Nikon(ニコン)F3/T/タフな現場の仕事道具 ニコン F3/T チタン ブラック
F3HPをベースとして1982年に登場した初期のF3/Tは、 チタン色に似せた塗色だったので一目でそれとわかりましたが、 1984年登場のブラックモデルは/Tのレタリングを見ないと通常のHPとの見分けは難しいですね。
そもそも、ニコンが最初に作ったチタン外装のカメラは、 「F2チタンウエムラスペシャル」でした。
作られた目的は、北極点犬ぞり単独行というタフな環境の中、丈夫で軽いカメラを提供する為です。
チタン以外にも特別な改造が施されていました。
そのウエムラスペシャルがなければ、F2チタンの市販はされなかったかもしれないし、 F3/Tもこの世に出なかったもしれないですね。
何しろ、チタンをカメラの外装に使うという発想は、それまでなかったのですから。
F2チタンが限定発売だったのに対し、F3/Tも同Blackも通常モデルとしてカタログに載りました。
なので、使っている人を見かけることはさほど珍しいことではなかったですね。
ニコンは、Fのごく初期モデルを除いてチタン幕のシャッターを採用していたので、 そこからチタンを加工する技を磨いてきたのですが、憶測だけれども、 F2時代にはまだ外装パーツとして大量生産することが出来なかったのではないでしょうか?
カメラの外装に多く使われていた真鍮用のプレス機や研磨機では、 硬いチタンを自由に造形することはできません。
少量生産であればどこかの町工場に発注で済みますが、 レギュラーモデル向けの大量生産となると、それ相応の設備投資も必要となります。 1979年のF2チタンの時代から、技術的ブレイクスルーがあったのでしょうね。
F3/Tのチタンパーツ採用箇所は、左右のトップカバー、 ボトムカバー、裏蓋、ペンタカバーです。 スペックはF3Hと同じですが、防滴性能も強化されているので、 F3Hよりも更にハードな環境での使用を想定していたのでしょう。
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