[オールドレンズ探訪記] 銘玉!CONTAX Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8は圧倒的な描写力と微細な世界を兼ね備えていた(作例・撮影Tipsあり)
今回は「CONTAX Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ」をご紹介します!
このオールドレンズ探訪記では、数えきれないほどの種類が存在するオールドレンズの中から、サンライズカメラがおすすめできるレンズを1本1本紹介します。
使用カメラは、「SONY α7R」というミラーレス一眼カメラを主に使用して撮影していきます!
これまでに数々のオールドレンズを使ってきた雨樹一期さんと、昨年からフィルムカメラやオールドレンズに触れ始めた、初心者な私いくたで、一緒に様々なオールドレンズで撮影をした作例をご紹介するので、他の記事もぜひご覧ください。
【オールドレンズ探訪記 前回の記事はこちら】
【オールドレンズ探訪記】ふんわりボケ感!FUJIFILM EBC FUJINON 50mm F1.4 M42(作例・撮影Tipsあり)
目次
2023年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ、迷ったらこの一台!
価格と性能のバランスが取れた名機です!
どこでも持ち歩ける相棒です。
「CONTAX Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ」について
まずはじめに、Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJのスペック紹介と、作例の撮影に使ってみてどんなところに魅力を感じたのかをお伝えします。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJのスペック
マウント | ヤシカ・コンタックスマウント |
構成 | 4群6枚[1]Cari Zeiss公式WebサイトよりMakro-Planar T* f/2.8 – 60mm 解説pdf(英語、2022年6月18閲覧) |
最短撮影距離 | 0.24m[2]『アサヒカメラ ニューフェース診断室 コンタックスの軌跡』2001年、朝日新聞社よりp.210「コンタックス現行レンズデータ一覧」 |
撮影倍率 | 等倍まで可能[3]Cari Zeiss公式WebサイトよりMakro-Planar T* f/2.8 – 60mm 解説pdf(英語、2022年6月18閲覧) |
重量 | 570g[4]Cari Zeiss公式WebサイトよりMakro-Planar T* f/2.8 – 60mm 解説pdf(英語、2022年6月18閲覧) |
フィルター径 | 67mm[5]Cari Zeiss公式WebサイトよりMakro-Planar T* f/2.8 – 60mm 解説pdf(英語、2022年6月18閲覧) |
新品時価格 | 128,000円(2001年)[6]『アサヒカメラ ニューフェース診断室 コンタックスの軌跡』2001年、朝日新聞社よりp.210「コンタックス現行レンズデータ一覧」 |
メーカー | Carl Zeiss / YASHICA・京セラ |
Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJに魅力を感じた点
CONTAX一眼レフ用のCarl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJを使ってみてまず魅力を感じたのは、
- 圧倒的な描写力(オールドレンズとは思えない)
- 柔らかいふわっとした光(変なゴーストとかはあまり出ない)
今回、ポートレートも沢山撮影できたのですが、肌感の再現性も半端なく綺麗ですし、マクロで見る微細な世界観にも圧倒されました。
うぅ・・・こんなレンズが1本手元にあったら、嫌でも写真撮りに行きたくなる。最高のレンズでした。
今回もミラーレス一眼カメラへの取り付けには、Y/Cマウント→SONY Eマウントのマウントアダプターを使用しました。
こちらです。
それでは、作例をご覧ください。
「CONTAX Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ」作例紹介
今回の作例は、人物編・猫編・その他編と3パターンでお届けいたします!
作例 人物ポートレート編
ポートレートの作例では、かわいいかわいい親子モデルさんにご協力いただきました。
初めてお会いした時は、まだ半年弱だった子が、もうこんなに大きくなっていて・・・うるっ。
肌色がすごく柔らかくて自然で、それでいてコントラストもしっかりあるので、ポートレートにぴったりかと。お水に興味津々なお顔。
マクロ撮影に挑戦したのですが、さすがに難しかった!なにせ筒状のおもしろレンズに興味津々、近づいてきたと思えばレンズの中にしきりに指を入れようとしてきます。笑
本当は目にピントを合わせたかったのですが、鼻、口あたりにピントが合う感じに。でもそういう作風ありますよね、めちゃふんわり描写。
唇や前髪の質感まで、丁寧に映し出されてます。
ママにもモデルをしていただきました。光の当たってる部分と、影の部分の境界線が、なめらかでいいなぁ。
優しい瞳を。玉ボケ素敵です。
ばいばーい!
次のモデルさんは、まだ1歳。ハイハイがめちゃくちゃ速かったので、ピント合わせも必死。笑
前ボケと合わせると、より被写体の主役感が。
この肌の質感。きゅるんとした瞳。細くて柔らかい髪質。
逆光ショットも非常に柔らかくて好きです。
髪の毛の縁取りが白っぽく消えそうになるくらい、露出を+2〜3あげます。
そ、それは・・・私の常備酒・・・大物になりそうな予感。
作例 猫編
まずはCONTAX Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJならではのマクロ撮影。朝ご飯後(猫の)の、そろそろ眠たいにゃの時間帯を狙って、我が妹の撮影会。
鼻が濡れてる水滴みたいなのが見える!
おひげ。
まつげが長いのよ、あたしゃ。
にくきゅう。
べったり。
マクロな世界、やっぱり感動します。
作例 その他編
まずはF値ごとの描写の違いを。
ボケ感が美しすぎて、ついつい全て開放で撮影したくなるレンズなのですが、当たり前ですが撮りたいものによっては少し絞った方がよりすっきりして見えますね。
(↓F2.8)
(↓F5.6)
(↓F11)
毎朝、姉が庭で摘んできてくれるお花。
かばさんが多肉を見守るジオラマな世界。
後ろから朝陽を浴びるアサガオの葉っぱ。この時間帯を狙って、光が当たってきらきらする産毛(と言っていいのか)。生きている感じ。青々しい。
もんのすごくボケます。川沿いへチャリ散歩。
上の写真と同じ場所ですが、手すりの線がもううっすら。
こってりした色味。1つだけグラデーションになって咲いていたお花。
青空がとっても綺麗に。F5.6くらいで撮影したと思いますが、カリッと締まりのある描写に。
水面に反射する小田急線。
休憩中のライダーさん。
撮影Tips!被写体との距離感は足でかせぐ!
個人的に今回、CONTAX Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJで撮影して感じたのは、60mmの焦点距離とマクロの組み合わせがとても人物撮影と相性が良い!
まず60mmという画角について。
標準レンズと言われる50mmレンズは、人が見たままの景色に程近いと言われています。(諸説あり)
若干望遠側になりますが、60mmもほぼ標準レンズ寄りということで・・
撮りたい構図にするために、自分の足で被写体との距離感を決めていく必要が出てきます。
その場に突っ立ってるだけでは、似たような写真しか生まれない可能性もありますが、裏を返せば、素直に自分の視点をそのまま表現しやすいので、思うがままに操れるととても楽しいです!
そして、被写体との距離感を測る練習にもなります。
写真の学校では、最初に50mm単焦点レンズを使わせるという話もありますよね。
(お水で遊ぶ様子を、色々な視点から。)
CONTAX Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJは、おまけにマクロ機能も付いているので、これ1本で本当にバリエーション豊かな作品が生まれます。
レンズに頼るだけでなく、ぜひ足を動かして、寄ったり引いたりしてみてください^^
「CONTAX Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ」で撮影した感想
もうシンプルに最高なレンズで、中古を探したくなりました。
私は普段仕事で主に家族写真を撮影していますが、仕事用として使いたい!と思いました。
しかしマニュアルフォーカスレンズで、動き回るこどもの撮影となると、どうしてもピント合わせがシビアになってくるのですが・・何回か撮影していたら「練習すればいけるのでは..?」という期待もちらり。
要は、ここぞという時に使いたいレンズ。それが、CONTAX Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJでした。
CONTAX用ツァイスレンズの関連記事
CONTAX一眼レフやGシリーズ用のツァイスレンズ+ミラーレス一眼カメラの作例をこれまでも紹介してきました。
ぜひご覧ください。
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Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJについて簡単な解説
ここからは、今回作例を撮影したオールドレンズ、Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJについて、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフが簡単に解説します。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ
マウント | ヤシカ・コンタックスマウント |
構成 | 4群6枚[7]Cari Zeiss公式WebサイトよりMakro-Planar T* f/2.8 – 60mm 解説pdf(英語、2022年6月18閲覧) |
最短撮影距離 | 0.24m[8]『アサヒカメラ ニューフェース診断室 コンタックスの軌跡』2001年、朝日新聞社よりp.210「コンタックス現行レンズデータ一覧」 |
撮影倍率 | 等倍まで可能[9]Cari Zeiss公式WebサイトよりMakro-Planar T* f/2.8 – 60mm 解説pdf(英語、2022年6月18閲覧) |
重量 | 570g[10]Cari Zeiss公式WebサイトよりMakro-Planar T* f/2.8 – 60mm 解説pdf(英語、2022年6月18閲覧) |
フィルター径 | 67mm[11]Cari Zeiss公式WebサイトよりMakro-Planar T* f/2.8 – 60mm 解説pdf(英語、2022年6月18閲覧) |
新品時価格 | 128,000円(2001年)[12]『アサヒカメラ ニューフェース診断室 コンタックスの軌跡』2001年、朝日新聞社よりp.210「コンタックス現行レンズデータ一覧」 |
メーカー | Carl Zeiss / YASHICA・京セラ |
Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ(マクロプラナー T* 60mm F2.8 AEJ)は、ヤシカ・コンタックスマウント(Y/Cマウント)のマクロレンズ。
だいたいの35mm一眼レフカメラのシステムには50mm前後と100mm前後のマクロレンズが用意されていますが、このMakro-Planar T* 60mm F2.8 AEJは50mm前後のほうのラインナップに相当します。
Carl Zeiss公式Webサイトにある解説pdfを見ると、構成は4群6枚でオーソドックスなダブルガウスタイプ[13]Cari Zeiss公式WebサイトよりMakro-Planar T* f/2.8 – 60mm 解説pdf(英語、2022年6月18閲覧)。
開放でF2.8とそこまで明るいレンズではないですが、今回の作例では非常に素直でなめらかなボケであることが伝わったと思います。
光点のある作例では、非常にしっとりとした、メインの被写体をきれいに浮かび上がらせるような玉ボケになっていますね。
↑玉ボケのある作例を再掲
Makro-Planar T* 60mm F2.8にはハーフマクロのモデルも
さて、今回使用したMakro-Planar T* 60mm F2.8 AEJは、レンズ単体で等倍までの接写が可能。
その代わりレンズ鏡筒は大きく、重くなっており、フィルター径は67mm、重量は570gとなっています[14]Cari Zeiss公式WebサイトよりMakro-Planar T* f/2.8 – 60mm 解説pdf(英語、2022年6月18閲覧)。
じつは、そんな問題点の解決のためか、同じレンズ構成、60mm F2.8のまま、等倍ではなく1/2倍までのハーフマクロとしたものも存在しました。
それがMakro-Planar T* 60mm F2.8 C。
レンズの名前の最後に「C」がついています。
↑Makro-Planar T* 60mm F2.8 C MMJ
↑Makro-Planar T* 60mm F2.8 C MMJの鏡筒を繰り出したところ。1/2倍までになっている。
こちらのMakro-Planar T* 60mm F2.8 Cは、重量が260gと大幅に軽量化され、フィルター径も55mmに。
しかも新品時の価格も、今回撮影したMakro-Planar T* 60mm F2.8 AEJの128,000円から108,000円と2万円も安くなっていました[15]『アサヒカメラ ニューフェース診断室 コンタックスの軌跡』2001年、朝日新聞社よりp.210「コンタックス現行レンズデータ一覧」。
これから中古でY/Cマウントのマクロレンズを探す際も、等倍が必要ではない場合にはこちらのMakro-Planar T* 60mm F2.8 Cを探してもよいかもしれないですね。
Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJを中古で探すなら
他のCONTAX一眼レフカメラ用のレンズ同様、Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJはいわゆるオールドレンズとしては比較的高めの価格帯。
2022年現在、ざっくりと、50,000円くらいの中古価格で販売されている印象です。
ただし、Y/Cマウントの中古レンズにはコーティングや貼り合わせ面などに劣化がみられるものもあるので、中古購入時にはしっかりと状態をチェック、保証つきのお店で購入するようにしましょう。
ヤシカ・コンタックスマウントレンズの関連記事
当サイトでは、Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJのほかにもヤシカ・コンタックスマウントのツァイスレンズの作例を紹介しています。
ぜひご覧ください。
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[オールドレンズ探訪記] 中望遠マクロレンズ対決!Nikonか?CONTAXか?PENTAXか?撮り比べてどのレンズの個性が一番かを決めてみた
今回の使用ボディについて
今回の作例撮影でも、ミラーレス一眼カメラのボディには初期のローパスレス機、SONY α7Rを使用しました。
中古で比較的手ごろな価格のフルサイズ機として、中古レンズの母艦としてなかなかにおすすめできます。
ほかにもおすすめのミラーレス一眼カメラとしては――
中古で廉価なフルサイズのミラーレス機が欲しい方にはSONY α7が。Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ まとめ
Makro-Planar T* 60mm F2.8 AEJ+ミラーレス一眼カメラの作例と解説でした。
さすがはツァイスレンズだけあって、マクロレンズながらポートレート撮影では見事なボケ味と描写力を見せてくれましたね。
中古価格は比較的高めですが、それに見合った描写のレンズだといえます。
ツァイスレンズをお探しの際、今回の作例が参考になれば幸いです。
オールドレンズ探訪記 次の記事はこちら
次回はタムロンのミラーレンズ(反射望遠レンズ)、TAMRON SP 500mm F8 55BB+ミラーレス一眼カメラで撮影した作例をご紹介します。
ぜひご覧ください。
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