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Canon(キヤノン)AE-1/「連写一眼」Canon AE-1で70年代のカメラを味わおう

Canon AE-1

1970年代を代表する中古フィルムカメラを選ぶとすれば、Canon AE-1はその候補に間違いなく入るといえるでしょう。

「連写一眼」というキーワードで一世を風靡したCanon AE-1。
このカメラには当時の一眼レフの潮流を大きく変える、いくつかの特徴がありました。

AE(自動露出)を搭載していること。
ワインダーの使用が安価に可能であること。
大量生産により低価格を実現したこと。

このCanon AE-1の登場はまさにエポックメイキングな出来事で、これを機に他社も同様のカメラを次々と発売することになります。

カメラの歴史を変えた、記録にも記憶にも残るカメラ。
それがCanon AE-1なのです。

中古価格は安めなので初めての一眼レフとしてもおすすめ。
レンズもFDレンズは安く高性能レンズを中古で手に入れることができますよ。

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Canon AE-1

安価なカメラながらAE(自動露出)と自動巻き上げを搭載したCanon AE-1。
いったいどんなカメラなのでしょうか?

中古フィルムカメラ専門店、サンライズカメラのスタッフが詳しく解説します。

Canon AE-1の特徴とスペック

形式 35mm一眼レフカメラ
シャッター速度 B、2秒〜1/1000秒
電子式
横走布幕フォーカルプレーンシャッター
露出計 TTL開放中央重点測光
SPC受光素子
AE シャッター優先AE
ファインダー 視野率上下約93.5%・左右96%
倍率約0.86倍
レンズマウント Canon FDマウント
対応レンズ Canon FDレンズ
New FDレンズ
FLレンズは絞り込み測光で使用可
電池 4LR44(Amazon)x1
発売年 1976年

Canonの中古フィルム一眼レフのなかでも、もっとも著名な部類に入る一台、それがAE-1。

まず最初に、Canon AE-1の特徴・スペックについて見ていきましょう。

Canon AE-1は、シャッター優先AEを搭載した35mm一眼レフカメラです。
現在では普及価格帯のカメラで他社をしのいでトップシェアを占めているCanonですが、その地位を決定的にしたのが、このAE-1であるといえるでしょう。

廉価にシャッター優先AEを実現

Canon AE-1

発売は1976年の4月。
この1976年という時代にあって特筆すべきスペックが、普及価格帯のカメラながらシャッター優先AEを搭載しているということです。

AE-1の定価はボディのみで50,000円、50mm F1.4の標準レンズ付きで81,000円。
それまでのAE付きカメラに比べて2万円もの値下げを実現し、一般ユーザーにとってもAE付きの一眼レフカメラがぐっと身近なものとなったのです。

AE-1ではシャッター優先AEを採用しています。
現在ではシャッター優先AEと絞り優先AEの双方を搭載することが当然になっていますが、AEが一般化した1960〜1970年代、シャッター優先と絞り優先のどちらが便利かという「AE論争」が盛んだった時期がありました。
なかでもCanonはシャッター優先陣営を代表するメーカー。
手ブレを防ぎ失敗写真を減らすことができるシャッター優先AEを、このAE-1でも当然、採用したのです。

ワインダーで「連写一眼」を実現

そして、AE-1では標準でワインダーの使用を可能としていました。
ワインダーとは、フィルムをモーターにより自動で巻き上げるアクセサリーのこと。
ボディの下部に取り付けて使用します。

1980年代後半以降はワインダーをボディに内蔵することが当たり前になりますが、そこに至る流れを生み出したのが、このAE-1。
シャッターを押すだけで連写ができる夢のカメラを一般化した、まさに夢のカメラだったのです。

もしAE-1を中古で入手したら、ワインダーも安価に中古で手に入るので、取り付けてみるのも一興です。

AE-1のその他のスペック

その他のスペックも、当時の他社の普及価格帯カメラに搭載された機能はすべて搭載し、場合によっては凌駕するものでした。

シャッターは2秒〜1/1000秒の布幕横走り。
もちろんAE機ですから電子式になっています。
電子式ならではの2秒がついているのがポイント。

シンクロ速度は1/60秒です。

Canon AE-1

使用電池は4LR44で、現在でも入手可能なのが、中古を使うときにうれしいところ。

もちろんマニュアル露出も可能です。

露出計は中央部重点測光。
受光素子は1970年代前半まで一般的だったCdSではなく、信頼性の高いSPC(シリコンフォトセル)を使用しています。

使い心地にも気が配られており、廉価なカメラながら手動巻き上げ時には小刻み巻き上げが可能です。
AE-1というとコストダウンやプラスチック製の外装ばかりが中古カメラファンに取り沙汰されますが、けっして仕上げに劣ったカメラではないのです。

CPUを搭載した最初期のカメラ

AE-1が廉価に高機能を実現した原動力。

それが、小型CPUを使用したことでした。

4bitのCPUを搭載することで電装系は全体的に電子化し、それまでのアナログ回路を使用したAE機に比べ、大幅に部品点数を削減することに成功しました。
Canonはそれ以降もA-1やTシリーズなどカメラの電子化を更に進め、1980年代後半、ついにEOSシリーズとして結実することとなります。

ただし、内部の電子化が高度に進みはじめた時期のカメラのため、中古の場合電装系の状態には注意。
電子基板の状態がよい、保証のついた中古を選びましょう。

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Canon AE-1とAE一眼レフ

カメラの歴史において、AE-1の功績はワインダーによる自動巻き上げとAEの搭載を当たり前にしたことだといえるでしょう。

このAE-1によって、同様のスペックを持ったカメラが一気に他社からもリリースされることとなったのです。

「AE-1以後」の一眼レフカメラ

Canon AE-1

AE-1が発売した1976年から、1985年、ミノルタα7000の発売によるAFカメラの普及(αショック)に至るまでの間、日本のカメラメーカーが発売するカメラはつねにAE-1の影響下にあったといっても過言ではないでしょう。

それくらい、AE-1のスペックと価格はエポックメイキングなものだったのです。

AE-1の発売した1976年4月から8ヶ月後、1976年12月には、同じくAEを搭載しワインダー使用可能なPENTAX MEが発売します。
PENTAX MEのボディは定価が50,000円。
明らかにAE-1を意識した価格設定です(ただしMEは絞り優先専用機でした)。

それ以降、絞り優先専用、もしくは絞り優先+マニュアルを搭載したカメラは各社から発売されていきます。
また、AE-1のコストダウンの影響により、それまで高級機だけを販売していたメーカーが普及機を発売したり、価格競争に敗れ撤退するという出来事も起こりました。

MINOLTA XG-E(1977年)、OLYMPUS OM10(1979年)、Nikon EM(1980年国内発売)、MINOLTA X-7(1980年)……。

これらはすべて、AE-1チルドレンといっても過言ではありません。

レンズ交換式レンジファインダーカメラのCanon PやコンパクトカメラのCanonetなど、コストダウンは以前からCanonのお家芸。
機能もさることながら、AE-1の徹底したコストダウンはカメラメーカーにとってまさに衝撃でした。
しかしそれにより、高機能なカメラをエントリーユーザーも使用できる時代が、一気に到来したのです。

とくに、80年代にカメラ少年として青春を過ごした世代の方にとっては、まさに当時のあこがれのカメラたちなのではないでしょうか。
いまなら、そんな往年の名機たちを中古で手軽に使うことができますよ。

Canon AE-1

AE-1で使いたいCanon FDレンズ

AE-1は、Canon FDマウントの代表機種。
高性能でプロも愛用したFDレンズが使い放題です。

こちらの記事でおすすめレンズを紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。

また、Canonの他のカメラについても、こちらの記事で解説しています。

AE-1を中古で使うなら?

では、そんなAE-1を中古で手に入れるときに、いったいどんなことに気をつけたらよいのでしょうか?

まず、AE-1の「持病」として有名な、シャッター鳴きをチェックしましょう。
シャッター鳴きとは、内部のギアーが油切れを起こすことで、シャッターを切った際に「キュン」という音がしてしまう症状のこと。

基本的に機械部分の不調のため修理は可能なのですが、専門修理業者に頼むとそれなりの金額が取られます。
経年劣化に伴う症状なので、中古を買うときには整備済み・OH済みの個体がベストです。

ネット上にはシャッター鳴きを起こした中古を直したという中古カメラマニアの記事もありますが、当然ながら自己責任となるので、真似することはおすすめできません。

また、AE-1はファインダースクリーンが交換不可能なため、ファインダーが汚れていない中古個体を選ぶのもおすすめです。
(ちなみにAシリーズでは、A-1やAE-1Pでは交換可能となっており、清掃が容易です)

その他、前述しましたがAE-1は電子カメラなので、内部の電装系が劣化していない中古を探すのも大切。
ぜひ状態の良い中古AE-1で写真を楽しんでくださいね!

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AE-1で70年代を感じよう

1970年代のカメラというと、ともすればNikon F2Canon 旧F-1PENTAX MXといった機械式マニュアル機ばかりが注目されがちです。

しかしながら、1970年代にユーザー視線で注目されていたのは、このAE-1をはじめとするAE搭載機。
時代の雰囲気を感じるなら、このAE-1こそ最適なカメラです。

AE-1にワインダーをつけて出かけるだけで、気分はまさに1976年。
時代を彩ったカメラのファインダーを覗くだけで、街の色が普段と変わること間違いありません。

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著者紹介: サンライズカメラ

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