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[オールドレンズ探訪記] どれが一番?Nikon、CONTAX、PENTAXの中望遠マクロレンズを撮り比べ!

3本の100mm前後マクロを撮り比べ

こんにちは、雨樹一期(あまきいちご)です。オールドレンズ探訪記と題しまして、いくた りかさんと共にさまざまな中古レンズをミラーレス一眼カメラで撮影して作例をご紹介していくコーナー。

前回は絞りがF1.2のオールドレンズ、OLYMPUS OM G.ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2PENTAX SMC 50mm F1.2を撮り比べたコラムでした。これはなかなか面白い対決になりました。読んだ方がきっと良いです。

 

さて、今回も引き続き撮り比べコラムとなります。今回はマクロのオールドレンズ

・CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ
・PENTAX SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4
・Nikon  Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8

の3本です!

 

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今回使用した3本のレンズ

今回、作例に使用したレンズは、以下の三点。

今回の使用レンズ

左から順に、
・CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ
・PENTAX SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4
・Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8

ピントリングを伸ばした状態

ピントリングを一番伸ばした状態がこちら。最短撮影距離で撮る際はここまで長くなります。

重量やサイズ感も個性豊か

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ:790g
SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4:360g
Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8:530g

重さもずいぶん違うのですが、僕の大好きなCONTAX Carl Zeiss T* Planarのマクロレンズはどんなキレ味を魅せてくれるのか!?

どれくらい描写に違いが出たのか!?
今回も作例モリモリでいきます!最後に同じ場所、同じ構図での撮り比べも掲載しています。

今回も使用したミラーレス一眼カメラは、SONYのミラーレス一眼レフのα7です。

マウントアダプターはそれぞれ以下のものが適合します。

CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ で撮ってみた

まずはCONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJをSONYミラーレス一眼カメラ α7につけての作例です。

CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJの印象

CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ

CONTAX Carl Zeiss T* Planarはツァイスのレンズ。
ツァイスといえば、焦点距離が50mmのプラナーは僕の好きなオールドレンズランキングでも一位。神レンズと崇めています。
そのマクロレンズってことで撮影前からウキウキしますね。

魅力をまとめたコラムでも、掲載枚数はダントツの一位でしたから。

レンズのサイズ感や重さですが、790gと撮り比べの3点の中ではダントツにでかい、重たい。手がプルプルします(笑)。
でも一番カッコ良い外観なんですよね。いい写真が撮れそうな暗示にかかります。

シャープで階調も滑らか

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

 

最短撮影距離は45cm、1:1の等倍まで寄って撮影が可能です。等倍って言われても僕も簡潔に詳細には説明できませんが、どれだけ被写体が大きく撮れるかの指標ですね。
0.5倍のハーフマクロと呼ばれるものがあったり、昨年は1.4倍のレンズも発売されています。

 

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

マクロの世界観は面白いですよね。それにしても階調がとても滑らか。キレイな黄色のグラデーションです。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

どや、この描写力。さすがですね。ピントのシャープさが抜群です。

ただ、マクロレンズで手持ちで開放での撮影となると、被写界深度も浅いのでピント合わせはシビア。さらにレンズが重たい。
そこの厳しさを乗り越える必要はありますが、ジャスピンで撮れた時の感動は他のレンズでは感じることができません。

開放からこのシャープさですから。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

綿毛がすごいです。オールドレンズとは思えない鮮明さ。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

ふわっとした前ボケもいい感じ。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

プラナーといえば、シャープで鮮やかで強いコントラスト。そしてとろけるようなボケ。
CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJも近い性能で、シャープさは変わらずですが、50mmと比べると鮮やかさやコントラスト、ボケのとろとろ感は控えめかなという感じはしました。

階調はなめらかですけどね。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

ただ、Makro-Planar 100mm F2.8 AEJは中望遠なので、ポートレートにも使えるし、全く同じ性能である必要はないんですけどね。
個人的には広角になるほど、鮮やかさや強いコントラストを求めるので、望遠として考えるとこれがベストかもしれません。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

しっかりと芯のある一枚が撮れます。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

やっぱりボケ感もいいなぁ。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

少しだけ絞って撮影。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

自然光ってやっぱりステキですよね。晴れた日の太陽が傾いた時間帯が一番の撮影タイムです。

たくさん撮ったのでどんどんいきます。オールドレンズの個性は開放にあると思っていますので、撮り比べの3点はほぼ開放で撮っています。

後ボケ、玉ボケもとてもきれい

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

色温度を変えて撮りました。プラナーのボケって、背景に光があると映えるんですよね。

芯があるけど、優しい雰囲気。やっぱりすごいよ、プラナーさん。

そして寄れるというのはやっぱりいいですね。僕はマクロ撮影ってあまりしないのですが、「もう少し寄って撮りたい!」ってシチュエーションは多々あります。
ただ冒頭で説明した通り、Makro-Planar 100mm F2.8 AEJではピント合わせの際にピントリングをめっちゃ回す必要があるので、そこが普段使いには適してない感じもします。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

玉ボケは周辺にいくほどレモン型になります。「SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4」でも撮りましたが、玉ボケはPENTAXの方が丸みを維持していたけど、描写力や色のバランスにかなり違いは感じました。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ + SONY α7の作例

ゴーストは控えめ。いいでしょー、このドラマチック感。

 

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4で撮ってみた

続いては、SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4とSONYミラーレス一眼カメラ α7の作例です。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4の印象

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4はコンパクトなマクロレンズです。外観に高級感はありませんが、重さは360gでCONTAX Carl Zeiss T* Planarの半分以下。
開放の絞り値はF4となります。

でもオールドレンズってこういうレンズほど面白い描写をするんですよね。
では作例いきます。

0.5倍でもぐぐっと寄れる

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

まずはぐっと寄った一枚。最大撮影倍率0.5倍。プラナーみたいに寄れません。これだけ撮れたら十分な気もしますが。それは僕がマクロレンズをあまり使わないからかもしれません。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

まずまずなシャープさ。F4でもボケ味は十分ですね。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

階調はどうでしょうかね。ちょっと滲んだような感じがします。暗い部分も明るい感じ。光が全体にかぶってきてます。
背景がもっと暗く沈み込んで欲しいですね。

柔らかめな描写を活かす

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

少し明るく撮影。同じく、パリッとしていませんよね。

でも分かっています。これはオールドレンズあるあるだと。こういうレンズは夕方の逆光撮影時に本領を発揮するんだと。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

ね。めっちゃいい感じではないでしょうか。やわらかさと光の滲み。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

描写力が物足りないレンズは、描写力が試される状況で撮影するほど、味が出てきます。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

「これこれ!」って思うんですよね。オールドレンズの楽しみ方って人それぞれだし、いろいろありますが、確実に言えるのは「ゴーストを楽しむ!」です。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

そう、この虹色輪っかですよね。ゴーストを好きな場所に出すには調整は必要ですが、それがまた楽しい時間なんです。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

描写力では、今回の撮り比べでは最下位ですが(言っちゃった)、一番楽しいレンズです。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

プラナーでも同じ場所で撮った一枚を紹介しましたね。全然違います。
色のノリや明暗差、階調やシャープさ。明らかにプラナーの方がキリッとカリッとしています。

↓CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ

マクロプラナーで同じ場所で撮影

レンズでここまで変わるんですよね。だからいろんなオールドレンズを試したくなる、そんな気分にさせられます。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

この雰囲気。いい。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4 + SONY α7の作例

ちなみに焦点距離100mmのレンズで撮ると月の大きさはこんな感じ。

続いてニコンのマクロレンズ(マイクロレンズ)です。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2で撮ってみた

最後に3本目。
ニコンのAi-sMicro-Nikkor 105mm F2.8とSONYミラーレス一眼カメラ α7の作例、いってみましょう!

Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8の印象

Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8S

重さは530g。マクロプラナーよりも軽いですが、それなりのずっしり感はあります。外観は、、、ニコンって感じです。
裏切らないニコン、どんな描写でしょう。

マイクロニッコールは解像感抜群

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

いきなり猫の鼻のドアップですいません。
ここまで寄れるんですよね。マクロプラナーと同じく、等倍での撮影が可能です。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

さすがの描写力ですね。やっぱりニコンは裏切らない。
マクロプラナーに引けをとりません。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

ピントがバチバチですね。すごい。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

うちのニャンコたち。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

外猫はやっぱりドラマチックに撮影ができますね。

ボケも良好

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8はボケもいいですね。自然でうるさくもない。撮り比べの3本の中では、一番自然に使えます。

ゴーストも控えめだし、真面目なレンズ
良くも悪くもオールドレンズとしてはペンタックスの方が面白いですけどね。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

マクロレンズでのピント合わせはかなり難しいです。開放でアップで撮るとなると、ほんの1cm程度のズレでボケちゃいます。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

階調のなめらかさはマクロプラナーの方が少し上かな。状況にもよりますけどね。
使っていて困ることのないレンズ。持っていて損のないレンズ。

とにかくバランスのよいレンズ

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

暗く撮っても、明るく撮っても良い感じ。レンズの性能の良さが分かります。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8はとてもバランスの良いレンズなので、この部分はいまいちって点が見当たりません。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

葉脈もしっかりと分かります。現代のレンズと比べても遜色ありませんよね。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2 + SONY α7の作例

ただし、Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8には1つだけよくないことも。

あえてマイナスな言い方をすると、遊びがないです。

ニコンのオールドレンズを使っていていつも感じることなんですけどね。描写がやや硬くなりがちなんですね。
しっかり撮るには申し分ないんですが、ニコンはどれか1台持っていればいい、ってなってしまう。
Carl Zeissとかはいろいろ揃えたくなるんですよね。

3本を撮り比べてみた

全く同じ条件、設定で撮り比べてみました。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJで撮影
CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4で撮影
SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4

Nikon Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8Sで撮影
Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8

全て開放で撮影しています。CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJとNikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8については違いがほぼ分かりませんが、SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4だけが光の幕がかかってるようにふわっとしていますね。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJで撮影
CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4で撮影
SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4

Nikon Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8Sで撮影
Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8

若干アングルが違ったからか、「Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8のボケが一番スッキリしています。
どれが一番好きかと言われると、この中だと「Nikon」ですが、こうやって撮り比べてみてもそのレンズの良さって分かりにくいのかもしれません。
それぞれいろんな条件でたくさん撮っていくほどに、個性が分かってくるものですよね。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJで撮影
CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4で撮影
SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4

Nikon Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8Sで撮影
Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8

一番、芯がある写真は「CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ」かな。SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4はやっぱりふわっとしていますね。

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使用したミラーレス一眼カメラについて

今回の記事でも、ミラーレス一眼カメラのボディはSONYの初代α7です。
発売から年数が経っていますがオールドレンズとの相性はよいですね。

もしこれからSONYのEマウントのミラーレス一眼カメラでオールドレンズを使うなら安価なミラーレス機で遊ぶのが良いかもしれませんね。

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今回使用したレンズ 簡単な紹介

ここからは、今回ミラーレス一眼カメラで作例を撮影した3本のレンズ、

・CONTAX (コンタックス) Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ
・PENTAX (ペンタックス) SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4
・Nikon (ニコン) Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8

について、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフが簡単に解説します。

CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ

CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ

マウント ヤシカ・コンタックスマウント
構成 7群7枚
メーカー Carl Zeiss / ヤシカ・京セラ
新品時価格 198,000円(2001年現在)
相場 3万-3万5千円(2024年2月現在)

※参考文献:
『アサヒカメラ ニューフェース診断室 コンタックスの軌跡』2001年、朝日新聞社、p.210
Carl Zeiss公式Webサイトより、Makro-Planar 100mm F2.8 pdf(2022年2月28日閲覧)

CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJは、その名の通りヤシカ・京セラのCONTAX一眼レフ用のマクロレンズ。
今回の雨樹さんの作例をみてひと目でわかる通り、本当に描写のよいレンズです。

雨樹さんが書いているように、レンズ単体で等倍まで撮影可能です。

今回使用したものはAEJなので、レンズ自体は日本で製造されたものになりますね。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJのフィルター径は67mmでサイズは少々大きめ。
しかも価格もビッグで、新品のときは定価で198,000円もしたのでした。

それもそのはず。
参考文献に挙げたCarl Zeiss公式Webサイトにあるpdfを見ると構成図が載っているのですが、3枚目に驚くほど分厚い、巨大なレンズが用いられているのです。
本当に贅沢です。

ですが、さまざまなヤシカ・京セラのCONTAX用カール・ツァイスレンズのなかでは、2022年現在の中古価格は比較的買いやすい価格帯だといえます。
一眼レフのCONTAX用レンズを増やしたい方にも、Makro-Planar 100mm F2.8 AEJはおすすめかもしれません。

PENTAX SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4

マウント PENTAX KAマウント
構成 3群5枚
メーカー 旭光学
新品時価格
相場 1万円前後(2024年2月現在)

参考文献:『クラシックカメラ専科 No.30 ペンタックスのすべて』1994年、朝日ソノラマ、p.54-57

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4は、ペンタックスのKマウント用マクロレンズ。
レンズ名にSMC PENTAX-Aとありますが、これはペンタックスKマウントレンズのなかでも「Aシリーズ」であることを表しています。

Aシリーズは電子接点を持ちボディ側からの絞り設定が可能かつ、マニュアルフォーカスのレンズ。
ということは、PENTAX K-1系をはじめとするPENTAXデジタル一眼レフで、オートフォーカス以外の機能が使えるということです。

もちろんSMC PENTAX-A MACRO 100mm F4は、マウントアダプターでミラーレス一眼カメラに取り付けても似合うレンズです。
この時代のPENTAXのレンズの例に違わず、フィルター径49mmと小柄なため、ボディが比較的小さなミラーレス一眼カメラに取り付けてもバランスがよいですね。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4の構成は3群5枚
前玉と後玉が貼り合わせのヘリアー型です。

今回の作例では、純粋な性能面では少々物足りなさもあったようですが、その分、オールドレンズとしての魅力は抜群。
これも他の2本とは構成が大きく異なることが要因でしょう。

Aシリーズのひとつ前、Mシリーズにも同じ構成のものがあったようです。
SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4のようなAレンズは本数が少ないこともあり中古価格が上がることもありますが、Mシリーズは比較的価格が安い場合も多いため、そちらを探すのもアリですね。

さらには参考資料によると、それ以前の初代SMC PENTAXレンズ(いわゆるKシリーズ)も3群5枚、これはSMC Macro-Takumar 100mm F4と同構成とのこと(上掲書p.55)。
KシリーズとMシリーズの100mm F4マクロが同構成かということについては手元の資料で確証が持てなかったのですが、もし同構成なら長年に渡り受け継がれたものであることになります。

また、SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4のバリエーションとしては歯科の口腔内写真撮影用にSMC PENTAX-A DENTAL MACRO 100mm F4というものも存在しました。

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4はレンズ単体では1/2倍まで撮影可能です。

ヘリアー型レンズの中古を安めの価格で手に入れたい方に断然おすすめできるレンズです。

Nikon Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8

Nikon Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8S

Nikon Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8S

マウント Nikon Fマウント
構成 9群10枚
メーカー 日本光学/ニコン
新品時価格 129,250円(税込、終売時)
相場 1万7千-2万円(2024年2月現在)

※参考文献:「AI Micro-Nikkor 105mm f/2.8S – 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング」(2022年2月28日閲覧)

Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8は、ニコンFマウントのマイクロレンズ。
よく知られているように、マイクロフィルム(文献の保存のために用いられたフィルム)の複写に用いられたことから、ニコンFマウントのマクロレンズのほぼすべてはマイクロニッコールを名乗っています。

Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8の名前の最後にSと付いていることからわかるように、いわゆるAi-sレンズとなります。
単体で等倍までの撮影が可能です。

雨樹さんのコメントに硬いという言葉がありましたが、ニッコールには硬いという印象がつきまといます。
でも作例を見る限り、ボケもきれいで、ポートレートにも全然使えていると感じます。
開放でも解像感はばっちり。
ミラーレス一眼カメラで使う場合、フィルムカメラの時代に比べ解像感があるほうが写りがよいと感じられる傾向があるので、マイクロニッコールの精密な描写がよい方に作用しているのではないでしょうか。

多くのニコンのレンズがそうであるように、Ai-s Micro-Nikkor 105mm F2.8は日本製のオールドレンズのなかでもリファレンスとなる一本といえるでしょう。

今回はSONYのミラーレス一眼カメラに取り付けましたが、Nikon Zシリーズでもぜひ使ってあげたいレンズですね。

とにかく実用のために作られたニッコールレンズなので、中古価格も手頃なものが多いです。
使い込まれたものも多いですが、外観や状態によって、中古価格が安いものから高いものまで、中古市場ですぐに見つけられると思います。

今回のレンズの中で、サンライズカメラのスタッフの私が欲しいと思う中古レンズはというと……
実用を考えるなら、このAi-s Micro-Nikkor 105mm F2.8ですね。

でも、構成が比較的珍しいペンタックスの100mm F4も捨てがたいです。

それでは雨樹さんが一番欲しいと思ったのはどのレンズなのでしょうか?

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まとめ 一番欲しいマクロレンズは……

SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4で撮影
SMC PENTAX-A MACRO 100mm F4

撮影は撮り比べのために3台とも持っていったりもしましたが、レンズを変えながらメモをしないで撮影していたので、ニコンかマクロプラナーかどちらで撮ったか分からなくもなりました。
それほど描写力は近いってことですが、となると軽いニコンがいいか?と言われると、やっぱり僕はマクロプラナーが好きなんですよね。

ペンタックスの描写力が劣っているのは見るからに明らかでした。
でもオールドレンズらしさを求めるならペンタックスが断トツ1位。

Nikon Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8Sで撮影Nikon Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8S

それじゃあ、今回のなかから2本を選ぶとなると……
個性的な描写のペンタックスは決まり。

もう1本は、Makro-Planar 100mm F2.8 AEJかAi-s Micro-Nikkor 105mm F2.8のどちらかになりますね。
ボケが好きなのはニコンだったけど、マクロプラナーは想像以上の一枚が撮れることがあるので、僕はマクロプラナーですね。

Makro-Planar 100mm F2.8 AEJで撮影
CONTAX Carl Zeiss T* Makro-Planar 100mm F2.8 AEJ

この芯のある優しい描写の虜です。

最近はコロナの影響でなかなか撮影に出かけるタイミングや場所って難しいですが、近所のお散歩でもオールドレンズの撮影はやっぱり楽しいですね。

ちなみにマクロレンズといえば、神レンズの「OLYMPUS ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2」もありますね。
これが中古で一番欲しい(笑)。

オールドレンズ探訪記 次回の記事はこちら

 

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2024年2月追記 タイトル変更、中古相場の挿入

著者紹介: 雨樹 一期(Ichigo Amaki)

フィルムカメラ・トイカメラの多重露光などで作品撮りの傍ら、大阪・東京を中心に全国でフィルムカメラワークショップを開催。
2024年9月8日ラジオ番組【編集長 稲垣吾郎】(文化放送)に出演するなど、精力的に活躍中。 その他、カメラの個人レッスン、ペット・家族の撮影をしています。 基本、娘と猫と珈琲とカレーに生かされてます。

HP : 雨樹一期写真事務所
blog : フィルム寫眞手帖

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