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[フィルムカメラぶらり撮影散歩4] OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの写真を見たらあなたは散歩したくなる

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例

こんにちは、雨樹一期です。今回も引き続きフィルムカメラのご紹介です。

オールドレンズだけでなく様々なフィルムカメラをご紹介していますが、毎回どれもオススメしたいものばかりです。
今回はそんな中でもフィルムカメラデビューに最もオススメ、オリンパスのペンシリーズからOLYMPUS(オリンパス) PEN FTです。

なかなか「フィルムカメラらしい」作例が撮れましたよ。

前回の記事は以下より。

[フィルムカメラぶらり撮影散歩3] OLYMPUS(オリンパス) TRIP35はあなたの日常をいろんな色で染めてくれます

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OLYMPUS(オリンパス) PEN FTで撮影した感想と作例

OLYMPUS(オリンパス) PEN FT

OLYMPUS PEN FTで撮影した感想と作例です。

オススメの理由

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例ISO 100・シャッタースピード 1/500・F2.8

フィルムカメラは実は気軽にはじめられるものですが、敷居が高いと思われがちです。
理由の一つとしてあげられるのがコスト
どうしてもフィルムや現像代がかかってきます。

たとえばこの前作例を掲載したハッセルブラッドのような中判カメラだと、12枚しか撮影できないのにフィルムと現像で2,000円くらいかかります。初心者の方は躊躇しますよね。

でも今回の「OLYMPUS PEN FT」ハーフサイズカメラです。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例

ハーフサイズカメラでは言葉の通り、ふつうの35mmフィルムカメラの1枚分に2枚撮影します。フィルムの巻き送りも当然半分です。

今回作例の撮影に使ったフィルムは富士フイルムの業務用で500円+現像代で合計1,500円ほど(2018年現在)。
そして撮影枚数はなんと2倍。24枚撮りで48枚。36枚撮りで72枚も撮れるんです。
中判の6倍も撮れて、おまけに価格も安い。こりゃお得!でしょ。

フィルムの価格が上がっているので、ほんとうにうれしいメリットです。
たくさん撮れるので、フィルムカメラの練習にもなりますよね。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTは一眼レフカメラ

さらにOLYMPUS(オリンパス) PEN FTが凄いのは、一眼レフタイプでレンズ交換までできるということ。ハーフサイズカメラの中ではかなり特殊です。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FT

OLYMPUS(オリンパス) PEN FT用に作られたレンズの絞りはF値表示ではなく、0〜6の数字。変わってますね。今回使用したレンズは、「F. Zuiko AUTO-S 38mm F1.8」ですので、数字をF値にすると、

「0→F1.8」・「1→F2.8」・「2→F4」・「3→F5.6」・「4→F8」・「5→F11」・「6→F16」

ですね。

ファインダーを覗いて、針の指している数字と、レンズの数字を合わせるだけです。
カメラ初心者の方にも分かりやすく。低い敷居でがっつりと学べて、楽しめます。

SNS担当スタッフ注:OLYMPUS PEN FT用のレンズには、じつは通常の絞り値も裏側に刻印されています。
絞りリングを引っ張りながら180度回転させると、F2.8やF4といった絞り値が表示されるようになります。

ハーフサイズでも画質は気にならない

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例

繰り返しますが、OLYMPUS(オリンパス) PEN FTはハーフサイズカメラなので、通常の半分のサイズになります。中判からみると画質は当然荒くなります。

それでも作例を見て頂いて分かるように、荒さはそこまで感じません。大きく引き伸ばさない限りなんの問題もありません。
また「フィルムっぽさ」が欲しい方にとっては、画質が少し下がるのも逆にメリットになると思います。

撮影にかかる値段もリーズナブルということもあり、オススメなのです。
(人気機種ですがカメラ自体の中古価格も比較的入手しやすい部類です)

ただ、長所は短所でもあり、僕はいろんなフィルムを使いたいから、72枚も撮れなくていいってこともあります(笑)。
フィルムカメラでの72枚ってなかなか終わらないんですよね。

初心者の方なら撮りきらずに撮影が終わることもあります。
それを数回繰り返すと、はじめに何を撮ったか、記憶がなくなります(笑)。

それはそれでフィルムカメラの面白さですが、覚えている内に見る方が学びにはなりますよね。

なので、ちょっとフィルムやってみようかな、という初心者の方や、これからフィルムガンガンやりまっせ!という熱の入った方の両方にオススメになります。

作例を見て頂ければ、このOLYMPUS(オリンパス) PEN FTの良さはコストだけではないことも感じて頂けるかと思います。

(もし72枚だと多すぎるというときは、24枚撮りのフィルムを入れて48枚撮りで使うのもいいかもしれませんね。今回の作例でもそうしました)

OLYMPUS PEN FTの関連記事

OLYMPUS PEN FTのスペック等については以下より。

OLYMPUS(オリンパス)PEN Fシリーズ/独創性あふれるハーフサイズ一眼レフ

 

 

「F. Zuiko AUTO-S 38mm F1.8」の作例

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例
ISO 100・シャッタースピード 1/250・F8

それでは作例の写真です。

上にも書きましたが、フィルムは富士フイルムの業務用100を使いました。24枚撮りなので、計48枚撮影。

※追記:価格が安く使いやすかった富士フイルムの業務用100でしたが、残念ながら2021年現在市場在庫のみとなります。廉価で使いやすい製品としては、KodakのGOLD200やColorPlus200が入手しやすくなっています。同等品のFUJICOLOR 100もおすすめです。

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現像が上がってきた作例を見て思ったのは……「めっちゃキレイやん!」です。とにかくよく写ります。

 

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例ISO 100・シャッタースピード 1/250・F8

色味はこってり。黄色かぶりでフィルムらしい雰囲気になるので、レトロなものや場所との相性が良さそうですね。
今回の作例は近所の公園や田舎道での撮影でしたが、ディープスポットにも連れていきたくなりました。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例
(左)ISO 100・シャッタースピード 1/250・F2.8 (右)ISO 100・シャッタースピード 1/500・F5.6

コントラストも程よい強さ。明暗差を活かした撮影にはもってこいですね。
前回撮った「OLYMPUS TRIP35」の作例の発色とはまた違いますね。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例
ISO 100・シャッタースピード 1/500・F11

絞って撮影しても、さすがにハッセルのようなカリカリ感はありませんね。ピントはやや緩めで、ザラっとしています。
だけどこの雰囲気はフィルムでしか味わえません。フィルムで撮る空、たまりません。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例
ISO 100・シャッタースピード 1/250・F2.8

とにかく、何を撮ってもフィルムらしさがかなり強くでますね。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例ISO 100・シャッタースピード 1/500・F8

逆光での撮影ではゴーストが出ますが、まるで古い映画のような雰囲気です。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例ISO 100・シャッタースピード 1/500・F5.6

ちなみに、ハーフなので普通に構えて撮ると縦写真になります。普段、僕は横写真がかなり多いのですが、今回の作例ではあえて縦写真多めで撮影してみました。
その結果、いつもと少し違う雰囲気で撮れていたので楽しかったです。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例
ISO 100・シャッタースピード 1/500・F1.8

これが「F. Zuiko AUTO-S 38mm F1.8」の最短撮影距離です。35cmまで寄れるので、OLYMPUS(オリンパス) TRIP35よりも幅広く撮影が出来ますね。
無限遠でピントを合わせるより、近距離で合わせる方がカリっとします。

ボケ味も自然で、変な癖はありません。画質の荒さもフィルムらしさと思えば問題ありません。

今回の作例、個人的に、思っていたより良い写真ばかりでテンションが上がりました(笑)。

魅力について

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTの作例ISO 100・シャッタースピード 1/250・F4

鮮やかでコントラストも強めなので、写真に締まりが出ます。
OLYMPUS(オリンパス) PEN FTのレンズは交換式ですが、標準レンズの「F. Zuiko AUTO-S 38mm F1.8」1本でも充分撮影ができます。

やや雰囲気重視にはなりますが、フィルムらしい描写で、デジタルとの違いも感じて頂けます。
カメラ本体の価格もリーズナブル、そしてハーフでたくさん撮れるので、フィルムの価格面でのコストパフォーマンスにも優れていますね。

一眼レフにしては軽量。そしてオリンパスはカメラのデザインも洗練されています。

単純な操作性も含めて、フィルムカメラデビューにはかなりかなりオススメの一台です。

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OLYMPUS(オリンパス) PEN FTについてもう少し解説

ここからは、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ 店舗スタッフがOLYMPUS(オリンパス) PEN FTについてもう少し解説します。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTとは

OLYMPUS(オリンパス) PEN FT

形式 ハーフサイズ一眼レフカメラ
シャッター B、1秒~1/500秒
機械式
チタン幕 ロータリー式フォーカルプレーンシャッター
露出計 PEN FT のみ内蔵
TTL平均測光
ファインダー ポロプリズムによる一眼レフレックスファインダー
レンズマウント PEN Fマウント
電池 H-D(MR-9)水銀電池
中古価格 30,000-40,000円
メーカー OLYMPUS(オリンパス)
発売年 1966年

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTはハーフサイズの一眼レフカメラです。

主に1960年代に流行したいわゆるハーフサイズカメラ
その代表がOLYMPUS(オリンパス) PENでした。

OLYMPUS(オリンパス) PENシリーズには多くの機種がありますが、なかでも一眼レフカメラとなったのが、OLYMPUS(オリンパス) PEN F系統の機種でした。
1963年に最初の機種、OLYMPUS(オリンパス) PEN Fが登場。
その時点では露出計はありませんでしたが、1966年発売のこのOLYMPUS(オリンパス) PEN FTでTTL露出計が内蔵されたのでした。

他の多くのPENシリーズ同様、開発には天才設計者の米谷美久(まいたに よしひさ)氏が携わっています。

他のPEN F系統の機種同様、シャッターは独自性の強いロータリーシャッターが採用されています。
またファインダーも、多くの35mm一眼レフが用いるペンタプリズムではなく、双眼鏡やレンジファインダーカメラの実像式ファインダーなどによく用いられる、ポロプリズムが採用されています。
(ちなみに、後にオリンパスのデジタル一眼レフ、E-300やE-330でも同様の仕組み、ポロミラーが使われています)

露出計については、レンズの絞り値はボディの露出計には連動せず、手動で絞り値を合わせる方式になっています。
雨樹さんの解説でレンズに刻印された数字について触れられていましたが、これはこの設定を簡単にするためのものでした。

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTは独自性の強い機構のカメラですが、非常にすぐれた外観のデザインもあいまって人気が高く、そのため中古でも多くが整備されて流通しています。
人気機種のため入手も比較的難しくなく、中古価格も安定している印象です。

F. Zuiko AUTO-S 38mm F1.8

F. Zuiko AUTO-S 38mm F1.8

今回作例の撮影に使用したレンズ、F. Zuiko AUTO-S 38mm F1.8は、OLYMPUS PEN Fシリーズの標準レンズとしてはもっとも一般的なものです。

標準域のレンズにはほかに40mm F1.4と42mm F1.2などもありますが、中古価格と入手性の面で、もしOLYMPUS(オリンパス) PEN FTを中古で買うならこのレンズがおすすめできるといえるでしょう。
35mmフルサイズ換算で55mm相当と、使いやすい画角なのもポイントです。

作例の写りはなかなかのものでしたが、開放F値が控えめなのでその分性能にも無理がない印象ですね。

OLYMPUS(オリンパス) PEN Fシリーズはハーフサイズカメラながら各種のレンズやアクセサリーが揃えられたシステムカメラでした。
ハーフサイズは画面の面積がデジタルカメラのAPS-Cサイズと近いため、ミラーレス一眼カメラにマウントアダプターで取り付けて使うことも可能。
多彩な中古レンズを楽しんでみるのもおすすめです。

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ハーフサイズの「フィルムらしさ」を楽しめるカメラ

OLYMPUS(オリンパス) PEN FTはハーフサイズカメラなので、どうしてもフィルムの粒子は目立ちます
でも、それがフィルムらしさをより強調してくれるんです。
(作例でもフィルムらしさがきっと伝わったかと思います)

フィルムの価格が以前より上がったので、その点でもハーフサイズのメリットは増えていますね。

それでいて、一眼レフなのでピントがしっかり合うので、フィルムの性能をしっかりと引き出すことができる。
もしかすると、フィルムならではの表現にいちばん向いている中古カメラなのかもしれないですね。

次回はローライ35で撮影します

次の記事はこちら。
次回は中古フィルムカメラのなかでもとくに人気が高い、Rollei35(ローライ35)を使って作例と感想をお届けします。

[フィルムカメラぶらり撮影散歩5] Rollei 35は自然とあなたの感性を磨いてくれる一台になる

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著者紹介: 雨樹 一期(Ichigo Amaki)

フィルムカメラ・トイカメラの多重露光などで作品撮りの傍ら、大阪・東京を中心に全国でフィルムカメラワークショップを開催。
2024年9月8日ラジオ番組【編集長 稲垣吾郎】(文化放送)に出演するなど、精力的に活躍中。 その他、カメラの個人レッスン、ペット・家族の撮影をしています。 基本、娘と猫と珈琲とカレーに生かされてます。

HP : 雨樹一期写真事務所
blog : フィルム寫眞手帖

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