[オールドレンズ探訪記] OLYMPUS H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2でバル切れレンズ検証!(作例あり)
今回作例をご紹介するのは、OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2です。
この世に数えきれないほどの種類が存在するオールドレンズ。
今、最新のミラーレスカメラを介して、往年の銘玉等に再び光を注ぐムーブメントがあついです!
そんなオールドレンズの中から、サンライズカメラがおすすめできるレンズを1本1本紹介していく、「オールドレンズ探訪記」と第したコーナーです。
これまでに数々のフィルムカメラやオールドレンズを使ってきた雨樹一期さんと、昨年から触れ始めた初心者側な私いくたで、一緒に様々なオールドレンズで撮影をした作例をご紹介していきます。
さて、今回お借りしたH.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2ですが、”訳ありレンズ”とのことで、実際写りにどう影響するのか?というところも見ていきたいと思います!
【オールドレンズ探訪記 前回の記事はこちら】
[オールドレンズ探訪記] 訳ありレンズ!?Nikon Ai NIKKOR 28mm F2はスナップに最適レンズだった(作例あり)
目次
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
- OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2について
- OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2の作例紹介
- オールドレンズ撮影Tips!逆光でぽやぽや〜させるべし
- OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2で撮影した感想
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
- OLYMPUS(オリンパス)H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2 簡単な解説
- H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2 まとめ
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
- 脚注[+]
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2について
まずは、今回作例を撮影したOLYMPUS(オリンパス) PEN Fシリーズ用のレンズ、H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2とはどんなオールドレンズなのか簡単に紹介します。
OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2のスペック
マウント | バヨネット式ペンマウント[1]『OLYMPUS PEN FT取扱説明書』p.7 |
構成 | 6群8枚[2]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11 |
フィルター径 | 49mm[3]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11 |
最短撮影距離 | 0.35m[4]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11 |
35mm判換算焦点距離 | 60mm[5]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11 |
新品時価格 | 23,800円[6]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11 |
メーカー | OLYMPUS |
貴重なレンズですがバルサム切れしています
オリンパスペンFシリーズのレンズは色々と種類がありますが、その中でも、OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2は、一番明るく、そして結構レアレンズとのこと。
ただ状態が良い中古が少なく、このレンズの持病的に曇りが生じてしまうものがほとんどだとか。
今回私がお借りしたレンズも、前玉3分の1くらいがバル切れしていて、見事な葉っぱ模様でした。逆にどこか芸術的で美しいくらい・・!
絞りリングにはTTLナンバーが
TTLナンバーというのが振られています。これはミラーレス一眼カメラに装着する際は気にしなくていいでしょうか?
連動して後ろ側に絞り値が振ってあるので、0=F1.2、1=F2・・・といった感覚で使用しました。
(↑TTLナンバー、↓絞り値)
※サンライズカメラ スタッフ注:PEN Fシリーズ用レンズでTTLナンバーがあるものは、絞りリングを前に引き出して180度回転させることで、F値の表示を上に持ってくることができます。
専用レンズフードとフィルター
付属のレンズフードとフィルターもつけて撮影しました。
レトロで可愛いデザインですね。小さい割に重さは結構あって、ずしっときます。
今回使用したマウントアダプターについて
今回もミラーレス一眼カメラはSONY α7Rを使用したのですが、マウントアダプターについては、OLYMPUS PEN F用マウントをSONY Eマウントへ変換するものを使用しました。
※本シリーズでは普段K&F Conceptさんのマウントアダプターを使用していますが、2022年の記事追記時に対応するものが存在しなかったため、↓には他社の製品を貼らせていただきます。
なお、OLYMPUS PEN Fはハーフサイズカメラのため、OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2をはじめPEN Fシリーズ用レンズの使用時には、APS-Cサイズでの撮影を行うのがおすすめです。
※今回の作例はフルサイズのまま撮影したため、画面周辺部にケラレが生じています。
OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2の作例紹介
それではH.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2+ミラーレス一眼カメラで撮影した作例を紹介します!
にじむような描写
早速撮影した1枚目から、おおお!ぽやっぽや〜!かなり周辺露光が落ちて、全体的に滲むような描写。
※サンライズカメラ スタッフ注:前述しましたが、フルサイズのまま作例を撮影したため多少ケラレが生じています。
周辺露光量がすごく落ちたのですが、これはもしかしたらレンズフードの映り込みかもしれません。
(バル切れのせいかなぁと思いつつ、そのまま撮影していたので、ほとんど周辺露光量が落ちている写真になりました..!フードをとっても落ちたので、調べたところオールドレンズの特性上が考えられます。)
もともとハーフサイズカメラのOLYMPUS(オリンパス) PEN Fシリーズにつけるレンズなので、どうしてもフルサイズのミラーレス機に付けると「ケラレ」てしまうんだろうなと思います。
絞っても開いても絵画のような描写
摘んできた矢車草を花瓶に。まずこれが絞って撮影した1枚。
続いてこちらの作例が開放で撮った1枚。
この違い、すごくないですか?!もはや写真じゃなくて絵画です。
色も滲みまくります。
これは日の丸構図が楽しくなっちゃうレンズですね。
色乗りはとても良好
すっごく綺麗な色がでます。毎年同じみ母特性の紫蘇ジュース。炭酸で割ってしゅわっと。
泡、良い感じ。
この温かみは独特です。食べ物がすごく美味しそうに写せる。(実際美味しかった)
湯気が似合うレンズ。
ぽやぽや〜の割に、ちゃんと細かい部分も描写できるんです。
屋外で撮影した作例
外の光があるところだと、より全体的に滲む。
ぽやぽや〜な紫陽花。グラデーションがすごく綺麗で相性抜群でした。
日常の風景の作例――タイムスリップしたような写真に
日常感のあるものを写すと、ちょっとタイムスリップしたような感覚になる。不思議。
てりってり。
とゅるっとゅる。
田植えでも作例を撮ってみました!
田植えをしました。後ろに怪しい人影・・・
ちなみに今回の作例写真は、以前、旅ブログでも紹介させて頂いたゲストハウス、古民家noie梢乃雪さんに滞在した際に撮ったものを沢山載せてます。すごく良いところなので気になる方はぜひチェックしてみてください!
【以前梢乃雪さんに滞在した際の写真はこちら↓】
[旅×フィルムカメラ第5弾] Nikon F100作例 カメラ女子が長野県小谷村で雄大な自然と人のやさしさに魅せられたお話。
癖の強すぎる自販機。
オールドレンズ撮影Tips!逆光でぽやぽや〜させるべし
OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2のような、バル切れが原因でぽやぽや〜っと滲むようなクセのあるレンズこそ、ぜひ逆光を活かしたい。
逆光で撮影すると、被写体の輪郭に光の線ができたり、ポートレートで撮るときわかりやすいですが、被写体の表情がとても柔らかく見えます。
逆光で撮る時は、露出調整に少しコツがいるので、初心者の方は特に苦手としている人も多いと思います。
さらにそんな難しいことをフィルムカメラでやろうとすると、出来上がりをみてがっくり・・なんてことも大いにありえます。
でも、ミラーレス一眼カメラ×オールドレンズなら、画面を見ながら露出調整もできるので、ぜひチャレンジしてみてもらいたいです!
すごく大まかに表現方法を2つあげるとすれば、
1.シルエット撮影(被写体は黒つぶれ)
どれくらいシルエットにするかは表現意図にもよって調整するといいですね。
2.被写体を明るく(背景は白飛び)
夕陽のかなり強い光がレンズに差し込む角度で撮っていますが、手に持ったスマホ画面をメイン被写体にしたいので、露出は+2~3くらい思いっきり上げました。
山の上に差し込む光はほぼ白飛びしますが、画面上に白飛び箇所があると、アクセントにもなって、より光の多い柔らかい一枚に仕上がるので、私はしょっちゅう好んで撮るスタイルです。
机の上に並ぶお椀たちを主役に。
奥の部屋から障子を前ボケに入れることで、額縁効果を。これはどっちかというとシルエット重視した一枚。
逆光の表現はすごく楽しいし、一目見たときに「おっこれは」と一味違った印象を受けるのでぜひ沢山試してみてください^^
OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2で撮影した感想
OLYMPUS(オリンパス) H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2は、どうせオールドレンズ買うなら、これくらい癖がなくっちゃ!って感じに、しっかり期待に応えてくれるレンズ。
ただそれは「バル切れ」がある状態のレンズなのであって、同じレンズでも状態の良いものであればまた写り方は違うのは間違いないです。
私はこのバル切れれ状態のレンズをかなり気に入っちゃって、今までのオールドレンズ作例撮りの中でも一番枚数撮ってました。
個人的にビビッときたポイントとしては、
- 回想シーンのようなぽやぽや感
- 開放しっぱなしで楽しい
- 湯気が立ち込めたような温かみ
これ写したらどうなるだろう?というワクワク感があるし、非日常感を醸し出してくれる芸術家レンズ。
中古で見つけたらぜひゲットしてみてください!
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写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
OLYMPUS(オリンパス)H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2 簡単な解説
ここからは、今回作例を撮影したオールドレンズ、OLYMPUS(オリンパス)H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2について、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフが簡単に解説します。
OLYMPUS(オリンパス)H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2
↑画像は今回の記事で使用したもの
マウント | バヨネット式ペンマウント[7]『OLYMPUS PEN FT取扱説明書』p.7 |
構成 | 6群8枚[8]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11 |
フィルター径 | 49mm[9]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11 |
最短撮影距離 | 0.35m[10]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11 |
35mm判換算焦点距離 | 60mm[11]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11 |
新品時価格 | 23,800円[12]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11 |
メーカー | OLYMPUS |
H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2は、OLYMPUS PEN F(オリンパス ペンF)用の明るい標準レンズ。
F1.2という大口径は、PEN Fシリーズ用のレンズのなかでもっとも開放F値が明るい製品となります。
ただし、大口径を実現するために犠牲とされた部分もあり、他の標準レンズでは38mm F1.8と38mm F2.8が35mm換算で約55mm、40mm F1.4が換算約40mmなのに対して[13]『カメラ総合カタログ VOL.36』1969年、日本写真機工業会、p.11、H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2の場合は換算60mmと標準域のレンズとしてはかなり長めになってしまっています。
ですが、今回撮影の作例のように近接撮影や人物を中心に使う分には、それもあまり気にならないかもしれないですね。
バルサム切れについて
今回の記事で撮影に使用したH.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2は、前述のようにバルサム切れが発生しています。
当然、バルサム切れが発生すると描写の程度は悪化します。
ただ、今回の作例ではそれなりにレンズの味が引き出せていた感もありました。
開放付近でかなり強くにじみが出てしまっているように、当然影響は生じてしまうため、中古で見つけた場合はオリジナルの状態ではないことを理解して購入しましょう。
なお、OLYMPUSの中古レンズは、OM用のレンズにもバルサム切れや貼り合わせ面のクモリが生じているものが散見されます。
バルサム切れや貼り合わせ面の劣化は、年代やメーカーにより出やすさが異なるようです。
たとえば他社では旭光学(PENTAX)の場合、2022年現在、Super-Takumarはあまり劣化しない印象ですが、SMC PENTAX-Mレンズは劣化しているものが多くみられる印象です。
高価なレンズの場合にはバルサム切れを専門業者で修理してもらった事例もありますが、基本的には修理が難しい不具合のため、中古を探す際は価格が安いとしても注意したほうがよいでしょう。
H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2を中古で買うなら
H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2は明るい大口径レンズで元々数が少ないこともあり、OLYMPUS PEN F用レンズのなかでは中古価格は高め。
ただし、今回のもののようにバルサム切れが生じているものについては、当然ながら中古価格は少し安くなります。
いっぽう、貼り合わせ面に劣化がないものについては、珍重されてかなり中古価格が上がるようですね。
今回使用したミラーレス一眼カメラについて
今回の作例でも、ミラーレス一眼カメラのボディはSONY α7Rを使用しました。
ローパスレス機としては中古価格が手頃なのも魅力のボディです。
そのほかにもオールドレンズの撮影におすすめのミラーレス一眼カメラとしては――
中古で廉価なフルサイズのミラーレス機が欲しい方にはSONY α7が。H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2 まとめ
今回はOLYMPUS PEN Fシリーズ用のオールドレンズ、H.ZUIKO Auto-S 42mm F1.2+ミラーレス一眼カメラで撮影した作例をご紹介しました。
バルサム切れと周囲のケラレがあったものの、個性的な写真を楽しむことができたのではないかと思います。
PEN Fシリーズ用のレンズはイメージサークルが小さいので、APS-Cやマイクロフォーサーズのミラーレス一眼カメラと組み合わせるのもおすすめです。
ぜひあなたのミラーレス一眼カメラでPEN F用の中古レンズを楽しんでみてくださいね。
オールドレンズ探訪記 次の記事はこちら
次回はCanonの魚眼レンズ、New FISH-EYE FD 15mm F2.8をミラーレス一眼カメラに取り付けて撮影した作例をご紹介します。
ぜひご覧ください。
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