に現実世界のミニチュアが再現される。
中判フィルムや大判フィルムの大画面にヴィヴィッドな色彩が切り取られる。

パソコンやスマホの液晶画面とはまったく違う、光が描き出す美しい風景は、ポジフィルムでなければ決して再現できないものです。

ポジフィルムで撮影

この感覚はポジフィルムの実物を見なければけっして伝わるものではないので、ぜひ実際に撮影してみるのがオススメです。

ポジフィルムを使うときの注意

ポジフィルムは、撮影した写真がとても美しい反面、撮影するときに少しだけ注意が必要です。

それが「露出」のミス

カラーネガフィルムに比べて、ポジフィルムは露出ミスへの許容量が少ないという特徴があります。
(このことを「ラティチュードが少ない」といいます)

そのため、シャッター速度が早すぎたり絞りを絞り込みすぎる(露出アンダー)だと真っ黒に

露出アンダー

シャッター速度が遅すぎたり絞りを開きすぎる(露出オーバー)だと真っ白になってしまうのです。

露出オーバー

(これはネガフィルムでも同様ですが、ポジフィルムではより顕著にそうなります)

初心者の方が初めてポジフィルムを使う場合、比較的新しい、高度な露出計が内蔵されたフィルムカメラを使うと失敗なく撮影することができるでしょう

ニコンF5
高性能の露出計を内蔵したカメラの例:ニコンF5

露出計のないクラシックカメラで撮影する場合は、単体露出計を使うのがおすすめです。

関連記事

露出計についてはこちらの記事で解説しています。

露出計がないフィルムカメラで写真を撮るには? 単体露出計・アプリの使い方

「露出」の基礎についてはこちらの記事もご覧ください。

【撮影基礎講座1】誰でもわかるカメラの露出。絞り・シャッター速度・感度で写真をコントロール!

ポジフィルムを使うための費用

さて、ポジフィルムを使うにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?

フィルムの値段

2021年春の時点で、ポジフィルムは日本の富士フイルムと、アメリカのKodakから販売されています。

35mmフィルム・36枚撮りの場合、富士フイルムが1,500~2,000円程度。
Kodakは2,500円くらいです。

現像代金

ポジフィルムの現像代金は、35mmフィルム・36枚撮りの場合おおよそ以下の通りです。
(どちらも2021年3月17日閲覧)

富士フィルムの純正現像:1,493円

参考:
クリエイト(富士フイルムグループのプロラボ)より価格表
http://www.prolab-create.jp/service/order/shop/
※ページ内のpdfリンクより閲覧

Kodakの純正現像:1,300円

参考:
ケイジェイ イメージング(Kodakのフィルムを取り扱う現像所)公式Webサイトより
「カラーリバーサル(スライド)フィルム現像」価格表
http://www.kjimaging.co.jp/news/price.html
※ページ内のpdfリンクより閲覧

なお、データ化を行う場合には別途料金がかかります。
店舗により値段が異なるので、利用するお店でお尋ねください。

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ポジフィルムはなんのために使われたの?

ここからはポジフィルムについての知識を紹介します。

まず、ポジフィルムはどうして開発されたのでしょうか。

むしろ、オレンジ色のカラーネガフィルムのように色が反転しているフィルムではなく、そのまま鑑賞できるポジフィルムが一般的にならなかったのはなぜなのでしょうか?

紙(印画紙)にプリントするにはネガフィルムのほうが向いていた

プリントされた写真

ポジフィルムよりも、いわゆる普通のフィルム「ネガフィルム」のほうが一般に使われたのは、紙にプリントするのに向いていたためです。

オレンジ色のネガフィルムは、撮影した写真は色彩と陰影が反転しています。
ですが、ネガフィルムと同じように反転した色で記録する紙(印画紙)にプリントすることで、反対の反対は元通りになるので、色彩と陰影が正しいものになります。
さらに、プリントするときに色彩を修正することもできますし、たくさんの枚数プリントすることも可能です。

いまではプリンターを使って簡単に写真をプリントできますが、昔、化学変化を使って写真をプリントするのが当たり前だった時代には、そのような方法のほうが簡単で合理的だったのです。

いっぽうで、ポジフィルムでも紙にプリントしたり複製することは可能ですが、より複雑な化学変化が必要でした。
そのため、ポジフィルムはあまり一般に普及せず、プロと写真愛好家が主に使う製品になったのでした。

ポジフィルムの用途

ポジフィルムは以下のような用途に使われました。

印刷原稿

ポジフィルム

パソコンとデジタルカメラが普及する以前、雑誌や広告、さらにはスーパーの折込チラシに至るまで、印刷原稿で使われる写真にはポジフィルムが使われていました。
これは、印刷原稿として製版するのに相性がよかったためです。

愛好家の作品制作

風景や植物、ポートレートなどなど、美しい色彩と精密な描写を生かして、ポジフィルムは写真愛好家の作品制作や、鉄道や飛行機などのここぞというときの記録写真にも愛用されました

映画の上映用フィルム

映写機
↑この画像は家庭用の小型(フィルムの幅が小さい)のもの。

映画館で上映されるフィルムもポジフィルムでした。
ポジフィルムは強い光をあてることで、レンズを通してスクリーンに投影できます。

この用途では、デジタル上映が普及した現在でも、こだわる映画監督によってポジフィルムが使用されています。

プレゼンテーション資料

スライドプロジェクターとポジフィルム

パソコンが普及する以前、現在のPowerpointのように、ポジフィルムをスクリーンや壁面に投影してプレゼンテーションすることも広く行われていました。
同様に学校の授業でも用いられました。

ポジフィルムの名前の由来

「ポジフィルム」という名前はPositive Film(ポジティブフィルム)を略したもの。
いっぽうで、カラーネガフィルムの「ネガフィルム」はNegative Film(ネガティブフィルム)の略となります。

つまり、写真用のフィルムは

正しい色:ポジティブ

ポジティブ(陽画)

反転した色:ネガティブ

ネガティブ(陰画)

フィルムの上に記録された色や陰影などの情報によって、このように呼び分けられているのです。

フィルムの時代を知っているカメラマンや写真愛好家の方は、ポジフィルムのことを単に「ポジ」、ネガフィルムのことを単に「ネガ」と呼ぶことも多いです。

リバーサルフィルム

いっぽう、ポジフィルムは「リバーサルフィルム」と呼ばれることも多くあります。
ポジフィルム=リバーサルフィルムで、まったく同じものを指しています。

このリバーサルフィルムという名前は、フィルムを現像するときの化学処理の方法に由来する呼び名。
現像の工程に「反転現像」というものがあり、反転=リバーサルという名称が使われるようになりました。

鉄道写真家など、写真のジャンルによってはポジフィルムよりもリバーサルフィルムと呼ばれることが一般的なことも多いです。
また、単に「リバーサル」とも呼ばれます。

スライドフィルム

スライドプロジェクター

さらに。

呼び名がいくつもあって疲れてしまうかも知れませんが、ポジフィルムは「スライドフィルム」とも呼ばれます。

これは、上でも紹介したように、パソコンが普及してPowerpointなどのソフトが普及する以前、ポジフィルムそのものをプロジェクターでスクリーンに投影していたことに由来する呼び名です。
ポジフィルムを「スライドマウント」という枠に入れることで、スライドプロジェクターで次々に映し出すことができました。

ポジフィルム
↑上でも使用した画像ですが、フィルムが入っている白い枠のことを「スライドマウント」といいます。

その名残で現在でも、Powerpointなどのプレゼンテーションソフトで「スライド」という単語が使われたり、写真を次々と画面に写すことを「スライドショー」と呼ばれたりしているのです。

2024年時点で手に入るポジフィルム

いま広く手に入るポジフィルムは以下の4種類です。

※マイナーな製品はほかにも存在します。

冒頭とも重複しますが紹介していきます。

1.FUJIFILM PROVIA100F

値段(35mm) 約3,600円(36枚撮り)
対応カメラ 35mm、中判(120)、大判

富士フイルムのポジフィルムは自然な色彩のPROVIA(プロビア)と、ヴィヴィッドな色彩のVALVIA(ベルビア)という2つのラインに分かれています。

こちらのプロビア100Fは、オールマイティに使える自然な色調のポジフィルム。
迷ったらこちらを選べば間違いはないでしょう。

2.FUJIFILM VELVIA100

値段(35mm) 約3,300円(36枚撮り)
対応カメラ 35mm、中判(120)、大判

ヴィヴィッドな色彩のVELVIA(ベルビア)は、現実世界以上に美しく風景を切り取ってくれるフィルム。

桜や紅葉。
空の色。

デジタルでは真似のできない色彩をぜひあなたの手に。

3.FUJIFILM VELVIA50

値段(35mm) 約2,000円(36枚撮り)
対応カメラ 35mm、中判(120)、大判

こちらは上で紹介したVELVIA(ベルビア)の感度ISO50バージョン。

デジタルと同じく、フィルムでも感度が低いほど画質が良くなります。
ISO50という低感度フィルムでなければ実現不可能な高画質は、フィルムカメラの性能を最大限に引き出してくれることでしょう。

4.Kodak Ektachrome E100

値段(35mm) 約4,200円(36枚撮り)
対応カメラ 35mm、中判(120)、大判

KodakのEktachrome(エクタクローム)E100は、一度廃盤になったものの2018年に復活したという不死鳥のような製品。

日本の富士フイルムとアメリカのKodakではフィルムが再現する色彩がまったく異なるため、値段が少々高いのがネックですがぜひ一度は使ってみたいフィルムだといえるでしょう。

フィルムカメラもデジカメ・レンズも最高値の買取を約束します!

いまこそポジフィルムを体験してみよう!

ポジフィルムのラインナップは、以前に比べてかなり寂しくなってしまいました。

だからこそ、ポジフィルムを使うならいまがチャンス!
ぜひ美しい描写を体験してみませんか?

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