[フィルムカメラ遊泳記 第6話] フィルムカメラ Nikon New FM2の操作方法・使い方!
こんにちは!
フィルムカメラ初心者の私、いくたがお送りする、「フィルムカメラはとっつきにくい」と感じている人でも気軽に楽しめる連載。
今回の第6話は、フィルムカメラの操作方法、使い方について!
初心者の方にとって一番ドキドキする場面ですね。
しかし!
私が実際に初めてトライしてみた率直な感想は「そこまで難しくないじゃん!」です。
そう、一見操作方法がやっかいに見えるフィルムカメラですが、以下解説していく手順を一度覚えてしまえば難しくありません。
初心者の方がまず知っておくと良い、使い方の手順を簡単に解説していきます!
機種によって使い方は変わってきますが、今回は私が初心者1台目として使用している「Nikon New FM2」を例に挙げていきます^^
↓なぜ初心者の方の1台目としてNikon New FM2を選んだのか? は下記記事をご覧ください。
【前回の記事はこちら】
目次
初心者のためのフィルムカメラの使い方 徹底解説!
それでは、Nikon New FM2(ニコン ニューFM2)を例に、フィルムカメラの使い方、操作方法を解説します!
1.フィルムの入れ方
まず、Nikon New FM2にフィルムを入れる操作方法です。
ここは一番アナログっぽさ全開。
デジタルカメラと操作方法が大きく違う部分になってきます。
覚えるまでは少しわかりづらい点なので、少し丁寧に解説していきますので安心してくださいね^^
その前にフィルムは何を選べばいいの?とここで聞きたくなった方は以下記事をご参照ください。
1-1.まずはフィルムカメラ本体のフィルム室の蓋をあけます。
まず、フィルム室の蓋を開けます。
これは7不思議の1つ、どこから開けられるのか私は最初全然わかりませんでした。
Nikon New FM2の場合、このつまみを手前に引きながら、巻き戻しクランクを上に引っ張ります。
するとカチャッと開かずの扉がオープン。
1-2.フィルムをケースから出し、フィルム室へ装填していきます。
巻き戻しクランクを持ち上げると、フィルム本体に入る軸も上に上がった状態になります。
フィルムを入れて、巻き戻しの軸を元に戻してはめ込みます。
フィルムは上下ひっくり返して入れます。
フィルムケースには凹凸の凸の方が上を向いて入っていたかと思いますが、Nikon New FM2の場合、それを下にして装填していきます。
(凸を上にして入れるフィルムカメラもあります)
余談:「装填」って読めますか?
余談ですが「装填」って読めますか?
「フィルムを装填する」という使い方をよくするそうなのですが、私はもちろんググりました。
「ソウテン」と読むのですが、意味が「銃砲に弾薬を詰め込むこと。」とのこと・・!
歴史を辿れば戦場を記録する役割も担ってきたフィルムカメラ、撮影も命がけの戦いだったんだなと思いを馳せたり。
まさにフィルムは写真を撮るための起爆剤となるという意味でも「装填」なのでしょうか。
意を決して装填してやりました。うす。
1-3.引き出したフィルムの先端を巻き上げ軸の溝に差し込みます。
差し込みというのがちょっとわかりづらいかもしれませんが、巻き上げ軸(スプールといいます)に縦長の穴があり、軽く差し込みます。
1-4.レバーを引いてフィルムを巻き上げていきます。
巻き上げレバーを手前に引いて巻き上げて、先ほど差し込んだ先端がしっかり巻かれていることを確認します。
この時、小さい四角形のとっかかりに上下それぞれがしっかり噛み合っているかどうかを必ず確認。
これが外れていると上手く巻き上げができなくなります。
1-5.フィルム室の蓋を閉めて、フィルムのたるみを引っ張ります。
フィルムを引き出した分の長さによってはフィルムがたるんでしまうことがあるため、
フィルム室の蓋を閉めたあと、巻き戻しクランクを矢印の方向に軽くゆっくりと回し、フィルムがぴんっと引っ張られる感覚になるようたるみを取ります。
1-6.「空シャッター」という動作を行います。
フィルムの先端部分には枚数に含まれない余分な長さがあるので、その分を巻き上げて1枚目のところまでもっていく作業です。
Nikon New FM2の場合、フィルムカウンターというカメラ上部の小窓に、最初は「S」が表示されています。
フィルム室の蓋を閉めたあと、「巻き上げ→シャッターを切る」の動作を何回か行い、フィルムカウンターの白い印の下に「1」の数字が出たら順に完了です。
↓シャッターボタンはこちら
フィルム装填の操作方法は以上です!
最初こそ戸惑いますが、慣れてしまえば案外簡単にできそうですね^^
2.電池を入れる
あれ?機械式フィルムカメラなのに電池が必要なの?と思った方、良い質問ですね~。
最初の1話目でちらっと触れましたが、ほとんどマニュアル操作の機械式フィルムカメラの中でも、露出計が内蔵されている機種があります。
露出計を起動させるために電池が必要となっているのです。
今回撮影したNikon New FM2もそんなフィルムカメラのひとつ。
電池を入れる電池室は、多くのフィルムカメラでは本体の下部にあるので、1円玉などで蓋をあけます。
↓電池を入れる場所です
Nikon New FM2では酸化銀電池「SR44」を2個使います。
電池の種類ってかなりあるから迷いますよね、、、私は電気屋さんで聞いてすぐ見つけてもらいました。
小さい割にわりとお高めでした;
長期間使わないときは電池を抜いておこう
Nikon New FM2は、露出計以外に電池を消費しないので、約1年くらいは電池がもつと言われています。
しかし、長い期間フィルムカメラを使わない場合などは、必ず電池を抜いた状態で保管しましょう。
理由は、電池の劣化・液漏れでフィルムカメラを痛める事があるためです。
電池選びについてはこちらの記事をご参考にしてみてください。
3.感度の設定
ISO感度の設定をしていきます。
4話のフィルムの話でも触れましたが、使うフィルムごとにISO感度は決まっているため、フィルムを装填した段階でISO感度も設定しましょう。(私はデジタル一眼レフと同様に考え、シーンによってISOを変えてしまうという失態を犯しました。。)
Nikon New FM2の場合、シャッターダイヤルの中の小窓にISO感度が表示されています。
普通にダイヤルを回すと、シャッタースピードの方が動いてしまうので、あれ?と思うかもしれませんが、ギザギザのダイヤル部分を上に持ち上げながら回すと、小窓の中のISO数値だけ動かすことができます。
この辺りもアナログ感満載ですよね〜!
フィルムのISO感度は、フィルムやパッケージなどに堂々たる記載がありますので迷うことはありませんね。
↓フィルムの種類や入手方法などについては、下記記事をご参照ください。
4.絞り値の設定
ここからは「露出」という部分の操作方法です。
絞り値を動かす絞りリングは、下記写真の黄色い文字の方です。
デジタルカメラだと画面上で操作するところ、リングを直接手でくるくるして調整するんですね。
この目盛りが何気にカラフルになっていて、数字も彫り込まれていて、素敵。
5.シャッタースピード(露光時間)の設定
こちらは先ほどちらっと触れましたが、シャッターダイヤルを回して決定していきます。
6.ファインダーを覗く→ピント合わせ
続いてはピント合わせの部分の使い方。
ここは正直最初かなり戸惑いましたが、、、新鮮でとっても感動するポイントです!
そのままファインダーを覗くと、ぼやぁ〜っとしてピントがあっていない状態です。
最近のデジタルカメラにはオートフォーカスという自動でピントが合う機能が備わっていますが、こちらのレンズはマニュアルフォーカスなので、ピントを合わせるにはピントリングを回して手動で調整していきます。
↓ピントリングは下記写真で言う緑の方。
マニュアルフォーカスの一眼レフカメラには、「スプリットイメージ」や「マイクロプリズム」と言う、よりピントを合わせやすくするための機能が付いているものがあります。
Nikon New FM2の場合、ピント合わせをしない状態でファインダーを覗くと、下記写真でいうと右側の状態になっています。
酔いそう、、、と三半規管の弱い私はこの絵面をとても長くは見ていられなそうでした。(三半規管は関係ないか笑)
この上下の絵が、ピントリングを回していくとピタッと一致する場所があるので、そこがピントが合った状態のサインです。
↓詳しい解説はこちらも参考にしてみてください。
7.適正露出の決め方
次は、露出計の使い方です。
先ほど電池を入れて起動させた露出計。
ファインダーを覗くと、右側に赤いランプがつきます。
Nikon New FM2ではこのランプが露出の+と−を示していて、「○」が適正、「+」は明るめ、「ー」は暗め。
ここで表示された露出を参考にしながら、自分の表現意図に合わせた設定をしていきます。
露出を決めるには3つの要素「絞り・シャッター速度・ISO感度」が主に関わってきます。
フィルムカメラではフィルムによってISO感度は固定で決まっているため、主に「絞り」と「シャッター速度」で露出の調整をしていくことになります。
具体的な撮影時の操作例としては、例えば逆光で太陽が正面にくるような構図で撮りたい時、カメラは強い光を察知して暗めの露出設定をしようと起動します。
なので使い手側は、設定を少し明るめにいじってちょうどよくなるように調整します。
この辺のフィルムカメラの使い方についてはこの記事も参考にしてみてください。
8.フィルム巻き上げ→シャッターを切る
フィルム装填のときにも行った、レバーの巻き上げをします。
先ほど「1」の状態にしてある人は、そのまま1枚目のシャッターを切ることができます
フィルムカメラでは、1枚撮ったら1回レバーを巻き上げてフィルムを送ります。
巻き上げずにシャッターボタンを押せず「故障した!?」と焦るのは誰しも通る道。
レンズの蓋を開け忘れたままファインダーを覗くと真っ暗、「故障した!?」というのと同じくらいのイージーミスと思えば怖くありません。
9.シャッターを切る
さぁ!いよいよ準備万端。
シャッターボタンを押してシャッターを切ります。
手間暇かけてようやく1枚を撮る。この作業がフィルムカメラを扱う醍醐味ではないでしょうか。
10.フィルムの巻き戻し
写真を撮り終わったあとの操作方法について説明していきます。
シャッターを押すたびに巻き上げていたフィルムを、今後は元のフィルムの缶(「パトローネ」といいます)の中へ巻き戻す作業となります。
10-1.巻き戻しができる状態にする
カメラ下部のボタンを押して、巻き戻しロックを解除します。
↓Nikon New FM2の巻き戻しボタンはここです。
10-2.巻き戻しクランクを回して巻き戻す
レバーを持ち上げ、矢印の方向にぐるぐる回していきます。
どこかで巻く感覚が軽くなったら、巻き戻し完了。
10-3.フィルムを取り出す
フィルムを入れたときと同じように、巻き戻しクランクを上に引き上げて、フィルム室の蓋を開け、フィルムを取り出します。
以上。
装填のときより簡単ですね!
初めて撮影してみた感想
フィルムカメラ、Nikon New FM2の操作方法、いかがでしたでしょうか?
確かに最初は設定にすごく戸惑うし時間がかかりますが、慣れてしまえば簡単そう・・そう思えたんじゃないでしょうか。
私は思っていたよりも簡単に感じましたし、デジタルカメラやスマホカメラが無い時代、子供でもフィルムカメラを扱っていた時代があるので私にだって使えないものでは決してないよなぁと思いました。
むしろ私はオート機能が揃ったデジタルカメラのように、自分の知らないところで機械が自動的に動かしてくれるより、自分の手で動せる感覚、写真に深くコミットできる感覚を持てるのですごく嬉しいし楽しいです。
それに撮りたいものに集中できるし、撮った写真を見れないどきどき感がたまりません。
この記事を書いている時点ではまだ現像した写真を見られていないので本当に撮れているか心配でしかないです。笑
(最初にISOを変えてしまったり露出計の存在を知らずに適当にとっていたので半分以上はボツの予感です。笑)
最初は1枚撮るのに5分くらいかかった!
ちなみに、最初は1枚とるのに5分くらいかかりました。
仕事で家族写真を撮る時はデジカメで1時間500枚以上撮っているので、これは私にとってすさまじいカルチャーショック。
デジタルもフィルムも両方使いこなせたらめちゃかっこいいな~。
ゆるめですがそんな感じでじわじわフィルムの楽しさを実感しています。
Nikon New FM2の関連記事
今回使い方を解説したNikon New FM2については、こちらの記事でも解説しています!
次の記事は現像の解説!
というわけで、今回はフィルムカメラ、Nikon New FM2の操作方法を紹介しました。
Nikon New FM2の使い方はフィルムカメラの中でもとても一般的なものなので、他の機種を使う方にとっても参考になると思います。
皆さんもぜひハードルを下げて、じゃんじゃんフィルムカメラの世界にチャレンジしてみてほしいなって思います。
次回は、フィルムカメラの使い方の続き。
写真を撮ったあと、現像していく段階のお話です!
お楽しみに^^
【次の記事はこちら】
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写真・動画どちらもハイクオリティ。一度は手にしたい逸品!
FM2発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザイン!
どこでも持ち歩ける相棒です。
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