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【2025年版】静かに広がるフィルムカメラ熱。いま注目したい“新しい3台”

【2025年版】静かに広がるフィルムカメラ熱。いま注目したい“新しい3台”

フィルムカメラのまわりが、この1〜2年でまたほんのり賑やかになってきました。
中古を探すだけだった時代から、「新品で買えるフィルムカメラ」が少しずつ増えてきたからです。

2024年に書いた記事でも“フィルム人気の再燃”を感じていましたが、2025年はさらにそれが形になっています。
今回はその中から、今まさに動き始めている3つの新しいフィルムカメラを紹介します。
注目されている3機種は、全て海外メーカーで、日本でもフィルムカメラは盛り上がりを見せていますが、
海外の製造技術や熱をかなり感じています。

ちなみに去年書いた記事はこちら↓

【2024年版】フィルムカメラが再燃!今注目すべき最新モデルと世界のトレンドを徹底解説

この記事は当時かなりの方に読まれ、新しいフィルムカメラの登場を待ち望んでいたことを伺い知ることができました。

今回もそうなってくれたら嬉しい…です!

1.WideluxX ― パノラマの名機が、静かに息を吹き返す

今年いちばん「あ、やっと来たか!」と感じたのが WideluxX(Prototype0001) の発表でした。
1950年代から愛されてきた Widelux F8 をモデルに、ドイツの職人さんが手作業で新しい形へと作り直しています。
ちなみにこのWidelux(ワイドラックス)は、日本の精密機器メーカー 日本光学精機(後のパノンカメラ商会/Panon Camera) が1950年代に生み出したパノラマ専用カメラです。
最大の特徴は、レンズが左右にスイングしながらフィルムを走査する“回転レンズ式”。オートでは出せない独特のゆがみや空気感が人気でした。
改良を重ねながらF7、F8、FVIなどが登場し、建築家・写真家・ジャーナリストなど、広い画角を必要とするプロたちに愛用されてきました。
現在は“唯一無二の描写”として再評価され、中古市場では海外からの人気も非常に高いパノラマカメラです。

下記サイトにて公開されている動画を見ると、あの特徴的なスウィングレンズが、しっかり動いているのが分かります。
まだプロトタイプですが、丁寧な作り込みが感じられて、期待がふくらみます。

スペックはまだ一部しか公開されていませんが、
「パノラマの新しい選択肢が生まれようとしている」
というだけで、今年のフィルム界はちょっと明るい気分です。

PANON WIDELUX(パノン・ワイドラックス)/スイング式国産パノラマカメラの雄

2. Analogue aF-1 ― LiDAR搭載、“現代らしい”フィルムコンパクト

オランダのメーカー Analogue が手がける aF-1 は、2020年代のフィルムコンパクトの一つの答えのようなカメラです。
デザインを見ると、「ん?」と思わせるほどどこか見たことのある雰囲気が…(オリンパスμシリーズっぽい?)

特に今回のフィルムカメラの特徴で目をひくのは LiDAR(ライダー)センサーAF。
これはスマホのポートレート撮影や、DJIなどでも使われていたり、自動運転の車にも使われている“光で距離を測る技術”で、
暗い場所でもピントが迷いにくく、反応が速いのが特徴です。
フィルムのコンパクトにこれが入るのは、なかなか新鮮ですね。

ほかにも、

  • 35mm f/2.8 ガラスレンズ
  • 自動巻き上げ・巻き戻し
  • 1/1000秒までのシャッター
  • DXコード対応
  • 内蔵ストロボ

と、普段使いにちょうどいい“気軽だけど写りは妥協しない”タイプのカメラになっています。

予価は €449.99(約82,000円)、現在は先行予約受付中です。
発送予定は 2026年 第1四半期(Q1 2026) です。
少し先ですが、フィルムの未来にちゃんと続きがあると感じられる1台です。

3.Lomo MC-A ― レトロでかっこよく、意外と本気のスペック

ロモグラフィーの新作Lomo MC-Aは、久しぶりに“欲しいな”と思わせるフィルムカメラです。

まず見た目が良くて、
ブラックボディのレトロ感がとにかくかっこいい です。
90年代のコンパクトを思わせる雰囲気があり、手にしたときの存在感もあります。
そして機能も意外なほど充実していて、

  • 32mm f/2.8 新設計ガラスレンズ
  • オートフォーカス(40cm〜)
  • プログラム/絞り優先/マニュアル
  • 多重露光
  • 手動巻き上げ・巻き戻し
  • 内蔵フラッシュ+PC端子
  • USB-C充電のCR2電池

と、遊び用にも日常スナップにも使える内容になっています。

価格は ¥69,880。
こちらも 先行予約受付中で、配送予定は2025年12月ごろ。

昨年のPENTAX 17 のときにあった“新品フィルム機への熱”を、もう一度思い出させてくれるようなカメラです。
きっとPENTAX 17 の本気のライバルになってくるはずです。

2025年、フィルムカメラは静かに前へ進んでいます

中古で名機を探す楽しみは相変わらず変わりませんが、
こうして新品で買えるフィルムカメラが少しずつ増えてくると、
フィルム写真の未来がふっと明るく見えてきます。

手作りで復活するパノラマ。
LiDARで現代化するコンパクト。
レトロでかっこいいロモの新作。

どれも方向は違いますが、
「まだフィルムを続けたい」という気持ちに応えてくれる新しい選択肢です。
まだまだフィルムカメラ業界では解決しなくてはならない問題が多くありますが、
それでも私個人的には、
2026年はもっと面白くなる気がします。
フィルムは、ゆっくりですが確実に前へ進んでいます。

これからも一緒にフィルムで。

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著者紹介: サンライズカメラ スタッフ

サンライズカメラのスタッフ。 初めてのフィルムカメラは、おじいちゃんにもらった Nikon F-601。以来、フィルムの魅力にハマり、今の相棒は Nikon F。旅先で出会う一瞬を、シャッターに込めるのが好き。フィルムならではの味わいを、もっと多くの人に伝えたい。

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