Hasselblad(ハッセルブラッド)500C/M/中古でHasselbladを手に入れてみませんか?
ハッセルブラッド500C/M。
中判カメラの頂点といっても過言ではない、中古フィルムカメラのなかでもとても人気が高い機種です。
ハッセルブラッドといえば有名なのが、使い方に特徴があるということ。
「作法」と表現されるように、たしかに、他のフィルムカメラとは違う部分も存在します。
「ハッセルブラッドは正しく使わないと壊れる」という言葉を聞いて、ハッセルを使うことに二の足を踏んでいる方もいるのでは。
でも大丈夫。
ハッセルブラッドはとても合理的な設計をしているフィルムカメラ。
間違った操作は、物理的にできないように、安全に作られています。
今回はハッセルブラッド500C/Mを中古で購入したという方のための、使い方のポイント、そしてハッセルブラッド500C/Mの特徴についても解説します。
これから中古でハッセルを手に入れたいという方も、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
ハッセルブラッド500C/M
中判カメラの頂点、ハッセルブラッド。
なかでももっともメジャーな機種、そして中古で人気が高いのが、500C/Mです。
ハッセルブラッド500C/Mの特徴
形式 | 中判一眼レフカメラ |
シャッター | レンズシャッター 1秒〜1/500秒 |
レンズマウント | Hasselblad Vマウント |
露出計 | なし |
AE | なし |
ファインダー | 標準はウエストレベルファインダーを装着 |
使用フィルム | 120フィルム |
画面サイズ | 6×6判(645判のフィルムマガジンもあり) |
製造国 | スウェーデン |
発売年 | 1970年 |
ハッセルブラッドは、中古フィルムカメラの中でももっとも人気が高い中判一眼レフカメラ。
生まれたのはスウェーデン。
もともと軍用の航空カメラを作っていたヴィクター・ハッセルブラッド博士(Fritz Victor Hasselblad , 1906〜1978)が、戦後、民生用に創り出したのが、いま中古で手に入るハッセルブラッドの中判カメラです。
ハッセルブラッドの中判一眼レフカメラは、最初はフォーカルプレーンシャッター(カメラボディに内蔵されたシャッター)を使っていましたが、1957年に、よりスタジオ撮影に向いたレンズシャッターを採用したハッセルブラッド500Cにモデルチェンジ。
この記事で紹介する500C/Mは500Cの改良版で、かつ、ハッセルブラッドを代表する、もっとも多く製造されたモデルとなりました。
ハッセルブラッドの特徴
ハッセルブラッドにはいくつかの特徴があります。
1.レンズ・フィルムマガジン交換可能なシステムカメラ
ハッセルブラッドは、広角・望遠・マクロなどの各種レンズや、カメラ後ろ側のフィルムマガジン、ファインダーなどが交換可能なシステムカメラ。
幅広い撮影シーンに対応できることで、プロ用中判カメラのスタンダードとなりました。
2.レンズシャッター採用でストロボ撮影に強い
ハッセルブラッドが採用したレンズシャッターは、ストロボの同調速度が1/500秒と早く、とくに、プロのスタジオカメラマンにとって大きなメリットとなりました。
(フォーカルプレーンシャッターのカメラでは、早くても1/250秒が限界。通常は1/60〜1/125秒程度)
デジタルカメラが主流となる以前には、広告カメラマンや、雑誌のモデル撮影などに広く使われたハッセルブラッド。
昭和の時代には、ハッセルブラッドはプロカメラマンの象徴だったのです。
3.カール・ツァイス製の最高峰のレンズ
ハッセルブラッドのレンズは、初期のフォーカルプレーンシャッター向けのものを除き、ドイツのカール・ツァイスが製造。
カール・ツァイスといえば、名実ともに世界最高峰のレンズメーカー。
解像度や描写力、質感、量感、空気感。
日本製の中古レンズには真似出来ない、もしかすると被写体を実物よりも美しく撮ることができるほどの性能を味わえます。
4.正方形のましかく写真が撮れる
ハッセルブラッドは、基本的に6×6判という正方形の画面で写真を撮る設計となっています。
プロに使われていた時代には、縦と横の区別をする必要がなかったため、トリミング(写真を切り取って使う)前提で撮影するのに都合がよく、愛用される大きな理由となったといいます。
いま、中古フィルムカメラを楽しむときにも、このましかく画面はとても大きな魅力。
正方形の画面は、横長の画面に比べて、被写体をよりドラマチックに描き出す効果があります。
中判カメラならではの大画面とあいまって、きっと人を魅了する傑作が撮れることでしょう。
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ハッセルブラッド500C/Mの使い方
それでは、ハッセルブラッド(Hasselblad)500C/Mの使い方について具体的に解説します。
今回はハッセルブラッド500C/Mを例として説明しますが、503CWや500Cといった他の機種も、基本的には使い方は同様。
ほかの機種を中古で手に入れたという方も、使い方の参考になれば幸いです。
1.レンズの着脱
まず最初に、レンズの着脱方法から使い方を説明します。
ハッセルブラッドのレンズを着脱するときの大原則。
それが
「ボディとレンズ、どちらもチャージされた状態で着脱する」ということです。
ハッセルブラッドのシャッターはレンズ内に組み込まれていて、ボディとレンズの動作を連動させる必要があります。
そのため、ボディとレンズの双方が、同じ「チャージされた状態」にないと、物理的にレンズを着脱できない設計となっているのです。
チャージの確認方法
チャージされているか確認します。
ボディ側がチャージされているかは、2箇所で確認できます。
まず、ボディ側面のシャッターチャージシグナル。
この部分が白くなっていれば、ボディはチャージされています。
また、レンズが外れている状態のときは、レンズマウント内下部のシャフトでも確認できます。
シャフト内の突起が赤い印と一直線になっていれば、ボディがチャージされているということになります。
もしチャージされていない場合には、巻き上げクランクを回して、ボディをチャージ状態にします。
レンズがチャージされているかは、マウント側にあるシャフトで確認します。
シャフトの凹みが指標と一直線になっていれば、レンズがチャージされているということになります。
もしチャージされていない場合には、このシャフトをカチッというまで回すことでチャージできます。
コイン等でも回すことができますが、キズがついてしまうので、可能なら専用の「チャージドライバ」を使用することをおすすめします。
レンズの外し方
さて、それでは実際にレンズを外してみましょう。
レンズを外すには、ボディ正面右下の着脱ボタンを押しながら、レンズを反時計回りに回して外します。
レンズの取り付け方
まず、ボディとレンズの双方がチャージされていることを確認しましょう。
ボディとレンズの指標を合わせて、マウントを噛み合わせます。
時計回りに「カチッ」という音がして止まるまで回します。
これで装着完了です。
レンズ着脱時にしてはいけないこと
レンズ着脱時に、以下の2つのことは厳禁です。
1.着脱中にシャッターボタンを押す
2.ミラーアップしながら着脱しようとする(ミラーアップについては後述)
どちらも故障の原因となり、専門業者に修理を依頼しないといけなくなります。
ゆっくり、落ち着いて行いましょう。
2.フィルムマガジンの着脱方法
ハッセルブラッドは、「フィルムマガジン」(フィルムを入れる部分)を交換できるカメラです。
本来はプロのカメラマンが撮影途中でフィルムを取り替えたり、フィルムを撮り終わったときに迅速に次のフィルムに交換するための機能。
これから中古でハッセルブラッドを使う場合マガジンは1つしかないことが多いと思いますが、フィルムマガジンの着脱方法にも「作法」があるので、間違えないように覚えましょう。
フィルムマガジンの着脱もチャージ状態で行う
フィルムマガジンを着脱する際も、レンズと同様、チャージされている状態で行います。
チャージされているかの確認は、ボディ側はシャッターチャージシグナルで。
フィルムマガジン側はフィルムシグナルを確認します。
白くなっていれば、どちらもチャージされているということになるのでOKです。
チャージされていない場合、オレンジ色になっています。
もしチャージされていない状態で着脱してしまうと、フィルムが1コマ分無駄になったり、最悪の場合故障する要因となります。
こちらもレンズの着脱同様、チャージされていなければ、巻き上げクランクを回してチャージします。
フィルムマガジンの外し方
フィルムマガジンに引き蓋が入っているか確認します。
引き蓋が入っていないと、フィルムマガジンが物理的に外れない構造となっています。
入っていなければ、引き蓋を挿入します。
フィルムマガジン上部の着脱レバーを右に動かします。
その状態で後ろに引くことで、フィルムマガジンが外れます。
フィルムマガジンの取り付け方
フィルムマガジンを取り付ける場合も、引き蓋を挿入した状態で行います。
ボディ下部のフックに、マガジン下部のフック受けを噛み合わせます。
マガジンの着脱レバーを横に動かした状態で、マガジンをボディに合わせます。
合わせたら着脱レバーを戻します。
着脱レバーを動かさない状態でマガジンをボディに強引に押し付けるのはやめましょう。
3.フィルムの入れ方
フィルムを入れます。
フィルムはマガジン装着状態・取り外し状態のどちらでも入れることができますが、今回はマガジンを外した状態で解説します。
操作は、引き蓋を差し込んだ状態で行います。
ロールホルダーを外す
マガジン側面のロールホルダーキーを起こして、反時計回りに回します。
そのまま引き抜きます。
フィルムを入れる
120フィルムの空スプールが右側にあった場合、外して、左側に移します。
新しいフィルムを右側にセットします。
フィルム(裏紙)の先端を、ロールホルダーの裏側に回します。
その状態で、ロールホルダーキーを水平の位置に回します。
すると、フィルム圧板上部にあるフィルムクランプが持ち上がります。
参考までに、フィルムクランプが持ち上がっていない(ロールホルダーキーが斜め)のときは以下のようになっています。
フィルムクランプとフィルム圧板の間を通るように、フィルムを通します。
空のスプールの先端に、フィルム(裏紙)の先端を差し込みます。
フィルム巻取りノブを手で回します。
フィルム裏紙の「スタートマーク」が出てきたら、スタートマークの矢印と、ロールホルダーの△印を合わせます。
ロールホルダーキーを反時計回りに回して、フィルムクランプを下げます。
フィルムホルダーを、フィルムマガジンに差し込みます。
ロールホルダーキー時計回りに回してロックします。
フィルムを巻き上げて、マガジンをチャージ状態にする
このとき、フィルムマガジンのカウンターは「0」を表示しています。
また、フィルムシグナルは黒になっています。
フィルム巻き上げクランクを、止まるまで回します。
止まるまで回すと、カウンターは「1」になり、フィルムシグナルは「白」となります。
装着前に再度、ボディとフィルムマガジンの双方がチャージ状態になっていることを確認しましょう。
ボディのシャッターチャージシグナルが白になっていたら、上で解説したようにフィルムマガジンを取り付けます。
もしも、ボディ側がチャージされていない状態で取り付けてしまうと
ボディ側がチャージされていないのに、フィルムマガジンだけがチャージされた状態で取り付けてしまうとどうなるのでしょうか?
取り付け自体は可能です。
しかし、この状態でボディをチャージしようとすると……
ボディの巻き上げに連動してフィルムマガジンも巻き上げられてしまうのです。
つまり、装着時に撮影待ちの状態になっていたフィルム1コマ分が無駄になってしまうということ。
そもそも、本来想定されていない操作で故障の要因にもなるので、フィルムマガジンの着脱時には、双方がチャージされていることを確認するのがベストです。
4.ウエストレベルファインダーの使い方
ハッセルブラッド500C/Mを中古で購入した場合、ほとんどはウエストレベルファインダーが装着されているはずです。
ウエストレベルファインダーは、上から覗き込んで使用するファインダーです。
ファインダー像は、上下はそのまま、左右は反対になります。
ピントフードを開く
ウエストレベルファインダーのピントフードを開きます。
ファインダー後部のノブを引き上げます。
古いものには、開閉ボタンをスライドさせるタイプもあります。
この状態で上から覗き込んで使用します。
ルーペを使う
ピントをより正確に合わせるための拡大用ルーペが内蔵されています。
ルーペは、フード内部のレバーを右に動かすことで飛び出てきます。
収納は、元の位置に押し込むだけでOKです。
ピントフードの収納
ルーペが出ていない状態で行います
フードの左右のちょうつがいになっている部分を押しながら、折りたたみます。
5.撮影前の準備
ハッセルブラッドは、フィルムマガジンの引き蓋が入っている状態ではシャッターが切れない状態になっています。
撮影する前に引き蓋を抜きます。
(紛失に注意しましょう)
引き蓋が入っていると撮影できない理由
ハッセルブラッドのシャッターボタンを押すと、連動してボディ後ろ側のピンが飛び出ます。
このピンは、フィルムマガジンにある穴の中に入っていくようになっています。
正面から見て左下。
フィルムマガジンの側を見てみると、引き蓋の有無で切り替わる部分があります。
引き蓋を抜くと銀色のロックが下がり、差し込むとせり上がってきます。
この構造により、引き蓋が入っていると物理的にシャッターが押せないようになっているのです。
6.シャッター速度・絞りを合わせる
シャッター速度と絞りを合わせて、露出を決めます。
ハッセルブラッドには基本的には露出計がないため、単体露出計や、スマホの露出系アプリを使いましょう。
シャッター速度を設定する
シャッター速度は、レンズのシャッターリングを回して決めます。
絞りを設定する
絞りは、レンズの絞りリングで設定します。
7.ピントを合わせる
ファインダーを覗いて、ピントリングを回します。
被写体がくっきりと見えるように、ピントを合わせます。
被写界深度の確認方法
被写界深度を確認するには、レンズ側面のプレビューボタンを押し下げます。
解除するには、プレビューボタンを軽く押し上げます。
8.シャッターを切る
露出とピントを合わせたら撮影します。
シャッターは、ボディを正面から見たとき左下にある、シャッターボタンを押して切ります。
シャッターを切ると、ボディ、マガジンともにシグナルがオレンジ色になります。
シャッターを切るとファインダーが見えなくなるのが正常
ハッセルブラッドは、シャッターを切るとファインダーが見えなくなります。
この動作は正常です。
ハッセルブラッドは、内蔵されたミラーが、撮影後に自動でもとに戻りません。
(クイックリターンミラーではない)
巻き上げを行うと、ミラーが下がってファインダー像が見られるようになります。
スローシャッターを切るときの注意
このときの注意として、スローシャッターの場合、シャッターが閉じるまでシャッターボタンを押したまま、離さないようにしましょう。
もしシャッターボタンを離してしまうとどうなるのでしょうか?
シャッターそのものは、設定した時間で切れています。
ところが、シャッターボタンを離すと、その時点でボディ後部の遮光用バックシャッターが閉じてしまうのです。
すると、本来考えていた時間、フィルムに露光が行えなくなってしまいます。
ミラーアップの方法
ハッセルブラッドにはミラーアップ機構が内蔵されています。
ミラーアップすることで撮影時の振動を減らすことができるため、とくに三脚での撮影時や、スローシャッターを切るときに、ブレを防ぐことが可能です。
ミラーアップは、チャージされた状態で、ボディ側面のレバーを押し上げることで行なえます。
なお、一度ミラーアップすると、シャッターを切るまで元に戻すことはできません。
ミラーアップ時の注意
ミラーアップした状態では、以下の操作は厳禁です。
・レンズの着脱
・フィルムマガジンの着脱
どちらも致命的な故障の原因となります。
9.巻き上げる
次の撮影のために巻き上げます。
巻き上げクランクを止まるまで回します。
巻き上げが終わると、側面のシグナルが2つとも白に変わります。
これで、次の撮影が可能となります。
この流れを繰り返して、フィルムが終わるまで撮影を行うこととなります。
10.撮影完了
ハッセルブラッドは12枚撮りです。
(120フィルム使用の場合)
12枚目が撮り終わったあと、巻き上げクランクを回すと、それ以上シャッターが切れなくなります。
フィルムを交換するために、撮影し終わったフィルムを巻き上げましょう。
引き蓋を差し込みます。
フィルムマガジンの巻き上げクランクを、軽くなるまで回します。
フィルム装填時と同じように、フィルムホルダーを引き出して、フィルムを取り出します。
撮影が終わったフィルム先端についているシールを貼り付けて裏紙を止めます。
最後に、空になったスプールを反対側に移動させます。
フィルムホルダーをマガジンに戻します。
これで撮影の一連の流れは終了。
おつかれさまでした。
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ハッセルブラッド500C/M使い方tips
さて、ハッセルブラッド500C/Mには、他にもいくつかの注意したい使い方があります。
より快適かつ、よい状態でハッセルブラッドを使うためのtipsを解説します。
1.保管時は引き蓋を抜いておく
基本的には、引き蓋は抜いておくようにしましょう。
引き蓋を差し込む箇所にはテレンプという柔らかい遮光用の材料が使われています。
引き蓋を入れっぱなしにしているとテレンプが潰れてしまい、隙間が空いてカメラ内部に光が漏れてしまうトラブルを招きます。
なおテレンプは交換可能ですが、それなりの修理代金がかかります。
2.シャッターをチャージしない状態で保管(諸説あり)
長期間の保管時、シャッターに負荷がかからないようにシャッターを切った状態(チャージしない状態)にしておくのもひとつの手段です。
ただしこれについては諸説あり、チャージ状態でも問題ないという意見も見聞きします。
ハッセルブラッド500C/M 中古購入時のポイント
ハッセルブラッド500C/Mを中古で購入する際のポイントを解説します。
各部動作はスムースか確認
ボディ、レンズ、マガジンがそれぞれスムースに動作するかチェックします。
可能なら、実際に操作して、異音やガタがないか確認しましょう。
とくに、ボディとマガジンの間にガタがないかは重要です。
レンズの低速が粘っていたり、プレビューレバーの戻りが悪いなどの症状のものは、修理・オーバーホールの必要があります。
キズ等をチェック
外装のキズ、汚れ。
レンズのカビやバルサム切れを確認するのは、他の中古フィルムカメラと同様です。
一緒に購入するもの
ハッセルブラッド500C/Mを中古で購入する場合、いくつか、いっしょに購入したほうがよいものがあります。
ストラップ金具
ハッセルブラッドは、ストラップの取り付け部が独自形状です。
そのため、専用のストラップか、ストラップ金具が必須となります。
中古購入時には一緒に用意しましょう。
専用フィルター
ハッセルブラッドのレンズは、基本的にはフィルター枠が専用のバヨネットとなっています。
レンズも中古とはいえけっして安いものではないので、保護のためにも適合する専用のフィルターを購入するとよいでしょう。
フィルムマガジンはA12を一緒に購入
交換式のフィルムマガジンですが、ハッセルブラッド500C/Mを中古で購入する際には、基本的にはA12を一緒に購入しましょう
ほとんどの場合、ボディとセットになっています。
A12は、120フィルムを使って、6×6判の正方形画面で12枚撮影できるマガジン。
他にも、645判のA16、220フィルム用のA24などもありますが、A16ではせっかくの正方形画面が楽しめませんし、A24は、すでに220フィルムが販売終了していて使えません。
使用するフィルム
ハッセルブラッドでは、120フィルムという種類のフィルムを使います。
120フィルムとは、もっともよく使われている35mmフィルムよりも大きな、遮光のために裏に紙がついたフィルムのこと。
ハッセルブラッド500C/Mでは、基本的に1本のフィルムにつき12枚撮りとなります。
2022年現在、カラーネガの場合Kodakの製品が入手しやすいといえるでしょう。
またポジフィルムについては、Kodakの製品もありますが2022年時点では富士フイルムのほうが安く入手できます。
モノクロについては各社から販売されているので、かわうそ商店(外部リンク)さんなどで購入するのがおすすめです。
※フィルムについては今後大きく状況が変わる可能性があります。
ハッセルブラッドを初めて購入するときに用意したいレンズ
さて、それではこれから中古でハッセルブラッド500C/Mを手に入れる場合、どんな交換レンズがおすすめなのでしょうか?
まずはPlanar 80mm F2.8
最初にボディと一緒に中古で購入したいレンズ。
それはやはり、Planar 80mm F2.8でしょう。
Planar 80mm F2.8はハッセルブラッドの標準レンズ。
中判カメラのリファレンスともいえる、中古フィルムカメラを味わうなら一度は使っておきたいレンズです。
広角ならまずはDistagon 50mm F4
広角レンズを使いたいなら、2本目にDistagon T* 50mm F4はいかがでしょうか。
切れ味鋭い描写力は、ハッセルブラッドの魅力の一翼を大いに担ってくれるもの。
とても豊かに、実物以上の質感あふれる写真を生み出すことができますよ。
35mmフルサイズに換算すると、約28mm相当の画角となります。
望遠の定番 Sonnar 150mm F4
広角の定番がDistagon 50mm F4なら、望遠はSonnar 150mm F4が中古で最人気のレンズ。
一眼レフの時代になり、望遠レンズに活躍の場を移したSonnar。
このレンズは、カール・ツァイスのSonnarのなかでも人気が高いもののひとつだといえます。
約82mm相当の中望遠となり、ポートレート撮影に最適です。
ツァイスのレンズならではの鮮やかな質感・空気感は、被写体の内面まで切り取ってくれることでしょう。
ハッセルブラッド交換レンズの種類
ハッセルブラッドの交換レンズは、CレンズとCFレンズに分かれます。
またCレンズは、T*コーティングが施されたものと、そうではないものに分けることができます。
1.Cレンズ(銀鏡筒)
銀鏡筒のCレンズは、ハッセルブラッド500C/Mなどレンズシャッターを採用したハッセルブラッドのなかでも、初期のレンズ。
その外観から「白レンズ」とも呼ばれます。
Cレンズの「C」とは、シャッターにコンパー(Compur)を採用していることに由来しています。
白いクラシカルな外観は、中古フィルムカメラならではの質感を味わうのにぴったりです。
Cレンズは途中1972年を境に、コーティングがモノコート(単層コーティング)とT*コーティング(マルチコート)のものに分かれます。
2.Cレンズ(黒鏡筒)
1973年から銀鏡筒と並行して、黒い鏡筒のCレンズが製造されるようになり、徐々に置き換わっていきました。
初期はモノコートのものもありますが、T*コーティングが施されているもののほうが多いです。
銀鏡筒にも共通しますが、Cレンズは被写界深度指標にも特徴があります。
Cレンズの被写界深度指標は、絞りリングを回すと連動して動くという、独特の機構となっているのです。
オレンジ色の指標が絞り値に応じて動く
3.CFレンズ
CFレンズは1982年登場。
Fとは「フォーカルプレーンシャッター」のこと。
それまでレンズシャッターを採用していたハッセルブラッドの中判カメラですが、1977年に、フォーカルプレーンシャッターを採用した2000シリーズが新規に展開されるようになりました。
CFレンズは、切り替えを行うことにより、レンズシャッターのハッセルブラッドでも、フォーカルプレーンシャッターのハッセルブラッドでも、どちらでも使える設計となっています。
シャッターはそれまでのデッケル社のコンパーから、「プロンター」に変更されました。
T*コーティングが施されています。
そのほかのハッセルブラッド用レンズシャッター内蔵レンズ
そのほかにも、CFiレンズ(1998年登場)やCFEレンズ(電気接点内蔵)、廉価版のCFBレンズが存在しますが、中古でこれからハッセルを購入する場合、数が多いCレンズかCFレンズを選ぶことが多くなるのではないでしょうか。
これらは設計が新しいので、描写も現代的になっています。
モノコートとT*コーティング、どちらを選ぶ?
Cレンズのモノコートのものと、T*コーティングが施されたもの。
当然ながら、どちらを中古で選んでもハッセルブラッド500C/Mの魅力は存分に味わうことができるでしょう。
描写にはそれぞれ個性があります。
カール・ツァイスならではのT*コーティングは、色鮮やかな描写が魅力。
ツァイスならではのつややかな色乗りが楽しめます。
いっぽう、モノコートのレンズはクラシックカメラならではの味のある描写。
モノクロでの撮影では、T*コーティングのものよりも、むしろ質感豊かな写真が撮れるという評判もあります。
レンズについては、見た目や状態、そして好みで選びましょう!
ハッセルブラッド500C/Mを使ってみませんか?
フィルムカメラの頂点のひとつ、ハッセルブラッド。
これから中古でハッセルブラッドを手に入れるなら、500C/Mが間違いなく最適な選択肢だといえるでしょう。
ハッセルは使い方が難しい……、そんな意見を聞くこともありますが、じつは基本さえ守れば使い方は簡単。
もし使い方が不安なときは、この記事も参考に初めてのハッセルで撮影してみてくださいね。
当店ではハッセルブラッドのボディ・レンズも豊富に取り揃えています。
ぜひハッセルブラッド500C/Mをお探しの際はご覧ください。
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更新履歴
2022年8月22日
フィルムについての記述を2022年時点の情報に更新しました。
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