[オールドレンズ撮り比べ10] CONTAX G1の遊び方を学んでフィルム写真の楽しさを倍増させよう
こんにちは、雨樹一期です。今回はミラーレス一眼カメラと中古フィルムカメラの撮り比べになります。
使用したレンズはCONTAX(コンタックス) Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 G、使用したミラーレス一眼カメラはSONY(ソニー) α7、フィルムカメラはCONTAX(コンタックス) G1になります。
CONTAX(コンタックス) G1はツァイスレンズがオートフォーカスで使え、レンズ交換も可能な「オートフォーカスレンジファインダーカメラ」です。
名機のコラムでご紹介した、CONTAX T2やCONTAX T3もオートフォーカスでしたが、レンズは交換できませんでしたからね。
露出もピント合わせもお任せできるってことで、「こりゃたまらん」ですよね。
今回は2018年に再販されたコダックのエクタクロームでの作例も少しだけ掲載しています。
目次
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 GとCONTAX Gシリーズについて
今回作例を撮影したCarl Zeiss Planar T* 45mm F2 Gは、CONTAX(コンタックス)Gシリーズの専用レンズです。
まずはCarl Zeiss Planar T* 45mm F2 GとCONTAX Gシリーズについて、作例も交えながら簡単に紹介します。
Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 Gについて
Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 Gは、CONTAX Gシリーズの標準レンズです。
45mmという、標準レンズとしては少し短めな焦点距離が特徴ですね。
「オートフォーカスレンジファインダーカメラ」と銘打たれたCONTAX Gシリーズの特徴からもわかるとおり、Gシリーズ用レンズは小柄で取り回しがよいのが魅力ですね。
もちろん、Carl Zeiss(カール・ツァイス)のレンズならではのT*コーティング!
写りの魅力は作例できっと伝わるかと思います。
CONTAX G1の魅力と特徴
次に、今回フィルムカメラでの作例撮影に使ったボディ、CONTAX G1の魅力と特徴です。
初心者にも扱いやすい、性能・スペック
CONTAX G1は先に述べた通り、オートフォーカスです。露出もオートで、絞り優先の撮影が可能。
デジタル一眼しか使ったことのない方でも簡単に使える、フィルムカメラです。
またシャッター速度も1/2000秒を搭載。
今回の作例撮り比べに使用したレンズ、「Planar T* 45mm F2 G(プラナー)」の開放F2も使いやすくなりますね。
1994年発売とは思えないハイスペックなフィルムカメラ、それが「CONTAX G1」です。
オートフォーカスの精度・注意点
ISO 200/絞り F2.8
コンタックスT2ではピントが上手く合わない中抜け写真がありましたが、G1にCONTAX(コンタックス) Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 Gの組み合わせでは、そういった写真はありませんでした。
ただ、ファインダーを覗いても、ピントが合っているか確認ができないのはやや難点です。
また、一眼レフカメラではないのでファインダーでの景色と、実際に撮れる写真に視差(ズレ)があります。
ファインダーがカメラ正面から見て、レンズの右上にあります。
(一般的な一眼レフは、レンズを通した景色が内部のミラーに反射して、ファインダーに投影されるため、見たままの景色を撮ることができます)
そのため、レンズキャップをしていても、ファインダーからは景色が見えます。今回の撮影でも、キャップをしたまま撮影してしまうことが何度かありました。
慣れるとそのようなミスは無くなると思いますが、はじめは注意が必要ですね。
※マニュアルフォーカスでの撮影も可能です
多重露光が可能
個人的には嬉しい機能。多重の撮影が可能です。
多重露光とは、撮影後にフィルムを巻き送らずに、再度撮り重ねることで、幻想的な1枚を創り出すテクニックです。
ただゴチャゴチャしただけの失敗写真になることも多いですが、コツを掴めば面白い写真を撮れるようにもなります。
たいていの方には必要ない機能かもしれませんが、今はチェキなどにも搭載されている機能です。フィルムカメラの面白さの1つでもあるので、ぜひ手に入れた方はチャレンジして頂きたいですね。
上記の3枚はレンズの左半分を隠して1枚撮影、次に右を隠して撮影しました。子供には右に寄ってもらって、次は左に移動してもらっています。
フィルムの空箱で適当に隠しただけなので、ちょうど真ん中ではなかったり、露出が合わないこともありますが、とりあえず一人っ子も双子に。
ピントはマニュアルに設定、カメラは三脚で固定しました。
続いて、逆光で手を撮って、手のシルエットになる位置に何かを重ねるという、多重露光のテクニックの1つ。
シルエットに子供の顔がくるようにコントロールしたのですが、先ほどピントをマニュアルにしていた(距離を固定していた)のを忘れたまま撮影、という失敗。
ということで、ピントをマニュアルにした後はオートに戻しておきましょう(笑)。僕はそのまま数枚撮ってしまっていました。
CONTAX Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 Gで撮影した作例
Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 Gは、焦点距離45mmと中途半端な数字ですが、あまり気にせず撮影はできました。僕は焦点距離が40mm前後のレンズが好きですね。使いやすいです。
さらにツァイスの中でも個人的に好きなプラナー。とろけるようなボケが特徴です。
それでは作例、行ってみましょう。
CONTAX G1(フィルムカメラ)で撮影した作例
まずはフィルムカメラでの作例からです。
Agfa Vista plus200(アグファヴィスタ)で撮影した作例
AGFA Vista plus 200は価格が安く、少し黄色かぶりをするのが特徴のネガフィルム。バランスも良く、色乗りのよいカール・ツァイスのレンズとの相性も良いですね。
ISO 200/絞り F8
早速出会えた猫ちゃん。絞り値を変更して撮影してみました。
まずはF8。猫との距離もありますが、全体的にカリッとした描写に。
ISO 200/絞り F2
続いて開放のF2で撮影。プラナーらしいボケ味ですね。ボケつつも猫の毛並みはしっかりと表現されています。
ピントを合わせた部分はカリッとして、ボケは柔らかい。ツァイスの中でも1番好きなレンズです。
ISO 200/絞り F8
逆光で撮影。ふわっとしたハレーションがいいですね。変なゴースト(光の玉)は出ませんでした。
ツァイスレンズはゴーストが出にくいのも特徴ですね。
ISO 200/絞り F5.6
ISO 200/絞り F5.6
オートフォーカスの精度も年代の割にいいです。撮影に集中できます。
無機物を撮るならプラナーよりも、「CONTAX T2」や「CONTAX T3」などに搭載されたゾナーの方が相性は良いかもしれませんね。
ISO 200/絞り F8
夕暮れ時でしたが、色がこってりと乗ってきますね。
Kodak Ektachrome E100(コダックエクタクローム)で撮影した作例
2018年に再販がスタートした、コダックのリバーサルフィルムです。
ネガには出せない鮮やかさ。見た目以上の世界が撮れるので、僕も一時期はハマっていました。僕に写真の楽しさを教えてくれたフィルムです。
クロスプロセス現像すると超ド派手になって面白い結果を得られるのですが、今回は通常のリバーサル現像をしました。
ISO 100/絞り F2.8
色はかなりこってりしていますね。リバーサルフィルムはやっぱり描写が硬いですね。
ISO 100/絞り F4
露出補正で+1で撮影しています。少しだけ柔らかくなりますね。
ISO 100/絞り F8
夕暮れは鮮やかに撮りたいので、リバーサルフィルムを使いたくなります。
ISO 100/絞り F8
このフィルム自体の色ノリ、鮮やかさはあるのですが、全盛期ほどではない気もしますね。
多重露光もこのフィルムの作例ですが、そこまで色がハッとしないというか。
もしかするとこのフィルム、クロスプロセス現像した方が面白味はありそうです。
参考:クロスプロセス現像の作例(別のカメラ:LOMO LC-Aで撮影)
ISO 100/LOMO LC-Aで撮影
てことでご参考までに。別のカメラですが、クロスプロセス現像の作例です。ペンキで塗ったような派手な赤と緑に。
ISO 100/LOMO LC-Aで撮影
青もより青く、コントラストも強く、見た目以上の鮮やかさになります。インパクトもあるので、僕は多重露光での作品撮りによく使います。
SONY α7(ミラーレス一眼)で撮影した作例
続いてはCarl Zeiss Planar T* 45mm F2 Gをマウントアダプターでミラーレス一眼カメラに取り付けて撮影した作例をいってみましょう。
フィルムカメラとは逆に、ミラーレスでの撮影はマニュアルフォーカスになります。なんだか変な感じですが。
一般的なレンズは、レンズのフォーカスリングでピントを合わせますが、コンタックスGシリーズのレンズはマウントアダプター側のフォーカスリングで行います。
微々たる差ではありますが、少し扱いにくかったです。
おまけに(構造が複雑なので)他のマウントアダプターよりも少し価格が高いです。ミラーレスのみでの使用を考えるのなら、「Planar T* 50mm F1.4(Y/Cマウント)」の方が使いやすいかもしれないですね。
絞り F2/露出補正+1 2/3
やっぱりこのボケ味は好きですね。ふわっ、とろっと感を出したいのなら明るく撮りましょう。
絞り F5.6/露出補正+2/3
色のノリもいいのですが、フィルムでの撮影に比べるとやや劣りますね。
絞り F8/露出補正 −2
逆光での撮影。光の部分がごちゃっとしていますが、ゴーストも抑え気味ですね。
絞り F2/露出補正 +1 2/3
マニュアルフォーカスなので、ピント合わせはやっぱり時間がかかります。
動く被写体を開放で撮るのはやっぱり難しい。
だけど、下の写真と『組写真』と考えると、ありかな。ミラーレス一眼は連射もできるのでいいですね。
絞りF2/露出補正 +1 2/3
「Planar T* 50mm F1.4」とは違って開放のF値は2ですが、ボケ味的には充分だと思います。
絞りF2/露出補正 +1 2/3
被写体から少し離れて撮影。うん、充分なボケです。
絞りF2/露出補正 +2
だけどやっぱり、最短撮影距離&開放でボケボケの撮影がいいですね。このとろみはたまりません。
ちなみに、撮影に協力してくれた我が子。
果てしなく動き回るからお菓子を与えて動きを弱めてから撮影しました。ワンコを撮影する時と同じです(笑)。
枝垂れ梅がキレイで毎年来るのですが、昨年の写真もお菓子を食べてました。花より団子、ですね。
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
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どこでも持ち歩ける相棒です。
Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 GとCONTAX G1 簡単な解説
ここからは中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフが、今回の撮影に使用したCarl Zeiss Planar T* 45mm F2 GとCONTAX G1について簡単に解説します。
CONTAX G1
形式 | 35mm オートフォーカスレンジファインダーカメラ |
シャッター | B、1秒〜1/2000秒(マニュアル時) 16〜1/2000秒(AE時) 電子式 縦走金属幕フォーカルプレーンシャッター |
露出計 | TTL中央重点実絞り測光 装着レンズにより外部測光に切り替え |
AE | 絞り優先AE |
ファインダー | 実像式ズームファインダー |
フォーカス | パッシブ式オートフォーカス MF可 |
レンズマウント | コンタックスGマウント |
電池 | CR2リチウム電池x2 |
発売年 | 1994年 |
CONTAX G1は、京セラがCONTAXブランドで1994年に発売した「オートフォーカスレンジファインダーカメラ」です。
オートフォーカスレンジファインダーカメラとは一体? と感じるかもしれませんが、つまるところ、レンジファインダーカメラ(連動距離計カメラ)のような使用感をオートフォーカスのレンズ交換式カメラで実現しようとした、ということがコンセプトのようです。
実際には、レンジファインダーカメラのような二重像でピント合わせをすることはできず、フォーカシングはAFもしくは、ファインダー内の液晶を見ながらのMFとなります。
ただし、カメラ正面に2つの測距窓があり、三角測量によってピントを合わせるという原理は光学式の連動距離計とまったく同じ。
という点からいえば、CONTAX Gシリーズはたしかにレンジファインダーを搭載しているともいえるのです。
CONTAXのチタン外装のフィルムカメラ全般にいえることですが、近年のフィルムカメラ人気から中古価格は上昇気味。
一時は中古価格がかなり下がっていたことを考えると隔世の感ですが、Carl Zeissのレンズをフィルムで味わえる機種としては比較的手頃な中古価格の部類です。
むしろ正当な中古価格に戻ったということもできるかもしれません。
手にとったときの感触はCONTAX Tシリーズにもひけを取らないフィルムカメラ、CONTAX G1。
マウントアダプターでミラーレス一眼カメラに取り付けるだけでなく、ぜひボディも一緒に購入してフィルムで撮影するのをおすすめする逸品です。
内部が高度に電子化されたカメラのため、中古での購入時は信頼できるお店で、状態の良いものを選びましょう。
Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 G
Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 Gは、CONTAX Gシリーズ用の標準レンズ。
単焦点の標準レンズというと50mmがもっとも一般的な焦点距離ですが、こちらは少し広めの45mmです。
Planar(プラナー)という名前からもわかるように、構成は典型的なダブルガウスタイプ。
枚数も4群6枚ととても一般的です。
とはいえ、Carl Zeissを名乗るレンズというだけあって、その描写が素晴らしいものであることは作例で十分に伝わったのではないかと思います。
ツァイスのオールドレンズ――という言葉を、1990年代のこのレンズに用いることについてはいろいろと意見があるでしょうが――というとどうしても中古価格が高くなってしまいがちですが、Planar T* 45mm F2 Gの中古価格については比較的購入しやすい部類。
それでいて、1990年代というモダンな設計で、危なげのない描写を味わうことが可能です。
もしかすると、Planar T* 45mm F2 GをはじめとするCONTAX Gシリーズ用レンズはお買い得レンズといえるかもしれないですね。
ただしもちろん、CONTAX Gシリーズはミラーレス一眼カメラ用にマウントアダプターで取り付けた場合、操作に一手間必要という事情もあります。
Gシリーズ用レンズとミラーレス一眼カメラ
雨樹さんの解説にもあったように、Planar T* 45mm F2 GをはじめとするCONTAX Gシリーズ用レンズをマウントアダプターでミラーレス一眼カメラに取り付けた場合、操作は少々特徴的になります。
じつはPlanar T* 45mm F2 GのようなCONTAX Gシリーズ用レンズは、ボディ側でフォーカシング操作を行うことが前提の設計になっており、レンズ鏡筒にピントリングがないのです。
そこで。
ミラーレス一眼カメラに取り付けるためのマウントアダプターは、マウント面のAF連動カプラを通じてフォーカシングをする設計となっているのです。
今回撮影した作例に使用したK&F Conceptブランドのマウントアダプターはマニュアルフォーカス用のものだったので、マウントアダプターの外周部がピントリングとなる構造になっています。
また、主にSONY Eマウント用としてオートフォーカス可能とうたわれたマウントアダプターも市販されています。(当店スタッフは現物を触ったことはありません)
マニュアルフォーカス専用の製品に比べて販売価格は高くなりますが、オールドレンズを味わい尽くしたい方は、手にとってみるのも面白いですね。
CONTAX G1とG用レンズの関連記事
今回使用したミラーレス一眼ボディ
前回までの記事同様、初代SONY α7を使用しています。
中古で廉価なフルサイズのミラーレス機が欲しい方にはSONY α7が。Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 G 作例撮り比べまとめ
ISO 100/絞り F2.8
欲しいカメラはめちゃくちゃたくさんあるのですが、CONTAX(コンタックス)G1もこれまた欲しくなりました。もう、キリがない。
ツァイスレンズがオートフォーカスで使えるというのはやっぱり魅力ですよね。
今回も中古カメラ探しがより楽しくなりそうです。
今回の「CONTAX Carl Zeiss Planar T* 45mm F2 G」もいいのですが、次回の撮り比べ用に使用した「CONTAX Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8 G(ビオゴン)」がとても気に入りました。
オートフォーカスと言えば「CONTAX T2」などもありますが、「CONTAX Gシリーズ」はレンズ交換できるのも魅力です。そして「CONTAX T2」よりも手に入れやすい価格なものいいですね。
もちろん描写も良いし、多重露光で少し遊べるのもいいですね。
そしてやっぱりプラナーが大好きです。
次回の記事はこちら
オールドレンズ撮り比べシリーズ、次回もCONTAX Gシリーズ用のレンズを取り上げます。
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8 GとSonnar T* 90mm F2.8 Gで撮影した作例、ぜひご覧ください!
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