Mamiya(マミヤ)のフィルムカメラ代表機種まとめ 中判の雄の魅力とは?
日本のカメラメーカー、Mamiya(マミヤ)。
フィルムカメラのなかでも「中判カメラ」で名を馳せたメーカーで、2019年現在でもプロ向け中判デジタルカメラのPhase One(フェーズワン)にカメラ技術が受け継がれています。
他のカメラメーカーに例のない独特の機構を持ったフィルムカメラで知られるMamiya(マミヤ)。
いったいどんなフィルムカメラがあるのでしょうか?
代表機種を紹介します!
目次
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
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どこでも持ち歩ける相棒です。
Mamiyaのフィルムカメラ代表機種 中判一眼レフカメラ
まず最初に紹介するのは、中判のフィルム一眼レフカメラ。
プロがスタジオで愛用したRB67シリーズ・RZ67シリーズ。
そして、アウトドアでの高画質撮影に活躍したM645シリーズ。
いまではリーズナブルな値段で中古で楽しめるMamiya(マミヤ)の中判一眼レフを解説します。
1.Mamiya RB67 Proシリーズ
Mamiya(マミヤ)RB67シリーズは、プロカメラマンが広告写真や商品写真など、スタジオ撮影で愛用したフィルムカメラ。
特徴は機械式のレンズシャッター(レンズに内蔵されたシャッター)を採用していること。
同様にスタジオで愛用された機種、Hasselblad(ハッセルブラッド)のような華こそありませんが、質実剛健なボディは負けず劣らずの信頼性と高機能を備えています。
中古の値段も安めなので、中判カメラ入門の選択肢としてもおすすめです。
Mamiya RB67Pro(1970年)
初代機種。
フィルムの縦横切り替えが簡単に可能なレボルビングバック(”RB”という名前の由来)、交換式フィルムバック、ラックアンドピニオンを用いたマクロ撮影機能など、基本的なコンセプトはこの時点で完成しています。
Mamiya RB67Pro S(1974年)
初代RB67の改良機種。
多重露光防止のための機構が追加。
製造期間が長く、中古カメラ店でも多く見かけます。
Mamiya RB67Pro SD(1990年)
さらに改良された最終機種。
レンズマウントの形状はそのままに、マウント部の内径を54mm→61mmに拡大。
より高性能なレンズの設計が可能となりました。
※ただし、専用の「Lレンズ」は初代RB67ProとRB67Pro Sには装着できないので注意が必要です。
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Mamiya RB67Proシリーズについてはこちらの記事で解説しています。
2.Mamiya RZ67 Proシリーズ
Mamiya(マミヤ)RZ67 Proシリーズは、RB67Proシリーズのコンセプトはそのままに、カメラの電子化を進め高機能となった中判一眼レフカメラ。
RB67Proシリーズ同様、バックはレボルビング式(RB67Proとの互換性はなし)、ラックアンドピニオンのマクロ撮影機構も備わっています。
AEプリズムファインダーを付けることで絞り優先AEも使えます。
1980年代風のプラスチック製外装が、今となっては逆にレトロで魅力的です。
Mamiya RZ67 Pro(1982年)
初代機種。
基本的な機能はこの時点で搭載されています。
Mamiya RZ67 ProII(1993年)
小改良が行われました。
シャッター速度が中間シャッター使用可能に、各部表示の追加など。
Mamiya RZ67 ProIID(2004年)
デジタルバック(Mamiya ZD Back)が使用可能となりました。
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Mamiya RZ67 Proシリーズについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
[mamiyab]
3.Mamiya M645シリーズ
中判カメラではもっとも画面サイズの小さい、645判(セミ判)を採用した一眼レフカメラです。
中判のフィルム一眼レフカメラのなかでは非常に小型軽量な部類。
シャッターは電子式です。
中判のフィルムカメラとしてはこちらも値段がリーズナブル、かつRB67Pro・RZ67Proに比べて取り回しが非常によいので、初心者の方にもおすすめです。
Mamiya M645シリーズ(1975年〜)
1975年に登場した、初代Mamiya(マミヤ)M645からはじまるシリーズです。
Hasselblad(ハッセルブラッド)のような縦型のボディラインがとてもスタイリッシュ。
ウエストレベルファインダーを取り付けると、重量も中判一眼レフカメラとしてもっとも軽量な部類となります。
フィルムバックは固定式です。
Mamiya M645 Super・645Proシリーズ(1985年〜)
Mamiya645シリーズをリニューアルしたもの。
外装デザインがプラスチックを用いたモダンなものとなり、フィルムバックが交換式となりました。
Mamiya 645AFシリーズ(1999年〜)
ピント合わせがオートフォーカスとなりました。
(ただしAFレンズはそれ以前の機種では使用不可)
2001年のMamiya 645AFDからデジタルバックの取り付けに対応し、その血筋はPhase Oneブランドの中判デジタル一眼レフカメラに受け継がれています。
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Mamiya M645シリーズについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
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Mamiyaのフィルムカメラ代表機種 中判レンジファインダーカメラ
Mamiya(マミヤ)というカメラメーカーの歴史は、中判レンジファインダーカメラ(スプリングカメラ)のMamiya 6(旧マミヤ6)に始まりました。
その歴史を受け継いで1980〜1990年代に登場したNew Mamiya 6とMamiya 7は、アート写真家が愛用する名機として、中古では高値で取引されています。
アート写真を撮るならMamiaya(マミヤ)の中判レンジファインダーカメラ。
本気の写真にぴったりのフィルムカメラなのです。
4.旧Mamiya 6(1940年〜)
旧Mamiya 6(マミヤシックス)は、マミヤの創業者、間宮精一(まみや せいいち、1899〜1989)が発明した中判フィルムカメラ。
Mamiya(マミヤ)の歴史はここに始まりました。
蛇腹を使って折りたたむことができる「スプリングカメラ」という種類のフィルムカメラですが、独特の構造で知られています。
それが「バックフォーカス」機構。
これは、カメラ内部のフィルムを前後に動かすことでピントを合わせるというもの。
蛇腹を使ったスプリングカメラには、構造上、カメラ前部のレンズと後部のファインダーとを連動させることが難しく、連動距離計(レンジファインダー)を内蔵することが難しいという問題がありました。
そこで旧マミヤシックスでは、ピント合わせをカメラボディ後部で行うことで、レンズ部分との複雑な連動を不要とし、連動距離計の内蔵を実現したのです。
旧マミヤシックスは日本製スプリングカメラの代表機種として知られ、数え切れないほどの改良が繰り返されました。
1950年代後半まで新機種が送り出されています。
中古カメラ店で見つけるのは容易ですが、経年による故障があるものも多いので、保証付きかつ状態の良いものを選ぶのがおすすめです。
5.New Mamiya 6(1989年)
New Mamiya 6(ニューマミヤシックス)は、名機旧マミヤシックスの名前を受け継いで、完全新規開発された中判レンジファインダーカメラ。
正方形画面の6×6判を採用したフィルムカメラとしては決定版ともいえる内容の機種です。
見た目は旧マミヤシックスとまったく異なりますが、プラスチックのカバーの中には蛇腹が内蔵されており、小さく収納可能。
そしてレンズ交換も可能となりました。
露出計や絞り優先AEも内蔵されており、レンジファインダーカメラならではの機動性を活かして、高画質の質感・量感あふれるスナップ写真を生み出すことができますよ。
中判カメラのなかでも最人気機種のひとつ。
中古の値段は少々高めですが、プロカメラマン・写真家からの評価も非常に高い名機です。
1993年、Mamiya 6 MFとしてマイナーチェンジが行われています。
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New Mamiya 6について詳しくはこちらの記事で紹介しています。
6.Mamiya 7シリーズ
Mamiya 7(マミヤ7)は、New Mamiya 6の流れを受け継いで、画面サイズを6×7判とした中判レンジファインダーカメラ。
New Mamiya 6と並び、こちらも中判フィルムカメラとしては最人気機種のひとつです。
6×7判の中判レンジファインダーカメラには、PLAUBEL MAKINAやFUJIFILM GF670などライバル機種が存在しますが、その完成度からMamiya 7は中古でも高値で取引されています。
本気の写真を生み出すのに最適な機種です。
Mamiya 7(1995年)
最初に発売されたMamiya 7(マミヤ7)です。
Mamiya 7II(1999年)
マイナーチェンジ機種。
距離計が見やすくなり、多重露光や露出補正が行いやすくなりました。
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Mamiya 7シリーズについて詳しくはこちらの記事で紹介しています。
[mamiyab]
Mamiyaのフィルムカメラ代表機種 二眼レフカメラ
中判フィルムカメラのなかでも一大ジャンルを築いている、レンズが縦に2つ並んだ「二眼レフカメラ」。
戦後すぐから1950年代の二眼レフカメラ大ブームにかけて、Mamiya(マミヤ)もMamiyaflexを送り出しました。
しかしそれよりも、Mamiya(マミヤ)の二眼レフカメラで特筆すべきは、その後に発売されたCシリーズ。
「レンズ交換可能な実用二眼レフカメラ」という唯一無二の特徴は、どんな撮影シーンにも対応するためのシステム性を実現しました。
7.Mamiya Cシリーズ
レンズ交換可能な二眼レフカメラ。
それがMamiya(マミヤ)Cシリーズです。
レンズ交換機構は、2つのレンズ(撮影用のレンズとファインダー用のレンズ)を一緒に交換するというもの。
固定には強靭なワイヤーが使用されており、脱落の心配はありません。
ラックアンドピニオンによる接写機構も内蔵。
その完成度は非常に高く、日本メーカーの二眼レフカメラとしては最後となる、1983年のMamiya C330 Pro Sまで新機種が送り出されています。
女性写真家のダイアン・アーバスが愛用したことでも有名です。
Mamiya C330(1969〜)
Mamiya Cシリーズの初代機種は1956年発売ですが、これから中古で手に入れるなら、最終期のモデル、C330かC220がおすすめです。
Mamiya C330は高機能な上位機種。
巻き上げるとシャッターがチャージされるセルフコッキングを搭載。
まさに日本製二眼レフの最終形態といえるでしょう。
Mamiya C220(1968〜)
Mamiya C330から機能が省かれた機種。
シャッターはセルフコッキングではなくチャージが必要ですが、その分小さく、軽くなっています。
ローライフレックスに対するローライコードのようなフィルムカメラといえるでしょう。
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Mamiya Cシリーズについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
Mamiyaのフィルムカメラ代表機種 プレスカメラ
Mamiyaの中判カメラ、マミヤプレスは、プレスカメラというジャンルの機種。
もともとは新聞記者など報道関係の需要向けのジャンルでしたが、簡便な機構かつ多機能なことから、愛好家にも幅広い用途で愛用されました。
8.Mamiya Pressシリーズ(1960年〜)
高度にシステム化された、シンプルな構造のフィルムカメラです。
最大の魅力は、中判カメラではもっとも大きい6×9判の大画面。
6×9判のカメラには1950年代以前の古いものが多いのですが、マミヤプレスはそのなかでは比較的モダンな設計で、高性能なレンズで大画面を味わうことができますよ。
構造的には、非常にプリミティブな「暗箱」というべきもの。
シャッターと巻き上げは連動しておらず、レンズやフィルムバックを多種多様に交換可能です。
またカメラ後部にはアオリ機能も内蔵されています(一部機種除く)。
使いこなすのは難しいですが、知識のある方なら無限のポテンシャルを引き出すことができる機種です。
Mamiya Press(マミヤプレス)は1966年を境に前期の機種と後期の機種に別れており、各種アクセサリーには互換性がありますが、後期の機種のほうが使いやすくおすすめです。
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マミヤプレスについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
Mamiyaの中判カメラ おすすめ用品
Mamiyaの中判一眼レフや二眼レフ、旧/New Mamiya 6やMamiya 7で撮影するならこちらのフィルムや用品がおすすめです。
120フィルム
中判カメラで使う120フィルムは、以下のものがおすすめです。露出計
露出計のないフィルムカメラの使用にあたっては、アクセサリーシューに取り付けられる露出計を使用するのがおすすめです。 中国製の小型クリップオン露出計としては以下のものが。Mamiyaの35mmフィルムカメラ
Mamiya(マミヤ)というと中判カメラが有名ですが、かつては35mmフィルムカメラも製造していました。
1984年に一度倒産した際に35mmフィルムカメラから撤退したことが、マミヤの35mmフィルムカメラがどこかマイナーなものとなってしまった要因かもしれません。
Mamiyaの35mm一眼レフカメラ
Mamiya(マミヤ)は35mmフィルム一眼レフカメラも作っていました。
とくに有名なのが1961年のマミヤプリズマットNP。
この機種が有名なのは、Nikon(ニコン)初の廉価一眼レフカメラ、ニコレックスFのOEM元となったことです。
Mamiya(マミヤ)の35mmフィルム一眼レフカメラは、レンズマウントを度々変更していたことでも有名。
エキザクタマウント→独自マウント→M42マウント→独自ESマウント→独自CSマウント→独自のミラクルマウント、とあまりにも節操がなく、迷走ともとれる歴史は愛好家の間で語り草になっています。
最後のマウント「ミラクルマウント」は他社に先駆けて多数の電子接点を採用した意欲的な設計でしたが、その機能が全て活かされることはありませんでした。
↑ミラクルマウントを採用した機種のひとつ、マミヤZM
↑マミヤ ミラクルマウント
Mamiya(マミヤ)の交換レンズにはM42マウントのものもあるので、マウントアダプターを使ってオールドレンズを楽しむのもおすすめできます。
Mamiya Sketch(マミヤスケッチ)
1959年発売。
希少品として有名なフィルムカメラです。
画面は24 x 24cmの正方形。
中古の数はとても少なく、コレクターズアイテムになっています。
Mamiya U
1981年発売のプラスチック製コンパクトカメラ。
当時のコンパクトカメラとしては標準的な機能の製品ですが、四角いボディにレンズ周りを正円で囲んだ端正なデザインで中古人気の高い機種です。
1980年前後のMamiya(マミヤ)のプラスチック外装のカメラは質感が良好で、樹脂製にもかかわらずモノとしての深い魅力を感じることができますよ。
埼玉の地場メーカー、マミヤ
最後に1つ、Mamiya(マミヤ)についての豆知識を。
Mamiya(マミヤ)は、埼玉県与野市(現在のさいたま市中央区)に工場があり、埼玉の地場メーカーとしても知られていました。
現在では跡地は売却されてしまいましたが、埼玉県出身の方は、もしかするとご実家にMamiyaのフィルムカメラがあるかもしれませんよ。
こちらの元Mamiya社員の方のWebサイトに、在りし日の工場の写真がUPされています。
埼玉県の地場メーカーとしては、他にタムロン(さいたま市大宮区)、ペトリ(杉戸町)があります。
Mamiyaのカメラで中判を楽しんでみませんか?
一眼レフ、二眼レフ、レンジファインダー。
多種多様な中判フィルムカメラを楽しむことができるMamiya(マミヤ)の製品。
これから中判を中古で始めたいという方にとって、非常におすすめできるメーカーです。
国産の中判ならMamiya。
ぜひあなたも中判ならではの高画質を味わってみませんか?
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更新履歴
2022年6月9日
マミヤZM、マミヤスケッチの画像を追加
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