[コラム] スローガバナーを聞く
機械式カメラでスローシャッターを切ると、内部からガバナーの音が聞こえてきます。
時計じかけでシャッターを制御しているならではの響きは、精密機械を扱っているという満足感を更に増してくれます。
そう、シャッターは時計じかけ。セイコーやシチズンの名前がカメラに刻まれていることからもわかるように、時を刻むという点では共通しているシャッターは、かつて時計メーカーの得意分野でした。
時計メーカーとシェアを争ったメーカーにコパルがあります。
最後まで大判用のコンパー型シャッターを製造し続けていましたが、2012年に惜しくも撤退、大判用レンズのシャッターも、新品入手は難しくなっていくことでしょう。
スローガバナーの位置はどこ?
レンズシャッターではスローガバナーは内蔵されていますが、フォーカルプレーンシャッターの場合、とくに横走りではボディと完全に一体ですので、たまに特徴のある場所に設置されていることがあります。
例えば、キヤノンフレックスシリーズ。Canon Flexはキヤノン初の一眼レフシリーズでしたが、同世代のキヤノン製カメラと同じく、ボディ下部のトリガー式巻上げを採用していました。
そのためかどうかはわかりませんが、ガバナーはボディ上部に収納されています。
フォーカルプレーンシャッターのスローガバナーの位置は、通常ボディ下部にあることが多いでしょう。
一眼レフならミラーボックスの真下にあたります。
これは、35mmカメラの始祖・バルナックライカがその位置にガバナーを設置していたことに由来するといって間違いないでしょう。
ライカのなかでも特異なのはライカCL(ライツミノルタCL)で、縦走行布幕シャッターのため、ガバナーはレンズ脇へ縦に仕込まれています。
スローガバナーの音を聞いたことがある?
スローガバナーの音にもカメラごとに違いがあります。
聞いたことのある方も多いと思うのは、PENTAX SPの音でしょうか。
シャッターを1/30秒に合わせたときの「シャリッ」という音はペンタックスSP系のカメラ特有の、すぐにそれとわかるものです。
ガバナーの音はお持ちのカメラの状態チェックにも役立ちます。
もしいつもと違う、引っかかるような感じになっていたら、メンテナンスが必要だというサインかもしれません。
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