Rollei(ローライ)35/元祖高級コンパクト ローライ35 完全ガイド!中古選び方 使い方
今なお人気が非常に高い中古カメラ、ローライ35。
この記事では歴代機種の紹介、使い方、そして中古で購入するときのポイントについて徹底解説します。
ドイツが誇る名門カメラメーカー、ローライ。
ローライ35は、ローライが1967年から製造・販売した高級コンパクトカメラです。
最大の特徴はそのサイズ。
歴史の長いカメラながら、史上トップクラスのコンパクトさを実現しています。
小型化を実現するために、工夫をこらした設計が施されており、使えば使うほど機械式カメラを自由自在に扱う喜びを感じられることでしょう。
また搭載されたレンズもローライならではのドイツ製レンズ。
銘玉を楽しめるのも大きな魅力です。
今回は中古カメラ店サンライズカメラのスタッフが、ローライ35の愛すべき魅力について語りたいと思います!
目次
ローライ35の魅力
どんな時代でも魅力が失われないカメラというものが、世界には確実に存在します。
ローライ35とは、まさにそんなカメラのひとつ。
見た目、性能、描写力。
どこを取っても魅力が感じられるカメラ、ローライ35とはいったいどんなカメラなのでしょうか?
かわいいボディに秘めた実力!
他のどんなカメラにも似ていないカメラ。
それがローライ35です。
ローライ35は、ドイツの名門カメラメーカー、ローライが1967年から送り出した高級コンパクトカメラ。
高級コンパクトカメラの元祖ともいえる存在です。
最大の特徴は、「かわいく」「格好いい」コンパクトボディだといえるのではないでしょうか。
いまでも中古市場でローライ35が非常に高い人気を保っている理由は、ほかのどんなカメラとも違う、魅力あふれる外観にあることは間違いありません。
実物を見れば一目瞭然ですが、ローライ35はとても小さいカメラです。
大きさは、幅が97mm。
高さが60mm。
奥行きは32mm。
大きさが似ているものと比較してみると、iPhone4や4Sを横にしたときより、幅が少し小さく、高さが少し大きいくらいのサイズ。
つまり、この記事を書いている2017年のスマートフォンよりも縦横のサイズが小さいのです。
もちろん発売当時のカメラのなかで世界最小。
すべてのフィルムカメラのなかでも最小の部類に入ります。
カバンの中に入れてもまったく邪魔にならないので、気軽に、どこにでも持ち歩くことができますよ。
シンプルモダン スタイリッシュなデザイン
そして、ローライ35はもちろん、ただ小さいだけのカメラではありません。
ルックスも可愛さと格好良さの双方を感じられるもの。
ドイツ伝統の工業デザインを受け継いだ、必要最小限のディテールしかないシンプルな外装。
それでいて、必要な部材は最適な箇所に配置されていて、デザインにまったく破綻がありません。
手のひらに乗るころりとした可愛さ、そして工業製品としてのメカニカルな格好良さ。
ふたつを兼ね備えたローライ35は持っているだけで幸せになれるカメラなのです。
プロ御用達の描写力
ライカと並んでドイツを代表するカメラメーカーであるローライ。
ローライ35は、もちろんドイツの伝統を受け継いだ銘レンズを搭載しています。
ローライ35が主に採用しているのはテッサーやゾナー、トリオター。
また一部にはシュナイダー製レンズを搭載した個体も存在します。
いうまでもなく、これらのレンズはカメラファン垂涎の、最高の描写力を誇るレンズたち。
プロ垂涎の、精密な描写とレンズの味を兼ね備えています。
小型軽量なのに描写力が非常に高いため、当時のプロのサブカメラとしても愛用されたといわれていますよ。
ローライ35のファンの間では、搭載レンズの異なる機種を集めて、描写の違いを味わうことも多いとか。
ドイツが誇るカメラ技術を結集
さらに。
ドイツならではの技術が用いられたのはレンズだけではありません。
名門カメラメーカーであるローライ、そしてツァイス製のレンズが用いられたのは上に書いたとおり。
さらに、シャッターは伝統のメーカー「コンパー」から供給。
また内蔵された露出計は、こちらもドイツの一流メーカー、「ゴッセン」のものが搭載されています。
ローライ、ツァイス、コンパー、ゴッセン。
ローライ35は、ドイツの名門メーカーがオールスターで結集し作り上げたカメラでもあるのです。
無駄を省いたシンプルな操作系
ローライ35は、一見すると他のカメラとは違う見た目で、使いにくそうに思えるかもしれません。
ところが、そこはドイツの工業製品。
ユーザーの使い勝手に配慮した、とてもシンプルな操作系に仕上がっています。
基本は、シャッター速度と絞り、ピントを合わせてシャッターを切るだけ。
操作部が大きく回しやすいため、機械式カメラを楽しく扱うことができますよ。
いっぽうで、シンプルさゆえに距離計は省かれています。
ピント合わせは目測に頼ることになりますが、そこは大丈夫。
フィルムカメラが得意とする日中の撮影なら、基本的に絞りを絞ればOKです。
使えば使うほど、目測でのピント合わせも上達していくので、どんどん写真がうまくなっていきますよ。
機械式だから一生モノ!
そして、ローライ35をこれから中古で手に入れるのがおすすめである最大の理由。
それが、「一生モノ」のカメラだからということです。
ローライ35は、内部が完全に機械式のカメラ。
機械式カメラだからこそ、仮に調子が悪くなっても、オーバーホールを繰り返すことで、一生使い続けていくことができるのです。
露出計こそ搭載されていますが、仮に電池が切れたり、露出計の調子が悪くなったとしても、撮影そのものは問題なく続けていくことが可能です。
小さく可愛く、格好良い相棒。
ぜひあなたも、ローライ35を中古で手に入れて、一生の相棒にしてみませんか?
[rollei]
ローライ35の簡単な歴史
もともと二眼レフカメラで知られていたローライ。
1960年代になり、小型のカメラの開発に乗り出しました。
ローライ35が初めて登場したのは1967年のこと。
最初はドイツで製造されていたローライ35ですが、1970年代の前半になり、シンガポールでの製造へと移行します。
この記事で紹介するような、いわゆるローライ35と言われて思い浮かぶスタイルのカメラは、その後1980年のローライ35TEとローライ35SEまで改良され、販売が続けられました。
そして1990年代に入ると、中古カメラのブームが巻き起こります。
クラシックカメラ人気に応えようと、ローライも1991年にローライ35クラシックを発売。
ローライ35Sを復刻したモデルで、ファン垂涎のカメラが蘇ったのです。
余談として、この記事で取り上げる「いわゆる」ローライ35の他にも、ローライのコンパクトカメラは存在しています。
有名所としては、一応はゾナーを搭載していながら、見た目は日本製コンパクトカメラにうりふたつなローライXF35が挙げられるでしょう。
ほかにも国産OEMのフラッシュ付きコンパクトなどもありますが、これらはこの記事で紹介するローライ35とはまったくの別物。
ただし、面白い存在ではあるので見つけたら使ってみるのも楽しいですよ。
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ローライ35の種類・機種名徹底解説
それでは、具体的には中古でローライを手に入れるならどんな機種がおすすめなのでしょうか?
まず各機種について紹介します!
Rollei 35
レンズ | Tessar 40mm F3.5 S-Xenar 40mm F3.5(一部) |
シャッター | B、1/2秒〜1/500秒 |
露出計 | CdS受光素子・針式 |
電池 | MR-9水銀電池 |
ボディ色 | クローム、ブラック |
製造国 | ドイツ、シンガポール |
製造年 | 1967〜1974年 1971年〜シンガポールで製造 |
1967年、最初に発売された、ローライ35シリーズの基本となるモデルです。
レンズは基本的にはテッサー付きですが、一部にシュナイダーのクセナー付きのモデルが存在します。
後年のローライ35はシンガポール製になってしまいますが、1970年代初頭以前は西ドイツ国内で製造されており、やはりシンガポール製に比べ中古での人気が高いです。
なお限定品としてゴールドモデルも存在します(後述)。
Rollei B35
レンズ | Triotar 40mm F3.5 |
シャッター | B、1/30秒〜1/500秒 |
露出計 | セレン受光素子・針式 |
電池 | 不要 |
ボディ色 | クローム、ブラック |
製造国 | ドイツ、シンガポール |
製造年 | 1969〜1978年 |
Rollei B 35はRollei35の廉価版として開発された戦略的機種。
初代Rollei 35は登場時、世界一コンパクトな35mmフィルムカメラでしたが、それに負けじと日本のカメラメーカーも、廉価かつコンパクトなカメラを次々と送り出してきました。
たとえば、コニカのC35などが代表的です。
それに対してローライは、コストダウンを図ったこのRollei B 35で打って出ようとしたのです。
最も異なるのはレンズで、3群3枚、トリプレットの「トリオター」を装着。
単なる廉価版かと思いきや、独特な描写からなかなか楽しませてくれるレンズなのです。
シャッターも低速が省かれ1/30秒からとなっています。
シャッターダイヤルと絞りリングは一般的な位置であるレンズの周りにあるので、もしかするとこちらのほうが使いやすいかもしれません。
また露出計も電池のいらないセレン式に。
各部のパーツもプラスチックが多用されています。
Rollei C 35
レンズ | Triotar 40mm F3.5 |
シャッター | B、1/30秒〜1/500秒 |
露出計 | なし |
電池 | 不要 |
ボディ色 | クローム |
製造国 | ドイツ |
製造年 | 1969〜1971年 |
Rollei C 35は、ひとつ前で紹介したRollei B 35のさらなる廉価版。
露出計を省いたモデルです。
基本的にはシャッターやレンズといったスペックはRollei B 35と同じ。
シャッター・絞りのリングもレンズ周囲に配されています。
製造台数が1万台以下と非常に少ないため、中古カメラファンには珍重されています。
このカメラの最大の魅力は、露出計の電装がないため「壊れるところがない」ことかもしれません。
なお製造期間が短いため、このモデルはドイツ製のみとなります。
Rollei 35 S
レンズ | Sonnar 40mm F2.8 |
シャッター | B、1/2秒〜1/500秒 |
露出計 | CdS受光素子・針式 |
電池 | MR-9水銀電池 |
ボディ色 | クローム、ブラック |
製造国 | シンガポール |
製造年 | 1974〜1980年 |
ローライ35のなかでも最上級機種。
それがRollei 35 Sです。
最大の特徴が、レンズが開放F2.8の銘レンズ、ゾナーになったこと。
ツァイスの歴史を受け継いだゾナーレンズですが、ローライ独自のHFTコーティングにより描写力をさらにアップ。
そのほかは初代ローライ35とほぼ変わりありません。
このモデルからすべてシンガポール製となります。
Rollei 35 T
レンズ | Tessar 40mm F3.5 |
シャッター | B、1/2秒〜1/500秒 |
露出計 | CdS受光素子・針式 |
電池 | MR-9水銀電池 |
ボディ色 | クローム、ブラック |
製造国 | シンガポール |
製造年 | 1974〜1980年 |
基本的には初代ローライ35とまったく同じモデルで、ローライ35 Sが登場したことにより、テッサー付きの名前を分けるために登場したものです。
こちらはシンガポール製のみとなります。
Rollei 35 LED
レンズ | Triotar 40mm F3.5 |
シャッター | B、1/30秒〜1/500秒 |
露出計 | SPD受光素子・LED式 |
電池 | V27PX 水銀電池 |
ボディ色 | ブラック |
製造国 | シンガポール |
製造年 | 1978〜1980年 |
廉価版のローライ35のひとつ。
B35の後継機に位置づけられるモデルです。
ボディのプラスチック部分が増え、露出系表示はLEDに。
レンズはトリオター、シャッターは1/30秒からと、それまでの廉価機とスペックは同様です。
シンプルな外観と、シャッター・絞りがレンズの周りにある一般的な操作系がメリットです。
露出計の受光素子は、同年代の日本製カメラと同様SPDに移行しています。
これ以降の機種を使うときに気をつけたいのが電池。
V27PXという特殊な水銀電池を使用しているため、露出計を動かすためには電池アダプターが必要となります。
Rollei 35 TE
レンズ | Tessar 40mm F3.5 |
シャッター | B、1/2秒〜1/500秒 |
露出計 | CdS受光素子・LED式 |
電池 | V27PX 水銀電池 |
ボディ色 | クローム、ブラック |
製造国 | シンガポール |
製造年 | 1979〜1980年 |
ローライ35 TEは、テッサー付きのローライ35Tの露出計表示をLEDに変更したモデルです。
露出はファインダー内に表示されます。
変更点はそれだけでなく、アクセサリーシューの位置も、それまでのボディ下面から、一般的な上面へと移動されています。
こちらも電池は特殊なV27PXとなります。
Rollei 35 SE
レンズ | Sonnar 40mm F2.8 |
シャッター | B、1/2秒〜1/500秒 |
露出計 | CdS受光素子・LED式 |
電池 | V27PX 水銀電池 |
ボディ色 | クローム、ブラック |
製造国 | シンガポール |
製造年 | 1979〜1981年 |
復刻以前の、ローライ35の最後を飾るモデル。
それがローライ35SEです。
基本的には、テッサー付きのローライ35TEに対して、ゾナーを装着したモデルが35SEとなります。
機能的にはレンズのほかは35TEと同様。
ローライ35の最終進化系として、ぜひ使ってみたいモデルかもしれません。
電池はV27PXです。
Rollei 35 Classic
レンズ | Sonnar 40mm F2.8 |
シャッター | B、1/2秒〜1/500秒 |
露出計 | CdS受光素子・針式 |
電池 | MR-9水銀電池 |
ボディ色 | チタン、プラチナ、ゴールド、ブラックメタル |
製造国 | ドイツ |
製造年 | 1991〜2014年 |
1991年、ローライ35の「復刻版」として送り出されたモデルがローライ35クラシック。
どちらかといえばカメラファン向けの限定品色の強いモデルで、カラーリングも通常のシルバーやクロームはありません。
露出計はファインダー内のLEDからボディ上面の針式へ回帰。
ダイヤルはボディ前面にある、それまでの非廉価版ローライ35と同じです。
基本的には露出計などローライ35 Sの復刻版として作られたモデルなのですが、アクセサリーシューの位置はボディ上面となっています。
背面にはフィルムの箱を切り取って入れるためのメモポケットが付きました。
ローライ35の限定モデル
ローライ35にはいくつかの限定モデルがあり、中古がカメラファンの間で珍重されています。
ローライ35ゴールド
1970年、ローライ創業50周年を記念して発売されたゴールドモデルです。
基本的に機能面は初代ローライ35と同一です。
ローライ35 S シルバー
1979年に発売された、ローライ35 Sの限定モデル。
金属部分は銀メッキされ、針革も銀色。
カメラ銘の横に月桂冠が描かれています。
ローライ35 S ゴールド
1980年発売。
ローライの60周年を記念したモデルです。
ローライ35 プラチナ
1986年、ローライ35の通常ラインナップが終了した後に復刻生産された限定モデル。
貼り革はトカゲ革、通常モデルでは銀色のシャッターボタンや沈胴ロックボタンは金色にメッキされています。
レンズはゾナー付きで、機能的にはローライ35 Sと同等です。
444台限定。
ローライ35クラシック 75周年記念モデル
ローライ35クラシックの、ローライ75周年を記念したモデルです。
ローライ35クラシックには通常のゴールドモデルも存在しますが、こちらは金色部分が鏡面仕上げになっており、75周年のバッジ貼り付け、ロゴのプリントが施されています。
ローライ35のレンズ
さて、そんなローライ35が装着しているレンズは、大きく3種類に分けられます。
- 1.Tessar 40mm F3.5(3群4枚)
- 2.Sonnar 40mm F2.8(4群5枚)
- 3.Triotar 40mm F3.5(3群3枚)
です。
まず、テッサー40mm F3.5は、言わずと知れた「鷹の目」テッサー。
高性能レンズの切れ味はローライ35でももちろん健在。
本場ドイツのテッサーを、小さなボディで存分に味わうことができますよ。
高級レンズのゾナーは、明るさだけでなく繊細な描写力も楽しめるレンズ。
シンプルなテッサーとはまた異なる、質感あふれる描写を味わえます。
ただし目測式のローライ35では、開放付近のピンボケには気をつけましょう。
このゾナーのみ、ローライ独自のHFTコーティングが施されているのもポイントです。
トリプレットタイプの廉価版、トリオターは、簡易なレンズに似合わない描写力でマニアに人気。
こちらも独特な味を楽しめますよ。
おすすめのローライはどのモデル?
さて、それでは具体的に、ローライ35シリーズから1台選ぶとしたら、どのモデルがおすすめなのでしょうか?
結論からいうと、中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラのスタッフとしておすすめするのは以下の3種類。
- 1.ローライ35
- 2.ローライ35 S
- 3.ローライ35 T
ローライ35
ローライ35S
これらに共通する特徴として……
・露出計が針式
・アクセサリーシューが下面にありデザインがシンプル
・電池がMR-9
以上のことが挙げられます。
この3つは、露出計がLED式にマイナーチェンジされる前の、ローライ35本来の姿を保ったモデル。
コンパクトでシンプルなローライ35をまず最初に味わい尽くすなら、元来のコンセプトを保ったこの3機種から手に入れるのが断然おすすめです。
また実用面でも、露出表示がファインダー内に移ったそれ以降のモデルより、露出計の針がボディ上面で読み取れるこの3種類のほうが実用的。
電池についても、互換品やアダプターの入手が容易です。
もちろん他のモデルも魅力的なため、一期一会のよい出会いがあったら手に入れるのも一興。
ですが、もし各モデルの中から選ぶとしたら、上記の3機種から検討するとよいでしょう。
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どこでも持ち歩ける相棒です。
ローライ35の使い方
さて、ローライ35は独特な構造のため、使い方が他のフィルムカメラとは少し異なります。
そこで、ローライ35の使い方について簡単に解説しようと思います。
ここではローライ35Sを例にとって解説しますが、他のローライ35も基本的には同様です。
1.電池を入れる
まず最初に、裏蓋を開けて電池を入れます。
裏蓋は、ボディ下面の銀色の部品を回して、裏蓋をスライドすることで外れます。
電池はこの部分に入ります。
コインで蓋を回して、中に電池を入れます。
電池はMR9タイプの水銀電池を使用しますが、現在では互換品をネットで購入することが可能です。
2.フィルムを入れる
次にフィルムを入れます。
フィルムを入れるときは、まず、裏蓋を開けたところにある圧板を開きます。
右側の空間にフィルムパトローネを入れ、フィルムを引き出し、左側のスプールに差し込みます。
このとき、スプロケット(フィルムを巻き上げるギア)にしっかりとパーフォレーション(フィルムに空いている穴)が引っかかるようにします。
このとき、フィルムにたるみがあると装填失敗の原因となるので、たるみのないよう気をつけましょう。
後述するレンズを引き出した状態にして、巻き上げレバーを操作してたるみを取るのもおすすめです。
圧板を閉じます。
裏蓋を閉じます。
3.レンズを引き出す
次に、レンズを引き出す方法を解説します。
ローライ35は持ち運ぶのが便利なように、レンズを縮めて収納することができるようになっています。
また、レンズを引き出さないと、巻き上げも、シャッターを切ることもできません。
レンズを引き出すときは、ボディ上面の銀色のボタンを押しながら、レンズを持って前へ引き出します。
ストップする位置まで引き出したら、レンズを右側に(時計回りに)止まるまで少し回転させます。
回転させると、レンズに書いてある△印が真上に来る状態になります。
4.空シャッター&フィルム装填確認
フィルムを入れて、レンズを引き出したら空シャッターを切ります。
シャッターボタンはボディ上面、レンズ引き出しのロック解除ボタンの隣りにあります。
レンズを引き出したときはシャッターがチャージ状態になっているので、まず1度切ります。
フィルムの巻き上げはボディ上面の巻き上げレバーで行います。
さて、フィルム装填後に空シャッターを切るときには、ボディ下面、巻き戻しクランクの根本にある銀色の部品が、連動して回るようになっているか確認しましょう。
ここが回っていれば、問題なくフィルムが装填できているということになります。
空シャッターは、ボディ下部のカウンターの数字が1になるまで切ります。
5.フィルム感度を設定する
ボディ正面左手、絞りダイヤルのさらに内側にあるダイヤルで、フィルムの感度を設定します。
6.シャッター速度と絞りの合わせ方
ローライ35のシャッター速度と絞りは、ボディ前面のダイヤルで合わせます。
正面から見て左が絞り、右がシャッター速度です。
絞りのダイヤルはロックがかかっているので、ダイヤル下部の銀色の部品を押し込みながら回します。
シャッター速度のダイヤルはそのまま回してOKです。
7.露出計を使って露出を合わせる
ローライ35は露出計を内蔵しています。
露出を合わせるときには、ボディ上面の窓の中にある、白い針とオレンジ色の針が重なるように絞りとシャッターのダイヤルを回します。
なお、古いローライ35には露出計の精度がずれていたり、露出計が動かないものもあるため、その場合には単体露出計や、スマホの露出計アプリを使うと確実です。
8.ピントを合わせる
ピントは、レンズ先端のリングを回すことで合わせます。
なお、ローライ35は目測式のカメラのため、ピントは感覚で合わせることになります。
目安としては、
バストアップ(半身像):1.5m
全身像のポートレート:3m
風景:無限遠(∞)
に合わせると、まずは簡単に撮影することができると思います。
なお、距離表示がフィートが上面になっている個体もあります。
その場合、1フィート=約0.3mで計算するとよいでしょう。
またカメラをひっくり返すと下面がメートル表記になっています。
9.シャッターを切る
シャッターを切ります。
切り方は空シャッターのときと同じで、ボディ上面のシャッターボタンを押します。
10.フィルムを巻き上げる
フィルムをレバーで巻き上げます。
空写ししたときと同様です。
11.レンズを収納する(沈胴する)
撮影が終了したあとや、持ち運ぶときにはレンズを収納します。
レンズを収納するとき、非常に重要な注意点があります。
それが、巻き上げた状態(シャッターがチャージされた状態)でないと収納できないということ。
もし巻き上げずに無理に収納しようとすると故障してしまうため、この点にだけは絶対に気をつけましょう。
レンズを収納するときは、巻き上げたあと、レンズを引き出したときと同じ銀色のボタンを押し込みながら、レンズをボディ内に押し込みます。
12.フィルムを巻き戻す
フィルムを巻き戻します。
巻き戻すときには、ボディ裏面の「R」と書かれたレバーを上に回します。
そうしたら、ボディ下面の巻き戻しクランクを起こして、時計回りに巻き戻します。
巻き戻しが終わったら、フィルムを装填したときと同じように裏蓋を開けて、フィルムを取り出します。
これでローライ35での撮影は完了です。
ローライ35 中古購入時のチェックポイント
それでは、そんなローライ35をこれから手に入れるとしたら、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか?
1.ボディのアタリ・キズ
ローライ35は小型でどこにでも持ち歩けるフィルムカメラ。
逆にそのため、キズやアタリがある個体も多く存在します。
ショックが加わったことで内部機構の調子が悪くなっていることも考えられるので、アタリやキズのある個体は購入時によく吟味しましょう。
2.ファインダーの見え
ファインダーが曇ったりしておらず、よく見えるかどうかを確認しましょう。
基本的にはレンジファインダーのような機構のないシンプルなファインダーのため、視界がクリアーか、ゴミが入っていないかをチェックすればOKです。
3.低速シャッターの動作
低速シャッターにネバリがないかを確認するのも重要です。
チェック時にはとくに1/2秒がしっかり動いているか、動作が遅くなったりしていないかを重点的にテストしましょう。
4.ストラップが付属しているか
ローライ35のストラップは独自規格の金具で取り付けるため、ストラップが付属したものを入手するのがおすすめです。
独自規格のストラップ基部
なお、ストラップの金具が弱くなっている個体もまれに存在するため、使用時はストラップがきちんと固定されているか確認するとともに、基本的にはストラップを信頼せず、ボディ本体を持つように心がけるのをおすすめします。
また、社外品のケースに入れて首や肩から提げるのもよいでしょう。
電池の入手方法について
ローライ35シリーズでは、露出計が針式のモデルではMR-9水銀電池を、LED式のモデルではV27PX水銀電池を使用します。
どちらも現在では製造が中止されているため、露出系使用時にはアダプターか互換電池が必要です。
(ただし、外部の露出計を使う場合には電池は必要ありません)
MR-9、V27PXともに、アダプターは関東カメラサービス製のものを使うのがメジャーです(↓の関連商品はMR9用)。
またMR-9については、ネット上の通販サイトで同寸法の互換電池「PX625」を簡単に購入できます。
いっぽうV27PXについては互換品の入手も難しいため、基本的にはアダプターに頼ることとなります。
Rollei 35(ローライ35)の作例
写真家 雨樹一期さん撮影の作例
まずは、大阪出身の写真家、雨樹一期さんによる作例です。
Rollei 35(テッサー付)を使用しています。
雨樹さんによる作例の続きは、こちらの記事をご覧ください!
サンライズカメラ スタッフによる作例(Rollei 35S)
ここからはサンライズカメラのスタッフが撮影した写真です。
こちらはゾナーのついたローライ35Sを使用。
ローライならではの豊穣な描写を味わうことができましたよ。
使用フィルム:FUJIFILM 業務用100(現行品ではフジカラー100が同等品です)
まずはローライ35のレンズの鮮やかな描写を味わえる花を被写体に。
撮影したのは道端にある、なんの変哲もないプランターに入った鉢植えです。
それが、ローライ35Sにかかればヴィヴィッドな色彩で劇的に描き出されるのです。
次に、果敢にも目測式のローライで開放撮影に挑戦してみました。
みてのとおり、背景のボケは破綻なく、またうるさくなくとても美しいもの。
それでいてピントが合った部分が浮かびだすような印象もたたえています。
今回ローライ35Sで撮影していて思ったのが、花や木の色彩がとても色鮮やかに写し出されるということ。
木々の緑も色彩豊かで、近所の風景が普段と違って見える気がします。
最後に絞り込んだ遠景。
見ての通りとてもシャープで描写に破綻はいっさいありません。
コンパクトカメラながらドイツ製レンズならではの美しい描写を味わえるローライ35。
ぜひあなたも、ローライ35で身の回りの景色を美しく切り取ってみませんか?
今回撮影したフィルムの現像は、「トイラボ」に依頼しました。
詳しくは以下の記事をご参考ください。
気軽に使えてスタイリッシュ・かわいいカメラ、ローライ35
このように、ローライ35は見た目も性能もすべてが魅力的な最高のコンパクトカメラ。
いつでも持ち歩ける小さなカメラなのに、装備したレンズはドイツ製の高性能。
美しい描写をいつでも味わうことができますよ。
見た目も可愛く、あまりのスタイリッシュさに、街中で使っているだけで声をかけられるかも?
中古カメラファンの方も、可愛いカメラが欲しい方も、ローライ35が登場する作品でこのカメラを知った方も。
ぜひあなたにぴったりの相棒を見つけて、撮影を楽しんでみませんか?
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FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
更新履歴
2022年5月13日
no imageとなっていた箇所に画像を追加。
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