フィルム写真好きなら絶対に試すべき!PENTAX SLで感じる、レトロの美しさと至福の瞬間
今、私が手にしているフィルムカメラは、Nikon Fアイレベル。知っている人も多いかもしれませんが、このカメラには露出計がありません。だから、光を自分の目で感じ取り、カメラで適正な露出を調整しながらシャッターを切る。
露出計なしのカメラには、もう抵抗がありません。
そんな感覚を持ちながら、今回はPENTAX(ペンタックス) SLを持ち歩いてみました。
Nikonや他の国産カメラ、Leicaなどの舶来カメラも触れてきましたが、最近、PENTAXの35mm一眼レフに惹かれています。
巻き上げの音、手に伝わる振動、機械式ならではのシャッター音。これが「フィルム写真を撮ってるな」と感じさせてくれる瞬間。
気分が高まります。
このカメラ、派手なデザインはありません。でも、その分、フィルムカメラらしい重厚感と、シンプルな操作性が心地よい。これから見せる写真で、PENTAX SLの良さが少しでも伝われば嬉しいです。
前回書いたブログ記事はこちらです。
大反響をいただき、大変多くのかたに読んでいただいています。
こちらの機種も個人的にかなりオススメです。
目次
PENTAX SL/ Super Takumar 55mm F1.8
まずはPENTAX SLがどんなフィルムカメラなのか、数字に表れるスペック面からみていきましょう。
PENTAX SLのスペック・性能
形式 | 35mm一眼レフカメラ |
シャッター | 1秒~1/1000秒、B(バルブ) |
巻き上げ | レバーによる手動巻き上げ |
質量 | 約○○g |
発売年 | 1968年9月 |
1968年9月に発売された機種で、4年前に発売されたPENTAX SPから内蔵TTL露出計を取り除いたモデルになります。
露出計がない機種ということだけあり、フィルムカメラ初級者よりも、上級者向けに製造販売されたようです。
M42マウントのおかげで、PENTAX以外のオールドレンズを装着できるのも嬉しいポイント。さまざまなレンズを使って、自分だけの表現を楽しむことができます。
今回使ったのはブラックモデル。手にした瞬間、自然と気持ちが高まって、撮影したその日一日が豊かな気分になりました。
どうですか、この良い感じに塗装が剥がれて真鍮が剥き出しになっている様子は。経年はただの古さではなく「使い続けられてきた証」として美しさを帯びます。
手に取って、この歴史を感じる経年変化と、機械音を感じてみてください。
今回はSuper Takumar 55mm F1.8のレンズを使用しました。
このレンズについて、プロのフォトグラファー「雨樹一期」さんがガッツリと作例と感想を書いてくださっているので、こちらも併せてご覧ください。
PENTAX SL / Super Takumar 55mm F1.8の作例集
それでは早速、今回撮影した写真をみていきましょう。
使用したフィルムはKODAK ULTRAMAX400です。
ULTRAMAX400で撮った作例集
冬の陽って、落ちるのが速いです。
午後の柔らかな光、撮りたいなぁと思ったら、ちょっと焦っちゃうくらい。
だから冬の写真は、なんだか特別なんですよね。
ところで、日本の自動販売機って、来日した海外の人に人気らしい。
でも、こっちからすると、あまりにも当たり前すぎて、カメラを向けることも少ないんだよなぁ。
今日ふと思って、撮ってみたんです。
これが「日本らしさ」って言われるなら、なんだか面白いな~。
真逆光でパシャリ。右下に見える模様、たぶんレンズの絞り羽根の反射だろうなぁ。ドラマチックな雰囲気はあるけれど、やっぱりもう少し抑えたほうがいいかもしれません。
半逆光くらいが、光の柔らかさとドラマのバランスがちょうどいい気がする。
次はその辺を意識して、また挑戦です。
絞り開放、F1.8で撮った一枚。オールドレンズの入門としても人気のSuper Takumar、さすがのボケ味です。
クセがないから、被写体の魅力をそのまま引き出してくれます。
光に透けた紅葉は、まさに秋の静けさそのもの。
見ているだけで心が穏やかになるような、そんな瞬間を閉じ込めた写真です。
こちらも絞り開放で一枚。背の高い木々が作る日陰の中で、スポットライトみたいに照らされていた、ただの葉っぱ。
でもその「ただの」が、レンズ越しには特別に見えちゃいますね。
光と影が、葉っぱ一枚を何者にでも変えるんだなと思った。
ULTRAMAX400の写り、どうですか?
光の加減で写真の表情がガラッと変わりますね。カメラもですが、このフィルムもクセが少なく、色味も温かみがあるので大人気フィルムというのは納得です。
描写は、分かりやすく「カリッ」とはしていないけれど、そこがまた味わい深い。巻き上げ、シャッタースピードの設定、シャッターを切るまでの動作。
そのひとつひとつがスムーズで、撮るたびにカメラが手に馴染んでいく感覚がありました。
この感じ、まさに「フィルムカメラと付き合う楽しさ」だな、と。
55mmレンズ、個人的には「ちょっと寄りすぎ?」と思うこともあります。でも、その分、写真が「見たままの風景」に近い印象で表現されます。自然な構図が得られるのも納得で、だからこそオールドレンズの代表として、多くの人に愛されているんですね。
コスパ最強のオールドレンズ、まさにその通り。ポートレートも撮っておけばよかったなと、少しだけ後悔しています。次の撮影の楽しみに取っておきます。
愛機Nikon Fアイレベルを被写体に一枚。あのLeicaを恐れさせた一台。ここから日本のフィルムカメラの大躍進が始まりました。
Nikon Fを深堀して、徹底解説したブログ記事もかなり勉強になるので、ぜひご覧ください。
PENTAX SLで撮ってみた感想
今回、このカメラで写真を撮りながら、PENTAXの35mm一眼レフって、やっぱり安定してるなぁ、と感じました。
その安定感は、長い年月の中で積み重ねられた「ものづくり」の重み。
今年発売されたPENTAX17を手にした人も多いと思いますが、あれができたのは、実は昔、35mmフィルムカメラを作っていたOBたちの力が大きかったんです。
50年前に生まれた彼らのカメラが、今もこうしてフィルム愛好家たちに愛されている。
その事実だけで、なんだか胸がじんわりします。
時間を越えて、手の中にその思いがあるのだから。
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