カメラのメンテナンス・清掃方法まとめ 快適に末永くカメラを使うためのTips集
フィルムカメラからデジタルカメラまで、カメラやレンズのメンテナンス・清掃には、いったいどんなことを行えばよいのでしょうか?
具体的な方法や道具。
そして、状態をよく保つための保管方法まで徹底解説します。
目次
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カメラ・レンズのメンテナンス・清掃方法
カメラやレンズを良い状態に保って長く使うためには、日頃のメンテナンスや清掃が重要です。
手入れをしながら大切に使うことで、故障の可能性を大きく減らすことができるでしょう。
それでは、具体的にはどんなメンテナンス・清掃を行えばよいのでしょうか。
方法を見ていきましょう。
デジタルカメラのメンテナンス・清掃
まずはデジタルカメラの例として、筆者が所有しているSONY α7(初代)と標準ズームレンズをメンテナンス・清掃していきます。
大切に使っているつもりではあるのですが、やはり各部に汚れが付着しています。
それでは、実際の手入れを見ていきます。
1.全体のホコリを払う
見ての通り、ダイヤルの脇など入り組んだ部分にチリやホコリが溜まっています。
まずは、ブラシを使っておおざっぱにチリやホコリを払い落とします。
また、ブロワーも併用してホコリを吹き飛ばします。
2.落ちきらなかったホコリを拭き取る
ブラシやブロワーだけで落ちればよいのですが、しばらくメンテナンス・清掃をしていないと、入り組んだ部分はチリやホコリが残ります。
手の脂なども付着してしまいます。
そこで、綿棒やクリーニングペーパーを用いて、ホコリを拭き取ります。
基本的には乾拭きです。
落ちきらないところは、綿棒の先端に無水エタノールなどのクリーニング用の薬品をつけて拭き取ります。
このとき、水分を含んだ洗剤や水は、故障の原因になるので使わないようにしましょう。
3.ファインダーの清掃
ファインダーの接眼部を清掃します。
ファインダーを覗き込む部分にも、このようにかなりの汚れが付着しています。
汚れが付着しすぎるとアイピース部分のセンサーの効きが悪くなり、EVFと液晶画面の自動切り替えの反応が悪化するなどのトラブルを招きます。
できるだけきれいな状態に保ちましょう。
アイピースを外す
清掃のためにアイピースを外します。
アイピースは上にスライドさせると外れます。
ファインダーを拭く
ファインダーを拭きます。
ファインダーの覗き込む部分にも小さなレンズが使われているので、撮影用レンズ同様に、シルボン紙などのキズがつきにくい道具で拭くようにしましょう。
今回は、シルボン紙に無水エタノールを付けて清掃していきます。
拭くときは、くるくると円を描くようにして拭くようにしましょう。
アイピースの汚れを落とす
外したアイピースもチリやホコリを落とします。
アイピースを戻す
メンテナンスが終わったらアイピースを元に戻します。
このとき、ファインダー脇の視度調整ダイヤルの設定がずれていることがあるので、ファインダーを覗いて、見やすいように再調整しておくとよいでしょう。
4.液晶画面の清掃
液晶画面の汚れもメンテナンスします。
基本的には、ペーパーで軽く乾拭きします。
SONY α7(初代)の液晶コーティングについて
なお、初代SONY α7の液晶はコーティングが剥がれやすいことで有名です。
筆者のα7も、多分に漏れずコーティング剥がれが発生しています。
無水エタノールを使うとコーティングがさらに剥がれてしまいやすいといわれているため、薬品を使う際には注意しましょう。
5.レンズのメンテナンス・清掃
装着されているレンズもメンテナンスします。
ご覧の通り、いつの間にかレンズの光学系(保護フィルター)表面に汚れやチリ・ホコリが付着しています。
チリ・ホコリを払う
まずはブロワーでチリ・ホコリを吹き飛ばします。
表面を拭く
レンズ表面(今回は保護フィルターのガラス面)を拭きます。
拭くときは、シルボン紙を割り箸の先に巻き付けて、薬品を染み込ませて使います。
今回は無水エタノールを使用しています。
清掃する際には、直線的にではなく、くるくると円を描くようにして拭くようにします。
本来はレンズはあまり拭かないほうがよいもの。
ですが、筆者は基本的にレンズには保護フィルターを付けているため、普段からカジュアルに拭いてしまっています。
保護フィルターは、ぶつけたりした場合の保護になるだけでなく、レンズの最前部を直接拭くことがなくなるので、メンテナンス・清掃時に誤ってキズをつけてしまう、などのトラブルの防止にも繋がります。
当然ながら、保護フィルターを付けていない場合には、ガラス面にキズをつけないように、いっそうの注意が必要です。
6.レンズマウント内の清掃
デジタルカメラで撮影して、写真にホコリが写り込んでいるとき。
一眼レフカメラ(デジタル・フィルムともに)でファインダーにホコリが見える場合。
そんなときは、レンズマウント内のチリ・ホコリもブロワーで飛ばしましょう。
ブロワーでチリ・ホコリを飛ばす
付着していたチリ・ホコリが外に落ちるように、マウントを下に向けてブロワーで吹き飛ばします。
このとき、ブロワーの先端がイメージセンサーやシャッター幕に接触しないように気をつけましょう。
一眼レフカメラの場合
一眼レフカメラの場合には、内部のミラーや、ミラーの上にあるファインダースクリーンに付着したチリ・ホコリを同様に吹き飛ばします。
この作業は、デジタル一眼レフカメラでも、フィルム一眼レフカメラでも同様です。
(参考画像はフィルム一眼レフカメラです)
イメージセンサーの清掃
デジタルカメラのイメージセンサーに付着したホコリが取れない場合、イメージセンサーのクリーニングを行う必要があります。
DIY用の清掃用品もあり、無水エタノールなどで拭いたという体験談も散見されますが、基本的には、まずはメーカーのサービスセンターにメンテナンスを依頼することをおすすめします。
7.メンテナンス・清掃完了
ひととおりのメンテナンス・清掃が完了しました。
これで、これからも快適にカメラ・レンズを使っていくことができるでしょう。
定期的に製造メーカーでの動作チェックを行うのがおすすめ
デジタルカメラについては、メーカーのサポートが行われている限り、サポートセンター等での動作チェックを行ってもらうとよいでしょう。
定期的にチェックしてもらうことで、気が付かなかった微細な故障に気がつき、致命的なトラブルを防ぐことが可能です。
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フィルムカメラのメンテナンス・清掃
フィルムカメラのメンテナンス・清掃も、基本的にはデジタルカメラと同様です。
フィルムカメラが構造上、デジタルカメラと大きく異なる点があるとすれば、フィルムを入れ替えるために裏蓋が開く、ということでしょう。
フィルム室内部の清掃
強いていえば、フィルムカメラの場合、フィルム室内部も清掃しておくとよいでしょう。
ただし。
(とくに一眼レフカメラやレンジファインダーカメラでは)シャッターの部品がむき出しになっているため、誤って触ってしまったりすると故障の原因になります。
シャッターの部品:シャッター幕に触れないよう注意
自信がない場合には、あえて行わなくてもよいといえます。
不安な場合にはカメラ店や修理店など、専門家に相談しましょう。
フィルム室内部のホコリを清掃する
それでも清掃を行う場合には、ブロワーを使ってホコリを飛ばします。
このとき、シャッター幕には絶対に触らないようにしましょう。
クラシックカメラを中古で買ったときには、フィルム室内部にフィルムの切れ端などが引っかかっていることもあります。
故障の原因となるので、取り除いておくようにしましょう。
フィルムカメラは定期的にオーバーホール
古いフィルムカメラ、とくに「機械式」と呼ばれる機種については、オーバーホールを行うことで良い状態を保つことが可能です。
専門の修理業者でメンテナンスを行ってもらうことができるので、もし手元にあるフィルムカメラの調子が悪い場合には、問い合わせてみるとよいでしょう。
カメラの修理については、こちらの記事で解説しています。
[filmbanner]
カメラ・レンズのメンテナンス・清掃に使用する道具
メンテナンス・清掃に使用する道具について簡単に解説します。
1.ブロワー
空気の力でチリやホコリを吹き飛ばす道具です。
手のひらで握って使います。
ブロワーを使用するときは、先端がレンズのガラスに接触しないように気をつけましょう。
キズがつくことはありませんが、レンズの光学ガラスに跡がついてしまいます。
ガラスについた汚れ跡を取るのはなかなか面倒です。
2.クリーニングクロス
清掃に使用する布です。
基本的にはメガネ拭きと同様の素材でできています。
カメラボディ表面の汚れを拭き取るなどの用途に使用します。
レンズの光学系を拭くこともできなくはないのですが、使い回すとレンズ表面に汚れがついたりするおそれがあるため、可能な限り、次に紹介するクリーニングペーパーを使用するのが無難です。
ボディやレンズの外装(ガラス以外の部分)のメンテナンスにつかったクリーニングクロスは、レンズのガラス部分には使わないようにしましょう。
3.クリーニングペーパー
清掃に使用する、使い捨ての紙です。
- Nikon シルボン紙
- 小津産業 ダスパー
- FUJIFILM クリーニングペーパー
- HAKUBA クリーニングペーパー
などが存在します。
おすすめは、Nikon(ニコン)の「シルボン紙」と小津産業の「ダスパー」(両者はブランドが違うだけで同じ製品です)。
パッケージは多少かさばりますが、レンズにキズがつく心配がない高性能。
自宅での清掃にはこれ以上にメンテナンスに役立つ紙はありません。
いっぽう、FUJIFILM(富士フイルム)やHAKUBA(ハクバ)などが販売しているクリーニングペーパーは、持ち運びやすいコンパクトなパッケージが利点。
出先での清掃用にカメラバッグに忍ばせておくとよいでしょう。
4.薬品(クリーニング液など)
レンズの汚れを取るための薬品です。
各社から「レンズクリーナー」「レンズクリーニングリキッド」などの製品名で販売されています。
また、薬局・ドラッグストアで販売されている「無水エタノール」もレンズの清掃に使用可能です。
ただし、レンズ清掃に無水エタノールを使用することの是非には諸説あります。
筆者はプライベートでは無水エタノールも使用してしまっていますが、レンズのコーティングを痛めるという意見も。
普段の清掃・メンテナンスでは、カメラ関係のメーカーが販売しているクリーニング液を使用するのが無難かもしれません。
5.清掃ブラシ
カメラ・レンズの表面のホコリを取るためのブラシです。
専用品である必要はなく、キズがつかなければどんなブラシでもOK。
化粧用のブラシを流用するのもよいかもしれません。
6.綿棒
清掃に使う綿棒です。
ドラッグストアや100円ショップで売っている普通の綿棒と、カメラ店で売っている専用品の綿棒があります。
カメラ・レンズの外装の清掃には、普通の綿棒で十分です。
いっぽう、レンズやファインダーなどの光学系(ガラス部分)の清掃には、カメラ用品店で売っている専用品を使うようにしましょう。
普通の綿棒ではキズをつける可能性があります。
[filmbanner]
カメラ・レンズを保管するときの注意点
日頃のメンテナンス・清掃だけでなく、カメラやレンズをしばらく使わない場合には保管にも注意が必要です。
カメラやレンズは精密機械。
ちょっとしたトラブルでも、撮影した写真に大きな影響が出てしまうことも。
適切に保管して、よい状態を保つように心がけるのがおすすめです。
1.保管する前に清掃する
カメラやレンズを長期間使わない場合には、保管する前に外観を清掃しておきましょう。
カメラやレンズに付着したチリやホコリは、ただ付着しているだけでもコンディションの悪化を招きます。
とくに、雨天時に撮影した後や、砂埃が舞うような環境で撮影した後には、湿気や砂が付着したまま仕舞い込まないように気をつけるとよいでしょう。
2.防湿庫・防湿ボックスを使用する
カメラやレンズにとって湿気は最大の敵。
長期間保管するときには、湿度を低く保ってくれる防湿庫や防湿ボックスを使用するようにしましょう。
防湿庫は値段が高め(数万円〜)のため、まずは防湿ボックス(1,000円台〜購入可能)から始めるとよいかと思います。
もし防湿庫・防湿ボックスがない場合でも、直射日光の当たらない、風通しのよい場所で保管するだけで、レンズのカビなどのトラブルをぐっと減らすことができます。
押し入れやカメラバッグなど、湿気が溜まりやすい場所で保管するのは論外です。
3.ストラップ・カメラケースは外す
とくに夏場など、カメラのストラップは汗を大量に吸っています。
長期間保管する場合には、カメラからストラップを外してから防湿庫や防湿ボックスに収納するようにするとよいでしょう。
カメラケースについても同様。
長期間の収納時、布や革でつくられたものとは別の場所で保管するのがおすすめです。
カメラ・レンズをメンテナンスして末永く使いましょう
カメラやレンズは、メンテナンスや清掃を行うことで、より快適に、より長く使うことが可能です。
単なるチリやホコリ、と思うかもしれませんが、塵も積もれば山となるように、内部に入り込んだ微小なチリが、動作不良の原因となるかもしれないのです。
とくに、アウトドアや運動会など、過酷なシーンで使ったあとには、必ず清掃を行うようにしましょう。
ぜひ、あなたのカメラ・レンズを大切に使ってあげてくださいね!
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