RICOH(リコー)GR1/ストリートスナップのための武器
RICOH GR1(リコー GR1)はまさに伝説の名にふさわしいカメラ。
街や人をスナイプするためだけに完全最適化するという、非常に尖った特徴を持つ機種です。
森山大道や荒木経惟といった日本でも最も有名な写真家も愛用したGR1。
写真作品を作るための相棒として、数多くの伝説の生き証人となってきました。
胸ポケットにすっぽりと入り、いつでも一瞬で撮影モードに突入。
黒いボディは街へ完全に溶け込み、誰にも気づかれることはない。
RICOHの生み出したカメラのなかでも最高傑作の呼び声高いGR1。
中古でも非常に高い評価を保っており、現在でもデジタルカメラのRICOH GRとして血筋が受け継がれ続けています。
ぜひあなたも中古のGR1で、モノクロのストリートスナップと洒落込んでみませんか?
今回は中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラのスタッフが、GR1の中古カメラとしての魅力を紹介します。
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リコーGRシリーズについては、こちらの新しい記事でより詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
目次
RICOH GR1
数々の写真家の伝説を彩ったカメラ、RICOH GR1。
ぜひ中古で手にしてみたいGR1とはいったいどんなカメラなのか、特徴を見ていきましょう。
RICOH GR1の性能・スペック
形式 | 35mmコンパクトカメラ |
シャッター | 電子制御 レンズシャッター 2秒〜1/500秒 |
レンズ | GR Lens 28mm F2.8 |
AE | プログラムAE 絞り優先AE |
ファインダー | 採光式フレームファインダー |
AF | パッシブ式オートフォーカス |
電池 | CR2リチウム電池(Amazon)x1 |
発売年 | 1996年 |
出典:リコーイメージング公式Webサイトより「リコーカメラ全機種リスト > 1981-」(2021年3月24日閲覧)
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera/cameralist/GR1.html
RICOH GR1はストリートスナップのためだけに生み出されたコンパクトカメラ。
世の中に高級コンパクトカメラは数あれど、RICOH GR1は他のカメラと一線を画しています。
他の高級コンパクトが趣味の道具なら、GR1は戦うための武器。
そこには無駄も飾り気も一切ありません。
パッシブ式のオートフォーカスを搭載し、広角の28mmレンズと相まってピンぼけの心配はほぼないといってよいでしょう。
露出はプログラムと絞り優先に対応しています。
シャッターは2秒〜1/500秒。
ファインダーも採光式のとても見やすいものを搭載しています。
マグネシウムダイキャスト製の堅牢なボディも、まさに武器としてのカメラであることを象徴しているといえます。
中古で手に入る高級コンパクトカメラのなかには「90年代っぽさ」を感じてしまうものも多いですが、GR1にはそのような時代がかった感じはありません。
そのことこそが、中古でしか購入できない機種ながら、GR1がフィルム愛好家の実用の「武器」であり続けることを象徴しています。
伝説のGRレンズは一眼レフをも凌駕
GR1のもっとも素晴らしい部分。
それが、数多くのレンズの中でも最高画質との呼び声高い、28mm F2.8のGRレンズです。
このレンズの最大にして唯一の特長、それがすべての広角レンズが泣いて道を譲る超高画質。
並の一眼レフ用レンズでは太刀打ちできない、RICOHが生み出した世界的な銘レンズです。
GR 28mm F2.8のレンズ構成は4群7枚。
それまでのコンパクトカメラでは考えられなかった高級レンズを、惜しげもなく小さなボディに搭載したのです。
このGRレンズは余りの高性能のため、ライカなどのレンジファインダーカメラでぜひ使いたいという声が高まるあまりLマウント用としても形を変えて販売。
中古市場では名玉として珍重されています。
伝説を生み出すのに不足は一切ないレンズ。
それこそがGR 28mm F2.8なのです。
このレンズを使えるというだけで、中古でGR1を手に入れる価値はあるといえるでしょう。
あなた好みの設定で瞬時に撮影可能
そしてRICOH GR1には数値上の性能には現れない優れた点があります。
それが、撮影時の設定が基本的に保持されるため、電源を入れてすぐに撮影に入ることができるということです。
例えばGR1以前のコンパクトカメラでは、電源を切ると設定がリセットされてしまうことがままありました。
そのようなカメラで困るのが、デフォルトでストロボが自動発光となっている場合。
ストリートスナップではストロボを安易に使うのは厳禁です。
撮影していることに気づかれてしまうことだけでなく、自然光とストロボではでき上がる写真の絵柄も撮影意図も大きく変わってしまいます。
実際、GR1の元となったRICOH R1でも電源OFFでストロボが自動発光となってしまい、多くの写真愛好家から改善を望まれていたのでした。
GR1では、もちろんそんなことはありません。
スライドスイッチのため不用意に設定が変わることもなく、瞬時に目視確認可能です。
ストロボはもちろんのこと、直前まで使用していた設定を保持。
常に違和感なく、一瞬で撮影状態に入ることができるのです。
実用性の面でも、他の中古カメラや高級コンパクトカメラを凌駕する使いやすさを備えています。
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RICOH GR1のコンセプトと歴史
RICOH GR1の誕生。
そこには多くの写真家が愛用したコンパクトカメラの存在がありました。
ストリートスナップのための高級コンパクトカメラ
時代は1980年代後半に遡ります。
技術革新によって、多くのカメラメーカーが、単焦点レンズを積んだ小型のAFコンパクトカメラを販売するようになりました。
そんなカメラに目をつけたのが、街頭でのキャンディッド・フォトを信条とする写真家たち。
とくにKonica BIG-miniやOLYMPUS μなどのコンパクトカメラが、家族のスナップ写真という用途を離れ、ストリートスナップに抜擢されるようになったのです。
そんななかでRICOHも、他社のコンパクトカメラに勝るとも劣らないコンパクトカメラ、RICOH R1を1994年に送り出したのです。
35mmフィルムカメラの限界を超えた薄さを実現したR1もまた、多くの写真家、カメラファンに受け入れられました。
しかしながら、まだ初心者向けの機能を残していたR1に写真表現の道具として不足を感じた写真家達の間では、RICOHに対し更に無駄を削ぎ落としたカメラの発売を期待するようになりました。
事実、ここで挙げたBIG-miniやμ、R1といったカメラは、中古店ではジャンク籠に入っていることも。
家庭用として作られたカメラでは、プロには力不足だったのです。
RICOHはそんな期待に想像以上の形で応えてくれました。
超高性能のGRレンズと、瞬時に最適な設定が可能な操作性によって、GR1は伝説に変わったのです。
RICOH GR1のシリーズ一覧
最高のスナップシューター、GR1。
1996年の初代GR1登場以来、絶え間なく改良が続けられてきたGR1シリーズ。
ユーザーの不満点をフィードバックすることで、着実に進歩してきました。
1998年発売のGR1sでは、専用フードの取り付けとファインダー内照明の点灯が実現。
同年には機能を省いた廉価版、GR10も発売しました。
2000年発売のGR21は、超広角の21mmレンズを搭載したGR。
もともとカメラファンの間ではRICOH R1のパノラマ撮影機構を改造して、35mmフルサイズで21mmの画角を楽しむことが流行していたのですが、その流行にRICOHが公式にフィードバックした形になりました。
そして2001年には、改良版かつ決定版のGR1Vが発売。
GR1Vではオートブラケットとマニュアルフォーカスを搭載。
さらにフィルム感度設定がDXコードだけでなく手動設定可能となり、モノクロフィルムでの増感撮影も簡単に行えるようになりました。
GR1を中古で買うのなら
これら、フィルム時代のリコーのGRシリーズは、新しい機種ほど中古では高い評価が与えられています。
前機種のフィードバックが反映されていることも理由のひとつ。
初代GR1なら比較的中古でも手に入れやすいですが、GR1Vともなるとそれなりの中古価格がついています。
またカメラの特性上、外観がくたびれた個体も中古には存在します。
基本的に電子カメラのため、壊れると修理は難しいです。
状態がよく保証のついた中古を狙いましょう。
またこのカメラはレンズが命。
レンズの状態チェックも肝要です。
値段と状態を相談して、中古を探すとよいでしょう。
GR1にトライXを詰めて街に繰り出そう!
GR1のイメージ、それは増感したトライXを詰めてストリートスナップをするためのカメラ。
森山大道の撮影スタイルそのものであるともいえます。
森山大道に限らず、ストリートを主戦場とするカメラマンのほとんどが手にしているであろうカメラ、それがGR1。
デジタルのGRを使ったことがある人も、ない人も、中古でGR1を手に入れてぜひ体験してみませんか?
中古カメラのなかでも、ストリートスナップには最高の選択肢です。
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更新履歴
2021年3月24日
- スペック表のレンズの項目、焦点距離が抜けていたためGR Lens 28mm F2.8に修正
- スペック表の出典を明記(リコーイメージング公式Webサイト)
- BiG miniへの記事リンクを追加
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