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[フィルムカメラぶらり撮影散歩8] 一眼レフ不要?CONTAX T3をポケットに今を鮮明に残そう

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 100/絞り F8

こんにちは、雨樹一期です。フィルムカメラぶらり撮影散歩、今回ご紹介するのは高級コンパクトフィルムカメラのCONTAX(コンタックス) T3です。

このシリーズではCONTAX(コンタックス) T2をご紹介しましたが、CONTAX(コンタックス)T2の発売は1991年、CONTAX(コンタックス)T3は2001年。コンパクトフィルムカメラの完成形でもあります。
T2もそうでしたが、このT3も中古人気がとても高い機種ですね。

T3の描写力、どんなものでしょうか?
作例をご覧ください。

【関連記事&前回の記事はこちら】

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CONTAX(コンタックス)T3の魅力について

CONTAX(コンタックス) T3

まずは作例を見つつ、撮影して感じた魅力について書いていきます。

外観について

まずは外観について。チタン外装のボディーは高級感と知性も感じられます。普段、トイカメラなども持ち歩く僕としては、CONTAX(コンタックス)T3を手に持った瞬間、背筋がピンと伸びてしまいます。
とにかく、質感がカッコいいです。

コンパクトなくせに、中判カメラよりも凛としています(笑)。

 

CONTAX T2と機能面を比較

CONTAX(コンタックス) T3の作例ISO 100/絞り F2.8

CONTAX(コンタックス)T3はT2で弱点だったオートフォーカスの精度が大幅に向上しています。T2で何度かあった「中抜け」が一枚もありませんでした。

そして撮影最短距離は、0.7mから0.35mになり。被写体にグッと寄って撮影することが可能になりました。
マニュアルで距離を設定することも可能です。

操作面も変更がありましたが、どちらか一台を所有するなら問題はありませんね。個人的には T2の方が使いやすかったです。

シャッタースピードの最高速度は1/500から1/1200に高速化
シャッタースピードに関しては、速ければ速いほどいいですからね。なのに、開放のF2.8で撮る時は1/500に制限されるようです。

その点のみ「なんじゃそりゃ」です。

※サンライズカメラ スタッフ注:レンズシャッターは構造上、シャッター羽根が中央から周辺へと動くため、絞りの開口径が小さい(絞り込んでいる)ときのみ露光時間を短くすることが可能になっているという事情があります。

 

日常を残すカメラ

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 100/プログラムオート

CONTAX(コンタックス)T3はコンパクトなので、コートのポケットにも入るサイズ。いつでも連れ出すことができます。
絞り優先AEだけではなくプログラムAEでの撮影も可能。T3の性能にお任せでも問題ありません。

撮りたいと感じた瞬間を残すことができます。

CONTAX(コンタックス)T3は「ゾナーT* 35mm F2.8」を搭載しています。色のノリも良く、コントラストも強め。メリハリがあって描写は硬めなので、風景写真にもオススメです。

 

CONTAX(コンタックス) T3で撮影した作例

CONTAX(コンタックス)T3の作例をさらに見ていきましょう。今回は、低価格だけどよく写る業務用フィルムと、ロモグラフィーの変わり種フィルムで撮影しました。

富士フィルム 業務用100で撮影した作例

このシリーズの作例でいつも使っているフィルムですね。
手頃な価格に似合わない堅実な描写。とりあえず富士フイルム(FUJIFILM)の業務用を使っておけば問題ありません。
粒状性(ザラつきも少ない)も発色も良く、フィルムらしい描写も楽しめます。

※2022年2月現在、すでに製造終了していますが、FUJICOLOR 100が同等品です。

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CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 100/絞り F2.8

屋台で購入したいちご飴食べてます。オートフォーカスの精度が本当にいいですね。よく撮れます。

その中にしっかりとフィルムの味もあります。

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO100/プログラムオート

いつもの逆光テスト作例。ゴーストが少し出ていますが、控えめというか柔らかめ。
変な言い方ですが嫌味のないゴーストです。

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 100/絞り F8

あくび猫。いいですね、この描写力。

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 100/絞り F5.6

この作例は少し絞ってF5.6で撮影していますが、しっかりと奥行きも表現してくれます。
カメラとは関係ないですが、団地って確実に自転車が倒れていますよね。

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 100/絞り F5.6

散歩撮影コースで見つけた象の滑り台。今時ではない感じ。フィルムやっている方は好きですよね。
少し暗かったので、手ブレしちゃいました。

CONTAX(コンタックス) T3の作例ISO 100/プログラムオート

今回、作例の撮影に使用したのは、正確にはCONTAX(コンタックス)T3dです。カメラの裏蓋に「d(データバック)」が付いています。

CONTAX(コンタックス)T3d 裏蓋

フィルム全盛期なので、「日付を写し込む機能」の需要があったということですね。解除もできますが、あえて写し込んでみました。フィルムらしさもあっていいですね。なんだか懐かしいです。

CONTAX(コンタックス) T3の作例ISO 100/プログラムオート

コンパクトで、直感的に、しっかり撮影できるカメラです。

CONTAX(コンタックス) T3の作例ISO 100/絞り F8

焦点距離は35mmですが、撮り方によってはやや広角にも見えますね。CONTAX(コンタックス)T2は38mmでしたが、どちらも使いやすいです。

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 100/絞り F8

今度はMFで撮影した作例です。
飛んでいるカモメをオートフォーカスで捉えるのは、さすがにT3でも難しいので、マニュアルフォーカスで1mに設定、絞りはF8で撮影しています。

Lomography LOMOCHROME PurpleXR100-400(ネガフィルム)で撮影した作例

続いての作例はロモグラフィーから販売の変わり種ネガフィルム。
ブルーがエメラルドグリーンに、グリーンがパープルに、イエローがピンクにシフトする不思議なフィルム。サイケデリックな色彩を楽しめます。

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 400/プログラムオート

こんなヘンテコフィルムはトイカメラで使えばいいと思いきや、しっかり撮れるカメラの方が相性が良いです。独特の色彩を、高性能レンズが際立たせてくれます。

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 400/絞り F8

ピントはカリッとしているけど、どこか哀愁がありますよね。

CONTAX(コンタックス) T3の作例ISO 400/絞り F2.8

CONTAX(コンタックス) T3の作例ISO 400/絞り F2.8

これが撮影最短距離ですね。ピントは右目に合っています。絞りは開放で最短距離での撮影、背景はかなりボケますね。

CONTAX(コンタックス) T3の作例

フィルムを2本使いましたが、T2にあった「中抜け写真」は一枚もありませんでした。
ピントを合わせたい部分にしっかりと合ってくれますね。
T2の作例を撮ったときに比べて、あきらかに歩留まりがいいです。

いいなぁ、欲しいなぁ、このカメラ。
状態のいい中古を探してみたくなります。

CONTAX(コンタックス)T3のまとめ

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 400/絞り F8

CONTAX(コンタックス)T3に搭載された「Sonnar(ゾナー) T* 35mm F2.8」ですが、強コントラストで明暗差にメリハリが出ます。
そのために、絞って撮影しても立体感が生まれます。T2の時も感じたのですが、ゾナーの特徴ですね。

色のノリも良くて、いわゆる「眠たい写真」にはならないです。

CONTAX(コンタックス) T3の作例ISO 100/プログラムオート

これは眠たそうな写真ですが(笑)、一度使うと確実に欲しくなります。外観の高級感もテンションが上がります。
そして、コンパクトなのでどこにも連れ出せます。

一つだけ難点

ただ、一点だけ問題があるのですが、中古価格が高いんです。CONTAX(コンタックス)T2が二台買えてしまうかもしれません。
性能的にはCONTAX(コンタックス)T3の圧勝ではありますが、T2も決して悪くありません。僕にとってですが、操作性はT2の方が使いやすかったです。

CONTAX(コンタックス)T3はしっかり撮れるので、狙ったものを確実に捉えることができますが、CONTAX(コンタックス)T2の方が描写に味があるなと感じました。
同じ中古価格なら当然T3を買いますが、価格差を考えるとT2でも問題ありません。

CONTAX(コンタックス) T3の作例
ISO 400/絞り F2.8

「コンパクトなオートフォーカスのカメラでここまでキレイに撮れるなら、一眼レフでなくてもいいかも!」なんて思ってしまいました。
もちろんレンズ交換などはできませんが、持ち運びが容易という利点もあります。

フィルムカメラを気軽にはじめたいのならCONTAX(コンタックス)T2やT3はオススメですね。中古価格的には安価な一眼レフよりも高いので、お気軽ではありませんが(笑)。

でもある程度高価であることも必要だと思っています。T3を購入すれば確実にフィルムカメラを続けますからね。
僕はフィルムカメラの講師もやっていますが、機能の乏しい、価格の安いトイカメラを購入した人は、割とすぐにやめちゃいます(笑)。

ずっと続けていくと考えると、高級機を手に入れるのもありですよ。

個人的には高級感のあるボディーにも惹かれたカメラです。

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CONTAX(コンタックス)T3について簡単な解説

ここからは、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフがCONTAX(コンタックス)T3について簡単に解説します。

CONTAX(コンタックス)T3

CONTAX(コンタックス)T3

形式 35mm高級コンパクトカメラ
シャッター レンズシャッター
16秒〜1/1200秒
絞り開放時は最高速1/500秒
ロングタイムモード時は1秒〜180秒
レンズ ゾナーT* 35mm F2.8
露出計 2分割外部測光
AE プログラムAE
絞り優先AE
ファインダー 逆ガリレオ型採光式ブライトフレーム
AF 外光パッシブ式
マニュアルフォーカス可能
電池 CR2 リチウム電池x1
発売年 2001年
中古価格 170,000-180,000円

CONTAX T3(コンタックスT3)は京セラがCONTAXブランドで販売した高級コンパクトカメラです。

T3という名前の通り、T2の路線を引き継いだ、高級コンパクトカメラの決定版ともいえる内容となっています。

雨樹さんの解説でも触れられているように、AF性能の向上、最短撮影距離の短縮(寄れるようになった)など基本的性能が向上。
また大きな変更点として、レンズは同じくSonnarを名乗っていますが、焦点距離が38mmから35mmへ少し広角化しました。

T2の38mmという焦点距離も、Konica C35シリーズをはじめ多くのコンパクトカメラが採用してきた中庸で使いやすいものでしたが、スナップカメラとして考えると、35mmの準広角というスペックは多くのフォトグラファーに愛されている「正解」といえるもの。
カラーを詰めても、モノクロを自家現像しても、街を、人を、ドラマチックに切り取ってくれることでしょう。

CONTAX(コンタックス)T3

とはいえ、同じSonnar銘ながらT2とT3の描写は方向性が異なります。
ご興味がある方はT2とT3を使い比べてみるのも面白いかもしれませんね。

さて、CONTAX T2もそうですが、T3ももちろん全自動のコンパクトカメラ
ということは電子回路が使われているカメラということになりますが、いまのところは必ずしも修理は不可能ではないようです。
(京セラのメーカー修理は終了しています)

また、CONTAX T2やT3の中古は中国市場でも高い人気を集めているようです。
中国製の単体露出計が国内代理店経由やAliexpressで市販されていることからもわかるように、中国には独自のフィルムカメラ文化があります。
M型ライカなどは修理部品を製作してまで修理されることがありましたが、カメラの修理というのは、人気が高ければ高いほど末永く続いていくもの。
電子カメラであったとしても、最人気の電気カメラであるCONTAX T3はもしかすると修理不可能な電子部品を代替して使い続けられていく可能性もあるのでは、と勝手ながら想像しています。

かつての定番フィルムが製造終了している昨今ですが、それでもフィルムの新商品も続々登場しています。
2001年というフィルムカメラが爛熟しきった時代、日本とドイツの光学産業の技術と知識と経験が注ぎ込まれた最後の・最高の高級コンパクトカメラの性能を、いまなら存分に引き出すことができますよ!

人気が高く、製造終了後に価格が上がったたぐいのカメラであるため中古価格はいまなお上昇基調ですが、全自動の高級コンパクトカメラとしては正解に近い一台であるといえるでしょう。
雨樹さんも書いていた通り、このカメラもまた中古価格に見合った価値のあるフィルムカメラなのは間違いないです。

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今回はCONTAX(コンタックス)T3の解説と作例をお届けしました。
2001年のSonnarというレンズは、高級コンパクトカメラに搭載されるレンズとして正解といって間違いないもの。

ぜひあなたもTシリーズの到達点を味わってみませんか?
当店、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラの販売サイトもぜひご確認ください。

フィルムカメラぶらり撮影散歩、次回はRolleicord(ローライコード)Vb型について魅力と作例をお届けします。

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著者紹介: 雨樹 一期(Ichigo Amaki)

フィルムカメラ・トイカメラの多重露光などで作品撮りの傍ら、大阪・東京を中心に全国でフィルムカメラワークショップを開催。
2024年9月8日ラジオ番組【編集長 稲垣吾郎】(文化放送)に出演するなど、精力的に活躍中。 その他、カメラの個人レッスン、ペット・家族の撮影をしています。 基本、娘と猫と珈琲とカレーに生かされてます。

HP : 雨樹一期写真事務所
blog : フィルム寫眞手帖

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