[コラム] 愛すべきミノルタのカメラたち
かつて大手メーカーの一角だったミノルタ(MINOLTA)。
2003年にコニカと合併しコニカミノルタとなりましたが、残念ながら既にカメラ製造から撤退して久しいです。ですがαの遺伝子は、いまもSONYの手で脈々と受け継がれています。
大衆機の代表格、ミノルタの歴史
ミノルタの立ち位置は、大衆機の雄だったといえるでしょう。かつてペンタックスとともに、一眼レフの普及に一役買っていました。肩の力を抜いて持ち出せる相棒です。
戦前、千代田光学としてスタートしたミノルタは、スプリングカメラや二眼レフで名をはせ、戦後には国産二眼レフの最高傑作、ミノルタオートコードを生み出します。そして35mmカメラを主力とし、ハイマチックシリーズは宇宙にも行きました。
一眼レフにおいては黎明期から市場の拡大に大きな貢献を果たしました。上下分割測光(CLC)のSRT、X-1、XE、XD、X-700などのXシリーズは、みなSRマウント時代の傑作たちです。XE、XDはライカRシリーズのベースにもなりました。
そして転機は1985年にやってきました。初の実用オートフォーカス一眼レフカメラ、α-7000の投入です。
マウント変更という英断を伴う製品でしたが大成功し、一挙に時代はAF時代に突入します。その後も、AFに関する権利問題など紆余曲折はありましたが、多くの魅力的製品を生み出してきました。
ミノルタレンズの魅力全開
1990年代のコンパクトカメラブームでは、傑作TC-1を作り出し、デジタルカメラ時代の初期にはdimageシリーズでも名をはせました。いま、新たなカメラを手に入れることができないことは本当に悔やまれます。
魅力はレンズにもあります。初めて大々的にマルチコートを採用しはじめたMCロッコールレンズは、コーティングの色から緑のロッコールと呼ばれていました。
AF時代にはミノルタ独自のSTFレンズという、他には替えられない製品も販売しています。ロッコールという名称は創業地が阪神間にあったことに由来しています。そう、六甲山です。また、ミノルタというブランド名は、「実る田」が由来であるとも言われています。
ぜひ使いたいミノルタのカメラを挙げるとすれば、まず前述したTC-1。そして、ライカMマウントを採用したCLやCLEでしょう。
ミノルタロゴのないライカCLばかりが人気ですが、ダブルネームのライツミノルタCLを懐から取り出すのもオツなものです。
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