Leica Mマウント用マウントアダプターの使い方まとめ 簡単に使えるライカレンズの味わい
今回はオールドレンズのなかでもあこがれの存在、ライカMマウントのレンズをマウントアダプターで使う方法を解説します。
フルサイズのミラーレス一眼カメラが登場して、古今東西のレンズの味を簡単に体験できるようになりました。
なかでも、やはり一度は体験してみたいのがライカ(Leica)の銘玉たちだといえるでしょう。
ライカのレンジファインダーカメラには、スクリューマウント(ねじマウント)のL39スクリューマウントと、今回解説するバヨネットマウントのライカMマウントがあります。
ライカMマウントの使い方は基本的に他のバヨネットマウントと同じなので、カメラに慣れている方なら直感的に使い方がわかるはず。
初心者の方も、ぜひこの記事を参考に、ライカMマウントのオールドレンズをマウントアダプターでミラーレス一眼に取り付けて撮影してみませんか?
ライカMマウントレンズ用のマウントアダプターの使い方と選び方を紹介します!
目次
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ライカMマウントレンズをマウントアダプターで使用した作例
まず最初に、ライカMマウント用のレンズでどんな写真が撮れるのか紹介します!
ELMAR-M 50mm F2.8
撮影:雨樹一期
作例に使用したボディ・マウントアダプター
作例では、こちらのミラーレス一眼カメラとマウントアダプターを使用しました。
ライカMマウント用のマウントアダプター
フィルムカメラの頂点、「M型ライカ」のレンズマウント、ライカMマウント。
ライカMマウントのライカレンズもまた、写真用レンズの頂点です。
ライカMマウントとは
ライカMマウントとは、ドイツのライカ(Leica)が1954年以来、現在に至るまでレンジファインダーカメラで採用し続けているレンズマウントのこと。
主に「M型ライカ」というカメラに採用されています。
M型ライカ(ライカM3)
M型ライカは「レンジファインダーカメラ」(連動距離計カメラ)という種類で、レンズの後部に、ボディ内部の距離計と連動するカムが設けられています。
ほかにも、ファインダーの中にある写る範囲を示す枠(ブライトフレーム)を切り替える機構を設けたりと、1954年という時代を考えると非常に先進的な機構を備えていました。
そもそも、バヨネットマウントという形式自体、1954年時点では先進的な方式だったのです。
当時はスクリューマウント(ねじマウント)が主流でした。
※バヨネットマウント:現代のデジタルカメラのレンズマウント同様に、レンズを噛み合わせて少し回転させることで固定されるマウント。バヨネットとは「銃剣」という意味で、鉄砲の先に取り付ける銃剣が同様の固定方法だったことに由来しています。
フィルムカメラの時代、1954年に登場した最初のM型ライカ、ライカM3から、現在のデジタル化されたM型ライカまで互換性があるほか、日本のミノルタ(minolta)やコニカ(Konica)、フォクトレンダー(Voigtlander)、エプソン(EPSON)などのメーカーからもライカMマウント互換のカメラが発売されました。
ライカMマウントのライカレンズ
ライカMマウントのライカレンズも、1954年以来現在まで作り続けられています。
基本的にマウント形状・機能には互換性があり、1954年に作られたレンズを最新のデジタルライカに取り付けることも、現代のレンズを1950年代のM型ライカに取り付けることも問題なく可能。
マウント形状や機能の変更がないため、マウントアダプターも1つ用意すればどのレンズにも対応可能となります。
ライカレンズの魅力
ライカレンズの魅力。
それはなんといっても、日本製レンズには真似のできない描写力だといえるでしょう。
解像力で知られるズミクロンのようなレンズは切れ味鋭く。
癖玉と呼ばれるレンズでさえも、ひとめ見るだけで立体感や味わいが日本製のレンズとは違うことがわかるのです。
さらに、レンズという「モノ」自体の仕上げも超一流品。
金属のメッキの緻密さ。
切削加工の見事さ。
回転部分のスムースさ。
宝石のような、それどころか宝石そのものの美しさを愛でることができるのです。
それでいて、中古のライカオールドレンズは比較的安価に購入が可能。
現行品のライカレンズは新品だと数十万円はくだらないですが、たとえば1950〜1960年代のライカMマウントレンズなら、一桁万円後半から実用的なものが購入できますよ。
ライカレンズについて詳しくは、ぜひこちらの記事をご覧ください。
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ライカMマウント マウントアダプターの使い方
それでは次に、ライカMマウント用のマウントアダプターの使い方を見ていきましょう。
冒頭にも書いたように、ライカMマウントは現代のデジタルカメラ同様のバヨネットマウントのため、使い方は比較的簡単です。
1.用意するもの
用意するものは3つ。
オールドレンズ。
カメラボディ。
そして、マウントアダプターです。
今回は、レンズはズマリット50mm F1.5。
ボディはSONY α7(初代)。
マウントアダプターはK&F Concept製を使用しました。
2.レンズをマウントアダプターに取り付ける
まずは、ライカMマウントレンズをマウントアダプターに接合します。
レンズには赤い指標があります。
またマウントアダプターにも、着脱ボタンの部分に赤い指標があります。
この2つの指標を合わせて、レンズをマウントアダプターに噛み合わせます。
噛み合わせたら、時計回りに「カチッ」というまで回転させます。
これでレンズとマウントアダプターがロックされました。
3.レンズ・マウントアダプターをボディに取り付ける
レンズを取り付けたマウントアダプターをボディに取り付けます。
こちらも同様に、レンズ側の指標と、ボディ側の指標を合わせて、双方を噛み合わせます。
そうしたら時計回りに、「カチッ」というまで回転させます。
これで、マウントアダプターとボディが接合されました。
※なお、2番と3番の順番は逆でもOKです。
これで、ミラーレス一眼のボディにライカMマウントのオールドレンズを取り付けて撮影する用意ができました。
なお、初めてオールドレンズを使う場合には「レンズなしレリーズ」などカメラボディ本体の設定が必要となります。
詳しくはこちらの、マウントアダプター・オールドレンズの使い方記事を参考にしてください。
ライカMマウント用マウントアダプター 購入のポイント
ライカMマウント用マウントアダプターの購入時のTipsを紹介します。
1.おすすめのメーカー
結論からいうと、今回の使い方解説でも使ったK&F Concept製品と同等以上の価格帯のものならOKであるといえるでしょう。
ライカMマウント用のマウントアダプターは、マウントアダプターの花形といっても過言ではありません。
廉価なものは1000円台から、高価なものは数万円のものまで。
これらの違いは「精度」です。
レンズマウントにはフランジバック(マウント面からイメージセンサー・フィルムまでの長さ)という数値があり、ライカMマウントは27.8mm。
あまりに安価すぎるマウントアダプターだとこの部分の精度が悪く、レンズのピントをうまく合わせることができない場合があります。
また、ライカレンズは安くても数万円はするもののため、マウント部分の仕上げが悪いものを使って、キズが付いたりするトラブルも避けたいところです。
とはいえ、そのようなトラブルが考えられるのは、最低レベルの値段のものの場合です。
だいたい2,000円台〜の製品であれば、実用上は問題ないといえます。
今回解説に使用したK&F Concept製品も実売2,000円台。
実際に試写したところ無限遠も出ていてフランジバックも問題がなかったため、価格と精度のバランスのよいおすすめのマウントアダプターだといえるのではないでしょうか。
2.焦点距離は無関係
M型ライカを使っている人であれば、ライカMマウントのオールドレンズは、焦点距離によって微妙にマウント形状に違いがあることを知っているのではないでしょうか。
これは、M型ライカのボディ本体側でレンズの焦点距離を感知して、ファインダーの枠(ブライトフレーム)を自動的に切り替える機構のため。
そのため、後述するライカL39マウントをMマウントに変換するアダプターには、焦点距離ごとに複数種類の製品があります。
ですが、これはミラーレス一眼では関係ありません。
ミラーレス一眼では、イメージセンサーに写った像を直接見ているため、そもそもファインダーの枠という概念がないためです。
マウントアダプターにも、焦点距離○○mm用というものはないので、1種類でOKです。
3.ライカL39マウントレンズと共用ってどうなの?
ライカL39マウントはフランジバックが28.8mmで、ちょうど1mmだけ長くなっています。
これはライカMマウントの設計時、厚み1mmの純正のマウントアダプターで旧型のライカL39マウントのレンズを使えるようにしたためです。
L-Mアダプター
M型ライカにL-Mアダプターを取り付けてライカL39マウントレンズを使うのと同様、ライカMマウント用のマウントアダプターにL-Mアダプターを取り付けることも物理的には可能。
ですが、その方法はあまりおすすめできません。
マウントアダプターを重ねると、どうしても誤差が蓄積されしまいます。
また構造上も(ライカレンズはそこまで重くないですが)負担がかかります。
ライカL39マウント用のマウントアダプターは廉価に購入可能なので、ライカMマウント用とは別々に専用品を用意したほうがよいといえるでしょう。
ライカL39マウントアダプターについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
おすすめのライカMマウントオールドレンズ
最後に、ぜひマウントアダプターで使ってみたいライカMマウントオールドレンズを紹介します。
1.ズミクロン 50mm F2
ライカMマウントのレンズといえばこれ。
定番中の定番オールドレンズが、ズミクロン(Summicron)50mm F2です。
いくつかの世代があるズミクロンですが、購入しやすいのは一番最初の銀色の鏡筒のもの。
状態によっては一桁万円で十分に実用品が手に入ります。
値段が高いからといって状態がよいとは限らないのが難しいのがこのレンズ。
当時は手作業で仕上げられているため、修理歴によっては開放ではあまり写らなくなってしまっている個体も存在します。
購入時には信頼できるお店で保証付きのものを選びましょう。
ズミクロン50mm F2について詳しくはこちら
2.ズマロン 35mm F2.8
ライカレンズ、レンジファインダー用レンズといえばやっぱり広角。
初めてのライカレンズとしては少し高めかもしれませんが、広角35mmレンズを買うなら入手しやすいのが、ズマロン(Summaron)35mm F2.8です。
破綻のない高性能は、スナップシューターとして心強い味方になってくれることでしょう。
ズマロンについて詳しくはこちら
3.エルマー50mm F2.8
標準レンズのエルマー(Elmar)も手に入れやすいレンズ。
1950年代の旧型と1990年代の新型がありますが、どちらもライカMマウントレンズとしては安価な部類です。
注意したいのが「沈胴レンズ」だということ。
レンズをボディ内に縮めて収納できる機構ですが、これをミラーレス一眼で行うと内部が干渉して破損してしまいます。
使用時にはパーマセルテープなどを貼って沈胴できないようにしておくのが安全です。
エルマーについて詳しくはこちら
そのほかにもライカMマウントにはかずかずの銘玉がありますよ。
詳しくはぜひこちらの記事をご覧ください。
ライカMマウントのレンズをマウントアダプターで使ってみませんか?
銘玉揃いのライカMマウントオールドレンズ。
マウントアダプターでミラーレス一眼に取り付けるのはとても簡単です。
ぜひあなたも、お持ちのミラーレス一眼でライカの銘レンズたちを味わってみませんか?
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