Leida(ライカ)Rシリーズとライカの一眼レフ総まとめ! 選び方と各機種紹介
フィルムカメラの頂点、ライカ。
ライカの中古フィルムカメラといえばM型ライカをはじめとしたレンジファインダーが有名ですが、実はライカは一眼レフカメラも作っていました。
ライカならではの、ドイツ製レンズの豊穣な描写は一眼レフカメラでももちろん健在!
レンジファインダーカメラでは不可能な、しっかりとしたフレーミングでライカレンズを楽しむことができますよ!
レンジファインダーのライカよりも中古価格が安めなのもライカ製一眼レフの魅力。
作りの良さ、物としての魅力ももちろんライカならではです。
「持つ喜び」と「レンズの描写」という両面で楽しめるライカのフィルム一眼レフカメラ。
ぜひこれから中古で手に入れて楽しんでみませんか?
今回は、そんなライカ製フィルム一眼レフカメラについて、中古フィルムカメラ専門店 サンライズカメラのスタッフが徹底解説します!
ライカRマウントのレンズについても解説しています。
目次
おすすめのライカ一眼レフカメラ
まず最初に、これから中古で手に入れるのにおすすめの、ライカフィルム一眼レフカメラを紹介します。
迷ったらこの機種がよいでしょう!
1.ライカR8
ライカR8(Leica R8)は1996年にライカが送り出したフィルム一眼レフカメラ。
ライカならではの高級感と、現代的な作りの良さに満ちあふれたカメラです。
それまでのライカ製一眼レフは、日本のカメラメーカー、ミノルタのカメラをベースとしていたのですが、このライカR8から再びライカ独自開発に戻りました。
それゆえ、気合の入れ方は尋常ではありません。
マイナーチェンジ機種のライカR9もあるので、そちらもおすすめです。
2.ライカR6・R6.2
ライカR6(Leica R6)は、ミノルタベースのライカ一眼レフ。
ライカRシリーズのなかでもとくに人気のある機種のひとつです。
特長が機械式シャッター。
他のライカRシリーズが電子式シャッターのAE機である中、このライカR6は孤高の存在であるといえます。
これからライカ一眼レフを味わうなら、ぜひ中古で手に入れたい機種です。
R6は最高シャッター速度が1/1000秒ですが、マイナーチェンジ機種のR6.2もあり、そちらは1/2000秒となります。
[leicab]
ライカRシリーズとライカの一眼レフ
レンジファインダーカメラで知られるライカ。
実は数多くの一眼レフカメラを生み出しています。
今回は、そんなライカの一眼レフカメラについて紹介していきます。
ライカの一眼レフカメラ
35mmフィルムカメラというジャンルをバルナックライカで切り拓いたライカ。
戦後になり、ライカM3という、レンジファインダーの金字塔を1954年に送り出し、名実ともに世界のトップメーカーとして、他のカメラ会社を引き離したかに見えました。
しかし、そんなライカの栄光も1960年代に入ると陰りが見えはじめてきます。
そう、日本製一眼レフカメラの台頭です。
ライカM3を見て、それまでレンジファインダーカメラを作っていた日本のカメラメーカーは、レンジファインダーではライカに勝てないと悟りました。
そこで、一眼レフカメラの開発へと舵を切ります。
一眼レフカメラという違うフィールドでライカに勝つ。
その賭けは当たり、ニコンFをはじめとする日本製一眼レフカメラが世界を席巻することとなるのです。
レンジファンダーカメラから一眼レフカメラへの大転換。
それを目にして、ライカもついに一眼レフカメラの開発へ乗り出すこととなります。
ライカの一眼レフ開発とその歴史
ライカが初めて一眼レフカメラを送り出したのは1965年のこと。
初代ライカフレックスの登場です。
詳細については後述しますが、初代ライカフレックスは、ファインダーが素通しの空中像になっている、外部測光であることなど、レンジファインダーの設計思想に大きく影響された独特のものでした。
そのため、実用の道具としての評価は微妙で、次機種ライカフレックスSLでは通常のファインダー、TTL測光という一般的な一眼レフになりました。
この時代のライカ一眼レフは、M型ライカ同様非常にお金の掛かった作りになっており、使用感は絶品です。
しかしながら、同時代のレンジファインダー同様、ライカの一眼レフは販売成績で苦戦。
1970年代に入りミノルタと提携したライカは、ミノルタ製一眼レフをベースとしたライカRシリーズへ移行していくこととなります。
ライカ冬の時代を支えたライカRシリーズ
さて、1976年になり、ライカ製一眼レフカメラはミノルタベースのRシリーズへと移行します。
1976年に登場したライカR3。
実はこのカメラは、ライカの血脈をかろうじて繋いだカメラでもありました。
1975年に他のライカの製品が生産停止になってしまい、一時はこのライカR3だけしかライカの製品がないという状態になってしまったのです。
このライカR3がなければライカの製品が途切れてしまったという点で、実は非常に重要なカメラであるといえます。
ライカ独自設計への回帰
1980年代以降は、レンジファインダーのライカM6の登場など紆余曲折ありながらも次第にカメラメーカーとしての地位を回復していきます。
高級カメラメーカーとして、カメラメーカーとしてのニッチを獲得したライカは、1996年にはついに独自設計のライカR8をリリース。
ミノルタ製ベースの設計から脱却するのです。
2002年発売のライカR9がライカ製フィルム一眼レフカメラでは最後のモデルとなりますが、ライカが培った技術は、現在も中判デジタル一眼レフのライカSシリーズとして活き続けています。
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ライカRシリーズとライカ製一眼レフの魅力
さて、ではそんなライカのフィルム一眼レフカメラにはどんな魅力があるのでしょうか?
1.ライカ製レンズならではの味のある描写
ライカの一眼レフレンズで使えるレンズは、もちろんライカのレンズ。
レンズ名もズミクロンやエルマリートといった名称が同様に用いられています。
精密な超絶描写、そして立体感あふれる味のある絵作り。
そんなライカレンズならではの高性能を、レンジファインダーカメラよりもずっと精密なフレーミングで用いることができるのです。
ツァイスに並ぶ銘レンズ揃いのライカRシリーズ。
ぜひ中古で手に入れて描写を味わってみたいものです。
2.ライカならではの精密感
ライカ製一眼レフは精密感も抜群。
とくに初期のライカフレックスはM型ライカゆずりの使用感。
ライカR8やR9も、ライカが「高級カメラ」としての地位を確立してからのものだけあって、使えば使うほど味わい深くなる感触が楽しめます。
ミノルタベースのライカRシリーズも、ライカ独自の味付けが存分に加えられているので、非常に質感は上質。
どのカメラを使っても、日本製ブランドとは異なる、ライカならではの精密な感触を味わうことが可能です。
3.ライカのカメラを使うというステータス
ライカのカメラを使う魅力。
もしかすると、最大の魅力は「ライカであること」なのかもしれません。
とくにライカRシリーズにはライカの赤丸バッジが施されているので、高級カメラであることは一目瞭然。
高級カメラならではの持つ喜びと使う悦びを、ともに味わうことができるでしょう。
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ライカ製フィルム一眼レフカメラ各機種紹介
それではここから、具体的にライカのフィルム一眼レフカメラにはどんな機種があるのか紹介していきます!
日本製カメラとは一風変わったライカフレックス。
ライカならではの味付けが楽しいライカRシリーズ。
それぞれに違った魅力がある、ぜひ中古で手に入れて使ってみたいカメラたちです。
1.ライカフレックス(初代)
シャッター | 1秒〜1/2000秒 機械式 |
露出計 | 外部測光 |
露出モード | マニュアルのみ |
使用電池 | MR-9水銀電池 x1 ※販売終了品のため、代替電池PX-625(Amazon) もしくはボタン電池用アダプター(Amazon)にて代替 |
対応レンズ | 1カム |
発売年 | 1965年 |
備考 | 空中像式のファインダー |
1965年、満を持してライカが初めて送り出した一眼レフカメラ。
それが初代ライカフレックス(Leicaflex)です。
1965年といえばすでにニコンFがプロ用一眼レフとしての地位を固め、大衆機としてはTTL露出計を内蔵したペンタックスSPも登場していた時代。
レンジファインダーでは先駆者であったライカは、一眼レフカメラでは追随者として市場に歩み出たわけですが、実はこの初代ライカフレックスは、あまり評価を得た商品ではありませんでした。
その理由はいくつかありますが、まず露出計が外部測光であるということ。
既にTTL測光が普及し始めていた時代、スペック的に少し古めの印象を与えてしまうのは仕方のないところでした。
そして、初代ライカフレックス特有の「素通し」のファインダーも理由のひとつ。
初代ライカフレックスでは、ファインダーの中央のマイクロプリズム部分でしかピントを合わせることはできず、その他の部分はほぼ素通しになっています。
他の一眼レフカメラではマット面になっていてピントが合わせられる部分が、フレーミングのためだけの素通しになっているというわけです。
ファインダーの中央でしかピントが合わせられない。
これはレンジファインダーでは普通のことですが、一眼レフカメラではあえてそうする必要がない部分でもあります。
おそらく設計の際に、レンジファインダー同様の使用感を前提としてしまったのではないでしょうか。
いっぽうで優れた面もあり、シャッター速度はこの時代としてはとても高速な部類となる最高速1/2000秒。
そして、ライカのさまざまなフィルム一眼レフカメラのなかでも、この初代ライカフレックスは作りの良さが最高です。
1965年といえばM3やM2がまだ作られていた時代。
このライカフレックスも、よく調整された個体はM3やM2に匹敵する使い心地だと中古カメラファンの間で評判のカメラなのです。
M型ライカ並に作りの良いカメラですが、中古の値段はずっと安価。
「本物の」ライカの使い心地をリーズナブルに味わえるのは最大の魅力だといえるでしょう。
初代ライカフレックスには前期型と後期型があり、前期型は露出計のON・OFFができないのに対して、後期型では巻き上げレバーの収納時に露出計OFFになるよう改良されています。
初代ライカフレックスには、「1カム」レンズが対応しています。
2.ライカフレックスSL
シャッター | 1秒〜1/2000秒 機械式 |
露出計 | TTL平均開放測光 |
露出モード | マニュアルのみ |
使用電池 | MR-9水銀電池 x1 ※販売終了品のため、代替電池PX-625(Amazon) もしくはボタン電池用アダプター(Amazon)にて代替 |
対応レンズ | 2カム |
発売年 | 1968年 |
備考 | – |
上述した初代ライカフレックスは、市場においてはそれなりの評価しか受けられませんでした。
反省を活かしてライカが改良を行い送り出した二代目機種。
それが、ライカフレックスSL(Leicaflex SL)です。
ライカフレックスSLの最大の改良点。
それが、TTL露出計の搭載だといえるでしょう。
ライカフレックスSLの露出計はTTL平均測光。
当時まだ日本製一眼レフではPENTAXやCanonが絞り込み測光だったのに対し、ライカフレックスSLでは開放測光を実現しています。
スペック面では日本製一眼レフカメラに追いついたといえるでしょう。
初代ライカフレックスのウィークポイントだった素通しのファインダーも、このライカフレックスSLではマット面のあるファインダーへと改良されました。
ファインダーは非常に明るいです。
ただし、ピントの山はあまり掴みやすくないと言われています。
このライカフレックスのファインダーには大きな特徴があります。
それが、「ファインダー像が青みがかっている」というもの。
これはファインダー像のコントラストをアップすることを主眼としたものといわれており、ファインダーの着色は、その後のライカ一眼レフの特徴となっていきます。
初代ライカフレックスにはわずかに劣るとも言われていますが仕上げもとても上質。
名門カメラメーカーが生み出した最高峰の一眼レフとして、発売当時、一定の評価を得たといわれています。
これから中古で手に入れる場合、このライカフレックスSLと次に紹介するライカフレックスSL2はレンズが「2カム」という専用のものとなるため、中古レンズが比較的安価なのがメリットとなります。
ライカフレックスSL MOT
1972年発売。
ライカフレックスSL MOTは、モータードライブに対応したライカフレックスSL。
秒間約3.6コマの連射を可能としました。
3.ライカフレックスSL2
※上記写真はモータードライブ対応のライカフレックスSL2MOT
シャッター | 1秒〜1/2000秒 機械式 |
露出計 | TTL平均開放測光 |
露出モード | マニュアルのみ |
使用電池 | MR-9水銀電池 x1 ※販売終了品のため、代替電池PX-625(Amazon) もしくはボタン電池用アダプター(Amazon)にて代替 |
対応レンズ | 2カム |
発売年 | 1974年 |
備考 | – |
ライカフレックスSL2は、ライカフレックスSLの改良版。
見た目にはほとんど変わりはありませんが、内部機構はフレームからすべて刷新されています。
機構的な改良面としては、露出計の測光範囲拡大。
ファインダー内表示の充実(絞り値直読)。
ピント合わせがスプリットマイクロプリズム方式となったことなどが挙げられます。
ホットシューも追加されました。
このライカフレックスSL2は、すでにライカM5が登場した後のカメラ。
旧エルンスト・ライツが自力で経営を行っていた時代としては最後の新機種となります。
このカメラを最後に、ライカの一眼レフはミノルタとの提携によるRシリーズへ移行していくこととなります。
中古でライカフレックスSLを選ぶかSL2を選ぶかですが、状態が良ければSL2でもよいですが、同程度の状態の中古同士ならば、SLのほうが使い心地はよいといえるかもしれません。
ライカフレックスSL2 MOT
1975年発売。
モータードライブ搭載のライカフレックスSL2です。
ライカフレックスSL2 ライカ50周年限定モデル
1975年発売。
1750台限定の、ライカのカメラが50周年を迎えたことを記念するモデル。
皮肉なことにこのモデルが、創業時からのウェッツラーの工場で生産された最後のモデルとなりました。
[leicab]
4.ライカR3
※上記写真は限定モデルのライカR3サファリ
シャッター | 4秒〜1/1000秒 電子式 |
露出計 | TTL中央重点開放測光 スポット測光 |
露出モード | 絞り優先AE マニュアル |
使用電池 | SR44酸化銀電池(Amazon)x2 |
対応レンズ | 3カム |
発売年 | 1976年 |
備考 | ミノルタXEベース |
1976年、ライカフレックスSL2の生産停止と入れ替わりに登場した新生ライカの一眼レフ。
ライカRシリーズの初代機種。
それがライカR3(Leica R3)です。
このライカR3は、ミノルタXEをベースとしていることで知られています。
機能面では、マウントがライカ一眼レフ共通のRマウントであること以外、ほぼミノルタXEと同様。
シャッター速度は、電子式のため低速側が4秒まで拡充されましたが、反面最高速は1/1000秒となってしまっています。
機能面でミノルタXEと最も異なる部分が、スポット測光の搭載。
中央重点測光とスポット測光の切り替えが可能です。
外観はミノルタXEとはまったく異なる印象のものですが、サイズや操作部材など、よく見ると面影が残ります。
ベース機が「日本製一眼レフカメラとしては随一の巻き上げレバーの使い心地」と評されるミノルタXEだけに、ライカR3も使い心地はけっして悪いものではありません。
ライカR3 MOT
1978年発売。
ワインダー装着に対応したライカR3です。
ライカR3 サファリ
外観は上記写真参照。
1978年発売。
オリーブドラブで塗装された限定モデルで、2500台限定となっています。
中古ではコレクターズアイテムといってよいでしょう。
5.ライカR4
シャッター | 1秒〜1/1000秒(マニュアル時) 8秒〜1/1000秒(AE時) 電子式 |
露出計 | TTL中央重点開放測光 スポット測光 |
露出モード | プログラムAE 絞り優先AE シャッター優先AE マニュアル |
使用電池 | SR44酸化銀電池(Amazon)x2 |
対応レンズ | 3カム |
発売年 | 1980年 |
備考 | ミノルタXDベース |
ライカRシリーズの2代目機種が、ライカR4(Leica R4)です。
ライカR4のベースとなったのは、ミノルタXD。
絞り優先AEとシャッター優先AEの双方を搭載した、世界初の「両優先一眼レフ」と知られている機種です。
その特長を受け継いで、このライカR4でも、絞り優先AEとシャッター優先AEの双方の使用が可能。
さらにプログラムAEも追加されています。
また、ミノルタXEからXDへの小型化を反映し、こちらもボディは小型化しています。
これ以降、ライカR7までのモデルは、基本的にはライカR4を小改良したモデルとなります。
モータードライブやワインダーなどのアクセサリーも、基本的にはR4からR7まで互換性があります。
ライカR用ワインダー
ライカR4 エベレスト登頂記念モデル
1982年、400台限定。
「ライツカナダ」でカナダと縁の深いライカが、カナダの登山隊によるエベレスト登頂を記念に販売したモデル。
ライカR4S
ライカR4の廉価版。
1983年発売。
露出モードは絞り優先とマニュアルのみとなりましたが、スポット測光は存置されています。
ライカR4ゴールド
1984年。
オスカー・バルナックの生誕100周年を記念し、限定1000台販売されたモデルです。
ライカR4S-2
1985年。
ライカR4Sのマイナーチェンジバージョンです。
アクセサリシューにはMOD.2と刻印されています。
6.ライカR5
シャッター | 1/2秒〜1/1000秒(マニュアル時) 15秒〜1/1000秒(AE時) 電子式 |
露出計 | TTL中央重点開放測光 スポット測光 |
露出モード | プログラムAE 絞り優先AE シャッター優先AE マニュアル |
使用電池 | SR44酸化銀電池(Amazon)x2 |
対応レンズ | 3カム |
発売年 | 1987年 |
備考 | ミノルタXDベース |
ライカR5(Leica R5)は、ライカR4の改良版。
ライカR5における最大の変更点がシャッター。
最高シャッター速度が1/2000秒となり、ライカフレックスSL2以前の最高速度にようやく追いつきました。
また低速側も、オート時には16秒までのスローシャッターが可能となっています。
機能面ではプログラムシフトが可能となり、ストロボのTTL調光にも対応しました。
ライカRE
ライカRE(Leica RE)はライカR5の廉価版。
R4に対するR4Sに相当するモデルです。
1987年発売。
7.ライカR6
シャッター | 1秒〜1/1000秒 機械式 |
露出計 | TTL中央重点開放測光 スポット測光 |
露出モード | マニュアルのみ |
使用電池 | SR44酸化銀電池(Amazon)x2 |
対応レンズ | 3カム |
発売年 | 1988年 |
備考 | ミノルタXDベース |
ライカR6(Leica R6)は、他のライカR6シリーズとは明白に異なる特長を持つフィルム一眼レフカメラ。
ライカRシリーズの中でもとくに人気の高い機種だといえるでしょう。
ライカR6の特長。
それが「機械式シャッター」を搭載しているということ。
いまでも中古カメラファンの間で非常に人気の高い機械式カメラ。
ライカもライカRシリーズにそんなカメラをリリースしてくれたのです。
信頼性が高く、物としての喜びもあふれる機械式カメラ。
それでいてライカR6は、中央重点測光とスポット測光の切り替えが可能と、電装系は1980年代ならではのモダンな機能を搭載しています。
このライカR6は、シャッター速度こそ1/1000秒ですが、ライカRシリーズのフィルムカメラのなかでも、おすすめできる逸品のひとつだといえるでしょう。
シャッター最高速が物足りない場合には、下で紹介するライカR6.2もおすすめです。
ライカR6.2
1992年発売。
機械式のライカR6のシャター速度を、最高1/2000秒とした改良版です。
こちらも中古でライカRシリーズを購入する場合おすすめできる機種のひとつです。
[leicab]
8.ライカR7
シャッター | 4秒〜1/1000秒(マニュアル時) 16秒〜1/1000秒(AE時) 電子式 |
露出計 | TTL中央重点開放測光 スポット測光 |
露出モード | プログラムAE 絞り優先AE シャッター優先AE マニュアル |
使用電池 | SR44酸化銀電池(Amazon)x2 |
対応レンズ | 3カム |
発売年 | 1994年 |
備考 | ミノルタXDベース |
ライカR7(Leica R7)は、ライカRシリーズ最後の、ミノルタをベースとした機種。
基本的にはライカR5を元に改良したモデル。
再び電子シャッターのフルモードAE機となりました。
変更点は、まずシャッター速度。
マニュアル時の設定速度下限が4秒まで拡張。
微妙な変更ですがAE時の最長シャッター速度も15秒から16秒となりました。
また、DXコードによるフィルムの感度自動設定にも対応しました。
ライカR7漆
1995年。
ライカの代理店である日本シイベルへグナーの130周年を記念した限定モデルです。
その名の通り漆仕上げになっています。
9.ライカR8
シャッター | 16秒〜1/8000秒 電子式 |
露出計 | TTL中央重点開放測光 スポット測光 マルチパターン測光 |
露出モード | プログラムAE 絞り優先AE シャッター優先AE マニュアル |
使用電池 | CR2リチウム電池(Amazon)x2 |
対応レンズ | ROMレンズ |
発売年 | 1996年 |
備考 | ライカ独自開発 |
1996年。
ライカRシリーズのフィルム一眼レフは完全なる刷新が行われました。
それまでのミノルタ製一眼レフカメラをベースとした設計から、ライカ独自開発の全く異なるカメラへの移行です。
このとき生み出されたのがライカR8(Leica R8)。
外観から機能まで、それまでのライカRシリーズとは全く異なるカメラとなりました。
シャッター最高速度は日本製フラッグシップ一眼レフにも比類する1/8000秒。
露出計にもマルチパターン測光が搭載されました。
なによりも目立つのが、他のどんなカメラにも似ていない独特のボディデザイン。
首や肩から提げているだけで、ライカR8を使っているのだということが一目でわかりますよ。
カメラファン垂涎の的になること間違いありません。
また、各種表示部には液晶画面が用いられるようになりました。
いっぽうレンズも、このR8からROM付きレンズに変更されましたが、それ以前のRシリーズ用のレンズも、一部の機能制限がある他は問題なく使用可能です。
(ROMレンズで追加された、焦点距離毎の露出制御が効きません)
デジタルバックの、デジタルモジュールRに対応しています。
性能とカメラとしての魅力のバランスがよい、これから中古でライカRシリーズを手に入れるときにぜひおすすめしたいモデルだといえるでしょう。
10.ライカR9
シャッター | 16秒〜1/8000秒 電子式 |
露出計 | TTL中央重点開放測光 スポット測光 マルチパターン測光 |
露出モード | プログラムAE 絞り優先AE シャッター優先AE マニュアル |
使用電池 | CR2リチウム電池(Amazon)x2 |
対応レンズ | ROMレンズ |
発売年 | 2002年 |
備考 | ライカ独自開発 |
2002年登場の最後のライカRシリーズ。
それがライカR9(Leica R9)です。
基本的にはライカR8の小改良版。
ボディ上面にフィルムカウンターが復活しています。
こちらもライカR8と並び、ライカRシリーズの中でも中古でおすすめできるモデルだといえるでしょう。
こちらもデジタルモジュールRによりデジタルカメラ化が可能です。
これでライカRシリーズは終了。
ライカR10の開発も行われていたといわれていますが結局発売されることはなく、その技術は中判デジタル一眼レフカメラのライカSシリーズに受け継がれていくこととなります。
ライカ一眼レフのレンズの種類
さて、そんなライカの一眼レフカメラを中古で購入するときに難しく思えるのが、どのレンズを選べばよいのかということ。
ライカの一眼レフ用レンズは、レンズマウントの形状はすべて統一されていますが、露出計の連動方法によりいくつかの種類があります。
実は1965年から同一形状のライカRマウント。
歴史の長さではニコンFマウントに匹敵しています。
レンズの互換性が難しいのもFマウントに似ています。
ここではライカ一眼レフ用レンズの種類について解説するので、中古購入時の参考にしてみてくださいね。
1カムレンズ
初代ライカフレックス | 制限なく使用可能 |
ライカフレックスSL・SL2 | 絞り込み測光 |
ライカR3〜R7 | 絞り込み測光 |
ライカR8・R9 | 使用不可 |
初代ライカフレックス登場時に登場したレンズ。
レンズ後部の連動カムが1つしかないことから、1カムレンズと呼ばれます。
ライカフレックスSL以降のカメラでは絞り込み測光となります。
またライカR8、R9に取り付けるとカメラボディを破損する可能性があります。
2カムレンズ
初代ライカフレックス | 制限なく使用可能 |
ライカフレックスSL・SL2 | 制限なく使用可能 |
ライカR3〜R7 | 絞り込み測光 |
ライカR8・R9 | 使用不可 |
ライカフレックスSLの登場時にリリースされたのが2カムレンズです。
その名の通りマウント側のカムが2つに増えており、開放測光に対応しています。
こちらもR3以降では絞り込み測光となりますが、1カムレンズ同様R8・R9には不適です。
3カムレンズより中古が安価なため、ライカフレックスSLとSL2を手に入れたときには、時代の合うこのレンズを選ぶのもよいかもしれません。
3カムレンズ
初代ライカフレックス | 制限なく使用可能 |
ライカフレックスSL・SL2 | 制限なく使用可能 |
ライカR3〜R7 | 制限なく使用可能 |
ライカR8・R9 | ROM機能を除き制限なく使用可能 |
3カムレンズはライカR3の登場時にリリースされたレンズ。
上記の表を見ればわかるとおり、互換性がもっとも高いものとなります。
その名の通りレンズ後面のカムが3つに。
2カムで追加されたカムの内側に、段状のカムが増えています。
AEに対応しています。
なお1カムと2カムのレンズには、ライカによる3カムへの純正改造品が存在します。
R onlyレンズ
初代ライカフレックス | 絞り込み測光 |
ライカフレックスSL・SL2 | 絞り込み測光 |
ライカR3〜R7 | 制限なく使用可能 |
ライカR8・R9 | ROM機能を除き制限なく使用可能 |
R onlyレンズは、ライカR3以降のライカ一眼レフにのみ対応したレンズ。
具体的には、3カムレンズで追加された「3つ目のカム」だけを装備しそれ以外を省いたもの。
前方互換性をなくしたレンズということになります。
ライカフレックスSL2以前のボディでは絞り込み測光となります。
ROMレンズ
初代ライカフレックス | 絞り込み測光 |
ライカフレックスSL・SL2 | 絞り込み測光 |
ライカR3〜R7 | 制限なく使用可能 |
ライカR8・R9 | 制限なく使用可能 |
ROMレンズは、ライカR8・R9用に開発されたレンズ。
基本的にはR Onlyレンズに電子接点を追加したもので、R8・R9に装着することでレンズ情報の電子的な伝達が可能となります。
[leical]
どのレンズを中古で購入すればいいの?
では、上記の中から具体的にはどのレンズを中古で手に入れたらよいのでしょうか?
結論としては、ボディに合った時代のレンズを合わせれば問題ありません。
ただ難しいのがR8とR9。
ROMレンズがベストですが、ROMレンズは中古でも高価なので、一部機能で劣るものの3カムレンズやR Onlyレンズを選んでもまったく問題ないといえます。
いっぽう、ライカフレックスSLやSL2を使いたいという場合には、中古が安価な2カムレンズを選んでよいといえるでしょう。
ライカRマウントレンズをアダプターで使う
そんなライカRマウントのオールドレンズは、もちろんマウントアダプターを使って使用することも可能です。
ミラーレス一眼カメラはもちろんのこと、CanonのEOSデジタル一眼レフや、ミノルタ・ソニーのAマウントデジタル一眼レフにも取り付けることができますよ。
マウントアダプターについて、詳しくはこちらをご覧ください。
一眼レフでもライカの魅力は健在!
フィルムカメラの頂点、それがライカ。
そんなライカの魅力は、一眼レフカメラになっても健在です。
とくにこれから中古で購入する場合、機種によってはレンジファインダーのM型ライカよりも安価に購入することができますよ。
M型ライカの血脈を強く感じるライカフレックスを選ぶもよし。
ボディはR3〜R7で廉価に抑えてライカレンズにお金をかけるもよし。
ライカが全力を注ぎ込んだ巨艦機種、ライカR8やR9でライカの本気を味わうもよし。
ぜひライカの一眼レフを中古で手に入れて、一味違うフィルムカメラライフを楽しんでみませんか?
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