[旅×フィルムカメラ第11弾] Canon New EOS Kissで青春18切符 清里の旅
Canon New EOS Kiss(1996年)の作例をご紹介します!
旅好きな私いくたが、フィルムカメラやオールドレンズを相棒として携え、出会った素敵な景色をお見せしていく連載。
第11回目となる今回の旅は、青春18切符にて山梨は北杜市清里への旅。撮影したカメラは、Canon(キヤノン)New EOS Kissです!
レンズは標準レンズキットの、「EF 28-80mm F3.5-5.6 IV USM」と、「 EF 75-300mm F4-5.6 II USMR」を使用しました。
超エントリーな価格で買える、だけど写ルンですやコンパクトカメラと違ってレンズ交換ができるし、ちゃんとレトロで綺麗な写真が撮れる!
カメラ全く初心者の人にも、すでに一眼レフを使いこなせていてフィルムカメラに興味ありな人にも、とってもおすすめです^^
【旅×フィルムカメラ 前回の記事はこちら】
目次
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
Canon(キヤノン)New EOS Kissについて
手軽に簡単操作で使える一眼レフとして、ソフトな名称「Kiss」の名とともに、初心者にも扱いやすいエントリー機種として、ファミリー層にも人気を確立してきたCanon EOS Kissシリーズ。
その2代目にあたるのが、今回ご紹介するCanon(キヤノン)New EOS Kiss。
初代EOS Kissの使いやすさと機能はそのままにモデルチェンジした機種となります。
スペックについてはCanon公式サイトをご参照ください。
穴場的な魅力機種
気軽にフィルムカメラの味わいを体感できると言ったら、コンパクトカメラや写ルンです、などが挙げられることも多いですが、写りを見てみて、「なんか物足りない・・・」と感じる人もいるのでは。
そんな、もう一歩本格的にフィルムカメラを楽しみたい!と思っている人には、Canon(キヤノン)New EOS Kissはちょっぴり穴場的な魅力があります。
なんてったって今、中古で格安で手に入る機種。
- 値段も超エントリー!
- レンズ交換ができる
- 一眼レフカメラのクオリティ
個人的には、画質・操作性、ともに大満足でした。
また、Canonのデジタル一眼レフカメラユーザーとしても、なんとなく親近感を感じながらの撮影でした。
Canon New EOS Kissの操作部品と操作方法
すごくシンプルでわかりやすいボタン配置な気がします。
余談ですが、私が初めてカメラを買う時、右も左もわからず、「とりあえずCanonは機械音痴の人でも使えるように、ボタン配置が親切だよ!」と誰かに教えてもらったので、メカアレルギーのある私(今ではカメラとパソコンを使う仕事をしてるなんてちょっと信じがたい..)は、Canonに決めました。
パノラマモードもできるんですね!今回は使用しませんでしたが、面白い。
フィルム装填の際は、まずここのつまみを矢印↑の方向へ上げて、
ぱかっと。全自動なのでフィルム装填も巻き戻しも、とっても簡単です。
Canon(キヤノン)New EOS Kissの作例紹介
それでは、Canon New EOS Kissで撮影した作例をご紹介します。
EF 28-80mm F3.5-5.6 IV USMで撮影した作例
まずは標準ズームレンズの作例から。
フィルムは主にKodak ColorPlus 200を使用して撮影しています。
青春18切符でとことこ鈍行の旅。寄り道が醍醐味なのです。早速、中央線笹子駅にて途中下車。
廃校を活用して医院になったのかしら。駅からの眺めがすでに良き。
透明な天井板に光が差し込み、幻想的な影。
この作例は光と影の描写がいい感じ。
お目当てはこちら。下道でふらふらと国道20号を通る時にいつも見る看板。今日は初めて店舗へお邪魔することに。
夏らしいオレンジのユリの花。
試飲も色々させてもらい、こちらの2本をゲット。
試飲で使うプラコップを厚かましくも頂き、列車のボックス席でちびちびやります。
↑ズームレンズでF3.5でこのボケ具合、なかなかですよね!
清里の旅
JR小海線 清里駅に到着。
ズームレンズはやっぱり旅ではとても重宝するなぁ。咄嗟に柔軟に対応できる。色んな画角の単焦点レンズを持っていくのは重いし、付け替えが面倒なんです。
こちら方面の駅弁といったら。明治18年創業の歴史ある、峠の釜めし本舗 荻野屋さん。清里駅構内の売店はもう閉業しちゃってるみたい。ここで買ってみたかったなぁ〜
駅舎の窓がレトロ、だけどどこか洋風でしゃれおつ。
清里って感じだな〜洋風田舎だいすき。
いちいちおしゃれやな〜清里。
お馬さんがいっぱい
お馬さんだらけ。同じ北杜市、数駅手前の小淵沢は、馬術競技場があったり「馬のまち」として知られるんですって。
1駅下ってお次は、標高1345.67mに位置する、JR線の中で最も高い、野辺山駅。むちゃ涼しいですよっ。
歩いて滝沢牧場さんへ。
前回行った時お休みだったから、入れてよかった!ここは1日中いれる・・・。
静かにお馬さんと対話していた男の子。
牧場で猫ちゃん。伸びた瞬間の少しまぬけなお顔を失礼いたします。
やっぱりフィルムカメラの写りはいいなぁ〜と思う一枚。時代をタイムスリップした気になります。市場で焼きとうもろこし。う、うまかった・・・。そして画質良い。
色味が柔らかい。若干黄色みや温かさを感じるのは、Kodak ColorPlus 200の特徴でしょうか。
ちなみにこちらは実家で採れた今年のスイカ。(突然違うシーンの写真を入れ込む)
夜の列車にも乗車。星空を見に行ったのだけど、あいにく曇って見えず。光線が滲んでて、ちょっと不思議な写真が撮れました。
ぶれないように、手すりの上にカメラを置いて撮影。(↓この写真はSUPERIA PREMIUM 400)
八ヶ岳を見ながら帰りの路へ
帰りの路へ。
八ヶ岳高原列車の愛称を持つ、JR小海線。どこを見ても美しい山々を眺めることができます。
小淵沢駅ホームから見た山、うっすら光が当たる雰囲気が神秘的。一時期、山間地に住んでいたこともあるのですが、山が見せる絶妙な表情の数々にはやっぱり心動かされます。
夕暮れどき。山脈の稜線。グラデーションが美しい。
甲斐大泉駅。甲府盆地を抜け、再び列車は山間部へ。
温かい色味、光、最高です。
途中停車駅で、ぼーっとしている時にみつけた光。
EF 75-300mm F4-5.6 II USMRで撮影した作例
さて、今度は望遠ズームレンズの作例を。
フィルムは主に富士フイルムの「SUPERIA PREMIUM 400」を使用しています。
フィルムを変えたら、がらっと雰囲気変わりますね。青緑っぽい。
清里のまきば牧場。リアルハイジの世界ですね。
望遠レンズならではの撮影も!
この作例は結構頑張って狙って撮れた1枚。木々に同化している小鳥さんの後ろに、光が当って白っぽくなっている木を背景に。300mmだとまだまだ野鳥撮影するには短いですが、それでも嬉しい。
こちらも。羽を前に出した瞬間のとんぼ。300mmのボケ感がえぐいので、一気に雰囲気でます。
疲れちゃったのかな?パパは頼もしい。
望遠レンズでもお馬さんを撮影
ここでもたっぷりお馬さんを愛でる。かっこいいのが撮れました。
毛並み、ひずめの質感、細かい描写も抜群です。
Canon(キヤノン)New EOS Kissで撮影した感想
あ〜楽しかった!笑
普段使用している一眼レフカメラもCanonですし、初めて買ったデジタル一眼レフカメラもCanon EOS Kissシリーズでしたので、ボタンの位置や持った時の感触などなど、なんとなく馴染みやすかったです。
使い勝手が良すぎて安心して身を委ねられました。
初心者の方ほど、オートモード充実の高性能な現代カメラからデビューする方が安心と思いがちかもしれませんが・・
正直、少しでもフィルムカメラに興味を持っている方だったら、断然こちらのCanon New EOS Kissをおすすめしたい。
どうせ一眼カメラの操作を覚えたいんだったら、あまり変わらない気がしてしまいます。
むしろ、多機能すぎてメカアレルギーを出すタイプの方、結局高いカメラを買っても使わなかった・・・となるくらいだったら、Canon(キヤノン)New EOS Kissで撮れる1枚の喜びを知って欲しいなぁ^^
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
Canon New EOS Kissについて簡単な解説
ここからは、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフがCanon New EOS Kissについて簡単に解説します。
Canon New EOS Kiss
形式 | 35mmオートフォーカス一眼レフカメラ |
シャッター速度 | B、30秒〜1/2000秒 電子制御 縦走り金属幕フォーカルプレーンシャッター シンクロ速度 1/90秒 |
露出計 | 6分割評価測光 中央部分測光 |
露出 | プログラムAE 撮影モード連動自動セット(シーンモード) シャッター優先AE 絞り優先AE 深度優先AE マニュアル露出 |
ファインダー | ペンタダハミラーによるアイレベル固定式 0.7倍 視野率90%(上下左右) |
レンズマウント | Canon EFマウント |
AF | TTL位相差検出方式 I+I配列のマルチBASISによる測距(3点) |
対応レンズ | EFマウントの各種レンズ |
電池 | CR123A リチウム電池 x2(Amazon) |
発売年 | 1996年 |
発売時価格 | 59,000円(ボディ) |
参考文献:New EOS Kiss – キヤノンカメラミュージアム(2022年6月17日閲覧)
Canon New EOS Kissは、Canonのエントリーグレードのフィルム一眼レフカメラ、EOS Kissシリーズの一台です。
エントリー機種に全機能を載せたCanon
このCanon EOS Kissシリーズは、小型軽量かつ初心者でも使いやすい作りながらも、とても多彩な機能を搭載していることで知られています。
デジタル一眼レフやミラーレス一眼カメラでは、どんな初心者向け機種にもいわゆるP・S・A・Mの全露出モードが搭載されていることが当たり前になっています。
ところが、かつてはそうではありませんでした。
フィルムの一眼レフカメラにおいては、たとえばエントリー機種ではプログラムAEのみ可能なもの、プログラムAEとマニュアルしか使用できないものなど、機能が限定されていることが普通だったのです。
ところがCanonはそんな状況に風穴を開けます。
EOS Kissシリーズの前史にあたるカメラ、EOS 1000QD(1990年)[1]EOS1000 QD/QD-P – キヤノンカメラミュージアム(2022年6月17日閲覧)の登場です。
本機では、それまでのEOS下位機種とは異なりP・S・A・M(そして当時のCanonが推していた深度優先AE)と、すべての機能を搭載。
当時の他メーカーに比べ抜きんでていたAF性能やペンタ部の内蔵ストロボなど、カタログスペック上、省かれた部分はありませんでした。
↑当店過去のジャンクセット画像より、EOS 1000QD(右下)&初代EOS Kiss(右上)
その後EOS 1000S QDを経て、1993年には初代EOS Kissが登場。
この初代EOS Kissではさらに小型、軽量化。
「Kiss」というマーケティングを意識した名称とともに大成功します。
小型軽量で使いやすく、それまで本格的な一眼レフカメラに興味を持たなかった層へリーチする一眼レフカメラ。
このコンセプトには他社も追随。
ミノルタのα-SweetやNikon UのようなネーミングがEOS Kissの影響下にあるというのは誰しも意見が一致するところでしょう。
そして1996年、EOS Kissのモデルチェンジとして、今回作例を撮影したNew EOS Kissが登場します。
※本節の参考文献:佐藤成夫 『佐藤評論6 AF一眼レフとその時代』2018年、新日本現代光画(booth)
さらに完成度を上げたCanon New EOS Kiss
このCanon New EOS Kissは、初代EOS Kissのコンセプトを受け継いだうえで各部をブラッシュアップしたフィルムカメラです。
カタログスペックだけでは一見してそこまで変わっていないように見えますが、AF性能が向上。
各部の仕上げも初代EOS Kissに比べてぐっとよくなりました。
……といっても、いまの目から見るとあまり差を見出しにくいのは確か。
ところが、初代EOS KissとNew EOS Kissには、これから中古で入手して、実際に使ううえで非常に大きな違いがあります。
それが「持病」の有無です。
EOS Kissを使うならNew EOS Kiss以降(初代以外)
これから中古のEOS Kissシリーズ(フィルムカメラ)を購入する場合、鉄則があります。
それが、今回の作例撮影で使ったのと同じ「New EOS Kiss」以降の機種を選ぶということです。
逆にいうと、初代EOS KissはNGです。
じつはCanonのEOSシリーズには有名な持病があります。
それが、シャッターユニットに使われたダンパーが経年変化で溶け出して、シャッター羽根に付着するというもの。
この症状が発生すると、正常に撮影を行うことができなくなります。
この問題はだいたい1995年頃に対策が行われたといわれています。
初代EOS Kissの発売は1993年。
いっぽう、New EOS Kissの発売は1996年。
ということで、New EOS Kissにはこの問題は発生しないのです(2022年現在。将来的にはさらに経年変化が生じる可能性はあります)。
初代EOS KissもNew EOS Kissも、とくにジャンクの場合中古価格に大差はありません。
中古を探すならNew EOS Kissにしましょう。
それ以降のEOS KissシリーズもOK
もちろん、それ以降のEOS Kissシリーズ
- Canon EOS Kiss III
- Canon EOS Kiss III L
- Canon EOS Kiss 5
- Canon EOS Kiss Lite
- Canon EOS Kiss 7
上記各機種も問題ありません。
スペック的にも、新しい機種(下の方)になるにしたがって更に向上しています。
ただし中古価格についても新しい機種の方が高め。
2010年代中ごろまではどれも価格がとても安かったのですが、2020年代には中古フィルムカメラの人気上昇にともない、とくに後期の機種はそれなりの値段がついています。
後期の機種については、そもそもデジタルカメラの時代に入りかけた時期の発売なので、中古の数もそこまで多くありません。
中古市場で見かけることが多く、価格も手頃な機種というと、New EOS KissかEOS Kiss IIIあたりかと思います。
New EOS Kissの持病(べたつき)
ただし、このNew EOS Kissにも一点だけ持病があります。
それが、ボディ表面の素材が経年変化してべたついてしまうということです。
1990年代のフィルム一眼レフカメラには他社も含めよくある症状なのですが、ここだけは画竜点睛を欠くところです。
このべたつきについては、無水エタノールで拭いて、シリコンスプレー等を塗布することで解決可能ですが、あくまで自己責任での対処となります。
もし気になる場合は対処済みの中古を探すのもよいでしょう。
なおこのべたつきについては、その後のEOSシリーズにも発生するものがあります。
さて、EOS Kissシリーズは、各部の部品がプラ製であることをはじめ、質感や素材を犠牲にしたかのような部分があることがよく指摘されます。
ですがいま2022年の時点になってみると、金属部品を多用した他社製品よりも問題なく動いている場合が下手をすると多いくらいなのです。
このあたりについては、大メーカーであるCanonの設計、製造のうまさが感じられるところです。
マニアには受けないが、最後まで動いていることができたAFカメラ。
それがEOSシリーズの本当の凄さなのかもしれません。
Canon New EOS Kissでフィルムカメラに入門してみませんか?
初心者でも簡単に使えて、完成度が非常に高いフィルム一眼レフカメラ。
それがCanon New EOS Kissです。
生まれたときからデジタルカメラが存在した世代の方にとっては、フィルムカメラ自体が敷居が高く感じるかもしれません。
でも大丈夫。
このCanon New EOS Kissは、まさに当時、フィルムカメラ自体に敷居を感じていた人向けに開発された機種なのです。
さまざまな中古フィルムカメラのなかでも親切さは抜群。
間違いなくフィルムカメラ入門に最適だといえるでしょう!
旅×フィルムカメラ 次の記事はこちら
次回は、Canonのレンジファインダーカメラ、P型(ポピュレール型)に旧ソ連製の超広角レンズ RUSSAR 20mm F5.6を取り付けた作例をご紹介します!
ぜひご覧ください。
レンジファインダーカメラ Canon P(ポピュレール)+ RUSSAR 20mm F5.6で日本三大銘茶の産地を訪ねてみた(作例あり)【旅×フィルムカメラ第12弾】
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オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
更新履歴
2022年6月17日
初代EOS Kissとして紹介されていた内容を、New EOS Kissに修正しました。
脚注
↑1 | EOS1000 QD/QD-P – キヤノンカメラミュージアム(2022年6月17日閲覧) |
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