KONICA SIIが人気ない理由とは?描写力が証明する隠れた名機の魅力を再発見
カメラの世界には、なんだか「気づかれないまま」の名機があります。
人気が出なかったり、評価が追いつかなかったり。
Konica SIIは、そんな「埋もれたカメラ」の代表かもしれません。
外見は地味。正直、人気機種のような華やかさはない。
中古市場では、ジャンクの山に埋もれていることもしばしばです。
けれども、このカメラには「ただの地味」では終わらない魅力があるんです。
描写力。
そう、このカメラが本当に光るのは、その描き出す「絵の力」にあります。
高級機が持つ洗練や重厚さとはまた違う、
素直で芯のある、でもどこか味わい深い写り。
今回、このKonica SIIを持って外に出かけてみました。
その魅力を伝える写真が撮れたと思うんです。
だから、このカメラのこと、ちょっとだけ知ってほしいなと思いました。
埋もれた名機を再発見する旅、始めてみませんか?
目次
KONICA SII / HEXANON 48mm F2
まずはKONICA SIIがどんなフィルムカメラなのか、数字に表れるスペック面からみていきましょう。
KONICA SIIのスペック・性能
形式 | 35mmレンジファインダーカメラ |
シャッター | COPAL-SVE B、1秒~1/500秒、B(バルブ) |
レンズ | HEXANON 48mm F2 |
露出計 | セレン受光素子 |
巻き上げ | レバーによる手動巻き上げ |
質量 | 約700g |
発売年 | 1961年 |
元々KONICA(小西六)では、戦後の1947年ごろから35mmフィルムカメラの製造に力を入れており、コニカスタンダードから始まり、KONICA IIIAやIIIMなど、今でも人気のあるフィルムカメラを世に出していました。
1959年より、KONICA Sシリーズのカメラが作られるようになり、KONICA IIIシリーズで超人気だったHEXANON 48mm F2レンズをSシリーズでも搭載するようになり、Sシリーズも人気を得るだろうと考えられていました。
ただ、実際にはIIIシリーズと比べることが多く、搭載されているHEXANONレンズがどんなに高性能でも、今では影を潜める存在として、フィルムカメラ愛好家の方々には知られている機種になります。今回、このKONICA SIIを使用してみて思ったことは一つ。
やっぱこのカメラ、良い!です。
不人気の中に確実に埋まっている機種なのですが、描写力は流石はKONICAといった感じです。
正直、状態の良い個体は、「買い」と言っていいほど、このカメラが好きになりました。
KONICA SII / HEXANON 48mm F2の作例集
それでは早速、今回撮影した写真をみていきましょう。
使用したフィルムは以下の2本です。
Santa Color100で撮った作例
2024年の夏に鎌倉に行った時の参道で撮った一枚です。Santa Color100との相性が良く、しっかりと緑が表現されています。
解像度も高く、きりっとした描写にまず驚きました。
鶴岡八幡宮もしっかりと撮れました。昔、江ノ電の始発に乗ってみたく泊りがけで鎌倉に来たのですが、その時より外国人観光客は爆増していました。
そこら中から英語やヨーロッパの言語が飛び交っていて、インバウンドの強さを実感しました。
夕方の海でものんびり見て帰ろう~と思ったのですが…暑すぎです。
全くリラックスなんてできるレベルでは無かったです。ただ、やっぱり雰囲気は良いですよね。鎌倉高校前駅では、これだけの人が”映え”を狙って来ていました。アジア系の方が多かったですね。
湿気がなければ、どれだけ夏の湘南を楽しめるか。
ファインダー内に露出計の針があるので、露出の調整がしやすくて撮りたい画角で撮れるのは、このカメラの強みですね。
湘南行きたくなりました?
MARIX BLACK&WHITE FILM400で撮った作例
初めてこのMARIX BLACK&WHITE FILMを使用したのですが、このフィルムの白黒の濃淡とコントラストの程よさ、良いですね。安価で使用できるので、かなりオススメです。
個人的に好きな一枚です。うん、かっこいい。白黒で渋さが増しています。
基本的に露出計を信じて撮影していたのですが、精度が良いですね。安心して任せられます。
そして48mmというちょうどいい画角、スナップ写真を撮るならこれくらいの画角が一番使いやすいと思います。
逆光気味で撮影しても、フレアは出ず、撮りたい雰囲気をそのまま描写してくれました。川の波打つ様子も滑らかで、向かってくる被写体にピントを合わせるのにドキドキしてました。
やっぱりAFに慣れてしまっているので、フィルムカメラはそういった技術の向上にも役立ちますね。
Xでポストしたこの写真、全然反応が無くて。個人的には、「おお、良く見つけた!」と言わんばかりの好きな画角だったのですが、好みは様々ですね。
そして、私が今回の作例の中で一番好きな写真がこちらです。
初めて流し撮りをした時の一枚です。スローシャッターで、ピントをあらかじめ決めておき、被写体と平行に左から右へ流しながら撮影したのですが、、、え、かなり良く撮れてますよね?
普段被写体を「止めた」写真が多いので、流し撮りが新鮮だったのと、白黒という渋さ加減も相まって、素敵な一枚に仕上がりました。
KONICA SIIレベル高いです、ほんとに。
KONICA SII / HEXANON 48mm F2で撮ってみた感想
作例を見ていただければ、すぐにわかってくださると思います。
このカメラ、前評判の「地味で不人気」というイメージとは、まるで違う顔を持っています。
使ってみて気づいたんですが、本当にいいカメラなんです。
フィルムカメラはどれもそれなりに癖があります。
たとえば、このKonica SIIだと絞り環のクリック感がないんですよね。
スルスルっと動くから、慣れないと誤操作で明るすぎたり暗すぎたりすることも。
でも、使い込めば気にならなくなるんです。むしろ、それが心地よく感じられるようになります。
レンズは48mm F2。この画角はスナップにも向いているし、
ポートレートでもきっといい味を出してくれる予感がします。
こういう「使ってみないとわからない魅力」って、カメラ好きにはたまらないですよね。
フィルムカメラが人気を集める理由は、使いやすさや性能、そしてデザインにあるとよく言われます。
でも、このKonica SIIはそのどれとも少し違うんです。
派手さもないし。
でも、持つとわかる、「これ、自分だけが知ってるカメラだ」っていう感覚。
それがこのカメラの最大の魅力だと思うんです。
Konica SIIは名機です。まだ誰も気づいていないだけ。
あとは、あなたがこのカメラを手に取るかどうかで、その価値が決まると思います。
もし、フィルムカメラに「自分だけの相棒」を探しているなら、
Konica SIIと一緒に、新しい写真の世界を見つけてみませんか?
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