クセが強いけど味わい深い…。Canon(キャノン)New FD 50mm F1.2 L(作例あり)
今回はCanonのオールドレンズ、New FD 50mm F1.2 Lの作例を紹介します!
オールドレンズ探訪記と第した新コーナー、まだまだフィルムカメラもオールドレンズも初心者な私いくたが、様々なオールドレンズを手探りで試していく記事です。
オールドレンズと一口にいっても数えきれないほどの往年の名玉たちあり・・・
終わりの見えない旅路・・未知との遭遇・・古きをもって新しきを知るディープな冒険記をお楽しみください。
【オールドレンズ探訪記 前回の記事はこちら】
目次
2023年最新!おすすめミラーレス一眼カメラベスト3!!
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Canon(キヤノン)New FD 50mm F1.2 Lについて
今回作例を撮影したのは、Canon(キヤノン)New FD 50mm F1.2 L。
「Canon FDマウント」という、フィルムカメラの時代、マニュアルフォーカス用のレンズとして展開されていたレンズで用いられていたもの。
現在も用いられているEFマウントへ移行する前のマウントタイプとなります。
赤い帯は高級レンズの証
ご紹介しているNew FD 50mm F1.2Lはレンズ先端に赤い線が入っているのですが、それは通称「赤帯」と呼ばれるものです。
その線があるだけで、中古の価格もドンと跳ね上がります。(高い…)
下の写真は赤線がないNew FD 50mm F1.2です。同じ焦点距離、F値なのですが、別物です。
少し前まではデジタルカメラで使いにくく、高性能にもかかわらず人気が今ひとつでしたが、ミラーレス一眼カメラの登場により「オールドレンズ」として中古での人気が急上昇。
古い製品でもとても高性能だったCanon FDマウントレンズたちが一挙に見直されるようになったそうです。
Canon FDマウントレンズの特徴は、現代的な写りと発色のよさ。
オールドレンズながら、現代のレンズの源流となったコンセプトを持っているため、写りは非常に良好です。
スペック
レンズ構成 | 6群8枚 |
絞り羽根枚数 | 8枚 |
最短撮影距離 | 0.5m |
フィルター径 | 52mm |
発売年月 | 1980年(昭和55年)10月(キヤノンカメラミュージアム) 9月(クラシックカメラ専科) |
発売時価格 | 90,000円 |
出典:
「New FD50mm F1.2L – キヤノンカメラミュージアム」(2022年6月1日閲覧)
『クラシックカメラ専科 No.31 キヤノンハンドブック』1994年、朝日ソノラマ、p.124
今回使用したミラーレス一眼カメラ
さて、こちらのオールドレンズを蘇らせるべく、オールドレンズと相性抜群なミラーレス一眼カメラ「SONY α7R」に装着して、作例を撮影したのでした!
この連載、私いくたの作例では初代SONY α7のローパスレス・高画素使用のα7Rを使っていますが、オールドレンズと合わせるならほかにも――
中古で廉価なフルサイズのミラーレス機が欲しい方にはSONY α7が。「Canon FDマウント」のマウントアダプター使用方法
早速マウントアダプターを使って装着しようとしたのですが、ちょこっとてこずったので、簡単に装着方法についても触れておきます。
まず、アダプターとレンズそれぞれの赤い点を合わせていくのですが、この時にアダプターの「OPEN⇄LOCK」と書いてあるリングを、OPEN側にしておく必要があります。
赤い点をLOCK方向に回してカチャッと言えば装着完了。
最後にアダプターのリングを「LOCK」側にカチャッと回して締め付け完了です。
↓
LOCKのまま装着してもレンズがはまらず、また最後にLOCKをしなければ絞りが作動しないので、注意してください!(最初全然わからなかった張本人の実体験です!笑)
今回もK&F Conceptブランドのマウントアダプターを使用しています。
Canon(キヤノン)New FD 50mm F1.2 Lの作例紹介
さて、実際に撮影したミラーレス一眼カメラ+オールドレンズの作例を紹介していきます。
早速開放で作例を撮影
早速絞り開放のF1.2で撮ってみたところ、はっきりと癖を感じました!
ボケの形が楕円っぽい半月に・・・!左上がわかりやすいと思うのでアップしたのがこちら↓
露出をアンダー気味で撮影すると、周辺露光量が落ちるのが顕著にわかりました。
開放と絞ったときの描写を比較
F1.2とF8の違いを試してみますっ
↓F1.2
↓F.8
逆光気味でも優秀な描写
↓多少フリンジは出やすいですが、背景の白い強い光にも負けずに葉っぱの淵もしっかり描写できています。色もとてもきれい!
前ボケにいれると、もはや原型を一切なさず、なんかすごいことになる!笑
これもオールドレンズの面白いところかも。
逆光耐性もわりとあるんじゃないでしょうか?
上の写真は、左下に太陽を差し込ませたので若干フレアな感じで。
下の写真は、すすきの穂に逆光を当ててみた感じで。
どちらもとても表現したい雰囲気に仕上がり、大満足です。
表現力豊かなオールドレンズ
駐輪場のトタン壁がきれいな空色だったので。そこに映る草木の影が模様を施してくれてました。
↓これは、、イッツドラマチック!笑
Photoshopでいじったんじゃないかい?と言われそうなくらい、雰囲気がでてます。オールドレンズ1本でこれだけの表現幅が叶うのは、素直に感動!
おそらく夕陽を浴びている暖色も影響して、柔らかさも増していたのではないかと。
いつも思う、ミラーレスカメラでピンク色を写すとどうも硬い!
雨上がりのいちょう。徐々に外側から黄色に色づいていく、この段階のイチョウがとても好きです。少し風が吹いていたので、葉っぱの上の雨粒にピントを合わせるのがちょっと難儀でしたが、なんとか撮れました!
もっと寄って雨粒だけも撮りたかったけど、木の背が高かったんですよね!笑
こちらの作例も非常に最高な写りを見せてくれました。
再び開放とF8で比較
F1.2とF8の撮り比べです。
↓F1.2
↓F8 全然違いますね!オールドレンズは、本当にF値が変わるだけで写りがガラッと変わる。
後ろの落ち葉のボケがもうがっちゃがっちゃしています。子虫が飛んでいる残像みたい!(共感できる人はいるのだろうか。苦笑)
素晴らしいっ
シンプルに1点だけ伝えたいときには、こういうオールドレンズの描写はぴったりです。
撮影Tips「あえてのピント外し」
最後に、個人的なTipsとなりますが、マニュアルフォーカスのオールドレンズを使う楽しみ方の一つに、「あえてのピント外し」があります。こんな感じで↓
なんでもかんでもボカせばいいというものでもないなぁとは思っていて、今回の写真ですと、紅葉の色味感がとても綺麗だったので、木の枝隅々まで写すことを目的とせずに、色を主張させるためにあえてぼかしてみました。
ピントをちゃん合わせた写真はこちら↓
オールドレンズって、ちょっと間違えれば、非常に中途半端な画になるなぁと思っていて。
現代の高描写レンズになれてしまうと、なんだかオールドレンズの写りが雑っぽく見えてしまい、それでもある程度は綺麗に映るがゆえに、中途半端なクオリティ!と感じることがあるのが正直なところ。
上の作例も、なーんかただ紅葉をうつしてもつまらないなぁと撮ってみて思ったので、ぼかしてみたという訳です。
個人的な表現の楽しみ方の一つにすぎませんが、、よかったら試してみてください^^
Canon(キヤノン)New FD 50mm F1.2 Lを使用した感想
今回がオールドレンズ2本目でしたが、結構な違いが見えてきてこれは奥深いぞ!と面白くなってまいりました。
Canon New FDシリーズは、この50mm F1.2 Lのような高価なレンズだけでなく、手ごろなレンズもたくさんあるので、手始めにぜひお試ししてみてはいかがでしょうか?
↓の前回の記事でもNew FDレンズを紹介しています。
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Canon New FD 50mm F1.2 L 簡単な解説
ここからは中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフがCanon New FD 50mm F1.2 Lについて簡単に解説します。
Canon New FD 50mm F1.2 L
レンズ構成 | 6群8枚 |
絞り羽根枚数 | 8枚 |
最短撮影距離 | 0.5m |
フィルター径 | 52mm |
発売年月 | 1980年(昭和55年)10月(キヤノンカメラミュージアム) 9月(クラシックカメラ専科) |
発売時価格 | 90,000円 |
スペックは再掲
出典:
「New FD50mm F1.2L – キヤノンカメラミュージアム」(2022年6月1日閲覧)
『クラシックカメラ専科 No.31 キヤノンハンドブック』1994年、朝日ソノラマ、p.124
CanonのNew FD 50mm F1.2 Lは、いくたさんの紹介にもあったとおり、Canonの高価格帯のレンズ、赤鉢巻きのLレンズのひとつ。
LレンズはマニュアルフォーカスのNew FDレンズの時代に始まりますが、このNew FD 50mm F1.2 Lは赤レンズとしては最初の頃の1本となります。
最大の特徴が非球面レンズを使用しているということ。
それまでのCanon FDマウントの50mm前後のレンズでは、FD 55mm F1.2 AL(55mm F1.2 アスフェリカル)でも研削による非球面レンズを採用していましたが、焦点距離が異なることからもわかるように、設計自体が改められています。
Canon New FD 50mm F1.2 Lを中古で買うなら
そんなCanon New FD 50mm F1.2 Lは、New FDレンズのなかでも中古人気がもっとも高いもののひとつ。
2020年代に入りマニュアルフォーカス時代、日本製カメラのもっとも良かった時代の交換レンズの評価が高まり中古価格が急騰していますが、Canon FDマウントの中古レンズは、なかでももっとも中古価格が上がったものだといえるでしょう。
Lレンズだからといって必ずしも中古価格が高いわけではなく、状態が悪いとLレンズのズームは価格が安い場合も。
ですが他のLレンズではNew FD 24mm F1.4Lなども価格が上がっていることからもわかるように、単焦点は珍重されるようになっています。
明るい単焦点はもともと高級な商品だったため中古の数が少なく、中古で見つけたら買いといえるかもしれないですね。
Canon New FD 50mm F1.2 L まとめ
今回はCanon New FD 50mm F1.2 Lの作例と紹介でした。
中古では人気も価格も高く、実際に使うのはなかなか難しいNew FD 50mm F1.2 L。
どんな描写なのか参考になれば幸いです。
オールドレンズ探訪記 次の記事はこちら
オールドレンズ探訪記、次回はうってかわってレンジファインダーカメラ用のレンズ。
M-ROKKOR 90mm F4をミラーレス一眼カメラに取り付けての作例をお届けします。
ライカレンズともゆかりの深い中望遠、どんな描写をみせてくれるのか、ぜひご覧ください!
【オールドレンズ探訪記】正統派で本格的な描写を持ったレンズ。 MINOLTA M-ROKKOR 90mm F4(作例あり)
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