[オールドレンズ探訪記] PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5で広角写真をハックしよう
こんにちは、雨樹一期(あまきいちご)です。オールドレンズ探訪記と題しまして、いくた りかさんと共にさまざまなレンズをミラーレス一眼カメラで撮影して作例をご紹介していくコーナー。ちょいと久しぶりのコラムとなります。
今回は使用したレンズはPENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5。撮影した写真は夏が多め。コラムをアップするのはクリスマス。季節感を完全に無視していますがご了承ください(笑)。
TOPの写真は作例の撮影後に(2021年12月24日)追加で撮ったものです。
【オールドレンズ探訪記 前回の記事はこちら】
目次
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
- PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5について
- PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5+ミラーレス一眼カメラの作例
- 撮影Tips 「ホワイトバランスは日陰か曇りモードで」
- 絞り開放の描写
- PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5を使用してみた感想
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
- PENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5 簡単な解説
- PENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5 まとめ
- 2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
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PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5について
まず、今回作例を撮影したPENTAX SMC Takumar 24mm F3.5とはどんなレンズなのかご紹介します。
PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5とは
PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5は、旭光学(のちのペンタックス)の広角レンズ。
PENTAX SPをはじめとする、M42マウントの一眼レフカメラ用のレンズです。
M42マウントには、マウントアダプターさえあれば一生遊べるんじゃないかってくらい、好きなオールドレンズが揃ってますね。
ミラーレス一眼カメラ用のM42マウントアダプターは2,000円(新品価格)くらいから購入できるので、必ずしもM42のレンズだけを揃える必要こそありませんけどね。
もちろん、仮にM42でオールドレンズを揃えていっても十分楽しめます。
上の画像の通り今回はKIPON製マウントアダプターを使用しました。
通販サイトに見当たらないので、↓には同じくらいおすすめできるK&F Concept製品へのリンクを貼っておきます。
なかなかの広角
焦点距離が24mm。ということで画角はなかなかの広角になりますね。これまでに連載で使ってきたオールドレンズって50mm付近が多かったので、ちょっと新鮮です。
以前、Leica(ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2 ASPHを使いましたが、あれは極キレ味のバケモノレンズでした。価格も、新品/中古どちらもバケモノレベル(笑)。
今回のPENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5は割と中古価格が安いので、ご安心を。もちろんライカ様と比べると色々と劣る部分はありますが、オールドレンズらしさは堪能できますよ。
[オールドレンズ探訪記] Leica (ライカ) SUMMICRON-M 28mm F2 ASPH 描写力が圧倒的! (作例・撮影Tipsあり)
PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5+ミラーレス一眼カメラの作例
それでは、PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5+ミラーレス一眼カメラで撮影した作例、いってみましょう!
PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5はオールドレンズらしさのある広角レンズ
いつもと同様、ミラーレス一眼カメラのSONY(ソニー) α7(初代、ILCE-7)に装着。これまでのコラムも全てα7で撮影しています。
僕はカメラの個人レッスンなどもやっているのですが、どのカメラを購入すればいいか悩んでる方には、α7シリーズを勧めています。
中古価格が手頃なので勧めやすいのもよいところです。
そして、さりげなくオールドレンズの沼に落としていこうと企んでいます(笑)。
オールドレンズだけで使うのなら初代でもいいのですが、デジタルのレンズも使うとなるとα7II以降の機種が良いですね。価格は少し上がりますが、バッテリーの消耗や、高感度撮影のノイズ、そしてボディ側での手ブレ補正などかなり違いがあります。
それでは作例です。
広角レンズを装着しているときは、風景写真を撮るぞ!って気持ちになりますね。
いつもは開放で撮ることが多いですが、今回はF8〜でもたくさん撮っています。
F8~F11に絞った作例
F8~F11の風景写真を続けます。
周辺光量は少し落ちていますね(写真の四隅が暗くなる)。これはむしろ僕的には「オールドレンズはこうであれ!」と思っています。
中心も少し明るい感じがします。遠景でのピント面に関してはやや甘さは感じました。
滲むような感じはありませんが、現行のデジタルのレンズと比べるとパキパキではないですね。
以前作例を撮影したライカの広角レンズのキレ味が凄まじすぎましたからね。どうしても比べてしまいます。
価格の差も凄まじいですが、かっちりしっかり撮影したい人よりも、オールドレンズ好きの方へオススメですね。
逆光ではゴーストが出るレンズ
この作例は肉眼ではとても良かったですが、バチバチの逆光だったので、絞りリングのゴーストがハッキリ見えてしまいました。
ここはライカでも撮りたかったなーとか、もう少し日が沈むまで待てば良かったなーとか、後から思っちゃいました。
もろ逆光だったので、現行のレンズでもゴーストは出るのですが、もう少し控えには撮れるでしょう。
やっぱり、写真って待ちの時間が必要ですよね。一番いい光の瞬間、脇役を入れるために人や車が通るのを待つ。時間が許す限り粘りたいものです。
この日は家族と旅行中だったので数枚で終了しました。久しぶりに撮影だけのひとり旅がしたいな。
雰囲気はありますが。個人的にはあまり好きではないゴーストの出方かな。
撮影Tips 「ホワイトバランスは日陰か曇りモードで」
オールドレンズらしさが味わえるSMC Takumar 24mm F3.5。
その個性をより引き出すのにおすすめなのが、暖色系の色調にしてみることです。
ミラーレス一眼カメラだと、ホワイトバランスがオートで調整されてしまうので、フィルムカメラと違って夕日が夕日の色に写らないことがあるんですよね。
あたたかめの色調と相性抜群
ピントの甘さを利用した一枚です。フィルムカメラっぽい雰囲気を出すにはいいですね。
少し寂しげなレトロな雰囲気で気に入ってます。
コントラストは程よい感じ。広角レンズだしもっと強くても良かったかな。色の乗りはどちらかというと控えめですが、眠たくなるような写真にはなりません。
後からRAW現像でレッタチするもいいのですが、今回のコラムの写真はほぼ微調整のみ。
PENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5の良さを出すのなら、ホワイトバランスを6,000〜7,000Kに設定(日陰や曇りマークでもOK)して撮影、jpg撮って出しでも充分です。
季節外れの海での写真。広角レンズで撮りがちな足の写真もとりあえず撮影しておきました
あらためて見てみるとこの作例、いいですね。ただ波を撮っただけなのですが、どこか懐かしい。オールドレンズの魔法でしょうか。
撮影最短距離は約25cm。砂浜とタバコ。松本大洋さんの漫画のワンシーンでこんなのあったような。
どことなく青春の一コマを感じてくれた方は、きっとおじさん世代(笑)。
念のため書いておくのですが、ここで吸ったんじゃないし、持ち帰りましたよ。
何もない田舎の道ですが、オールドレンズってこういった何気ないシーンがすごくハマるんですよね。
カーブという文字と、白い車もいい感じ。
F3.5ですが、前ボケを活かした撮り方もできますね。
風景でも近接でも味わいを楽しめるレンズ
あと。単純にこれ以上後ろに下がれないって場所で広角レンズは役に立ちます。焦点距離が50mmだと全部入らないってシーンは多々あります。やっぱり広角レンズは一台あると便利ですよね。
風景写真が好きで、フィルムやオールドレンズの描写が好きな方なら持っておきたいレンズです。
僕はもともとは広角レンズが好きでしたが、最近は50mm〜85mm付近、標準から中望遠のレンズが好きです。
昔は標準レンズはほぼ使わなかったし、また広角ブームがきたら欲しいレンズの候補になりそうです。
ピントは50cm〜3m付近が一番パキッとする感じですね。
ちなみに広角レンズなので、全体的に湾曲しているのが分かると思います。
でも、これを許せてしまうのがオールドレンズです。「オールドレンズはこうであれ!」ですね。なので補正もしていません。
絞り開放の描写
広角レンズということもあり絞って撮影した作例が多くなりましたが、SMC Takumar 24mm F3.5の開放の描写はどうでしょうか?
広角レンズで背景をボケさせるなら被写体に近寄って
絞り開放のF3.5で猫ちゃん三連発。同じ絞り値ですが、被写体との距離が近いほどボケているのが分かると思います。たとえばポートレートでも、全身を入れるよりもバストアップの方がボケます。
PENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5は、開放の絞り値はF3.5になりますが、最短撮影距離で撮ると意外とボケているのが分かりますね。
とはいえ、ふわふわのとろとろとの表現は難しいです。広角レンズにふわとろを求めてはないですけどね。
自宅の駐車場。掃けども掃けども、舞い込んでくる落ち葉。
PENTAX SMC Takumar 24mm F3.5を使用してみた感想
こちらの連載コラムは、サンライズカメラさんから送って頂いたレンズで撮影して執筆していますが、PENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5はなかなか渋いチョイスだなと思いました(笑)。
実際に使ってみるとやっぱり渋かったです(笑)。
突飛した個性こそないものの、オールドレンズらしい描写をしっかり楽しめる広角レンズ。
ざっくり一言でまとめるとこんな感じですね。
レトロとの相性は抜群ですね。
そしてやっぱり広角といえば風景を切り取るには最適!
こちらの作例、三脚に据えたうえで絞りはF11、シャッタースピードは20秒です。
やっぱり楽しいなー、オールドレンズ。
ペンタックスのオールドレンズについてはぜひこちらの記事もご覧ください
[オールドレンズ撮り比べ4] PENTAX Super Takumar 55mm F1.8はTHE 入門レンズ。でも実は写りは絶品!
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どこでも持ち歩ける相棒です。
PENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5 簡単な解説
ここからは雨樹さんに代わって、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフが、今回作例を撮影したPENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5について簡単に解説します。
PENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5
マウント | M42マウント |
構成 | 8群9枚 |
メーカー | 旭光学(のちのペンタックス) |
新品時価格 | 29,700円 |
※参考資料:
『クラシックカメラ専科 No.30 ペンタックスのすべて』1994年、朝日ソノラマ、p.54
『クラシックカメラ専科 No.38 プラクチカマウント』1996年、朝日ソノラマ、p.28
PENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5は、日本の旭光学(のちのペンタックス)の広角レンズです。
M42マウントが現役だった時代の24mmというと、広角ではなく超広角と表現してもよいかもしれないですね。
24mm F3.5というスペックのタクマーレンズは、今回作例に使用したレンズのひとつ前のシリーズ、Super Takumarの時代に登場しました。
他のSuper Takumarと同様、Super Takumar 24mm F3.5の時点ではモノコート。
今回作例を撮影したSMC Takumar 24mm F3.5では、コーティングがマルチコートになりました。
レンズ名のSMCはSuper Multi Coatingの略。
マルチコートにより性能が向上していますが、構成枚数は同じです。
構成自体は当然ながらレトロフォーカスで、雨樹さんの作例でもわかるように歪曲はあります。
フィルター径は58mmで、タクマーとしては大きめですね。
SMCタクマーのレンズ名について
今回の作例に使用したPENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5の銘板には、雨樹さんが撮影したレンズ外観をみるとわかるように、「Super-Multi-Coated Takumar」と書かれています。
SMCタクマーのレンズ銘板は、製造年代が古いものはこのようにSuper-Multi-Coated Takumarとあり、後期のものにはSMC Takumarと刻印されています。
両者は、光学系については同じものと考えて差し支えありません。
外観についてはリニューアルが行われており、Super-Multi-Coated Takumarとあるものはピントリングが金属ローレット。
↑Super-Multi-Coated Takumar 24mm F3.5:ピントリングが金属ローレット
いっぽうSMC Takumarとあるものについてはゴム巻きとなっています。
↑SMC Takumar 55mm F1.8の側面:ピントリングにゴムが巻かれている
SMC Takumar 24mm F3.5を中古で買うなら
SMC Takumar 24mm F3.5は、他の旭光学製M42マウントレンズ同様、中古価格は比較的手頃です。
Super Takumar 55mm F1.8のように価格が1万円以下というのはさすがに難しいですが、1万円台~2万円も出せば光学系の状態のよい中古が十分に見つかるでしょう。
スタッフの私見としては、PENTAXのSMCコーティングは強度も強く、経年劣化で曇ることも少ない印象。
開放F値こそ控えめですが、広角の中古レンズとしては狙いめなのではないかと思います。
今回の使用ボディについて
オールドレンズ探訪記シリーズではSONY Eマウントのフルサイズミラーレス機を使用しています。
オールドレンズと一緒に使うなら――
中古で廉価なフルサイズのミラーレス機が欲しい方にはSONY α7が。PENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5 まとめ
PENTAX(ペンタックス)SMC Takumar 24mm F3.5は、作例からもわかるように、広角レンズとしてはオールドレンズらしさが強いことが魅力。
24mmという焦点距離は、引きが足りない場所で使うもよし、遠近感を強調した表現をするもよしと、あなたの写真をより楽しくしてくれることでしょう。
タクマーとしては少し大柄なレンズですが、ミラーレス一眼カメラに取り付けるととてもサマになりますよ。
M42マウントレンズのなかでも、広角とはいえタクマーは中古価格が安めなので、ぜひ手元に一本置いてみませんか?
オールドレンズとミラーレス一眼カメラの組み合わせを楽しむ「オールドレンズ探訪記」。
ぜひこれからも、解説と作例ご期待ください!
オールドレンズ探訪記 次回の記事はこちら
オールドレンズ探訪記、次回はOLYMPUS(オリンパス)のZuiko 55mm F1.2とPENTAX(ペンタックス)のSMC PENTAX 50mm F1.2(Kシリーズ)という2本のレンズをミラーレス一眼カメラで撮り比べます。
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ぜひ作例でご覧ください!
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