Canon(キヤノン)EOS 7・7s/高い完成度を誇るフィルム最後の中級機
Canon EOS 7
今回は、中古のオートフォーカス一眼レフのなかでも定番、Canon EOS 7とEOS 7sについて解説します。
フィルム一眼レフカメラのなかでも、高度に自動化されたカメラとして、1990年代の写真界を支えたCanonのEOSシリーズ。
EOS 7とEOS 7sは、そんなEOSシリーズの中でも、フィルムカメラとしては最末期に登場したモデルです。
EOS-1VとEOS 3の下に位置する中級機として、上位機種の機能を最大限にフィードバック。
部分的には上級機を上回る部分も持った、完成度の高い機種でした。
アマチュア向けに開発された機種ではあるものの、上位機種に比べ大幅に小型・軽量。
そのため、中古フィルムカメラを初めて手にする方にとっても使いやすく仕上がっています。
フィルムを使うこと以外、デジタル一眼レフと同様の操作体系で使えることも魅力。
オートフォーカスで気軽にフィルムが楽しめる中古カメラ、EOS 7とEOS 7s。
Canonのフィルムカメラ中級機の集大成は、いったいどんなカメラなのでしょうか?
目次
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
Canon EOS 7/EOS 7s
CanonのEOS 7と、マイナーチェンジ機種のEOS 7sについてまとめて解説します。
フィルムカメラ最末期に、アマチュアにとって使いやすい中級機として開発されたEOS-7と7s。
性能と使いやすさのバランスがとれている、中古でおすすめの一台です。
EOS 7とEOS 7sの性能・スペック
形式 | 35mmフィルム一眼レフカメラ |
シャッター | B、30秒~1/4000秒 電子式 縦走り金属幕フォーカルプレーンシャッター |
露出計 | 評価測光 部分測光 中央部重点平均測光 ※35分割SPC受光素子を使用 |
AE | プログラムAE シャッター優先AE 絞り優先AE 深度優先AE E-TTLプログラムストロボAE A-TTLプログラムストロボAE TTLプログラムストロボAE |
ファインダー | 固定式アイレベル 0.7倍 視野率90%(上下)92%(左右) |
レンズマウント | キヤノンEFマウント |
対応レンズ | キヤノンEFレンズ |
連射速度 | 4駒/秒 |
電池 | CR123Aリチウム電池(Amazon)x2 単3乾電池x4(バッテリーパックBP-300使用時) |
発売年 | 2000年(EOS 7) 2004年(EOS 7s) |
Canonのオートフォーカスフィルム一眼レフカメラ、EOS 7とEOS 7s。
どちらも、Canonのフィルム一眼レフカメラとしては最末期に登場したモデルです。
1998年のEOS 3、そして2000年のEOS-1vといったCanonのEOSシリーズプロ機から技術をフィードバック。
高機能な大衆機を作ることにかけては世界一のCanonが、手堅くまとめた使いやすい機種となりました。
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初めて中古フィルムカメラを購入する場合、最初は露出やマニュアルフォーカスについてよくわからない可能性も。
そんなとき、Canonのデジタル一眼レフカメラと同様の操作系で使えるEOS 7やEOS 7sなら、戸惑うことなく中古フィルムカメラを楽しむことができるでしょう。
それでは、EOS 7・EOS 7sには具体的にはどんな特徴があるのでしょうか?
機能的に不足が一切ないカメラ
2000年発売のEOS 7と、2004年のEOS 7s。
この年代の機種ともなると、もはや使用上、機能の不足はほぼ感じられないレベルです。
普通に使ううえでは、露出、ピント、フィルム送り・巻き戻しまで、すべての機能が全自動化。
フィルム装填も、フィルムの先を引き出して巻き上げ軸の上に置くだけでOKなので、中古フィルムカメラを初めて触る人によくある、フィルム装填の失敗もほとんどありえません。
フィルムカメラの歴史を通じて、ユーザーが行いがちなミスのデータを蓄積してきたCanon。
そのすべてを結集し、初めてフィルムカメラに触る人でも失敗せず使えるカメラを作り上げたのです。
プロ機に比類する機能
さらに、内蔵した機能もとてもハイレベル。
シャッター最高速は、中級機として標準的な1/4000秒。
1980年代には驚きをもって迎えられた超高速シャッターですが、2000年ともなると当たり前のように搭載されています。
ほとんどのシーンで困ることはありません。
また、AF測距点は7点、露出も当然評価測光。
初めての方でも、失敗なくフィルムで写真を撮ることができるのです。
[canonb]
ストロボ内蔵
この時代のCanonの上位機種にはない機能として、ストロボの内蔵が挙げられます。
EOS-1VやEOS 3といったプロ機は、ストロボを内蔵しないのが基本(外付けストロボを使う)。
その点、EOS 7やEOS 7sなら、フィルムカメラでも夜間撮影が簡単にできるのです。
現在、デジタルカメラでは夜でもストロボを使わない撮影が簡単にできるようになりましたが、フィルムカメラの場合、感度はISO100〜ISO400が大半です。
夜や室内ではストロボを炊くことが多いので、普段使いのフィルムカメラとしてはうれしい機能だといえるでしょう。
小型軽量、でもEOS Kissより断然作りがよい
また、EOS 7とEOS 7sは小型・軽量。
とくに内部にはプラスチックを使っていることから重量はとても軽いです。
EOS 7の重量は580g(本体)。
いっぽうEOS 3は780g、EOS-1vにいたっては945gなのです。
大幅に軽く取り回しの良いボディで、軽快に撮影できるでしょう。
じつはCanonにはさらに下のグレードとして、入門機のEOS Kissシリーズも存在します。
同時代のEOS KissはKiss III、Kiss 5、Kiss 7が中心となったラインナップ。
もちろんEOS Kissも入門機としてはこれ以上ない高機能なフィルムカメラなのですが、作りのよさではEOS 7・EOS 7sが大幅に勝っています。
手に持ったときのしっかりした感じはEOS 7・EOS 7sの圧勝。
また、EOS Kissにはないボディ背面のダイヤルも備わっているので、マニュアル撮影も楽しみたいときにはEOS 7・EOS 7sを中古で選んだほうが、より快適な撮影ができるでしょう。
背面ダイヤルを装備
アルミニウムの質感あふれる外装
EOS 7もEOS 7sも、外装には金属がおごられています。
EOS-1vのようにマグネシウムとまではいきませんが、アルマイト加工の施された質感は中級機としてはなかなかのもの。
1998年のEOS 3がプラスチック外装だったのに比べ、大きなアピールポイントだといえるでしょう。
使い込まれたEOS 7:Canonのロゴの周りに金属素材が覗いている。
全自動・イメージセレクトモード
EOS 7・EOS 7sは中級機として、初心者にとって優しい機能も備えています。
それが、全自動モードとイメージセレクトモード。
全自動モードでは、ストロボを含めフルオート。
いっぽうイメージセレクトモードでは、「ポートレート/風景/クローズアップ/スポーツ/夜景ポートレート」から選ぶことで最適な設定で撮影可能です。
手軽に美しい写真を撮れるので、カメラ初心者の方は活用してみるのもよいでしょう。
もちろん、慣れてきたら通常のAEやマニュアルも使えます。
[canonb]
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どこでも持ち歩ける相棒です。
EOS 7・EOS 7sと上位機種の比較
さて、上位機種顔負けの機能を持ったEOS 7・EOS 7sには、上位機種のEOS 3よりも優れた箇所・顔負けの箇所がいくつも存在します。
もちろん中級機のため省略された機能も。
具体的には、どんなところが違うのでしょうか?
上位機種に勝る・迫るポイント
評価測光がより高性能に
1998年のEOS 3では、評価測光は画面を21分割。
いっぽう、EOS-1vからのフィードバックも受けたEOS 7・EOS 7sは35分割SPC受光素子を採用しており、より分割数が増え、精度が向上しています。
連射速度
EOS 7とEOS 7sの連射速度は4駒/秒。
これはEOS-3の、バッテリーパックをつけない単体時、4.3秒/駒に迫る高性能です。
最後の視線入力AF搭載機
1990年代、Canonが中級以上の機種に搭載していた視線入力AF。
眼球の動きを読み取って、画面内のどこの部分にピントを合わせるか決める機能です。
EOS 7も視線入力AFを採用。
そして、EOS 7sは、2018年現在、最後の採用機種となりました。
デジタル一眼レフでは採用されず、いまでは中古カメラでしか味わえない視線入力AF。
実用面ではなかなか難しい機能でもあったようですが、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
フィルム給送の静粛化
EOS 7とEOS 7sでは、動作の静粛化もコンセプトとされていました。
1990年代の自動化されたフィルムカメラを象徴する「ブーゥ」というフィルムを送る音ですが、その音が耳障りなこともあるはず。
そんなとき、EOS 7とEOS 7sなら安心です。
上位機種から省かれた機能
シャッター最高速が1/4000秒
EOS 7とEOS 7sのシャッター最高速は1/4000秒。
この点では、1/8000秒のEOS-1vとEOS 3には明確に劣ります。
ただし、ISO400のフィルムを入れて明るい単焦点を開放で使わない限り、困ることはほぼないでしょう。
ファインダー視野率が微妙に低い
高級一眼レフカメラの証、ファインダーの視野率。
EOS-1vは100%、EOS 3は97%なのに対し、EOS 7とEOS 7sは92%で、こちらも中級機なりのものです。
ただし、そこまで厳密な撮影をしない場合には気にしなくて良いでしょう。
スポット測光はない
プロ・ハイアマチュア向けの色が強いスポット測光は省かれました。
AF測距点は7点
動体撮影にも強いEOS 7・EOS 7sですが、AF測距点は7点で、EOS 3の45点に比べ少ないです。
ただし現実問題として、多いからといって使いやすいものではないので、ここは気にしなくてよいでしょう。
ちなみに筆者はデジタルカメラでAFを使うとき、測距点は基本的に中央しか使いません。
フィルム装填は逆さまになる
EOS 7とEOS 7sは小型化のため、フィルムを上下逆さまに装填する方式をとっています。
そのため、現像からあがってきたフィルムを並べると、画面の向きと、フィルムに書いてあるコマ番号の向きが逆になります。
好みにもよりますが、人によってはちょっと気になるポイントです。
ただし、同様のフィルムカメラは、1990年代、非常に多く存在します。
EOS 7のフィルム室:フィルム巻き上げ軸が下側にあり、内部にフィルムを入れる向きが刻印されている
EOS 3のフィルム室:フィルム巻き上げ軸が上側にある
EOS 7とEOS 7sの違い
最後に、EOS 7とEOS 7sの間で行われたマイナーチェンジの内容について紹介します。
外装がより上質に
EOS 7の平滑な塗装から、EOS 7sでは黒の縮緬塗装に。
高級感がUPしています。
AFの高速化
デジタル一眼レフカメラから技術をフィードバックし、AFがより早くなりました。
液晶に照明が追加
液晶にLED照明が追加され、夜間撮影が便利になりました。
ストロボ調光にE-TTL IIが追加
EXシリーズの外付けストロボ使用時、調光制御がより高度になりました。
EOS 7とEOS 7s、中古でおすすめなのは?
結論からいえば、中古を買う場合どちらでも大差ありません。
どちらも中古フィルムカメラとしては非常に多機能で完成度が高いもの。
変更点はほぼマイナーチェンジといって差し支えないので、中古を探すときは、状態と、見た目の好みで決めましょう。
EOS7・7sの関連商品
Canon EOS7・7sでは、電池はCR123Aリチウム電池を使用します。
Canon最後の中級機を使ってみませんか?
EOS 7sが発売した2004年、続いて発売したEOS Kiss 7をもって、Canonのフィルム一眼レフ新規機種は最後となりました。
Canon EOS-1vも販売終了となり、ついに終焉を迎えたCanonのフィルムカメラ。
でも、その完成度は中古で存分に味わうことが可能です。
初心者にとっても非常に使いやすい機種として、EOS 7とEOS 7sは、ぜひおすすめしたい機種だといえるでしょう。
ぜひ初心者にも優しいEOS 7・EOS 7sで、フィルムを楽しんでみませんか?
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
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どこでも持ち歩ける相棒です。
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