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MINOLTA(ミノルタ)X-700/ミノルタMF一眼レフの完成形

ミノルタNEW X-700

ミノルタX-700とはいったいどんなカメラなのでしょうか?

現在、とても人気の高い中古一眼レフカメラ。
なかでも、ミノルタのカメラを使いたいときにぜひおすすめしたいのが、ミノルタX-700です。

ミノルタX-700は、ミノルタ製マニュアルフォーカス一眼レフの集大成ともいうべき完成度を誇ったカメラ。
中古価格も手頃で、初心者の方の入門にもおすすめです。

内部が電子化されたカメラながら、使い心地は最高。
ミノルタ自慢の「アキュートマットスクリーン」を採用したファインダーは、同時代のカメラのなかでも随一の見やすく心地よいもの。
機能面でも絞り優先AEとプログラムAEを搭載、もちろんマニュアル撮影時にも露出計が動作するので、どんな場面でも使いやすいカメラに仕上がっていますよ。

AEの使える中古フィルム一眼レフカメラを探しているなら、ミノルタX-700はおすすめできる一台。
今回は、ミノルタX-700の特徴について紹介します。

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ミノルタX-700

まず、ミノルタX-700の特徴・性能・スペックについて見ていきましょう。
なによりもミノルタX-700は、中古市場にあまたあるミノルタ一眼レフのなかでも、完成度のバランスがよいことが特色であるといえます。

ミノルタX-700の特徴・スペック

ミノルタX-700

形式 35mm一眼レフカメラ
シャッター速度 B、1秒〜1/1000秒(マニュアル時)
4秒〜1/1000秒(AE時)
電子式
横走布幕フォーカルプレーンシャッター
露出計 TTL開放中央重点測光
瞬間絞り込み測光
AE 絞り優先AE
プログラムAE
ファインダー 視野率約95%
倍率約0.9倍
レンズマウント ミノルタSRマウント
対応レンズ ミノルタニューMDレンズ・MDロッコールレンズ
ミノルタMCロッコールレンズ(プログラムAEは使用不可)
オートロッコールレンズ(瞬間絞り込み測光により絞り優先AE可)
電池 LR44(Amazon)x2またはSR44(Amazon)x2
発売年 1981年

ミノルタX-700とはどんなカメラか

ミノルタNEW X-700

1981年、ミノルタが送り出したマニュアルフォーカスカメラの完成形。
それがミノルタX-700です。

1970年代中盤から積極的にカメラの電子化を推し進めたミノルタ。
絞り優先のXE、世界初の両優先カメラXD、絞り優先AEに特化することで廉価を実現し宮崎美子のCMでも知られるX-7と、数多くの、現在も中古で人気のあるカメラを送り出してきたミノルタ。
時を経るごとに爛熟していくメカニズムと電子技術は、このX-700でひとまず完成をみることになりました。

内部機構としては、基本的にそれまでのミノルタ製一眼レフの流れを受け継いでおり、シャッターボタンに触れるだけで露出計がONになるタッチセンサースイッチなど、1977年のXG-Eから続く機構となっています。
いっぽうで、それまでのミノルタXシリーズから内部構造を刷新。
フレームのダイカストから作り直し、設計の完成度が大きく向上しています。

完成度の高さからヨーロピアン・カメラ・オブザイヤーを受賞。
さらに、フィルムカメラ最末期の1999年まで製造されたことも、このカメラの完成度の高さを物語っているといえるでしょう。

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プログラムAEが使えるミノルタMF一眼レフ

ミノルタNEW X-700

では、ミノルタX-700にはいったいどんな特徴があるのでしょうか?

まず、露出面での特徴がプログラムAE
1980年代、プログラムAEを搭載したフィルム一眼レフはカメラの花形。
しかしながら実は、ミノルタのマニュアルフォーカス一眼レフでプログラムAEを搭載したカメラは、このX-700が唯一なのです。

ボディに貼られた「MPS」の刻印は、「ミノルタ・プログラム・システム」の略。
ミノルタがプログラムAEにかけた自信のほどが伺えます。

シャッター優先AEこそついていませんが、プログラム、絞り優先、そしてメータードマニュアルと、ひととおり揃った露出モードはどんな撮影シーンでも不足なし。
いまでは中古でしか手に入らないロッコールレンズの性能を、思う存分に引き出してくれますよ。

なお、ミノルタX-700でプログラムAEが使用できるのはMDロッコールレンズかニューMDレンズを装着した場合のみ。
MCロッコールレンズではマニュアルと絞り優先AEしか使用できないので、中古でレンズを購入するときには気をつけたほうがよいといえるでしょう。
逆に考えれば、金属鏡筒で作りがよく、良質なコーティングのMCロッコールレンズが、絞り優先ならば問題なく使えるということは、メリットのひとつであるともいえるかもしれません。

世界最高のファインダー

ミノルタX-700

そして、ミノルタX-700の魅力を形作っている大きな特徴がファインダー
中古・新品を問わず、多くの一眼レフカメラのなかでも、世界トップクラスの見えの良さを誇っています。

ファインダーが高性能な理由。
それは、ミノルタ自慢のアキュートマットスクリーンを採用しているからにほかなりません。

アキュートマットスクリーンとは、ミノルタが独自に開発した、ファインダーの明るさとピントの見えの良さを両立したファインダースクリーンのこと。
一眼レフのファインダーでは、レンズから届いた光を、すりガラス状のスクリーンに投影することで、肉眼で確認できるようにしています。
しかし、単なるすりガラスでは、ファインダーを明るくしようとするとピントの山が見えにくく、逆にピントの山が見えやすいようにするとファインダーが暗くなってしまう、という問題がありました。

そこでミノルタは、ただのマットなすりガラスではなく、円錐状の微小なプリズムを敷き詰めたスクリーンを開発しました。
250万個もの微小な円錐プリズムにより、ピントの山を保ちつつ、効率的に光を集めることを実現。

すみずみまで見やすく、ピントが合わせやすいファインダーを作り出したのです。

アキュートマットスクリーンが初採用されたのは1977年のミノルタXDですが、ミノルタのお家芸として、一眼レフカメラがAF化された後も受け継がれていくことになります。

MINOLTA(ミノルタ)XD/世界初の両優先一眼レフは上質な操作感が持ち味

さらに、今回紹介しているミノルタX-700は、ファインダー倍率も0.9倍。
AFカメラやデジタル一眼レフでは不可能な、広々とした像を楽しむことが可能です。

見やすいスクリーンと広々としたファインダー。
この2つの特徴が、ミノルタX-700のファインダーを名ファインダーたらしめているのです。

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カタログスペックは控えめ

ミノルタX-700

いっぽうで、シャッター速度の最高速は1/1000秒と控えめです。

これは、ミノルタMF一眼レフ伝統の横走り布幕フォーカルプレーンシャッターを採用したことによるもの。
同時代のカメラとしては、1982年のニコンFM2が1/4000秒の超高速シャッターを採用しており、保守的なスペックと感じるかもしれません。

しかし、このことが逆に、ミノルタX-700を安定したカメラたらしめているのではないかと思うのです。
プログラムAEこそ初採用ですが、それもミノルタが絞り優先・シャッター優先のAEで経験を積み重ねてきたからこそ実現できたもの。
キヤノンがA-1でプログラムAEを採用したのは1978年なので、X-700の採用時期は少し遅いくらいです。
またアキュートマットスクリーンも、それまでのミノルタ一眼レフカメラで実績ある技術です。

そう、ミノルタX-700は、ミノルタがそれまでに培ってきた技術を組み合わせ、高い完成度にまとめ上げたことこそが特色だといえるのではないでしょうか。

事実、このX-700以降にミノルタが送り出したマニュアルフォーカスの一眼レフは、このX-700をもとにマイナーチェンジを繰り返したものにすぎません。

X-700の発売から4年後の1985年。
ミノルタは大ヒットしたオートフォーカス一眼レフ、α-7000でカメラの世界を大きく塗り替えることとなります。

ミノルタのカメラの歴史についてはこちらもご覧ください。

ミノルタのフィルムカメラ代表機種まとめ 一眼レフ・レンジファインダーから二眼レフまで

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ミノルタX-700のバリエーション・中古購入時のポイント

では、そんなミノルタX-700を中古で買うときには、どんなところに注意したらよいのでしょうか。
実はミノルタX-700にはいくつかのバリエーションがあり、わずかながら機能面で異なる箇所が存在しています。

ミノルタX-700とニューX-700

ミノルタ X-700(旧)

中古でミノルタX-700を購入するときの一番のポイント。
それが、ミノルタX-700とニューX-700の違いです。

1981年に発売されたX-700は、1982年の暮れに、ニューX-700にリニューアルされました。

両者のもっとも大きな違いが、X-700にはなかったAEロックが、ニューX-700では搭載されたということ。

ミノルタX-700(旧)
旧X-700:レンズ横にAEロック表記がない

ミノルタX-700
ニューX-700:レンズ横にAEL(AEロック)表記がある

いうまでもなく、AEでの撮影時にAEロックは欠かせないもの。
非常に大きな改良点です。

中古市場にあるX-700の総数としては、1982年から1999年までという長い販売期間から、ニューX-700が多くを占めています。
そのためAEロックがないX-700に出会うことはあまりないかもしれませんが、中古購入時には確認したほうがよいでしょう。

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シルバーボディは旧X-700のみ

いっぽうで、リニューアルされる以前のX-700にのみ存在している特徴もあります。

それが、銀色のボディ

マニュアルフォーカスのフィルム一眼レフといえばシルバーのボディだという方も多いのではないでしょうか。

ミノルタX-700は、ニューX-700へのリニューアル時にブラックのみとなってしまたため、シルバーボディは旧X-700でしか味わうことができません
中古市場に流れているX-700・ニューX-700のうち、ほとんどはブラックの個体であるため、シルバーのX-700を使っているだけで、カメラファンから注目されること間違いないでしょう。

中国製と韓国製のX-700

ミノルタX-700には、日本製だけでなく中国・韓国で製造された個体も存在しています。

まず中国製のモデルは、長い製造期間の間に、ミノルタが自ら中国での製造に切り替えたもの。
基本的には国内製のニューX-700と変わりなく、唯一、ボディにMADE IN CHINAの刻印が施されています。

いっぽう、独自性が強いのが韓国製のX-700
こちらは、韓国・サムスン(Samsung)がライセンス生産した機種となります。
外観の違いとして、ボディ正面から見て右側にサムスンのロゴが存在し、ボディ裏蓋のフィルムホルダーにもサムスンの名前が刻まれています。
機能面ではニューX-700そのものですが、一味違うミノルタX-700として、ぜひコレクションしたい一台です。

中古でミノルタX-700を手に入れるなら

では、これらのうち、どのX-700がおすすめできるのでしょうか。

結論からいえば、中古の玉数が多く、状態の良い個体も多い、ニューX-700を選ぶのが良いでしょう。

変わったカメラ、マニアックなカメラが欲しい場合には、シルバーの旧X-700を手に入れるのも良いですが、実用の機種としては、信頼性が高いニューX-700が最適です。

製造期間が長いため、年代が新しい個体を見つけたら、そちらを選ぶのがよいかもしれません。

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廉価に高性能一眼レフを楽しむならX-700

ミノルタNEW X-700

このように、ミノルタX-700は、ミノルタ製マニュアルフォーカス一眼レフの集大成。
非常に完成度の高いカメラです。

カメラファンの方にもぜひ一度は使ってみてほしいカメラですし、フィルムカメラ初心者の方のいち代目としてもおすすめできます。
初心者の方におすすめできる理由のひとつが、中古価格が安いということ。

完成度が非常に高い機種ながら、同時代のライバル機種に比べて中古はとても廉価。
さらに、本機で使えるミノルタニューMDレンズやMDロッコールレンズも、とても安価に中古購入することができますよ。
(絞り優先のみとなりますがMCロッコールは更に安価です)

心地よいファインダーを楽しむならX-700。
手軽にフィルムカメラを始めるならX-700。

そう、X-700はマニアから初心者まで、皆をうならせる一眼レフカメラなのです。

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3.SONY α7C ILCE-7CL
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著者紹介: サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少なくなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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