[闇鍋オールドレンズレビュー] 第1回 NIKKOR-P 105mm F2.5
ボディとレンズがが届いた。
ボディはSONY α7の1型機。レンズは NIKKOR-P 105mm F2.5 だ。
K&Fのマウントアダプターも入っている。
これはこのカメラに装着して何らかの写真を撮れということだな。
目次
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FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
「闇鍋オールドレンズレビュー」について
本題に入る前に、まずは自己紹介しなければならない。誰も俺のことを知らないからだ。
1966年生まれの53歳、男、双子座。血液型はA型。
職業はカメラマン。職歴は27年。
趣味は料理と歌。
あとは写真を少々。
まあこんなところだろう。これ以上細かく知りたい人などいるわけもない。
ある日使わなくなった機材を処分しようとサンライズカメラに電話したのが始まりだった。たまたま近くにいるからとスタジオに足を運んでもらい、査定もそこそこに雑談で盛り上がって「オールドレンズ・ミラーレスカメラのレビュー&使い方」みたい物をを書いてよと言われ調子にのって承諾したのが運の尽きだった。まあ、しかしどうせやるなら普通にやっても面白くないし、そんなにレンズに詳しい訳でもない。なのでタイトルを「闇鍋オールドレンズレビュー」として、不定期に突然やってくるオールドレンズをSONY α7に付けて撮影し、そのレンズの長所・短所などを独自の視点&浅い知識で無責任に書きなぐるお遊びブログを始めることにした。
そして記念すべき第一回目がこのNIKKOR-P 105mm F2.5だ。
NIKKOR-P 105mm F2.5+ミラーレス一眼カメラで撮影
前置きが長くなった。
まずはSONY α7の充電を始める。
うおっ、このカメラボディで充電するのか!
何を隠そうこの俺はSONYのミラーレスは初めて使うのであるが「ミラーレス、ミラーレス」言われ始めて随分時も経つので聞きかじった情報で知った気になっていたのであった。
よし、これで一つ賢くなった。
次はレンズ。
中古カメラ屋よろしくNIKKOR-P 105mm F2.5を懐中電灯で照らしあげて中のホコリ・カビ等確認するも実のところよくわからん。まあいい、そりゃ40年か50年も前のレンズだホコリ・カビぐらいあって当然だ。絞りバネは6枚。今回はミラーレスカメラで使うので自動絞りは関係ないが、一応レンズ背面マウント側のレバーをカチャカチャやってみる。ちゃんと絞りが動いている。全く問題なさそうだ。フィルム一眼レフカメラに付けようと考えている人は購入前にここを確認したほうがいい。自動絞りが動かないと露出が合わない。
最後にピント調節のヘリコイドをくるくる回してみる。これも問題無い。古いレンズはグリスが固まっているか抜けているかでヘリコイドの動きがダメになっている場合がある。このポイントも購入前に確認したほうが良いだろう。ここが硬い個体はいずれ固まって動かなくなる。
そしてマウントアダプター。
ちゃんとレンズ側・アダプター側の印を合わせてゆっくりと回し止める。ここは意外に重要なポイントで、回すときに違和感を感じたらすぐに止めてそれ以上回してはいけない。無理に回すと二度と外れなくなる。とにかくゆっくりと確かめながら回して確実に固定されていることを確認する。ちゃんとハマっていなくて撮影中に外れると、これもまた大惨事になる。
今回は何の問題もない。よし付いた。かっこいい!
レンズとボディの間にマウントアダプターが挟まっているので元々長いNIKKOR-P 105mm F2.5が妙に余計に長く見えるがそれも仕方ない。本来ならばミラーボックスがあってカメラのレンズマウントからセンサー面までの距離が長いはずの所をマウントアダプターで補っているのだ。そしてこのミラーレスカメラのフランジバックの短さこそが「オールドレンズ→ミラーレスカメラ」遊びを可能にしているのだ。
カメラのメインスイッチをオンにしてみると背面液晶に絵が現れる。パッと見はちゃんとしている。コントラストも十分にある。しかも今回は中望遠の単焦点レンズ、ディストーションも少なく室内の適当な直線物を無造作に切り取っても絵が安定している。同じ事をズームレンズでやると望遠側なら糸巻き型の収差、広角側なら樽型の収差が出て、がっかりしているはずなのである。こういう所もオールドレンズ単焦点の魅力なのかもしれない。
マウントアダプターで初めてのピント合わせ
さて、テスト撮影という時に最初の疑問が浮かぶ。
「ん? これどうやってピント合わせするの?」
いやいや、ピントはピントリング(ヘリコイド)回せばいいのだが、この俺の腐りかけた老眼では合ってるどうか確認ができん。聞いた話によれば「MFアシスト」なる機能が備わっているらしいが、それは電気接点が繋がっているレンズだけの話でオールドレンズには関係ない筈だ。
仕方ない、ググる。
おおーそうか、カスタムボタン「C1」に「ピント拡大」を割り当てて、ピント合わせのときに「C1」ボタンを押せば拡大と、これめっちゃ便利じゃん。よしよし、「ピーキング」オンにしておいてざっくりとピントを合わせ、それ以上の精密なピント合わせは「C1」ボタンで拡大して合わせると…..、しばらくはこの方法でやってみるか。因みに「ピーキング」とはファインダー内においてピントが合った部分に着色してわかりやすくする機能だ。勿論、撮影結果には影響がない。
手元に転がってるSDカードをカードスロットに差し、記録形式をRAWに設定、露出モードはマニュアル、ISO感度はオートに、これでやっと出かけられる。
今回、はじめてのカメラであるSONY α7に行った設定の画面キャプチャを参考までに貼り付けておく。
上記の通り「MFアシスト」は関係ないので「切」に設定。
ピーキングを最大にして、色は赤に…
ここを「許可」にしておかないとオールドレンズは使えない。
そして、ここが肝心の「ピント拡大」設定。
まずは「カスタムキー設定」から入って…
「カスタムボタン 1 」に「ピント拡大」を割り当てる。
NIKKOR-P 105mm F2.5で撮影してみた
スタジオを出て最初の一枚はギリギリ残ってる紫陽花の花だった。折角の単焦点レンズなので取り敢えず開放絞りで撮ってみるが、やはりピント合わせが難しい。まずは全体表示のまま何となくピントを合わせて、そこからピント拡大機能で大きく映し精密に合わせる。何枚か撮ってみて一番良かったのがこれ。
RAWファイルから現像しているが露出量以外はほとんどいじっていない。ピントの合った所はまずまずのシャープさで感心する。これなら普通に仕事で使っても良さそうだ。ボケの具合も悪くない。もっとワチャワチャして嫌な感じになるかと思いきやこれも十分な性能だろう。しかし、この写真では背景に光源が無いのでみんな大好き玉ボケの具合はわからない。
もう少し足を進めると公園の入り口に差し掛かり、ここでも一枚撮った。
カメラから20m弱の距離だろう。まあ、こういう風景を開放で撮影することは無いはずなので、意地の悪い見方ではあるが像の周辺がちょっとぼんやりしている。しかしこの点についても現代のレンズと比べて特段悪いというわけでもなく普通に使える。
その同じ場所から今度は絞りをF4.0に絞って別の方向を撮影。
おお、これは綺麗だ。オールドレンズを使っている感じがしない。実にまともだ。マニュアルフォーカスだということ以外に現代のレンズと違いは無い。カメラとの相性もあるかもしれないが色乗りもいい。
うーん困った。もうちょっと癖がないと記事が面白くならない。ヤバイ。
慌ててもう一枚撮った。
これは名前を知らない別の花。慎重にピントを合わせて撮影してみると、やったー!まあまあな口径食が出てる。右下の玉ボケがレモン型になってるぞ。右上の葉っぱのボケもワチャワチャしてる。こういうのを待ってたんだよ。いい感じにオールド感を醸し出してる。よしよし。
それにしてもこのレンズ、最短撮影距離がメモリで1.2m。ヘリコイドがもう少し回るから1mぐらいかな?もう少し寄れるといいんだけど。
気分がいいのでお次は足元に向けて一枚。
これはどうにもフワフワした感じになった。白い花のハイライトの周辺がいち早く滲んで全体に白っぽい印象になるな。これもこのレンズの特徴かもしれん。というよりはこの時代のニッコールレンズのコーティングの特徴か。そもそも白黒用のレンズだからな。しかし、このへんはオールドレンズっぽい。
お次は花壇の花。
画面中央ちょい右の黄色い花にピントを合わせた。撮影距離は約2.5m。その後ろの赤い花はピント面より30cmほど後ろ。手前のボケも後ろのボケもそれなりに綺麗だ。察するにこのレンズ、こういった中距離撮影をターゲットに設計されているのだろう。そして焦点距離105mmで中距離といえばポートレイトなんかにもぴったりな筈で、モデル撮影でも威力を発揮するだろう。こういう設計者の意図がはっきりしたレンズは万能では無いものの特性を理解して使えば十八番レンズになってくれるはずだ。
というわけで、次は遠距離。
奥の遊具までは20mほど。手前の植え込みのボケもなんだか2線ボケっぽいし、奥の遊具の描写も粗っぽくて好きになれない。よく見ると遊具の鎖など細い線にパープルフリンジが大量に出てシャープネスを阻害しているのと、ハイライトの滲みが煙の様に見えているのとで残念な描写になっている。それもこれも絞り開放というシゴキに近い使い方が原因なので、そっと一段絞れば(F4.0)解決するだろう。
拡大したのがこれ、
現像ソフトでフリンジを除去したのがこれ
そこで思いついたのが絞りによるピント面描写の変化。
F2.5
F4.0
F5.6
これらの写真はF2.5・F4.0・F5.6の順に並んでいる。しかもわかりやすいように画面の一部を切り出している。見てもらうとわかるように絞り開放時 F2.5のパープルフリンジがかなりのものだ。蛇口のハイライト部周辺に紫のフリンジがはっきりと出ていて、その後のf 4.0 f 5.6と比べると全体の印象が違って見える。これも好みによるが俺としてはちょっと「うーーん」だな。
気を取り直して逆光耐性。お決まりの木漏れ日・光源入れ写真。
これは見事。もっと画面が白くなってコントラストも低下して、これぞオールドレンズと言える写真になるはずだったのに、意外にちゃんとしている。全く問題ない。なんなら今どきのレンズでも、もっと酷いのがある程だ。レンズ内の反射を極力抑えて逆光時でもコントラストが低下しない丁寧な作りになってるのだな。流石はニコン。これなら逆光でポートレイト撮ってもちゃんと写るだろう。
そして最後に開放で自転車。
先程の遊具と同じ様に荷台のハイライト周辺に紫の縁が出ているが、この写真では浅い被写界深度で浮き出た自転車の雰囲気にまぎれて気にならない。それどころか、このレンズが作られた時代に撮られた写真の様でもあって、まれにこんな幸運に出会う瞬間がオールドレンズの楽しみなのかもしれないな。
NIKKOR-P 105mm F2.5 総評
本文中で何度も述べたように、このNIKKOR-P 105mm F2.5は実によく写るちゃんとしたレンズなので、2本目に買う単焦点レンズの候補になりえる。(1本目の単焦点は標準系ということにして)重量がそこそこあるので女性が普段持ち歩くにはキツイかもしれないが、この写りと手軽な価格は見逃せない。
つまり、俺も欲しい。
【次回の記事はこちら】
[闇鍋オールドレンズレビュー] 第2回 Micro-Nikkor P.C Auto 55mm F3.5 マクロレンズで花を撮る
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