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FUJIFILM(富士フィルム)NATURA CLASSICA(ナチュラ・クラシカ)/最後のコンパクトカメラ

Natura Classica

FUJIFILM NATURA CLASSICA(ナチュラ・クラシカ)
2006年という、フィルムカメラの新規機種としては最終期にリリースされたコンパクトカメラです。

このカメラには、他のコンパクトカメラとは一線を画した特徴があります。
それが、「ノンフラッシュ撮影」を前提としたこと。

超高感度フィルム「NATURA 1600」の使用を前提としたこのカメラ。
四角い端正なボディに搭載したスーパーEBCフジノンレンズが、どんなシチュエーションでもナチュラルな質感を切り取ります。
その高性能から中古カメラファンにも人気が高いフジノンレンズ。
このカメラでも、高性能と描写力は健在。

21世紀に入ってからのフィルムコンパクトとしてはスマッシュヒットで、いまも中古で人気のNATURA CLASSICA。
中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラのスタッフが、21世紀のフィルムコンパクトカメラの魅力を紹介します!

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NATURA CLASSICA(ナチュラ・クラシカ)の性能・スペック

まず最初に、FUJIFILM NATURA CLASSICAの特徴とスペックについて見てみましょう。

ぜひ中古購入の参考にしてみてくださいね。

NATURA CLASSICA(ナチュラ・クラシカ)の概要

Natura Classica

形式 35mmコンパクトカメラ
レンズ スーパーEBCフジノン 28mm~56mm F2.8~F5.4 5群6枚
フォーカス アクティブオートフォーカス
遠景モード(無限遠固定)あり
シャッター 2秒〜1/360秒
露出 プログラム
フィルム巻き上げ 自動巻き上げ・巻き戻し
オートローディング
ストロボ 内蔵
使用電池 CR2リチウム電池(Amazon)x1個
ボディ色 黒・白の2色

明るいズームレンズを積んだコンパクトカメラ

2001年に登場したNATURA SにはじまるNATURAシリーズ。
2006年に登場したNATURA CLASSICAは、コンセプトをそのままに、さらに便利になったカメラです。

FUJIFILM NATURAシリーズのコンセプト。
それが、それまでのコンパクトカメラでは実現することが難しかった、フラッシュを焚かずに暗い場面で撮影するということです。

スペックはそのことを強く意識したもの。

まず特筆すべきは、ズームレンズながら、広角側が開放F2.8という明るさであることでしょう。

それまでのズームコンパクトでは、どうしても開放側もF3.5以下と暗くなってしまうのが普通。
F2.8のレンズが欲しければ、ズームは諦めるほかなかったのです。

その点NATURA CLASSICAでは、広角側の明るさと、ズームの便利さを両立。
日本製レンズのなかでも最高性能として名高いフジノンレンズと、ヌケの良さや逆光耐性の高さで知られるスーパーEBCコーティングで、悪条件下でも雰囲気ある写真を撮影可能です。

NATURA CLASSICAのズームレンズについて関連記事

NATURA CLASSICAのズームレンズが攻めたスペックであるということについては、こちらの記事でも解説しています。
併せてご覧ください。

クラシックな外装とシボ貼り

Natura Classica

外観もNATURA CLASSICAの魅力を更に高めています。
ボディはプラスチック製ながら、高級感ある仕上げはけっして高級コンパクトに引けをとりません。

そして、中古でしか手に入らない往年の金属カメラを彷彿とさせるシボ革は、見た目とともにホールディングした際の快適性も向上させています。

クラシックな見た目とは裏腹の高性能。
もしかしたら、下手に中古の高級コンパクトを買うよりもコストパフォーマンスがよいかもしれません。

NATURA CLASSICAは見た目と性能を兼ね備えたコンパクトカメラなのです。

Natura Classica

おすすめコンパクトカメラの紹介記事

この記事で紹介しているNATURA CLASSICAのようなフィルムカメラのコンパクトカメラについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひご覧ください。

FUJIFILM NATURA CLASSICAで使えるおすすめ用品

NATURA CLASSICAでは、電池はCR2という種類のリチウム電池を使用します。

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フィルムは35mmフィルムを使用します。

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コンパクトカメラは「表現重視」へ

Natura Classica

ノンフラッシュ撮影をコンセプトに開発されたカメラ、NATURA CLASSICA。
デジタルへの完全移行を目前として、フィルムコンパクトカメラがたどり着いた新境地を体現しています。

なぜ、その境地に至ったのか。
そこには、「暗所での撮影にどう対応するか」というコンパクトカメラの歴史が関係していました。

かつてコンパクトカメラは明るいレンズを積んでいた

1950〜1960年代。
この時代の金属製コンパクトカメラには、現代でも中古で人気のあるものが多いです。

その理由は、搭載された明るいレンズ
1950〜60年代には、廉価なカメラであってもF1.7〜F2クラスの明るいレンズが搭載されていることが普通でした。
最低でもF2.8は必須。
F3.5は相当な安物、といっても過言ではありませんでした。

その理由が、多少の暗所でも撮影するようにするため。
1950年代は未だ、ISO100のフィルムが高感度と呼ばれていたような時代。
60年代になるとISO100がやっと常用フィルムとなりますが、それでも現代に比べれば相当な悪条件です。

そんな感度の低いフィルムで撮影できるようにするために、コンパクトカメラにも明るいレンズが求められたのです。

Hexanon、Zuiko、Yashinon、Rokkor、そしてFujinon。
いまでも中古で人気の銘レンズたち。

しかし、その明るさをもっても、部屋の中や夜などの撮影には相当な難しさが伴っていました。

コンパクトカメラを変えた「ピッカリコニカ」

1975年。
そんなコンパクトカメラを大きく変えたエポックメイキングなカメラが登場します。

それがコニカC35EF(ピッカリコニカ)

コニカC35EF

世界初のストロボ内蔵カメラです。

ストロボ搭載により、どんな暗い場所でも、一応は写真を撮ることができるようになったのです。
コンパクトカメラへのストロボ内内蔵は一気に当然のことになっていきました。

コンパクトカメラのレンズは暗くなっていった

ピッカリコニカをきっかけに、コンパクトカメラの搭載レンズはどんどん暗くなっていきました。

ストロボがあるのが当然。
それならレンズは暗くてよい。

それ以降コンパクトカメラのF値はF2.8が標準となっていきます。

さらに、ズームレンズの搭載もそのことに拍車をかけました
コンパクトカメラに掛けられるコストの中ではズームでF2.8を実現することさえも難題。
もちろん望遠側では更に暗くなり、F5.6やF8といったF値も当たり前となってしまいました。

Kyocera T zoom

コンパクトカメラは写れば良い。
記録できれば良い。

そんな意図が見え隠れするのが、1980〜1990年代のコンパクトカメラでした。

この時代のコンパクトカメラは、もはや中古カメラファンにはまったく見向きもされず、中古カメラ店では完動品でもジャンク籠に入ってしまうのが普通です。

その反動として、表現に特化した高級コンパクトも誕生することとなりました。
こちらが今なお中古で人気を保っているのとは対照的です。

写真は味わう時代へ

そんなコンパクトカメラの歴史へのアンチテーゼとして生まれたのが、NATURA CLASSICAでした。
かつての金属製中古コンパクトカメラを彷彿とさせる、レンズにこだわったカメラ。
富士フイルムが国産フィルムメーカーとしての矜持を見せた、ということなのかもしれません。

フィルムを味わい、質感を楽しみ、空気を切り取る。
その実現のために、カメラとフィルム、双方を同時開発。

2001年には、24mm F1.9のレンズを搭載したNATURA Sが登場し、コンセプトはこのNATURA CLASSICAにも受け継がれます。

Natura Black(Natura S)

NATURA Sの見た目は普通のコンパクトカメラ然としたものでしたが、NATURA CLASSICAは外観にも気を配ることで、さらに味わいを増すことを実現しています。

単焦点レンズが欲しいときはNATURA Sを、ズームで便利に使いたいときはNATURA CLASSICAを、と、双方を中古で手に入れて使い分けるのもよいですね。

高感度高性能フィルム NATURA 1600

このNATURA CLASSICAと組み合わせて使用することを前提として開発されたフィルムが、NATURA 1600

特徴は、フィルムにおいては「超高感度」に分類されるISO1600ながら、ISO400のフィルムと比較しても劣ることのない、非常に良好な粒状性をもっていることです。

それまでのISO1600フィルムでは、感度と引き換えに画質が大幅に低下することが普通でした。
しかしNATURA 1600では、他の常用フィルムと同じ味わいを、高感度で用いることができるようになったのです。

この記事を書いている2017年2月現在、NATURA 1600はまだ販売されています。
NATURA CLASSICAを手に入れたら、製造中止になる前にぜひ一緒に使ってみてくださいね。

残念ながら、2018年3月に製造終了してしまいました。
使用期限が残っているものをみつけたら、ぜひ使ってみましょう。

NATURA CLASSICAと同時代のコンパクトカメラ

同じ2000年代のフィルムコンパクトカメラとしては、FUJIFILM KLASSE Wもおすすめ。
NATURA同様に使いやすい機種です。

NATURA CLASSICA 中古購入のポイント

さて、そんなNATURA CLASSICAですが、比較的新しい機種ながら、中古カメラ店でも見かける機会が出てきました。

コンパクトカメラではありますが、年式が新しく、フィルムカメラ爛熟期の使いやすい設計のため、中古でもそれなりに値段は付いている印象です。

中古で手に入れるときには、とくにこのカメラには持病や壊れやすいところはないと考えられるので、純粋に、その個体の状態で決めれば大丈夫でしょう。
レンズの状態や外装のキズといった、中古カメラを購入するときの普通のチェックを行えばOK。

2017年現在、富士フイルムではまだ公式修理を受け付けているので、仮に調子が悪くなってもまだまだ安心です。

FUJIFILM NATURA CLASSICAのレビュー記事

NATURA CLASSICA 作例

プロフォトグラファーであるいくたさんによる、連載企画「旅×フィルムカメラ」第1弾。
旅好きないくた りかさんが、フィルムカメラやオールドレンズを相棒として携え、出会った素敵な景色をお見せします。

今回はFuji NATURA CLASSICA (富士フィルムのナチュラクラシカ)を手に、地方のいい景色を写真に収めてくれました。

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NATURA CLASSICAでフィルムの空気を楽しもう

フィルムカメラで撮る写真には「空気感」があるとよくいわれます。
フィルムや印画紙という実体のある写真。
フィルムカメラは、その空間の雰囲気や感触まで画面に切り取ることができるのです。

FUJIFILM NATURA CLASSICAは、まさにそのことを追求したカメラ。
古い中古コンパクトを彷彿とさせるレンズへのこだわりと、現代カメラならではの使いやすさ。
ぜひこのカメラを中古で手に入れて、あなたの周りの空気を切り取ってみませんか?

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著者紹介: サンライズカメラ

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