【撮影基礎講座8】ピントっていったい何?すぐにわかるボケの原理
今回は写真のピントについて解説します。
写真を撮っているときによくある失敗が「ピンボケ」。
じつは撮り方に気をつけたり、ピントの合わせ方を覚えることで、ピンボケの写真は、ぐっと減らすことが可能です。
また、「背景がボケた写真」が撮りたいという方も多いのではないでしょうか。
背景がボケている写真とは、すなわちボケている部分はピントが合っていないということ。
こちらについても、写真のピントがどのようなものか理解することで、背景がボケた写真をより自由自在に撮れるようになれますよ。
では具体的に、写真のピントとはどのようなものなのでしょうか。
また、ピントはどうやって合わせたらよいのでしょうか?
目次
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ピントが合っている写真とピンボケの写真
まず、「ピントが合っている」のと「ピンボケ」とはどんな状態なのでしょうか?
ピントが合っている・合っていない
最初に、この写真を見てみましょう。
この写真はピントが合っているといえます。
メインとなる被写体がくっきりと写っているためです。
いっぽう、同じものを撮ったこの写真はピントが合っていません。
メインとなる被写体がボケボケになってしまっています。
これがピントが合っている写真と合っていない写真の違いです。
特別な表現意図がない場合、ピンぼけの写真は失敗となってしまいます。
ピンぼけは、ピントの合わせ方を覚えることで減らすことができます。
ボケを使った写真
次に、この2枚の写真を見てみましょう。
こちらは、同じものを撮っていても、「ピントが合っている場所」が違います。
上の写真は手前の花にピントが合っています。
下の写真は奥の花にピントが合っています。
このように、1つの写真の中でピントが合う場所と合っていない場所を意図的に使い分けることができます。
どの被写体をメインにするかを変えることで、より表現を深めることができるのです。
ピントの合わせ方
それでは、ピントはどのように合わせればよいのでしょうか。
マニュアルフォーカスとオートフォーカス
ピントの合わせ方には、マニュアルフォーカスとオートフォーカスという2つの方法があります。
マニュアルフォーカス:人間の手でピントを合わせる
オートフォーカス:カメラが自動でピントを合わせる
という違いがあります。
マニュアルフォーカス
マニュアルフォーカスとは、カメラのレンズについている「ピントリング」を回して手動でピントを合わせる方式です。
(カメラの機種によってはボディ本体のダイヤルでピントを合わせるものもあります)
マニュアルフォーカスの合わせ方は、カメラの種類によって異なります。
代表的な合わせ方としては……
一眼レフカメラのマニュアルフォーカス
一眼レフカメラでは、ファインダーを覗いて「被写体の見た目」でピントを合わせます。
フィルムの一眼レフカメラでも、デジタル一眼レフカメラでも同じです。
ファインダーに見えている被写体がくっきりと見えていたらピントが合っている。
ボケて見えたらピントが合っていない(ピンボケ)。
ということになります。
スプリットイメージとマイクロプリズム
マニュアルフォーカスのフィルム一眼レフカメラには、ファインダーに映った像の見え方(マット面でのピント合わせ)だけでなく、「スプリットイメージ」や「マイクロプリズム」といった、よりピントを合わせやすくするための機構が付いているものもあります。
スプリットイメージとは、ファインダーの中央部にある、横に線が入った丸い部分のことです。
この部分は、被写体が左右にずれて見えるようになっています。
ピントリングを回すと、ずれた被写体が左右に動きます。
それを一致するように合わせると、ピントが合った状態になります。
マイクロプリズムとは、スプリットイメージの周りにある部分です。
更に外側のマット面と同様に、ピントが合っていないと被写体がくっきり見えないのは同じ。
ですが、ピントが合っている時と合っていないときの見え方の差が大きくなっており、マット面よりも楽にピントを合わせることができます。
ただしどちらも、暗いレンズ(開放F値がF4〜F5.6くらいから)では暗く陰って見えなくなってしまうので注意が必要です。
ミラーレス一眼カメラのマニュアルフォーカス
ミラーレス一眼カメラでも基本的なピントの合わせ方は一眼レフカメラと同じです。
くっきり見えているか、ボケているかでピントを合わせます。
ただしミラーレス一眼カメラでは、より厳密にピントを合わせるために、液晶画面のピントを合わせたい部分だけを拡大し、厳密にピント合わせができる機能を内蔵しています。
ピント拡大
また、ピントが合っている部分に色を付けてくれる「ピーキング機能」も備わっています。
ピーキング
詳しくは、こちらのミラーレス一眼カメラの使い方記事で解説しています。
併せてご覧ください。
レンジファインダーカメラのマニュアルフォーカス
レンジファインダーカメラ(連動距離計式カメラ)では、内蔵されたレンジファインダー(連動距離計)を使ってピントを合わせます。
連動距離計が内蔵されたファインダーを覗くと、中央部がオレンジ色や黄色に着色されています。
ここがピントを合わせる部分です。
この部分は、被写体が二重になっています。
レンズのピントリングを回すと、二重になった像(二重像)が左右に動きます。
その像が、1つに重なる位置でピントリングを止めると、ピントが合った状態になるのです。
レンジファインダーカメラについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
なお「バルナックライカ」などの古いタイプのレンジファインダーカメラには、「距離計のファインダー」と「画面の構図を決めるファインダー」が分かれているものもあります。
バルナックライカについては詳しくはこちらの記事で解説しているので、併せてご覧ください。
二眼レフカメラのピントの合わせ方
二眼レフカメラも、基本的には一眼レフカメラとピントの合わせ方は同じです。
ただし、一眼レフカメラと大きくなる点があります。
それが、カメラの上から覗き込む「ウエストレベルファインダー」が使われていることです。
ウェストレベルファインダーでも、被写体がボケているか、くっきりしているかでピントを合わせること自体は同じ。
ですが構造上の特徴で、ファインダー像が左右反転して見えるようになります。
最初は戸惑うかも知れませんが、使っていくうちに慣れていくことができますよ。
また、二眼レフカメラではカメラボディの側面についている「ピントノブ」を回してピントを合わせるのが一般的です。
※機種によって異なるものもあります。
二眼レフカメラについては、代表的な機種「ローライコード」の解説記事で、使い方を解説しています。
他のメーカーのものでも、基本的な使い方は同じです。
なお一眼レフカメラのなかにも、ウエストレベルファインダーを採用したものがあります。
とくに中判一眼レフカメラに多く、ハッセルブラッドやゼンザブロニカなどが代表的です。
それらの機種も、ピントをあわせるときは二眼レフカメラと同様、ファインダーの左右が逆となります。
目測式のピント合わせ
フィルムカメラの中には、「目測式」ピント合わせの機種もあります。
高級カメラではローライ35などが有名。
そのほかにも、戦前〜1970年代まで非常に多くのフィルムカメラがあります。
目測式とは、目で見て判断しただいたいの距離にピントを合わせる方式。
つまり、「勘」でピントを合わせるということです。
目測式のカメラの多くは、レンズのピントリングに刻印された距離を見て、ピントを合わせます。
1m、3m、∞(無限遠:遠景のときに使用)といった刻印があるので、被写体までの距離を判断して、その距離の数字にピントリングを回します。
機種によっては距離だけでなく、「1人の人」「3人の人」「山」のようにイラストで大体の距離を示しているものもあります。
このようなものを「ゾーンフォーカス」のカメラといいます。
「1人を撮るゾーン」「グループを撮るゾーン」「景色を撮るゾーン」に、だいたいのピントを分けている、というわけです。
勘で合わせるというとピンぼけを量産しそうに感じますが、目測式のカメラは被写界深度が深くなりやすい広角レンズを搭載しているのが普通なので、思ったほどはピンぼけになりません。
ちなみに、かつて技術が発展していなかった時代には、目測である程度のピントを合わせられるのは、プロのカメラマンには必須の能力だったといいます。
達人ともなると、どんな被写体でも、ぴたりと距離を言い当てられたくらいということです。
オートフォーカス
それでは、オートフォーカスではどのようにピントを合わせるのでしょうか。
ピントを合わせる部分
オートフォーカスのカメラで大事なのが、ファインダーの「どの部分で」距離を測るのかということです。
AFカメラのファインダーを覗くと、中に黒い線などで囲まれた部分があります。
ここがオートフォーカスの距離を測るAFポイント(測距点)です。
シャッターボタンを半押ししたとき、基本的にはこの部分にピントが合います。
たとえば、中央のAFポイントだけを使う場合、画面の端にある被写体にピントをあわせる場合には、測距点を被写体に合わせてオートフォーカスを作動させてから、カメラの向きを動かして全体のフレーミングを行うという流れになります。
このような操作を行うと、厳密には「コサイン誤差」という微妙なズレがピントに生じますが、だいたいの場合においては実用上問題ありません。
ただし絞り開放など、被写界深度が狭い場合には気をつけましょう。
ピントを合わせるには
オートフォーカスの場合、基本的にはカメラのシャッターボタンを半押しにすることでオートフォーカスが作動。
シャッターボタンを半押しにすると、レンズがモーターで動かされて、自動的にピントが合います。
シャッターボタンを半分押し込む
AFポイントの色が変わって、問題なくピントが合ったことが表示される。
多点測距
1990年代中盤からのフィルムカメラ、また現代のデジタルカメラでは、画面内に測距点がたくさんある、「多点測距」のものが多いです。
カメラ本体のダイヤルなどで測距点を選ぶことで、画面の中心以外でもピントを合わせることができます。
例たとえば、カメラが自動的に判断して、画面全体から適切と考えられる箇所にピントを合わせるようなことが可能です。
ピントを合わせる場所をカメラが判断。
この場合、画面右側の緑色の箇所にピントを合わせるとよい、とカメラが自動で判断している。
画面中央以外でピントを合わせたい場合にはこのような方法も使うとよいでしょう。
動体予測AF
また1990年代以降のカメラには「動体予測AF」がついているものがあります。
これは画面の中を動いている被写体(たとえば、奥から手前に走ってくる人や自動車など)を撮るとき、カメラが自動でピントを追尾してくれる機能のこと。
使用する場合、カメラ本体の設定をAF-Sから「AF-C」に切り替えると作動するようになります。
AF-Sから
AF-Cへ
ピントを追尾させたいときは、その間中、シャッターボタンを半押しにし続けて、オートフォーカスを作動させます。
親指AF
また、シャッターボタン以外のボタンにオートフォーカスの動作を割り振ることができる機種もあります
「親指AF」といわれるものです。
親指AFとは、カメラを持ったときに、右手の親指がかかる部分にオートフォーカスの動作を割り振ること。
カメラの設定画面から設定可能です。
親指AFにした場合、シャッターボタンの半押しではなく、背面のボタンでオートフォーカスの動作をON-OFFすることができるようになります。
このことによるメリットは、オートフォーカスの動作を任意にオンオフできるということ。
最初に設定されているシャッター半押しのAFだと、一度シャッターボタンから指を離すと、次にシャッターボタンに指を掛けたときに、ピントが合わせ直しになってしまいます。
その点親指AFなら、より迅速かつ、直感的な操作が行えるのです。
一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラでオートフォーカスを使うなら、ぜひ最初から親指AFを設定して、その動作に慣れるのがおすすめです。
フィルムコンパクトカメラのオートフォーカス
フィルムのコンパクトカメラにもオートフォーカスが搭載されてるものが多く存在します。
フィルムカメラのオートフォーカスが難しいのは、実際はどこにピントが合っているのか、その場で確認することができないと言うことです
現像して上がってきた写真を見るまで、ピンぼけかどうか結果がわからないのです。
そのため大事な写真では何回かシャッターを切っておくとよいでしょう。
フィルムコンパクトカメラでピンぼけを防ぐには
ピンボケを防ぐためには、カメラのファインダーの中に表示される表示を確認するようにしましょう。
ファインダーの中には、どれくらいの距離にピントが合っているか、LEDや針で示す表示があることが普通です。
(1970年代の最初期のAFコンパクトカメラを除く)
「ガラス越しの撮影」「中抜け」
またオートフォーカスのフィルムコンパクトカメラ特有の失敗にも注意しましょう。
まず、ガラス越しの撮影。
これは一眼レフカメラでも発生するのですが、窓越しに外の風景を撮るときに、遠景ではなく、ガラスにピントが合ってしまうことがあります。
一眼レフカメラでは見た目ですぐにわかるのですが、コンパクトカメラでは、現像から上がってくるまで気がつかないことも。
ファインダーの中の表示が遠景になっているか、しっかり確認しましょう。
また、中抜けというのもよくある失敗です。
中抜けとは、人が2人並んで写るときに、人ではなく「2人の間の空間」にピントが合ってしまうこと。
肝心の人物がピンぼけになってしまうのです。
AFポイントが「人と人の間」にあるので、間を抜けて遠くにピントが合ってしまう。
防ぐためには、まず1人だけにピントを合わせてシャッターボタンを半押しにしてから、カメラのフレーミングをして、シャッターを切るとよいでしょう。
被写界深度でピントを操る
じつはピントは「1箇所だけに合う」わけではありません。
「絞り」を操作することで、
・狭い範囲にピントを合わせて背景をボケさせたり
・広い範囲にピントが合ったくっきりとした写真を撮ったり
することができます。
この「ピントが合う範囲」のことを「被写界深度」といいます。
被写界深度とは
被写界深度とは、「どれぐらいの範囲にピントが合うのか」という概念です。
被写界深度は、レンズの絞りの値によって変化します。
たとえばF1.4やF2といった小さい数字では、ピンの合う範囲が狭くなり、背景がぼけた写真を撮ることができます。
絞り開放(F2)で撮影
具体的には、絞りをF1.4、F2、F2.8といったなるべく小さい数字すると、背景をボカすことができますよ。
ただしピントが狭いということは、その分ピンボケもしやすくなるということです。
ピントの合わせ方には注意しましょう。
いっぽう、F16やF22といった大きい数字を設定すると、手前から奥まで広い範囲にピントが合います。
絞り込んで(F22)撮影
ピントで失敗したくないときには、被写界深度が深くなる、F16やF22といった大きい数字に絞りの値を設定するとよいでしょう。
被写界深度指標
上で解説した被写界深度。
じつは「どれくらいの範囲にピントが合うのか」ということは、レンズの表示で確かめることができます。
レンズを見ると、距離を示す数字の下に、2.8-4-5.6-8-11-16などの数字と目盛りが刻印されています。
これは、それぞれの絞りの値ごとの被写界深度を示しており、「被写界深度指標」といいます。
被写界深度指標の見方は……
たとえば絞りをF8に設定したとき。
ピントが合う範囲は、F8の左右の目盛りの間の距離となります。
右側の被写界深度指標にピントリングの「∞」を合わせた場合、左側は「約4m弱」に合わさっています。
つまりこのとき、ピントは無限遠から4m弱までの範囲で合っているのです。
景色を撮るなら、ほとんどのものにピントが合う状態です。
同様に、絞りをF22に合わせたときは、F22の目盛りの間の範囲となります。
右側の指標に無限遠を合わせたとき、左側は約1.5mとなるので、その範囲はピントが合います。
ほぼ、写っているものすべてにピントが合う状態といえるでしょう。
ただし、この被写界深度指標は近年のオートフォーカスレンズでは、省略されてしまうことも多くなっています。
もしこの指標を活かして撮影したい場合、指標がついている製品や、中古のオールドレンズを選ぶとよいでしょう。
被写界深度指標を使うとピント合わせ不要のパンフォーカス撮影が可能
この被写界深度指標を使うことで、ピント合わせをしなくても写真を撮ることができます。
たとえば、上の写真で例に挙げた、絞りをF22まで絞った場合。
実用的には、ほぼピントを合わせる必要がありません。
このような、画面全体にピントが合った写真のことを、「パンフォーカス」の写真といいます。
手動でピントを合わせるのにはどうしても時間がかかります。
そこでこのような「パンフォーカス」を用いた撮影方法を用いることで、一瞬のシャッターチャンスを逃すことなく写真を撮ることができるのです。
とくに、街中で瞬間を切り取る「ストリートスナップ」の写真家に多様される技法です。
近くの撮り方と遠くの撮り方
また、近くのものと遠くの物を撮る場合でも、ピントの合わせ方が変わってきます。
無限遠:遠くのものを撮る
「無限遠」について覚えておくと、遠くのものを撮るのに便利です。
無限遠とは、レンズがそれ以上遠い場所にピントを合わせられない距離のこと。
マニュアルフォーカスのレンズをみてみましょう。
ピントリングの数字に「∞」の刻印がしてある場所があります。
そこまで回すと、それ以上はもうピントリングは回りません。
カメラのレンズは設計上、一定以上の距離は全てこの無限遠の場所でピントが合う状態になります。
そのため、山や風景などを撮るときには、わざわざオートフォーカスを作動させなくても、ピントリングを無限遠に合わせることで簡単にピントが合った写真が撮れるのです。
むしろ下手にオートフォーカスを使ってしまうと、手前にピントが合ってピンボケになる可能性も。
遠景を撮るときは、マニュアルフォーカスを活用してもよいでしょう。
オーバーインフ
オーバーインフとは、レンズのピントリングが「無限より先まで回ってしまう」ことです。
当然ピンボケになります。
上で紹介したように、基本的にカメラのレンズは無限遠より先には回りません。
ところがミラーレス一眼カメラにマウントアダプターでオールドレンズを取り付けた場合、レンズのピント精度が少しずれてしまうことがあります。
そうすると、レンズ自体は「∞」を示しているのに、実際には無限遠を行き過ぎた場所にピントを合わせようとしている場合があるのです。
そんなときは、ピントリングを「∞」よりも少し手前の方向へ回すことで、実際の無限遠にピントを合わせることができます。
近くのものを撮る
では、近くのものを撮るときにはどうすればよいのでしょうか。
近くのものを撮影する場合、ピント合わせによりいっそうの注意が必要です。
カメラのレンズには、近くのものを撮るときにはピンボケしやすくなる特徴があるためです。
その理由は、カメラレンズの被写界深度はピントが合う距離によって変化し、遠くでは深く、近くでは浅くなるため。
すなわち、遠くでは広い範囲にピントが合い、近くではごく狭い範囲にしかピントが合わなくなるのです。
例えば、同じ方向を向いて、近くのものと遠くのものを撮ってみましょう。
この写真では、近くにあるススキにピントが合っています。
距離が近いので被写界深度が浅く、ピントがばっちり合っているのは、ススキのなかでもほんの一部だけ。
ほかはピンボケになっています。
いっぽう……
この写真では、遠くの木にピントを合わせています。
木から生えている手前の葉っぱにも、奥にある葉っぱにも。
周りの木々にも、広い範囲にピントが合っているのがわかると思います。
このように、被写界深度は近くでは浅く(ピントが合う範囲が狭い)、遠くでは深い(ピントが合う範囲が広い)のです。
これの特徴は絞りをF16やF22といった数値に絞り込んだときも同様に表れます。
逆に、このことを生かすことで、近接撮影ではよりドラマチックに、ボケを活かした写真を撮ることも可能です。
最短撮影距離
カメラのレンズは構造上、撮影できる最も短い距離が決まっています。
マニュアルフォーカスレンズでは、ピントリングに書いてあるもっとも小さい数字が「最短撮影距離」。
ピントリングがそれ以上回らない位置で、つまり無限遠の反対の概念といえるでしょう。
たとえば以下の画像のレンズでは0.45m(45cm)です。
普通のレンズの最短撮影距離は、0.5m〜1m前後が多いです。
ですがレンズの中にはそれよりもさらに短い距離で撮影できるものもあります。
そのようなレンズを、「マクロレンズ」や「マイクロレンズ」といいます。
マクロレンズやマイクロレンズでのマクロ撮影では、近くのものを撮影するときの特性がより大きく影響します。
ピントが合う範囲がとても狭くなるので、ピント合わせにはさらに注意が必要です。
ピントがくっきり合った写真を撮ろう
このように、カメラレンズの特性によって、距離や絞りの値によってピントの合わせ方が変わってきます。
ピンボケは写真で一番多い失敗。
ピントの合わせ方を覚えて、ピンボケの写真を減らしましょう。
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