[オールドレンズ探訪記] ポートレートに最適!Nikon Ai NIKKOR 135mm F2 Part2 高性能レンズに隠し味ゴーストあり
「オールドレンズ探訪記」では、これまでに数々のオールドレンズを使ってきた雨樹一期さんと、昨年からフィルムカメラやオールドレンズに触れ始めた、初心者な私いくたで、オールドレンズ+ミラーレス一眼カメラで撮影をした作例をお届けします。
今回も、前回に引き続きNikonのオールドレンズ「Ai NIKKOR 135mm F2」をご紹介します!
ポートレートに適した大口径中望遠レンズということで、Part2となる今回は、人物撮影の作例を多めに紹介させていただきました。
半端なく美しい写りに感動しっぱなしでした・・・
ぜひ作例とともに見ていってください^^
【オールドレンズ探訪記 前回の記事はこちら】
[オールドレンズ探訪記] Nikon Ai Nikkor 135mm F2 Part1 極上の1枚をあなたも撮れる!(作例あり)
目次
2024年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
オールドレンズを楽しむのにも最適!写真にも動画にもおすすめのフルサイズミラーレス一眼カメラを選ぶならこのカメラ!!
写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
「Nikon Ai NIKKOR 135mm F2」について
今回はまず、Ai NIKKOR 135mm F2で作例を撮影した印象から書いていきますね。
Ai NIKKOR 135mm F2で撮影した感想
Nikon Ai NIKKOR 135mm F2が発売された1970〜80年代頃は、マニュアルフォーカス時代中望遠レンズの黄金期だったとか。
ただ明るいレンズなだけでなく、ボケ味にも相当力を入れたレンズとのことで、ポートレート撮影の作例をたくさん撮ってみました。
最初に感想をざっくり述べると、
- ボケ感がとても柔らかい
- 半円のゴーストが美しい(個人的にすごくハマりました)
- 肌の質感やコントラストが絶妙・・・
手持ち撮影かつマニュアルフォーカスに集中していると少し重く感じますが、意外と扱いやすい。
動き回るこどもの撮影となると、やっぱりオートフォーカスさまさまですが、ミラーレス一眼カメラに装着して使用するオールドレンズとしては、明るい場所での撮影であれば、シャッタースピードも高速にできるし、とにかく申し分ない明るさです。
ピンボケと格闘しながらも、なんとか絞り開放で撮りたい!と思うようなレンズです。
Ai Nikkor 135mm F2の外観
フタの淵がシルバーで、ちょっとした高級感が漂う。くるくる回して外すタイプですね。
横から見るとこんな感じ。
今回撮影に使用したマウントアダプター
今回もミラーレス一眼カメラには、SONY α7Rを使用しています。
レンズの取り付けにあたっては、K&F ConceptさんのNikon Fマウント→SONY Eマウントのアダプターを使用しました。
「Nikon Ai NIKKOR 135mm F2」で撮影した作例を紹介
それでは、Ai NIKKOR 135mm F2+ミラーレス一眼カメラで撮影した作例を紹介します。
F5.6と開放F2を比較した作例
まずF値ごとの描写の違いを。こちらがF5.6の作例↓。十分ちょうど良いボケ感です。
そしてこちらがF2の作例です↓。うぉ〜っ一気に被写体が浮き上がってきました。
小さな被写体もいけるレンズ
別世界を見たくなって、ついピント合わせが難しそうな細かい被写体を選びたくなります。笑
水辺にきれいな赤とんぼ!
上の作例写真をリサイズしてみたら、メガネや羽の部分までくっきりと描写できてます。すごい。
色味もとてもいい
色味の再現性もありました。こちらの作例は湯気も若干写っている。
とうもろこしの粒が光ってる感じをうつしたくて。
ポートレートの作例
お次はいよいよポートレートの作例です。とにかく動き回る女の子を必死に追いかけピント合わせに命をかけました!笑
最初はぶれちゃったのですが、徐々に掴めてきました。
一番手前の女の子、ちょっと後ろの草、一番奥の川。それぞれのレイヤーが合わさって1つの絵になった感じ。
ただ背景をボカすだけでなく、どんな要素をどれくらいボケさせるかを考えるのも、ポートレート撮影の楽しみの一つです。
こんだけ写りがいいと、ついオールドレンズということを忘れそうになりますが、下の写真の右上に写っているうっすらフレアを見つけると、オールドレンズらしさを感じます。
この作例なんて絶妙なコントラスト。帽子の影になった部分がほんのり濃い肌色に。
なんだか、多少ブレても良い気がしてきました。ふんわり優しい雰囲気になります。
逆光で撮影したときに発生する、この大きな半円ゴースト。個人的にすごく気に入ってしまいました。
夏らしい麦わら帽子でとっても可愛らしい。
太陽の光がレンズに当たると、若干白っぽくフレアが発生しますね。上の方の葉っぱが白くなってます。
今回、家族写真の撮影でお世話になっている方々に沢山モデルのご協力をいただきました。ありがとうございました!
撮影Tips!前ボケで世界観を創る
ポートレート撮影のとき、目線を外してもらったり、なるべく自然体を演出するために、前ボケは大いに役立ちます。
例えば、公園などで葉っぱの緑色の前ボケを作りたいときは、
- 1.被写体の位置が決まる
- 2.撮影立ち位置の近くに葉っぱがないか探す
- 3.葉っぱにレンズを近づけて、被写体の周辺に配置(葉っぱがレンズに近いほど、葉っぱはボケます)
Nikon Ai NIKKOR 135mm F2のような中望遠レンズだと、前ボケ用の葉っぱが消えそうなくらいうっすらした形状になるのも面白く。より自然体なふんわりした絵になります。
葉っぱの色味によっても、雰囲気はガラッと変わってきます。
もちろん葉っぱじゃなくとも、何かしら壁や椅子や、物を前に挟み込むだけで、雰囲気がでるので、前ボケを沢山活かしてみると、表現方法が一気に広がります。
「Nikon Ai NIKKOR 135mm F2」で撮影した感想
今回作例を撮影したAi NIKKOR 135mm F2、笑っちゃうくらい美しい描写のレンズでした。
ここまで数えたら20本以上のオールドレンズで作例を撮影させてもらってきましたが、フィルムカメラのレトロな雰囲気とも、現代の高性能レンズのクオリティとも異なる、”ミラーレス一眼カメラ×オールドレンズという括りの魅力”にどんどん気づかされてきました。
めちゃくちゃ癖のあるオールドレンズのジャンルではなく、高画質・高性能だけど一味違いがわかるレンズ、といった立ち位置でしょうか。
Nikon Ai NIKKOR 135mm F2でいうと、半円ゴーストのような隠し味があると楽しいです。
これからも、ミラーレス一眼カメラ×オールドレンズの魅力をお伝えしていけたらなと思いますので、ぜひ次の記事も楽しみにしてください^^
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Ai NIKKOR 135mm F2について簡単な解説
ここからはいくたさんに代わって、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフが、Ai NIKKOR 135mm F2について簡単に解説します。
Ai NIKKOR 135mm F2
マウント | Nikon Fマウント |
構成 | 4群6枚[1]「ニッコール千夜一夜物語 – 第三十夜 | Enjoyニコン | ニコンイメージング」(2022年6月17日閲覧) |
メーカー | 日本光学(Nikon) |
Ai NIKKOR 135mm F2は、ニッコール千夜一夜物語の第三十夜によれば、1976年にNew NIKKOR 135mm F2として登場、翌1977年にそのままAi NIKKOR 135mm F2になったものということです[2]「ニッコール千夜一夜物語 – 第三十夜 | Enjoyニコン | ニコンイメージング」(2022年6月17日閲覧)。
同記事によれば構成は4群6枚の変形エルノスタータイプ[3]「ニッコール千夜一夜物語 – 第三十夜 | Enjoyニコン | ニコンイメージング」(2022年6月17日閲覧)。
いわゆるオールドレンズが話題になるようになってから、エルノスタータイプのレンズというのはにわかに注目を集めるようになっています。
マイナーというほどでもないけれど、少し人とは違うレンズタイプ。
そんなレンズが欲しいときに、エルノスタータイプはうってつけの選択肢になるのかもしれません。
さて、今回作例に使用したAi NIKKOR 135mm F2は、一見して少し状態の悪さもみられますが、それでも非常に美しい作例を撮影できたのではないでしょうか。
135mmという焦点距離に対して開放F値がF2というのは間違いなく大口径。
作例写真にはアウトフォーカス部分に光点や木の枝などボケ味が試される被写体が入っていましたが、背景がざわざわすることもなく気持ちのよいポートレートが撮影できています。
(むしろ、いくたさんのポートレートの腕が凄いことのほうが理由かもしれませんが……)
マニュアルフォーカスの大口径、レンズ全長は短めとはいえ大きなレンズなので使いこなしは難しいですが、ピントがばっちりと合ったときには最高のポートレートに仕上がること間違いないでしょう。
Ai NIKKOR 135mm F2を中古で買うなら
1970~1980年代の高級ラインのマニュアルフォーカスレンズが再評価されている昨今。
とくに2020年代に入ってから、そのようなオールドレンズの中古価格が急上昇しています。
このAi NIKKOR 135mm F2については、Aiレンズ、Ai-Sレンズともに存在し中古の数が多いこと、そもそもニッコールの製造数自体が多いこともあって、そこまで中古価格が急騰していることはありません。
直近だと5~6万円程度の中古価格で推移している感がありますね。
実用のレンズとして考えたときに、焦点距離135mmの大口径ニッコールレンズに後継品があることも要因なのかもしれません。
とはいえ、日本製カメラ・レンズに脂が乗り切った時代の製品は、状態の良い中古がどんどん少なくなっています。
Ai NIKKOR 135mm F2についても、状態と価格の面で気に入った中古を見つけたら確保するのがおすすめです。
中古ニッコールレンズの関連記事
今回使用したミラーレス一眼カメラについて
ミラーレス一眼カメラは今回も、SONY α7Rを使用しました。
ローパスレス機としては初期の機種ですが、それだけに中古価格は安めです。
本機のほか、オールドレンズを使うためのミラーレス一眼カメラとしては――
中古で廉価なフルサイズのミラーレス機が欲しい方にはSONY α7が。Ai NIKKOR 135mm F2 まとめ
Ai NIKKOR 135mm F2はさすがの大口径・中望遠レンズだけあって、最高のポートレートを撮ることができるレンズ。
マニュアルフォーカスの中古ニッコールレンズには魅力がいっぱいですね。
どんどん再評価が進む日本製のオールドレンズ、ぜひあなたも手に入れてみませんか?
オールドレンズ探訪記 次の記事はこちら
次回はうってかわって、オールドというより現代のレンズを紹介します。
Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL II Nです。
ミラーレス一眼カメラで味わうコシナ・フォクトレンダーのレンズの描写力、お楽しみに!
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