[オールドレンズ撮り比べ3] CONTAX Sonnar T* 135mm F2.8 光を最大限に活かせる望遠レンズ
こんにちは、雨樹一期です。フィルムカメラとミラーレス一眼カメラの撮り比べコラム第三回も、引き続きCONTAX用のCarl Zeissレンズになります。
これまでで一番長い、Sonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8です。
Sonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8の焦点距離は、中望遠というには少し長め。
僕は家族を撮影するとき70〜200mmのズームレンズを使っています。実際に撮影するのがちょうど135mm付近が多いので、手慣れている焦点距離です。
今回も楽しみながら作例を撮影することができました。
思っているよりも被写体が大きく写るのではじめは戸惑うかもしれませんが慣れていくほどに面白くなる焦点距離です。
使えるようになると、手放せなくなりますよ。
135mmは中古価格が手頃なのも魅力なようです。
目次
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
Carl Zeiss Sonnar T* 135mm F2.8の作例
それでは、Sonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8(Y/Cマウント)をフィルムカメラとミラーレス一眼カメラで撮影した作例を見ていきましょう。
フィルムカメラのCONTAX Ariaで撮影した作例
絞り優先/感度:ISO200/F4
まずはフィルムカメラのCONTAX(コンタックス) AriaとSonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8の組み合わせで撮影した作例。
フィルムは安価な割に粒状性も良い「FUJIFILM C200」を使用。黄色〜赤カブリをすることもあり、フィルムらしい雰囲気で撮れます。
デジタルのピントカリカリ感もなく、ほど良い甘さがありますね。
ちなみに被写体のカメラはハッセルブラッド。レンズはCarl Zeiss。かっちょええですねー。
レンズは自社では開発せずにCarl Zeiss社にお願いしたことからも、Carl Zeissのレンズがいかに優秀だったか、ということが分かりますね。
絞り優先/感度:ISO200/F5.6/露出補正−2/3
絞り優先/感度:ISO200/F4/露出補正−1
この2枚の作例。ただ地面を写しているだけなんですけどね。なんか凄く好きな2枚。
Ariaの魅力なのか、レンズなのか、フィルムなのか、僕の腕なのか(笑)。どれもあると思いたいです。
この作例、50mmのレンズだったら撮らない構図なんですよね。
中望遠だからこそできる撮り方があるので、お持ちでない方はぜひ試してみて欲しいです。撮影の幅がぐぐっと広がりますよ。
135mmのオールドレンズなら、今回使っているSonnar T* 135mm F2.8は間違いなくおすすめできる1本だと思います。
絞り優先/感度:ISO200/F2.8/露出補正−2/3
絞り優先/感度:ISO200/F5.6
こっち側とあっち側から撮影した作例。光の当たり具合も違うので、雰囲気も変わりますね。
望遠レンズは広角レンズとは違って、同じ絞り値でもボケ具合が大きくなります。なので、F5.6でもしっかりボケます。
絞り優先/感度:ISO200/F2.8
絞り優先/感度:ISO200/F4
絞り優先/感度:ISO200/F2.8
上の作例は名古屋にある『文化の道』で撮影。このエリアには歴史的建造物が残されています。
古い建物を撮影するとき、相性だけを考えると、『デジタル<ミラーレス+オールドレンズ<フィルム』ですね。
逆に言うと、僕はノスタルジーを感じる場所が好きなので、フィルムにハマりました。Sonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8との相性も良いですね。
絞り優先/感度:ISO200/F2.8
望遠は前ボケも活かせます。ポートレートなら、『花・人・花』という風に、人を挟んで撮影するだけで、ふんわり柔らかな一枚になります。
いい写真がいちばん多かった
これまでに25mm・50mm・85mmと作例を撮影してきましたが、僕的には一番いい写真が多かったのがSonnar(ゾナー) T* 135mmです。
CONTAX(コンタックス) Ariaの扱いに慣れてきたというのもあるかもしれませんが、欲しいなーこのレンズ。光の滲み具合が一番僕好みでした。
Sonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8は、名前の通りゾナーというレンズタイプ。
もしかするとゾナーの写りと相性がよいのかもしれないですね。
もし購入するならその前に標準レンズの50mmなんだろうけど。すっかりハマってしまいました。
中古カメラ、中古レンズはほんとうに「沼」ですね。
絞り優先/感度:ISO200/F8
ちなみに、135mmでも圧縮効果は出ますね。
これは、遠くのものが大きく写る効果のことで、それにより距離感が弱く感じます。
実際は、うなぎの看板・熊・焼き肉とそれぞれ数10mは離れているのですが、作例の写真だと3・4歩くらいの距離に感じますね。
今回の使用フィルムについて
(追記した内容です)
今回の記事で作例に使用したFUJIFILM C200は2022年現在、残念ながら製造が終了しています。
FUJIFILMのカラーネガフィルムを使うなら、以下の2種類が入手しやすいです。
また2022年現在、海外から別銘柄のISO200のカラーネガフィルムも逆輸入されているようです。
ミラーレス一眼のSONY(ソニー) α7で撮影した作例
絞り優先/感度:ISO200/F2.8/露出補正+1.3
続きまして、ミラーレス一眼カメラのSONY(ソニー) α7(初代、ILCE-7)で撮影。
(サンライズカメラ スタッフ注:中古価格の手頃なフルサイズミラーレスでオールドレンズを楽しむ!をテーマに、このシリーズでは初代α7を使用しています)
フィルムとの違いがより分かるように、今回の作例ではRAW現像で手を加えたりせずに、ほぼ撮って出しの状態。ホワイトバランスもオートです。
フィルムとは色合い自体はガラッと変わりますが、こちらもしっかりとした色乗りですね。
絞り優先/感度:ISO200/F2.8/露出補正+1.3
これぞ望遠レンズ、というボケ味ですよね。ミラーレス一眼カメラで撮るとピントの甘さもややなくなりました。
絞り開放で撮ると、被写体がふわっと浮かぶので、ポートレートや花の撮影にもオススメです。
絞り優先/感度:ISO200/F5.6
手前に木のボケを入れつつ、絞って撮影。全体が引き締まりますね。
絞り優先/感度:ISO400/F8/露出補正−1
この作例ではF8まで絞ってみました。雲の輪郭もカリッとしました。
そしてグラデーションは滑らかです。
絞り優先/感度:ISO400/F5.6
こちらの作例は別になんてない写真ですが、135mmという焦点距離だからイルカショーも大きく撮影が出来ますね。
絞り優先/感度:ISO400/F2.8/露出補正+2
定番の猫写真も入れておきます(笑)。白い毛布で逆光で、かなり露出オーバー気味に撮影しました。
白飛びもしていますが、ギリギリの粘りもあります。
ミラーレス一眼カメラだとこういう攻めた撮影ができるのがいいですね。
絞り優先/感度:ISO600/F2.8
絞り優先/感度:ISO600/F2.8/露出補正+1
最後は燕。上は生まれた直後。下は巣立つ一日前です。
ガレージの中で天敵のカラスからも身を守れる場所ですくすく育って、ギュウギュウ詰めやないかい(笑)!
巣ごと落ちるんじゃないかと心配でした。
それなりに貴重なショットですが、これもまた135mmという焦点距離だからこそ撮れた作例写真ですね。あまり近付き過ぎちゃうと親鳥は餌をあげに帰ってきませんから。
レンズの性能がいいのはもちろんですが、単純にこの焦点距離のレンズは一台は確保しておきたいですね。
光を最大限に活かしてくれるレンズ
Sonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8。
本当にすばらしい写りです。
一言でまとめてみると、Sonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8は、僕がとらえた光を最大限に活かしてくれる。そんな気持ちになるレンズでした。
今回使用したミラーレス一眼カメラ&アダプターについて
今回の撮影ではSONY α7初代を使用しましたが、ご覧の通り、十分以上にレンズの性能を引き出すことができました。
ただ、次機種のα7 II以降は手振れ補正が付くので、Sonnar T* 135mm F2.8のような望遠レンズでは、それ以降の機種のほうがアドバンテージがあるともいえますね。
中古で廉価なフルサイズのミラーレス機が欲しい方にはSONY α7が。マウントアダプター
マウントアダプターについては前回、前々回の記事同様、定番のK&F Concept製品を使用しました。
必要十分な性能でおすすめです。
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Sonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8の解説
ここでは雨樹さんに代わって、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ 店舗スタッフがSonnar T* 135mm F2.8について簡単に解説したいと思います。
Sonnar(ゾナー)とは
Sonnar(ゾナー)とは、カール・ツァイスが作るレンズの製品名。
そもそもは、カール・ツァイスに在籍したルードヴィッヒ・ベルテレ博士が考案したレンズタイプです。
空気と接する面が少ないこともあり、コーティングが発達していない時代には高速のレンズに重宝されましたが、1950後半以降普及した一眼レフにおいては、バックフォーカスを大きく取ることができないという欠点から、標準レンズの主役はダブルガウスタイプに交代することになりました。
しかしながら望遠レンズではその欠点は問題にならないため、今回取り上げたSonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8のように一眼レフでも用いられています。
ミラーレス一眼カメラが普及してバックフォーカスの問題がなくなったため、今後Sonnar(ゾナー)を元とした新たな名レンズが生まれるかもしれないですね。
ちなみに、ゾナータイプの構成は、ズームレンズを構成する要素としても少なくない頻度で用いられているとききます。
ヤシカ・コンタックス用のSonnar(ゾナー) T* 135mm F2.8
中古価格 | 20,000-25,000円程度 |
マウント | Y/Cマウント |
構成 | 4群5枚 |
メーカー | Carl Zeiss(ヤシカ、京セラ) |
今回作例に取り上げたSonnar T* 135mm F2.8はヤシカ・コンタックス用の望遠レンズです。
135mmには他に開放値F2もありますが、そちらはゾナーではなくプラナー。
Planar T* 135mm F2もとても評判のよいレンズですが、カール・ツァイスの純正ゾナーを使える魅力もあり、Sonnar T* 135mm F2.8もけっして見劣りしていません。
135mmという焦点距離はオールドレンズのなかでは比較的人気薄のため、ヤシカ・コンタックス用のツァイスレンズとしては比較的手頃な中古価格で手に入れることができるでしょう。
広角・標準・望遠と3本揃えるなら、Sonnar T* 135mm F2.8はおすすめの選択肢といえますね。
ヤシカ・コンタックス 関連記事
ヤシカ・コンタックス用のカール・ツァイスレンズについてはこちらの記事でも解説しています。
中古オールドレンズのなかでももっとも人気が高いヤシカ・コンタックス。
ぜひ魅力を味わってみませんか?
SonnarとPlanar 写りの違いも面白い
今回はSonnar T* 135mm F2.8の作例と感想でした。
ところで、今回作例に使ったSonnar(ゾナー)と、第一回の記事で使ったPlanar(プラナー)はレンズタイプが違うので写りも違うんですよね。
ぜひ『Sonnar T* 135mm F2.8』の写真を見た上で、第一回の『Planar T* 50mm F1.4 』ともぜひ見比べて見てください。
中古オールドレンズを使うとき、レンズの構成を意識すると撮影した写真が違う見え方をしてきますよ。
撮影方法や使用したフィルムの違いこそありますが、作例を見ると色の乗りや描写がミラーレス一眼カメラ同士でもガラッと変わっているのが分かるかと思います。
これからもいろいろなレンズを撮り比べるのが楽しみです!
次回は番外編として、CONTAX(コンタックス) AriaとPlanar 50mm F1.4を使ってさまざまなフィルムを撮り比べます。
次の記事はこちら
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