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OLYMPUS 35SPで撮るフィルム写真|デジタル世代が惚れた理由

1969年、日本がかなり元気だったころ。
カラーテレビ、クーラー、自動車が「新・三種の神器」なんて呼ばれて、
家も街も、未来へとまっすぐ伸びていた時代。

そんなときに生まれたのが、OLYMPUS 35SP(オリンパス35SP)。

映画『男はつらいよ』が始まったり、
サザエさんがテレビから国民を楽しませたり、
そんなころに生まれたカメラです。

半世紀以上が経った2025年。
このカメラを手に、外に出てみた。写真を撮ってみた。

サンライズカメラでは人気があると知ってはいたけれど、
「なるほど、こりゃ人気があるわ」と、すぐに確信を持った。

フィルムを入れて、シャッターを切って、
現像した写真を見て、さらに思った。

「あ、好きかもしれない」
それは、じんわりと、でも確実に、
このカメラの良さが染み込んでくる感じ。

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OLYMPUS 35SP / G.Zuiko 42mm F1.7 (オリンパス 35SP)

OLYMPUS 35SPのスペック・性能

OLYMPUS SPの作例

形式 35mmレンジファインダーカメラ
シャッター B、1~1/500秒(マニュアル)、シャッター優先AE
レンズ Zuiko 42mm F1.7
露出 スポット & 中央重点
巻き上げ レバーによる手動巻き上げ
質量 約600g
発売年 1969年

「SP」はスポット測光の略。
当時の販売価格は24,800円。

OLYMPUS SPの作例

シャッター優先AEを搭載しているから、絞りをAUTOにすれば、シャッタースピードを変更させれば、勝手に絞りの大きさを変えてくれる。
便利だ。
OLYMPUS SPの作例

撮りたいものにカメラを向けてファインダーを覗くと、数字が見える。

この数字が「ちょうどいい」明るさだよ。の合図。

その数字に合わせてシャッタースピード、もしくは絞りを変える。赤丸の数字とファインダーの中の数字と一緒にしたら設定完了。

OLYMPUS SPの作例

42mm F1.7。
焦点距離もちょうどよくて、F1.7の明るさがある。
いまデジタルの世界でF1.7のレンズといったら、高級なやつ。
でも当時は、それが「当たり前」だった。

めっちゃうらやましいなぁ。

でも、それには理由があるんだろうなと推測。
シャッタースピードの上限や、フィルム感度の制限があったから、
少しでも明るいレンズが必要だったんだろう。
いまのカメラみたいに、ISO10000とか、1/8000秒とか、
そんな世界じゃなかったから。

そんな時代を生きたOLYMPUS 35SPが、2025年の光を写しました。

正直100%使いこなせてるとは言えません。
でも、100%おすすめできる。

さて、作例を見てみましょう。
OLYMPUS 35SPの目に映った世界を、一緒に感じてみてほしいです。

使用したフィルムは以下です。
Kodak ColorPlus200

OLYMPUS 35SP / G.Zuiko 42mm F1.7の作例集

東京銀座付近

OLYMPUS SPの作例

OLYMPUS SPの作例

冬の午後、東京の銀座あたりを歩いてみた。

空気は冷たく、手がかじかむような寒さ。
でも、Kodak ColorPlus 200との相性がよかったのか、
写真には、どこかやわらかい光が残っていた。

平日だし、オシャレな建物や街並みを、
ゆったり撮れるだろうと思っていた。

…が。

甘かったです。

人、人、人。
車、車、車。
そしてまた人。

平日とか休日とか、そんな概念は、銀座にはなかったです。

OLYMPUS SPの作例 OLYMPUS SPの作例 OLYMPUS SPの作例

国際フォーラムへ移動。

ここは数多くのフォトグラファーによって良い描写を切り取られた場所。

静かで緊張感があり、ガラス越しに降り注ぐ光が、そこを通る人を照らす。

どうですか?私個人的にはお気に入りの写真です。

本音はもう少し光に寄った写真にしたかったですが、42mmで撮るとその広さが表現できて、良かった。

OLYMPUS SPの作例

ある日の自宅での一枚。

オレンジに染まる観葉植物を思い切り逆光で撮った。

確かほぼ開放で撮った気がします。

フレアもなく、レンズ性能の高さを実感しました。

ピント合わせは二重像合致式なので、経験が浅い人にも扱いやすいです。

ここから大きく場所が変わります。

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大阪府東大阪市布施

OLYMPUS SPの作例

OLYMPUS SPの作例

OLYMPUS SPの作例 OLYMPUS SPの作例

大阪は布施

和歌山に出張があり、その帰りに大阪で一泊した時に訪れた街です。

なぜ布施か?

実は以前にX(旧ツイッター)にて、こんな投稿をたまたま見つけたことがはじまりでした。

「旅先の日常に飛び込もう。」

SEKAI HOTEL 布施のコンセプトが、ほんとうに良かった。

観光といえば、有名なスポットを巡るのが一般的だけれど、
その土地の「本当の良さ」は、
なんでもない日常のなかにあるんじゃないかと思う。

観光資源が少ない街でも、文化はそこに生きている。
いつもの景色、いつもの人、いつもの空気。
そんな“当たり前”を、旅の視点で見ること。
このホテルは、それを大事にしていた。
だから、思い切り好きになりました。

2025年。昭和100年の年。
令和の時代に、フィルムカメラを手にして、
ヴィンテージな雰囲気の商店街を歩く。

#昭和100年目の商店街

レトロなフィルムカメラが、この場所にぴったりだった。
屋台の飲み屋、地元の人が通う銭湯など。
過去と今が重なるような、そんな不思議な時間が流れていた。

OLYMPUS SPの作例

実際に、従業員の方々に布施の街の良さや、
おすすめのご飯屋さんを教えてもらった。
フィルムカメラの話も、たくさんした。

みんな、自分が働く街のことを、
目をキラキラさせながら話してくれる。
その言葉ひとつひとつが、鮮やかで、解像度が高い。
聞いているこちらまで、嬉しくなった。

実は別のカメラ、Leica A型でホテルの外観を撮ったのだけれど、
まさかの大失敗。

今回の旅で唯一の失敗が、それだった。

まちごとホテル SEKAI HOTEL Fuse / セカイホテル布施

夜遅くチェックインし、朝もまだ多くの店がシャッターを開けていなかった時にこの街を出てしまった。

この街の良さを伝えきれないのですが、観光地以上に撮りがいのある街には違いありません。

OLYMPUS SPの作例

モーニングを食べた純喫茶。

煙草のモアっとした匂いに一気に昭和の世界に来た気分。

美味しい珈琲とパンを食べ、この街をあとにした。

(実は朝からやっているラーメン屋をホテルの人に教えてもらって行ったけど、フィルム写真は…残念)

OLYMPUS 35SPを使ってみての感想

はじめて触ったのに、妙にしっくりくる。
ファインダーを覗いて、ピントを合わせて、シャッターを切る。
巻き上げの軽さとカリカリと歯車が動く音がエモい。

シャッター優先AEを使えば、設定もシンプルで、
カメラが示した明るさに設定すれば、露出に悩むことも少ない。

でも、何よりも驚いたのは、写りです。

現像した写真を見た瞬間、
「あ、これいいな」と、すぐに思った。
色の出方、光の捉え方、
ピントの芯の強さと、ボケのなめらかさ。

なんというか、「ちゃんと撮れてる」。

はじめて使ったカメラだけど、
これからも、ずっと使いたいと思いました。

100%使いこなせてはいないけれど、100%おすすめできる

そんなカメラでした。

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著者紹介: サンライズカメラ スタッフ

サンライズカメラのスタッフ。 初めてのフィルムカメラは、おじいちゃんにもらった Nikon F-601。以来、フィルムの魅力にハマり、今の相棒は Nikon F。旅先で出会う一瞬を、シャッターに込めるのが好き。フィルムならではの味わいを、もっと多くの人に伝えたい。

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