[オールドレンズ探訪記] MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8を使って寄せ集めた個性を楽しもう(作例・撮影Tipsあり)
こんにちは、雨樹一期(あまきいちご)です。オールドレンズ探訪記と題しまして、様々なレンズをご紹介していますが、今回もなかなかのくせ者レンズ「MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8 (ミノルタ スーパーロッコール)」で撮影の作例をご紹介します。
このレンズ、掴み所がないというか、掴み所だらけというか、、いろんなオールドレンズの寄せ集めみたいな個性なんです。
今回は日本製の中古レンズになりますよ。
ミラーレス一眼カメラ+オールドレンズの作例、いってみましょう。
【オールドレンズ探訪記 前回の記事はこちら】
【オールドレンズ探訪記】Industar-22(インダスター) 50mm F3.5を使って光のゴーストシャワーを手に入れよう!(作例・撮影Tipsあり)
目次
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
- MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(スーパーロッコール45mm F2.8)について
- MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8の撮影Tips「いろんな個性を楽しもう」
- MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(ミノルタ スーパーロッコール)の作例紹介
- MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(ミノルタ スーパーロッコール)を使用してみた感想
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
- MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(スーパーロッコール45mm F2.8)簡単な解説
- MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8まとめ
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(スーパーロッコール45mm F2.8)について
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(スーパーロッコール45mm F2.8)は焦点距離が45mmとなかなか珍しいオールドレンズ。作例にていろいろご紹介しますが、描写も珍しかったです。
にしても、このサイズのオールドレンズはいいですね。SONY α7 にピッタリ。
また、フォーカスリングの形状が梅鉢の家紋に似ていることから通称「梅鉢ロッコール」と呼ばれているようです。
マウントは前回ご紹介したIndustar-22(インダスター) 50mm F3.5と同じ、Lマウントとなりますね。
Lマウントのオールドレンズはなかなか面白いです。粒ぞろい。
価格が安いものから高いものまでよりどりみどりですが、低価格のオールドレンズを一気に取り揃えて撮り比べるのもよいかも。
Lマウント(L39マウント、ライカスクリューマウント)なのでミラーレス一眼カメラ用のマウントアダプターも一度買えば共用できます。
製造が1950年代ということで、十円玉が発行されたのと同じ頃。70年ほど前になりますね。
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8の撮影Tips「いろんな個性を楽しもう」
今回は作例の前に撮影のコツ・秘訣をご紹介。
MINOLTA(ミノルタ) SUPER ROKKOR 45mm F2.8には飛び抜けた個性はありませんが、するどいキレ味、柔らかさ、グルグルボケ、降り注ぐゴーストなど。プチ個性の塊のようなレンズです(笑)。
使い続けて、その個性を上手く活かすことが、撮影のコツになります。
作例にてご紹介していきますね。
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(ミノルタ スーパーロッコール)の作例紹介
それでは、MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(ミノルタ スーパーロッコール)+ミラーレス一眼カメラで撮影した作例、いってみましょう!
上に書いた通り、今回もミラーレス一眼カメラのボディは中古価格が手頃なSONY α7です。
ボケはグルグル系
まずは絞り値を変えての作例撮り比べ。1枚目の写真が開放のF2.8。2枚目の作例はF8で撮影しました。
開放だと背景がグルグルまわっています。F8はパキっとした描写に。
発色はなかなか良いですね。
最短撮影距離が3.3ftなので約1m。あまり寄って撮れませんね。この作例は絞り値も開放ですが、F2.8なのでボケは弱め。
玉ボケも少し出にくいですが、背景がかーなりグルグルしていますね。
光で変わる、安定感のない描写
開放で撮影しても、グルグルボケがあまり目立たない時もあります。
順光だと割とキレ味のある描写になりますね。
それが逆光になると、とたんに甘くなります。四隅の描写力が特に落ちますね。
光、太陽がどこにあるかで描写力がころころ変わります。
それはどのレンズにも言えることだけど、顕著にあらわれました。
全てのレンズに共通することですが、 MINOLTA(ミノルタ) SUPER ROKKOR 45mm F2.8は特に、光を上手く使わないといけないオールドレンズですね。
レンズの気まぐれに付き合うのも面白いとも言えますね。
階調に関しては微妙ですね。作例のように、明るい部分はいいのですが、暗い部分の表現がいまいち。明暗差が出しにくいというのかな。微妙な明暗差の表現が乏しいかな、と感じました。
たとえば、カール・ツァイスのレンズだと手前の土の部分はもっと暗く表現されて、立体感も出るんですよね。
レタッチである程度調整しないと、ふわふわしてしまう可能性もあります。
こちらの意図した表現をしてくれないなーと感じました。逆にこれが好みの方もいますけどね。
アンダー(暗く)に撮るほどにシャープになります。
場所を変えながらたくさん作例を撮影しましたが、適正露出の表現が難しいオールドレンズですね。
開放で撮影するときはミラーレス一眼カメラのシャッター速度を最高速くらいまで使ってもよいと思います。
少し絞ってF5.6〜で撮影するとボケは少し素直になってきますね。
やや暗めに撮る方が安定してくるオールドレンズなのかな。シャッタースピードでも表現力が変わってくるのかもしれません。
それはさておき、並んだ猫ちゃんがかわいいですね。これを真横から撮ってみます。
いや、被ってこないで。
前ボケを使って、猫の生活を撮影。ボケはキレイじゃないかもしれませんが(笑)、そのおかげでリアリティーがある描写になりますね。
これを上手く使っていけたら、充分自己表現ができそうですね。
接写で増すシャープ感
クローズアップフィルターを使って、接写してみた作例です。
するとなかなかのキレ味を見せてくれました。「あれ、こんなキレイに撮れるの?」って。
これがフィルターなしで撮影できたらいいんですけどね。
周辺光量ですが、四隅は落ちて暗くなっていますね。これはオールドレンズとしては及第点というか、むしろあっても良いかと。
MINOLTA(ミノルタ) SUPER ROKKOR 45mm F2.8 を入手したら、接写はオススメですね。
表現力や解像度がなぜか増した気がします。
撮影に使ったのは「ケンコートキナー」のクローズアップフィルターNo.4です。Noは倍率でNo.4だと20cmくらいまで寄って撮影することが可能です。
オールドレンズは寄れないことが多いですからね。1,000〜2,000円くらいと価格も安いし、購入しておいても損はないですね。
続いて、逆光の作例も試してみました。
発色はいいので、順光で撮影するのがいいのかな。
思いっきり白飛びさせてみた作例です。これはこれでありなのかな。
ゴーストは降り注ぐ系
Industar-22(インダスター) 50mm F3.5で撮影した作例のように、画面全体に降り注ぐゴースト。
ただ、グルグルボケのせいなのか、やや乱れ気味。Industar-22(インダスター) 50mm F3.5は品も感じたんですよね。
これはこれで、オールドレンズらしくって気に入ってますけどね。
アングルによっては光の玉も出ます。
やっぱりオールドレンズを使っていると、夕方の撮影がさらに楽しくなりますよね。
ゴーストは意図したように出すのは難しいですが、MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8 (ミノルタスーパーロッコール)はコントロールするのがさらに難しかったですね。
その点では、Industar-22(インダスター) 50mm F3.5の方が好きかな。
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(ミノルタ スーパーロッコール)を使用してみた感想
これぞ、オールドレンズって感じです。いろんな個性がありますが、MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8は旧ソ連製のようにその個性が抜けきっていない感じ。
いろんなオールドレンズの個性を、小さくして寄せ集めたようなレンズです(笑)。
そして全体的に安定感はありません。
だけど、その安定感のなさを上手く活かすことで、このレンズでしか撮影できない写真にもなります。
その気まぐれな描写を素直に楽しんでもいいですね。
よく言えばこれ1本で楽しめます。
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8が面白いレンズであることに変わりはありませんが、これが初めてのオールドレンズだと「上手く撮れない!」と感じるかもしれません。
でも、それを使い続けるとこれ一本でいろいろ表現できるようにもなるんですよね。
僕も作例を撮影するために何度か連れ出して、どんどん面白いレンズだと感じました。
既に持っている方は、適正露出ではなく、露出補正でマイナスに設定して、暗めに撮ってみてください。
ミラーレス一眼カメラで撮るときは、クローズアップフィルターを使ってみるのもおすすめ。
そして夕方にゴーストを狙って撮ってみましょう。
きっと、MINOLTA(ミノルタ) SUPER ROKKOR 45mm F2.8 のポテンシャルに気付けますよ。
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MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(スーパーロッコール45mm F2.8)簡単な解説
ここからは今回作例を解説した、MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(スーパーロッコール45mm F2.8)について、サンライズカメラ スタッフが簡単に解説します。
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(スーパーロッコール45mm F2.8)
マウント | L39マウント(ライカスクリューマウント) |
構成 | 3群5枚 |
メーカー | 千代田光学(ミノルタ) |
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(ミノルタ スーパーロッコール45mm F2.8)は、千代田光学(のちのミノルタ)の35mmレンズ交換式連動距離計カメラ(レンジファインダーカメラ)、Minolta 35(ミノルタ35)用の標準レンズ。
レンズの外観写真からもわかるように、ピントリングのローレットが大きく突き出た独特の形状をしています。
この見た目から「梅鉢レンズ」という通称で知られています。
梅鉢とは、梅の花を図案化した家紋のこと。
検索してみると、たしかに梅の花弁が突き出たデザインと似ているような気がしてきます。
1950年前後のオールドレンズですが沈胴ではありません。
その分、レンズ自体を小型化することで持ち運びを便利にしたのかもしれないですね。
沈胴でないことはミラーレス一眼カメラとマウントアダプターで使うには便利だといえます。
標準レンズながら焦点距離は45mm
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8の焦点距離は45mm。
これは最初期のMinolta 35(ミノルタ35)が、通常の35mmフルサイズ(ライカ判)の36x24mmよりも長辺の短い32x24mm(いわゆるニホン判)だったこととも関連しています。
画面サイズが微妙に小さいので、焦点距離を少し短くして画角をライカ判の50mmに近づけたというわけですね。
ただしニホン判は海外(とくにアメリカ)の自動現像機に対応できないことから、画面サイズはそのままフィルム送りをライカ判と同一にし(その分コマ間隔が開く)、徐々に画面サイズを広げた末、最後にはライカ判になります。
3群5枚のほかにないレンズ構成
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8の構成は3群5枚。
といっても、同じく3群5枚のヘリアータイプとは異なります。
なんと、トリプレットの前玉が3枚貼り合わせになった、3枚-1枚-1枚という構成なのです。
クラシックカメラ選書の神尾健三 『ミノルタかく戦えり』(2006年、朝日ソノラマ)には、1950年代のミノルタのレンズ設計は、仙人のような設計者が感覚的に行なっていたということが記述されています。
この3群5枚の構成も、もしかするとそのように感覚的に行われ、その結果、今回の作例のように独特な描写をもつようになったのかもしれないですね。
金属の重みをずっしりと感じる鏡筒
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8を手にしたときに驚くのがその重量感。
本レンズはけっしてサイズが大きなレンズではなく、開放F値F2.8なのでレンズエレメントのガラス重量が重いわけではないのですが、小さな鏡筒からは想像がつかない、金属がぎっしりと詰まったような重さがあるのです。
これは「梅鉢」という通称の由来となったピントリングをはじめ、レンズ鏡筒の各部が真鍮の削り出しで作られているため。
1940年代後半~1950年代前半のレンズなので、同時代のドイツ製レンズには金属加工、メッキの仕上げともに及ばないのは当然ですが、それでも当時の日本で可能だった最高の仕上げを目指したのではないかということが伝わってきます。
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8は、このように持っていること自体に喜びを覚えることができるレンズなのです。
ミノルタのカメラの末裔ともいえる、SONY α7系やα9系などのミラーレス一眼カメラで使うのもいいですね。
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8を中古で買うなら
この時代の日本製レンジファインダーカメラの標準レンズにはよくあることですが、MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8の中古価格は、レンジファインダーカメラ用のレンズとしては比較的手頃な部類。
2万円台くらいから、光学系の状態が良好なものが見つけられるかと思います。
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8は前述のように貼り合わせが多いレンズですが、バルサム切れが生じている中古はあまり見ない印象です。
作例からもわかるように、他の日本製オールドレンズでは得られない描写を持つMINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8。
ぜひあなたの中古オールドレンズラインナップに加えてほしい一本です。
このシリーズで使用しているミラーレス一眼ボディ
今回の記事でも、ミラーレス一眼のボディはSONY α7初代を使用しています。
レンズがとても小さく感じますが、ミノルタ35のボディもだいたい同じくらいのサイズなんですよね。
SONY Eマウント機でオールドレンズを使う場合――
中古で廉価なフルサイズのミラーレス機が欲しい方にはSONY α7が。MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8まとめ
今回はMINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8(ミノルタ スーパーロッコール45mm F2.8)について、作例と解説をお届けしました。
45mm F2.8というスペック自体は、焦点距離が少し短いこと以外は開放F値も暗めで地味に感じるかもしれませんが、F値が明るくなくても、こんなにも個性的な描写が楽しめるのかと驚くこと間違いなし。
MINOLTA SUPER ROKKOR 45mm F2.8は中古価格も比較的手頃な部類なので、もし状態のよい中古を見つけたら「買い」だと思います。
あなたのミラーレス一眼カメラにぜひ取り付けてあげたいオールドレンズです。
ご購入の際は、当店、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ 公式Webサイトもぜひご覧ください。
オールドレンズ探訪記 次回の記事はこちら
次回は東ドイツのCarl Zeiss Jena(カール・ツァイス・イエナ)のオールドレンズ。
Tessar 50mm F2.8+ミラーレス一眼カメラの作例と解説をお届けします。
東西に分裂したドイツで作られた純正のテッサー。
価格も安めなのでカール・ツァイス・イエナ入門に最適なレンズ。
東ドイツ製の中古オールドレンズの味わいとは?
ぜひご覧ください。
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