赤窓
2019.02.07
↑蓋を開いた状態の赤窓(イコンタ523/16)
中判カメラの裏蓋に設けられている赤い窓のこと。
通常、写真フィルムは光が漏れると感光してダメになってしまうが、モノクロフィルムは赤い光だけには比較的感光しにくいという性質を併せ持っていた。
その特徴を利用して、中判カメラでは、フィルムの裏面に遮光性の紙(裏紙)を一緒に巻き付け、裏紙に印刷された数字を直接読み取って巻き上げを行うということが行われた。
戦前〜1950年代にかけて盛んに用いられた手法で、当時はフィルムの感度が低いことが多く、またモノクロフィルムが主流だったため、これでも十分実用になった。
しかし構造上、1枚巻き上げることに巻き上げを止めることができなかったり、二重写し(多重露光)防止が難しいなどの欠点もあり廃れていった。
現在ではトイカメラにこの方式を採用するものが残るのみ。
カラーフィルムでも問題なく使えるが、念の為赤窓の蓋を巻き上げ時以外は閉じておいたほうがよい。
赤窓式のカメラは構造が単純なため壊れにくいというメリットもある。
関連項目