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フィルムのサイズとは?35mmと120フィルムの違いについて

フィルムカメラと赤ちゃん

こんにちは、猫好きフィルムカメラマンの雨樹一期です。
新連載として、「フィルムカメラの教科書」をスタート。今回が第二回となります。

サンライズカメラさんのブログでは、約10年ほど前からたびたび執筆させていただいています。
いろんなカメラやレンズで作例をたくさん紹介していますが、その中で僕専属モデル役の娘もどんどん成長しています。

子供の成長をフィルムで残すのっていいなーと、過去記事を読み返しながら、あらためて感じました。

ちなみにですが、前回はフィルムカメラの魅力についてたっぷりと書かせて頂いたのですが、まだ見てないって方はぜひ以下よりお願いします。

 

でもかなり長文なので、読むのめんどくさいしサクッと見たい!って方は以下よりどうぞ。

 

動画を見て、面白そうって思ってくれた方は記事の方も見て下さい。
写真だけでもいいいので見て下さい。

きっと「デジタルとは違うなー、なんかよく分からないけど心に引っかかる」って感じるはず。

 

現像後の35mmフィルムと120フィルム

さて、今回は「フィルムのサイズ」について解説します。
フィルムカメラをはじめるのなら重要なポイントで、まずはここから知っていく必要があります。

今回はあまり長くならないように、要点を絞って絞って書いていきます。

というのも、たとえば最近のデジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼の説明書ってめちゃくちゃ分厚くて読む気はしないし、専門用語も多すぎます。
でもほんとに肝心なことって一部分なんですよね。だけど、それがどこだか分からない。

まずは、その肝心な部分だけを知るのが一番です。
そこだけ押さえて、ゆっくり学んでいくのが良いかと思います。

その肝心な部分だけをまずは解説します。

 

フィルムのサイズについて

フィルムって実は小さいものから大きいものまで含めると、約10種類ほどあるんです。
「そんなのどれを買えばいいか分からない!?」って思いますよね。

でも全部覚える必要はなく、いま販売されているのは大きく分けるとたった二つ。

・35mmフィルム
・120フィルム(ブローニーフィルム)

このどちらかです。写真右側の35mmフィルムが最も一般的で、様々なフィルムカメラで使用できます。
写ルンですなどで使用されているのもこの35mmフィルムです。

フィルムのサイズは120フィルムの方が大きく、こちらは中判カメラで使用されます。

使うフィルムで、使うカメラが変わります。

また、大きさの違いによって単純に画質が変わってきます。

中判カメラの高画質

中判カメラの高画質っぷりは、はじめて使った時びびりました。
まさに感動です。
デジタル一眼の高画質とは違って、フィルム特有の柔らかさもしっかりあるんですよね。

コンタックスAriaで撮る桜

でも、初心者の方は基本的には35mmフィルムからはじめるのがおすすめ。
フィルムカメラの種類が豊富なことや、1本のフィルムでの撮影枚数が多いからです。

フィルムカメラ自体の価格も含めてコスパも良いです。

それぞれ詳しく解説していきます。

 

・35mmフィルムとは

35mmフィルムと現像後のフィルム

135フィルムとも呼ばれています。35mm幅で、撮影される画面サイズは24mm×36mmとなります。
って感じで、いろんなところで解説されていますが、よー似た数字が並ぶとややこしーんですよね。

一般的には、「35mm」と呼ばれているので、そこだけ覚えておけば大丈夫!

フィルムカメラ界では、35mmフィルムを使うカメラが最も多いです。
本格的なフィルム一眼レフから、軽量でコンパクトなフィルムカメラまで選びたい放題。

撮影枚数は36枚(ハーフカメラで撮るなら倍の72枚)。
*24枚撮り用のフィルムもありますが、ポピュラーなのは36枚撮り

35mmフィルムで撮った猫

描写はカメラやレンズ、使用するフィルムによって変わりますが、ピントは少し甘め。
でも決して欠点とかではなく、まさにこれがフィルムの味です。

 

撮影する際は、フィルムの先端(ベロ)を右のスプール(巻き付ける軸)に引っ掛けて、撮影するたびに左から右へと巻き送っていきます。
36枚撮り終わったら、次は右から左に全て巻き取って現像に出します。

*右にフィルムを入れて左へ巻き送るカメラもあります

・120フィルムについて

120フィルムと現像後のフィルムブローニーフィルム、中判フィルムとも言われています。
35mmと比べても大きさが違うのが分かるかと思います。それだけ高画質に撮ることが可能です。

中判カメラ自体があまり多くないのと、カメラが大きくて重たいのがネックです。
また撮影枚数も12枚と、コスパも悪いです。
*中判カメラによっては8枚しか撮れないものもあります

中判カメラで撮る猫

初心者向けではないですが、圧倒的な高画質さをぜひ体感していただきたいです。
35mmで撮った時の感動とは別の感動があると思います。

 

撮影する際は、35mmと同じように左から右のスプールへ巻き取っていきます。
12枚撮ったら、そのまま巻き送って、フィルムを全て右のスプールに移します。

なので、現像に出すのは右側に移されたフィルムになります。

*カメラによってフィルムの装填方法は異なります。どうやって装填するんだ!?ってカメラもありますが、別のスプールに巻き取っていく点は共通

 

 

フィルムの箱に書かれている数字ってなに?

35mmフィルムの箱

少しややこしいのは、フィルムの箱に書かれた数字です。

100や200や400や800。
24expや36expなどがあります。

 

「400って400枚撮れるの?」

「EXPって!?エキスポ?展示会?ワクワクする写真が撮れるの?」

もちろんどちらも違います。
ここは大切な部分なので、しっかり説明します。

フィルムの箱と36EXP

たとえばこれ、大きい3と36EXPと200。

3というのは単純に3本パックでの販売。36EXPは36枚の撮影が可能ということ。200がこのフィルムの感度です。

 

フィルムの感度について

フィルムの箱には大きく、100や200、400や800という数字が表示されています。
それはこのフィルムの感度を表します。ISO(イソ)のことですね。

感度とは一言でいうと光に対する能力のこと。

数字が小さいほど能力が低くて、撮影する際に光がたくさん必要になります。

「んー、よく分からんけど、だったら800を使っておけばOK?」

って思っちゃうかもしれませんが、数字が高くなるほど欠点もあって、画質のザラ付きが強くなります。
また日中に800を使って撮影すると、撮影した写真が明るくなりすぎることがあります。

なぜかというと、光に対する能力が高いからです。

カメラにある程度精通していないとすでにちょっとややこしいかと思います。

ざっくり言うと

感度100のフィルム・日中に野外で撮りたい→100か200

感度800のフィルム・室内で撮りたい→800

感度400のフィルム・いろんなシーンで撮りたい→400

 

まずは、これくらいの認識で進めていきましょう。

 

35mmと120フィルム(ブローニー)の見分け方

まず、中判カメラ用の120フィルムは5本セットで販売されているものが多いです。1本で販売されているものは箱が長細いです。
そして箱のどこかに「120」と表記されています。

まれに、この120のところに220と書いているものがあります。
これも同じく中判カメラで使用するフィルムになります。幅は同じだけど長さが違います。倍近くの枚数が撮れます。

もともと使用頻度は120の方が多く、いまでは220は店頭であまり売られなくなりました。
トイカメラのホルガなど、220は使用出来ない中判カメラもあるので、念の為気を付けましょう。

*220には遮光紙という光を遮断してくれる裏紙がないので、カメラによっては余計な光が入ってしまいます

 

おすすめのフィルム

それぞれの感度別で、おすすめのフィルムも軽く説明しておきます。
フィルムによって色合いなど描写が変わってきます。

FUJIFILM FUJICOLOR 100

フィルムの中では安価(2025年時点で1,600円ほど)。比較的手に入りやすく、描写もフィルムって感じ。
色のノリも◎。忠実な色再現で使いやすい。
感度が100なので、日中に野外で撮る際にはおすすめ!


 

Kodak GOLD200

こちらも安価なフィルム。FUJICOLOR 100に比べると少し赤みや黄色みが強く出る傾向があります。
適度なザラ付きと合わさって、レトロチックな描写に。


 

Kodak PORTRA 400

特徴の前に。上の2本に比べると価格が高いです。
でも高いだけの優秀さも兼ね揃えています。グラデーションや階調が豊かで、明るい部分や暗い部分の表現にすぐれています。白飛びや黒潰れも起こりにくいです。
高いけど、これを使っておけば問題ないとも言えるフィルムです。ちゃんと撮りたいならPORTRAはおすすめ。


 

CINESTILL 800T

基本的に感度が高くなるほど価格もあがるのですが、PORTRAと同じくFUJICOLOR 100の倍ほどの値段。
ということで僕自身も購入回数は少なめですが、大好きなフィルムでもあります。

800の後の「T」というのはタングステンの略です。普通のフィルムだと、黄色い裸電球の下で撮ると黄色味が強く出るんですが、タングステンフィルムだとちゃんとした色味で撮れます。

これまたちゃんとがっつり話すと長くなるので割愛しますが、逆に野外で撮ると少し青みがかった色味で撮れるのが特徴です。

夜の撮影にもおすすめ!

とりあえず個人的なおすすめとしてご紹介させていただきましたが、これはほんの一部です。

たとえば、同じ感度400のフィルムでも、FUJIFILMやKodak、LomographyやFILM NEVER DIEなど、いろんなブランドから販売されています。

どれを購入しても間違いはありません。
いろいろなブランドのフィルムを使ってみて、自分好みの描写のフィルム見つけてください。

それもまたフィルムの楽しみの一つです。

フィルムの期限について

補足にはなりますが、フィルムには期限があります。生ものみたいな感じです。

この期限以内に撮らないと、色が劣化してザラザラ感が強くなります。

逆にそれがまた味になることもあって面白いのですが、これについてはまた別の記事にて執筆を予定しています。

まずはこの期限内に使うようにしましょう。

あと、気をつけていただきたいのは、たとえば真夏の車の中に置きっぱなしだと劣化も早まります。
他にも、フィルムカメラの中に入れたまま半年放置とかしちゃうと、同じく劣化します。

購入してフィルムカメラに入れたら、なるべく早く撮って、現像に出しましょう。

 

劣化も味なので、本当はそんなこともあまり気にせず好きな時に好きなタイミングで撮ればいいんですけどね。
半年とか放置せずにたくさん撮ってフィルム業界が盛り上がれば嬉しいなと!

 

まとめ

初心者の方やまだフィルムカメラを持っていない方は、35mmフィルムのカメラがおすすめ!
そして、とりあえず1本目のフィルムは感度400(箱に400と書かれたフィルム)を使いましょう。

 

次回はフィルムの種類について解説させていただきます。
「えーまだあるのー?」って感じですが、一応そこもサラーっと学んでおけば、よりフィルムが楽しくなりますよ。

 

 

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著者紹介: 雨樹 一期(Ichigo Amaki)

オールドレンズ・フィルムカメラ沼のペットライフフォトグラファー。
稲垣吾郎さんのラジオ番組や川田裕美さんのテレビ番組に出演。ねこのきもちの取材撮影など。
その他、カメラ教室の講師・個人レッスンも行っています。
基本、娘と猫と珈琲とカレーに生かされてます。

オフィシャルサイト : 雨樹一期写真事務所
HP制作会社 : AQUA VISION
blog : フィルム寫眞手帖

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