PENTAX(ペンタックス) 645初代→N→NIIの比較
同じモデルやシリーズ、旧型・新型、1型2型の間に存在するそれぞれの「違い」を明確に理解することが難しいですよね。
ロングセラーモデルだと、第4世代ぐらいまでありますよね。
各世代によっても値段は全然違います。
でも、高ければいいというものではなく、大事なことは使う人のニーズにそのカメラが合っているかどうか。
これがなかなか分かりにくい。僕も未だに勉強中です。
そんなカメラやレンズの「違い」にスポットをあてていく、ブログに綴ることで、
購入を検討している皆さまの参考になる内容になれば、と思い始めました。
ということで今日は、未だ進化を続ける中判カメラ「PENTAX645」、その進化の比較をしてみたいと思います。
まず「645」のおさらいですが、言わずと知れた「6×4.5」のフィルムサイズで撮影出来るという意味です。
マミヤ645、コンタックス645などなど、同じ意味ですね。
中判の中でも手軽さを求める方が645を好む、というイメージがあるかと思います。
特にPENTAX645は、そのイメージを牽引した代表的なシリーズと言えます。
「手持ちでも撮影出来る一眼レフ中判カメラ」という評価が最も高いのは、このPENTAX645シリーズなんですね。
コンパクトでグリップによる安定感のある形状と、他社と比較してもずば抜けた軽量化に成功しました。
とは言え中判カメラですからやはり手振れの影響が出ます。
三脚を使って撮影しないとダメでしょという意見もあり、この評価付けには賛否両論がありますが、
スナップショット感覚で645フィルムを楽しみたいという方のニーズに、確実にはまったモデルとなったのです。
初代PENTAX645は1984年に発表、以降未だに愛され続けています。
その後1997年に645Nが、2001年に645NIIが発売されています。645NIIは今尚高額なモデルです。
こちらは以前当店で取扱いしました初代645の漆塗りモデルです。
その後、この機種にもデジタル化の波が押し寄せ、2010年に645D、2013年には645Zと
続きますが、デジタルカメラということで、今回は割愛します。
645中判を狙っている方では、安価に手に入りやすい初代645を購入しようか迷われている事が多いと感じています。
そんなPENTAX 645は、初代→N→NIIと、どう進化を遂げたのでしょうか?
そしてどのような基準で選ぶのがベストなのでしょうか?
初めての方にも分かりやすいよう、順を追って解説したいと思います。
初代と645Nの決定的な違いとしまして、645Nでオートフォーカスに対応した事です。
645と645Nでは、中古市場で本体価格は倍以上差があります。
MF愛好家であれば645もOKですが、より機動的な撮影をする場合、故障などのことを考えなければなりません。
販売終了してから15年程経過しています。そろそろ部品欠品も出てきています。
それを考慮すれば、MF愛好家でも645Nという判断がいいのかなと感じています。
ただ!
絞り環がA位置の状態で絞り優先AEができるのは初代645のみです。ダイヤル式を採用していない為です。
また、アルカリ電池の持ちは645の方が倍以上いいですね。
こうして見ると、初代645も全然あなどれません。
とは言えPENTAXのAFレンズの性能は定評あります。特にシャープさは旧来のMFレンズに比べかなり品質の評価は高いですから、色んな可能性も考えると予算が許せば645Nかなと思います。
その他細かいところはざっくりと
- 0.3EV ステップの露出補正
- メモリーロック
- 6分割測光
- オートブラッケッティング
- 多重露出
- セルフタイマー
このような機能が645Nで追加されています。
では645N→NIIどうでしょう?
決定的な違いはN㈼からミラーアップに対応した事です。
ご存知の方も多いとは思いますが、ミラーアップ機能によるメリットはミラー作動による振動(ブレ)を軽減できることですね。
当然、レフファインダーは使用できなくなりますが、これはやはり(三脚固定の)マクロ撮影などをする場合は非常に有効ですね。
プログラムシフトなどのカスタムファンクション機能の違いや、表面塗装の違いなどありますが、
ミラーアップ対応という事が最も大きく、それ以外は特筆すべき事では無い程度です。
形状は全く同一。塗装がつや消しになっていますね。
67機に比べると、645N、NIIともにミラーショックは驚くほど小さいです。ミラーアップがなくてもなんとかなります。
ですが長時間露光での撮影がメインになる方はN㈼がやはりオススメです。
その他細かいところはカタログ表記をそのまま引用させて頂くと、
- 超望遠レンズでの撮影時など、わずかなブレも許されない状況に対応するミラーアップ機能の新装備。
- 撮影スタイルに応じて、カメラの機能をカスタマイズ出来るペンタックスファンクションの標準装備。
- 撮影データ写し込み機能を大幅に拡張。全17項目にもわたる撮影データを、フィルムに自動記録。
- 1/3または1/2EVの補正ステップで、よりきめ細かな露出制御が可能になったオートブラケット設定。
- ボディ表面をマットフィニッシュ。より高級感のある、質感にブラッシュアップ。
となっています。これをみてもやっぱりミラーアップという事でいいのかなと感じます。
つまり、スナップショット感覚での撮影、鉄道の撮影などがメインの方は、645Nがベストマッチという事になります。
まとめますと、
645からAFに対応したのが645N、ミラーアップに対応したのが645NIIという進化となります。
初代はきれいなモデルは少なくなってきたとは思いますし、場合によってはオーバーホールが必要な事が多いです。正常に動く事はもちろん、今後のメンテの必要性など、きちんと確認の上購入をオススメします。
Nは未使用品などがまれに出現しますが、状態がいいものはかなり少なくなってきました。多くのコレクター様とお付き合いさせて頂いている当店でも、状態がいいものは中々入手が難しいです。
コンディションがいいものが出たら迷わず買いだと思います。かなり長い年月楽しめるかと思います。
ぜひご検討中の方は、まめに当店を要チェックして下さいね。
次回も、色んなカメラの違いのあれこれを解説していきたいと思います。
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