[コラム] ライカってどんなフィルムカメラ? ライカの魅力と特徴とは
フィルムカメラについて知らない人でも、その名前だけは聞いたことがあるであろう「ライカ」。
いったいライカとは、どんなカメラなのでしょうか。
ライカの特徴と、その魅力について紹介します。
いま人気のフィルムカメラの中でも、ライカは特別な立ち位置を持つカメラです。
一度でも触ったら魅力に取りつかれるであろう、並び立つもののない、世界最高のカメラ。
ライカがそのような魅力あふれるカメラであるのには、いくつかの理由があります。
カメラの歴史、使用感、精密さ、レンズの描写……。
あまりにも特徴的な部分が多すぎて、ライカの魅力はどんな切り口からでも語ることが可能です。
もしかすると、ライカ最大の特徴は「ライカであること」なのかもしれません。
まだ持っていない人にとっては「いつかはライカ」。
もう持っている人にとっては「一生ライカ」。
ライカの特徴と魅力について、中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラのスタッフが紹介します。
目次
ライカの特徴と魅力とは
さまざまな中古フィルムカメラのなかでも、とくに魅力あふれるカメラ。
それがライカ。
いったいライカとはどんなカメラで、どんな特徴と魅力をたたえる逸品なのでしょうか。
ライカとは
そもそもライカ(Leica)とはどんなカメラなのでしょうか。
「ライカ」というブランドを持つ商品にはさまざまな種類がありますが、一般的に「ライカ」と言った場合、「バルナックライカ」「M型ライカ」を指すことが一般的です。
バルナックライカとM型ライカはどちらもレンジファインダーカメラ(距離系連動式カメラ)。
単に「ライカ」と言った場合、レンジファインダーのライカを指す、ということです。
精密感や上質な使用感といったライカの魅力的な特徴を味わうなら、これらレンジファインダーのライカを中古で手に入れるのがおすすめです。
難しいのが一眼レフカメラ。
ライカの一眼レフカメラは、「ライカのカメラ」ではありますが、単に「ライカ」と言った場合含まないことも多いです。
ただし、1960年代にライカ純正で作られた初期の一眼レフカメラは、作りの良さや精密感といった面ではM型ライカに比類するレベルの魅力的な特徴を持ったカメラでもあります。
ライカのブランドのついたOEM(社外供給品)のコンパクトカメラやインスタントカメラなども存在しますが、いわゆる括弧つきの「ライカ」と言った場合、含まないことが一般的です。
ライカ製一眼レフの中にも日本製一眼レフカメラを元に設計されたものがありますが、一応はギリギリ、「ライカのカメラ」とされています。
宝石のような仕上げの良さ
いま人気のフィルムカメラのなかでも、とくに人気が高いのが「機械式」の機種。
機械式のカメラは、電気を使わずバネやゼンマイの力だけで動くのが特徴です。
ですが、同じ機械式のカメラでも、製造国やメーカー、機種によって仕上げが大きく異なるもの。
そんな機械式カメラのなかで最高峰の作りの良さを誇るのが……。
そう、ライカなのです。
ライカの精密感はまさに宝石、そして工芸品。
写真を撮るという実用の道具ながら、現在では不可能といっても過言ではない最高の仕上げがなされています。
とくに1950〜60年代前半のライカは絶品。
同時代の日本のカメラはもちろん、ドイツのカメラの中でも、これほどの高級感あるカメラはほかにありません。
最高峰の精密感は、ライカの特徴であるとともに、最大の魅力でもあるといえます。
レンジファインダーカメラの最高峰
そんな最高のカメラであるライカ、とくにM型ライカは、「レンジファインダーカメラ」の最高峰であるということも特徴です。
レンジファインダーカメラとは、ファインダーに内蔵された連動距離計を使ってピントを合わせるカメラのこと。
一眼レフと異なりスナップ写真に向いているとされており、シャッターを切ったときのショックが少ないのも特徴です。
あまたあるレンジファインダーカメラのなかでも、ライカはまさに最高峰のカメラ。
レンジファインダーカメラで重要となるファインダーの見え味も、他のカメラでは有り得ない、クリアーかつはっきりとしたもの。
ファインダーの使用感の面でも、ライカならではの精密感と仕上げの良さという特徴は健在です。
一眼レフカメラではニコンやキヤノンといった日本製カメラにも利がありますが、ことレンジファインダーカメラというジャンルにおいては、M型ライカは圧倒的な「正解」の選択肢。
もしこれからレンジファインダーカメラを使うなら、M型ライカを選ぶのがおすすめ。
国産フィルム一眼レフカメラやデジタルカメラでは味わえない魅力を体感することができますよ。
[leicab]
性能も味も最高のライカレンズ
ライカの魅力を更に高めているのが、高性能かつ描写も味わい深いライカレンズの存在だといえるでしょう。
ライカレンズとは、ライカの純正レンズのこと。
高級レンズとして知られていますが、ボディ同様単なるブランド品ではなくその性能も絶品です。
たとえば解像力だけを見ても、1950年代の時点で、現代レンズに匹敵し凌駕する超高性能レンズを開発してしまっているのです。
さらに、ドイツ製レンズだけあって描写もとても味わい深いもの。
精密であるとともに、空気感まで切り取ってしまうような、豊穣なる描写をたたえる鏡玉。
同じくドイツが誇るカール・ツァイスのレンズと並び、二大巨頭の一角を占めています。
もしこれからライカを買うなら、ぜひ最初はレンズも純正品を選ぶのがおすすめ。
ライカレンズについて詳しくは以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ライカならではのステータス性
さて、ここまでライカは単なるブランド品ではなく、その実力が特徴であり魅力だということを紹介してきました。
精密感あふれるボディに、性能と味わい深さを併せ持ったレンズ。
もちろんライカの魅力や特徴は、その実力ゆえのもの。
ですがそれと同時に、やはりライカは「ステータス性」のあるカメラであるともいえます。
とある写真家がこんなことを言っていました。
「ライカを下げていればどんなに汚い格好をしていても一流の接客をしてもらえる」
首からM型ライカを下げていれば、どんな服装でも銀座のブランド路面店に入れる、というのです。
それくらいにM型ライカはステータスあふれる存在。
カメラに「ブランド」を求めることには賛否両論あるでしょうが、ステータスシンボルとしての特徴もまた、ライカが持つ一側面でもあります。
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ライカのカメラそれぞれの魅力
では具体的には、それぞれのライカのカメラにはどんな魅力があるのでしょうか?
バルナックライカ、M型ライカ、ライカ製一眼レフ。
それぞれの特徴について解説していきます。
バルナックライカの魅力と特徴
バルナックライカとは、戦前から1950年代にかけて製造されていたライカ。
バルナックライカを今手に入れる場合、最大の魅力は「カメラの歴史を追体験できる」ことだといえるでしょう。
そもそも1920年代に登場したバルナックライカは、35mmフィルム(現在も最も普及している写真フィルム)を用いたカメラの(実用のものとしては)元祖。
バルナックライカがなければ、映画用フィルムを流用した35mmフィルムカメラが誕生することはなかったのです。
元祖にして完成形であることが、まずバルナックライカの特徴であり、魅力でもあるのです。
もちろん使い方の面では後年の35mmフィルムカメラに比べると不便な点もあります。
ですが、デジタルカメラの時代である現在、フィルムカメラを使うのは不便さを楽しむ側面もあるもの。
むしろ特徴的な使い方が、儀式めいた魅力にもなるはずです。
バルナックライカはデザインも魅力的。
1930年代に搭載されるようになったレンジファインダー(連動距離計)部のデザインなどは、まさに往時のアール・デコのデザインを引き継いだもの。
戦間期ならではの工業デザインは、100年近く経っても色褪せることはありません。
バルナックライカについては以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
M型ライカの魅力と特徴
さて、上で紹介したバルナックライカの後継として登場したのがM型ライカ。
1954年のライカM3(Leica M3)に始まり、現在でもデジタルカメラになって新機種が登場しています。
さて、それではフィルムカメラのM型ライカには、いったいどんな魅力と特徴があるのでしょうか。
M型ライカの魅力。
それはひとえに、「世界最高のカメラ」であることにほかなりません。
ライカはブランド価値が高いことで知られ、中古でも高値で取引されていますが、中身のない単なる「ブランド品」ではありません。
M型ライカが世界最高のカメラとして魅力をたたえている理由。
それは、世界一の精密感ゆえのことなのです。
一度でもM型ライカを触ってみたら、一切ガタがなく、スムースに各部が操作できることに驚愕することでしょう。
M型ライカ最大の特徴、それがこのオーパーツ的な精密感。
巻き上げレバーを一度でも動かせば、M型ライカの魅力が忘れられなくなること間違いありません。
もちろんバルナックライカも精密感あふれる機械でしたが、M型ライカの魅力は、それを大きく凌駕するものだといえます。
さらに、M型ライカもまた、カメラの歴史を追体験することができる魅力的機種でもあります。
ライカはすでにバルナックライカの時点で、まごうことなき世界最高峰のカメラの地位を確立していました。
しかしながら、ライカの製造元であるエルンスト・ライツは、バルナックライカに満足することなく、徹底的な改良を加え、最初のM型ライカであるライカM3を送り出したのです。
ライカM3は登場時、すべての面において他の35mmフィルムカメラを凌駕する存在でした。
レバー巻き上げ、パララックス自動補正、採光式ブライトフレーム、1軸不回転式シャッター……。
これらの特徴的な新機軸は、それ以降のフィルムカメラでは当たり前の機構として、他のメーカーに模倣されることとなりました。
ライカM3は、それ以前とそれ以後で、35mmフィルムカメラを大きく変化させた存在なのです。
ライカM3については以下の記事でも紹介しています。
そしてM型ライカは、広角レンズへの対応や露出計の内蔵など、徐々に改良・変化していくこととなります。
精密感という点でいえば、もっとも魅力的なカメラはライカM3やM2といった初期のM型ライカ。
ですがライカM6(Leica M6)のような新しい部類のフィルムライカも、惜しげなく実用できるうえに、露出系搭載という魅力的な特徴があるもの。
それぞれに違う魅力をたたえるM型ライカ。
当サイトでもM型ライカ各機種の魅力や特徴を紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
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ライカ一眼レフの魅力
さて、いわゆる「ライカ」といえばバルナックライカとM型ライカですが、ライカ一眼レフも独自の魅力を持ったカメラです。
最大の魅力であり特徴でもあるのが、まごうことなき「ライカレンズ」が一眼レフで使えるということ。
味と性能を兼ね備えた、ズミクロン(Summicron)やズミルックス(Summilux)といった名レンズたち。
そんな、ツァイスと並ぶ世界最高峰のレンズたちを、一眼レフならではの厳密なフレーミングで操ることができるのです。
また初期のライカフレックス(Leicaflex)シリーズは、ライカM3やライカM2と同時期に製造されていることもあり、その仕上げはまさに逸品。
M型ライカゆずりの魅力的な操作感を味わい尽くすことができますよ。
ライカの一眼レフについては以下の記事でも紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
ライカにおすすめのカメラ用品
バルナックライカやM型ライカ、ライカ一眼レフで撮影するなら、こちらの用品がおすすめです。
露出計
バルナックライカや多くのM型ライカには露出計がありません。
露出計のないフィルムカメラの使用にあたっては、アクセサリーシューに取り付けられる露出計を使用するのがおすすめです。 中国製の小型クリップオン露出計としては以下のものが。L-Mリング(マウントアダプター)
M型ライカはマウントアダプターでL39マウントに変換することが可能。
純正品もありますが、格安の互換品も入手可能です。
魅力あふれるカメラ、ライカを手にしてみませんか?
さまざまなフィルムカメラの中でもライカ、とくにM型ライカは特別なカメラ。
むしろライカは「ライカ」というジャンルのカメラと言っても言い過ぎではないかもしれません。
カメラの歴史を追体験し、精密感を味わい、豊穣なレンズの描写を楽しむ。
ライカには他のカメラでは味わえない魅力と特徴があるのは間違いないところです。
まずはライカを実際に使ってみるのがおすすめ。
きっとその魅力の秘密が一瞬でわかることでしょう。
当店公式サイトでもライカを取り扱っているので、ぜひ御覧ください!
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